ロケットストーブとは?原理や構造を解説!のイメージ

ロケットストーブとは?原理や構造を解説!

ロケットストーブとはシンプルな構造ながら高温で燃焼し、コンロや室内の暖房として使うことのできるストーブです。 高い温度で燃焼するため、煙も少なく、少ない燃料で調理ができます。 そんなロケットストーブを、原理や構造から詳しく説明します!

2018年10月15日更新

sora.2017
sora.2017
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

目次

  1. ロケットストーブとは?
  2. ロケットストーブの原理
  3. ロケットストーブの燃焼の仕組みと燃料
  4. 色々な形のロケットストーブ
  5. ロケットストーブのメリットとデメリット
  6. 販売されているロケットストーブ
  7. ロケットストーブはシェルターの中でも使える?
  8. ロケットストーブは調理しながら暖房にもなる?
  9. ロケットストーブが生まれた背景とは?
  10. おわりに

ロケットストーブとは?

ロケットストーブとは、少ない燃料で高温燃焼する構造を持つストーブです。調理用のコンロとしてはもちろんのこと、廃熱を利用して暖房として使うこともできます。 高温で燃焼するため可燃性ガスも二次燃焼し、煙もあまり出ません。身近な材料で自作もできる簡易性があり、化石燃料を使わないことから、東日本大震災をきっかけに注目が高まりました。 様々な用途で活用できるロケットストーブ、まずはその原理から解説します。

manakamana88さんの投稿
22709168 1418219301610132 1784255837120757760 n

ロケットストーブの原理

ロケットストーブは、バーントンネルと呼ばれる燃焼管と、ヒートライザーと呼ばれる断熱された煙突で構成されます。 仕組みはとてもシンプルですが、煙突があることで炎が集約され、煙突の中を勢いよく上昇していきます。この強力な上昇気流を作り出すことで高温燃焼が可能になります。

出典: https://ja.wikipedia.org

ロケットストーブの原理

J字型の管が断熱材で覆われたシンプルな構造。

ヒートライザーについて

ヒートライザーの先端は600~800℃にもなります。煙突内の温度が600℃を越えると燃焼ガスなどが二次燃焼されるので、排気はとてもクリーンです。 構造上の重要なポイントは、ヒートライザーを断熱することです。 ヒートライザーを断熱し、温度を高く保つことがなぜ必要なのでしょう?それは、「吸気力」の計算式を見ると分かります。

hirosikondoさんの投稿
20759897 795368400646232 8812373147283095552 n

吸気力の生まれる仕組み

吸気力とは、煙突が空気を吸い上げる能力のことです。 ここに、吸気の強さを表す計算式があります。 吸気力=煙突の高さ×熱(煙突内温度-外気温) 吸気の強さは、煙突の「高さ」と「温度」の両方が関わっていることが分かります。

上昇気流を生み出す

ロケットストーブはヒートライザーを断熱することで煙突内が高温になり、煙突が短くても強力な上昇気流を生み出せるのです。 着火後しばらくして煙突の温度が上がるとドラフト現象が加速していき、その結果安定した空気の流れが作り出され、高温燃焼が可能になるのです。

schilderwerk123さんの投稿
23668329 1458673937573289 5983322779758362624 n

ドラフト現象とは?

あたためられた空気は密度が低く軽いため、浮力が生じて上昇します。 すると冷たい空気が下から吸い上げられ、空気の流れが作り出されます。 これがドラフト現象と呼ばれるもので、煙突効果とも呼ばれます。 筒状の管の中で火を焚くことでドラフト現象が生じ、煙突を断熱することでドラフト現象がより強まる、という仕組みで効率よく燃焼しています。

ロケットストーブの燃焼の仕組みと燃料

ロケットストーブのメリットの一つに、着火が簡単であることが挙げられます。 着火時は燃焼管の上に炎が上がりますが、ヒートライザーの温度が高くなるにつれ気流が安定し、燃料は先端のほうから点火して徐々に燃えていきます。 燃料は燃えていくにしたがって短くなっていくので、管理がしやすく、追加するのも楽にできます。バーントンネルが水平のタイプは、枝を奥に押し込んでいきます。

kamekichi.nidaimeさんの投稿
22793838 2004085613202882 5715444569995214848 n

燃料は身近なものでも大丈夫!

燃料は身近に手に入るものが使えます。枝、廃材、竹、割り箸、ダンボール、松ぼっくり等々。 竹を燃料として使えるのも、高温で燃焼する仕組みがあるロケットストーブならではのメリットですね。 林間サイトや山合いのキャンプ場では枯れ枝を簡単に集めることができますので、現地調達した燃料で煮炊きができるという楽しさも味わえます。

色々な形のロケットストーブ

ロケットストーブの原理と仕組みが分かれば、それを応用してロケットストーブを作ることができます。 組立可能な簡易なものから住宅の暖房に使われるものまで多種多様なタイプが存在します。 ここでは「16ブリック」「ペール缶を使った簡易型」「暖房」の3つを紹介します。

noriyukiyamanariさんの投稿
23507060 534659180213097 5124172683101077504 n

16ブリックと呼ばれるロケットストーブ

16ブリックとは、最も原始的なロケットストーブの形です。 材料は16個のレンガのみ。 レンガがあたたまるにつれ煙突効果で火力が強まり、単純な構造ながら調理も可能です。 こちらの動画を見ると、ブロックの積み上げ方が良く分かります。 たったこれだけの材料で作れるならば、思わず試してみたくなります。

ペール缶を利用したロケットストーブ

ロケットストーブの基本的な仕組みを利用して作る、DIY可能な簡易型のロケットストーブです。 主な材料は、ステンレスの鋼管と、ペール缶、断熱材です。 入手しやすい材料で作ることができるというメリットがあり、簡易型のロケットストーブを作る講習会が各地で行われています。

ペール缶は自作も可能

eiichiinui1124さんの投稿
18161452 1888354191434145 6947597677068550144 n

煙突部分をペール缶や一斗缶で覆い、その間に断熱材(パーライト等)を投入します。 断熱材は煙突効果を高めるために重要でしたね。これでヒートライザーを高温に保つことができます。 ヒートライザーの温度が上がれば「ゴーッ」という音と共に上昇気流が生まれます。ロケットストーブの名前の由来はその「ゴーッ」という音だと言われています。

五徳を置けばコンロにも!

nupurifilmsさんの投稿
18878987 1938195833066302 5851742346361700352 n

上部に五徳を置けばコンロになります。お湯を沸かしたり、煮込み料理や炒め物もできますし、網を置いてBBQをすることも可能です。 燃焼が安定すると炎が見えにくいので、うっかり火傷をしないよう注意して下さい。

暖房として利用するロケットストーブ

ヒートライザーに覆い(ドラム缶など)をかけて温かい空気を急降下(ダウンドラフト)させ、その廃熱を配管に流して利用するのが室内の暖房です。 廃熱を利用する配管は横方向に伸ばすこともでき、ベンチなどと組み合わせて使います。ベンチは、相性の良さから、土を材料として使うことが多いようです。

countrymaam_yukaさんの投稿
17662843 1909652089250557 7420711581970857984 n

ロケットストーブのメリットとデメリット

火を扱う楽しさを教えてくれ、自作もでき、暖房にもなる魅力たっぷりのロケットストーブですが、注意が必要な点もあります。 ロケットストーブのメリットとデメリットをまとめましたので確認します。

メリット

・少ない燃料で高温調理が可能。 ・身近な材料で作ることができる。 ・着火が容易。 ・短時間で安定した火力が得られる。 ・構造上、高温で燃焼するため、排気がきれい。 ・化石燃料を使わないのでエコである。 ・ライフラインが切断された災害時にも役立つ。

npo.manabiyaさんの投稿
20398878 1419405418145711 7034739368048721920 n

デメリット

・細めの薪しか使えないので薪割りの手間が増える。 ・高温燃焼するため、ステンレスの鋼管は腐食が激しい。 ・とろ火などの火加減が難しい。 ・自作したものでは、煙が逆流してしまうこともある。 ・室内では使えない

nabe_paneeさんの投稿
12105122 532645416893613 1692800985 n

注意点

一酸化中毒になる危険がありますので、室内では使わないで下さい。 ペール缶で自作する簡易型はステンレス部分の腐食が激しく耐久性がありませんが、販売されているロケットストーブの中には耐久性能が考慮されているものもあります。

販売されているロケットストーブ

ここまでロケットストーブの原理や仕組み、それを応用した色々な形をみてきましたが、ロケットストーブは作るだけでなく、製品としても販売されています。 その中からキャンプで使える3種類を紹介します。 キャンプで使う場合は、持ち運びできる重さ・大きさであることもポイントですね。

1、焚き火缶

ロケットストーブ |『焚火缶』 キット + 30cm煙突2本(φ120mm)

販売元:学火舎(まなびや) 重量:ペール缶と合わせて約3kg 20Lペール缶を用意すれば、そこにキットを組み込んでいくだけで、手軽にコンロとして利用できます。

Amazonで詳細を見る

組立は、仕切り板を2ヶ所ねじ止めし、切り込みに従って十字に組んでペール缶に入れるだけ。DIYに自信がないという方でも間単につくることができます。

1-1、特徴

天板の面積が広いので、やかんとスキレットを同時に置くことも可能。 蓋を半分外して網を置くとBBQもできます。 燃料の投入口が広いので、ロケットストーブでは珍しく、太目の薪も使えます。 断熱されたヒートライザーを持たないなど、ロケットストーブの仕組みと異なるところがありますが、調理には問題なく使えます。また断熱構造を持たないため近くにいると輻射熱で暖かいというメリットもあります。

asobito.kanadaさんの投稿
20347421 863597317138493 1520371332762566656 n

2、EcozoomVersa エコズーム・バーサ

薪ストーブ| エコズーム・バーサ

販売元:ecozoom 重量:6.5kg 直径240x高さ290mm

Amazonで詳細を見る楽天で詳細を見る

頑丈なつくりで耐久性も考慮されている一品。 ヒートライザーがしっかり断熱されているので、燃焼性もばっちりです。 周囲を触ってもあまり熱くないので、小さい子供さんがいても安心です。 13,000時間の耐久性能。

2-2、特徴

燃料の投入口の下に空気取り入れ口があり、効率よく酸素が供給される仕組みになっています。 安定感があるので、スキレットやダッチオーブンとも相性抜群。

livoutdoor_zaandamさんの投稿
18443323 1914608535421298 8808918644957380608 n

3、tent-Mark DESIGNS マキコンⅡ

tent-Mark|DESIGNS マキコン2

ロケットストーブの原理を応用して開発されたコンロ。 二箇所で調理可能。 販売元:tent-Mark DESIGNS 重量:4.7kg 大きさ:長さ560mm×幅310mm×高さ500mm

Amazonで詳細を見る楽天で詳細を見る

森本 高広さん(もりもと技術研究所)デザインのコンロで、2016年にグッドデザイン賞を受賞しました。 組み立てて使うタイプなので、収納もコンパクト。別売りの収納袋に入れて持ち運びできます。

3-3、特徴

煙突上部と水平になった胴体部分の二箇所で調理が可能。 ポップコーンが弾けるということは、水平部分も火力が強いということが分かります。

jori_emonさんの投稿
19534516 116104465670914 5450678042563182592 n

ロケットストーブはシェルターの中でも使える?

冬のキャンプ場で、シェルターから突き出た煙突を目にすることがあります。 暖かそうで心が和む光景ですが、そのほとんどは「薪ストーブ」を使っています。 ロケットストーブを熟知していれば暖房として使うことも不可能ではないようですが、基本的にロケットストーブは高温の火力を利用して調理をするのに適したコンロです。 また、シェルターの中でロケットストーブを使うのはお勧めできません。 閉じられた空間の中では一酸化炭素中毒になる危険があるため、屋外で使ってください。

sangoo3さんの投稿
23594967 1978749385731294 7393601954556936192 n

ロケットストーブは調理しながら暖房にもなる?

キャンプで使うロケットストーブは、ヒートライザーから出た熱を煮炊きに使うので、用途としては暖房用というよりは調理用になります。 またロケットストーブは煙突部分が断熱されていて、熱を外に逃がさない構造を持ちます。そのため、断熱構造がしっかりしているものほど、薪ストーブのような輻射熱が発生しづらいのです。 ただ「焚き火缶」のように断熱構造を持たないものは、周囲を囲んで暖をとることもできるようです。

a2shit74さんの投稿
23596590 1545520575531874 4026433532493561856 n

ロケットストーブが生まれた背景とは?

ロケットストーブは1980年代にアメリカで開発されました。 日本では、荒川純太郎さんが2006年に自作のロケットストーブを作り、その話を聞いた石岡敬三さんが2011年に「現代農業」の中で紹介し、広まりました。 東日本大震災の折、ロケットストーブの情報が被災地に向けて多く発信され、注目を集めました。 燃料をその場で調達でき、ライフラインが途絶えた現場でも利用できるというロケットストーブのメリットから、現在でも防災フェアなどで数多く紹介されています。

riderscafe55mileさんの投稿
23507998 192405547995813 7465019160381095936 n

おわりに

ロケットストーブがどのようなものか、メリット・デメリットも含めて解説してきました。 原理や仕組みがシンプルなため、身近な材料でDIYも可能であり、化石燃料を使わないというエコな一面も持ち合わせています。 ライフラインが断絶した場合にも火を焚くことができるので、防災用品としても役立ちますね。 ロケットストーブの面白さを、まずはキャンプで堪能してみて下さい!

kazuya.5minさんの投稿
23161799 481328722251126 380924089751044096 n

関連するまとめ

アクセスランキング

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ