オカトラノオとは
オカトラノオは比較的平地や低い野山などに咲く多年草の植物です。茎が伸びその先端に白く小さな花を無数に咲かせ日本でも歩いて行ける場所に多く咲き、普通に見られる花となっています。
科名
オカトラノオの科名はサクラソウ科の植物で属名オカトラノオと呼ばれています。サクラソウ科はそのほとんどが多年草か一年草であることが特徴で茎の先端に花を咲かせます。野山に咲いているものは白い花が多いですが、シクラメンなどの観賞用はピンクなど色鮮やかな品種が多いです。
学名
オカトラノオの学名は「Lysimachia clethroides」といいマケドニア王を称え、その名である「リュシマコス(Lysimachus)」から取りこの学名が付けられたといわれています。clethroidesの部分はリョウブ属に似たという意味の(Clethra)からつけられました。
花名由来
虎の尻尾が垂れている姿に似ているところから取った「トラノオ」と、日当たりのよい丘に多く咲いていることからこの二つを組み合わせてオカトラノオと呼ばれるようになったそうです。
オカトラノオ/品種・原種
オカトラノオは日本全国に多く自生している植物なので、名前を知らなくても見かけたことがあるかもしれません。トラノオと付く種類は色々あるので見ていきましょう。
オカトラノオとよく似ているものとして、ノジトラノオもあります。この品種は普通のオカトラノオと姿があまり変わらないようです。
ぬまトラノオという種類もあり、オカトラノオと組み合わせた品種にイヌヌマトラノオも存在しています。
ヒマラヤトラノオと呼ばれている白い花ばかりの中では珍しいピンク色の花を咲かせる可愛い種類もあります。
ルリトラノオは青みがかった紫のような花を咲かせてくれます。白ばかりで面白くないという方にはこのような品種もあるので組み合わせると一般的な白い花も際立たせることができます。
原産地
オカトラノオの原産地は日本では北海道から九州地方にかけて自生しているのはもちろんのこと、中国や朝鮮半島にもある植物です。
分布域
オカトラノオは日本でも多く見られる草花ですが、東アジアや亜熱帯地域にも広く分布しています。
オカトラノオ/花言葉・開花時期
植物にはひとつひとつに花言葉がつけられています。姿からとった意味のものや見た目からは全く想像もできないような花言葉がつけられていることもあり、調べてみるとその植物を良く知るきっかけを作ってくれることもあります。オカトラノオにはどんな意味がこめられているのでしょうか。
花言葉
オカトラノオの花言葉は「優しい風情」と「清純な心」です。「騎士道」という意味もあるようですが、分かった意味だけを見ても花の白さから純粋さや真面目なイメージがあるようです。
由来
白い花から清純さを連想させるのは分かりましたが、「騎士道」はどこからきたのでしょうか?マケドニア王の名をつけられていることから王に仕える戦士をイメージさせてくれますね。
開花時期
オカトラノオの開花時期は7月~8月です。長く伸びた茎に白い花が咲き秋になると葉を紅葉させるので花だけでなく季節が移り変わっていく姿を目で見て楽しむことができます。
オカトラノオ/特徴
オカトラノオは成長すると50センチから100センチくらいまでその茎を伸ばします。花穂にたくさんの白い小さな花を咲かせると、その重みからか先端が曲がり下がってきます。この垂れた姿が虎の尻尾みたいに見えるのでとても可愛らしいですね。
オカトラノオ/育て方・栽培方法
難易度
オカトラノオは日本に多く自生していることからも分かる通り、とても育てやすい花です。寒さや暑さなどの気温の変化にも強く北海道にも咲いているので耐寒性は特別強いようです。
時期
花を咲かせるのは7月~8月ですが寒さにも暑さにも強いのであまり時期にこだわりすぎなくても大丈夫なようです。ですが冬は咲かないので春の暖かい時期からの栽培がおすすめです。
植え付け
オカトラノオの植え付けはまだ少し肌寒い2月~3月くらいから行います。乾燥には弱いので冬場に植えるのはおすすめできません。鉢やプランターを用意しておきましょう。
種まき
種からの栽培は少し時間がかかるので2月に行います。鉢やプランターでも育てることはできますが、茎が大きく長く育つので庭などの広い場所のほうが見映えもよく日光にも当てやすくなります。
水やり
乾燥には弱いので暑い時期はこまめに水をあげます。放置されても勝手に育つくらい強い植物なので庭で栽培する時はあまり水は必要ありません。土の表面が乾いているのに気付いたらあげる程度でも大丈夫です。
肥料
鉢植えでの栽培は草花用の市販されている肥料を少なめにあげます。庭での栽培では必要なく、基本的に肥料をあげなくても育つのでわざわざ購入しなくても簡単に育てることができます。
剪定
オカトラノオは秋になると葉が紅葉していきやがて枯れます。ですが土の中で根は生き続け冬を越えまた春になると元気な芽が出てくる植物です。普段は必要ない葉を切ったりなどしなくてもいいのですが、元気すぎて土の中の根が増えすぎることがあるので根を減らすために鉢などを変える必要があります。
増やし方
オカトラノオはとにかく根を沢山生やすので、種より株分けする方が簡単に増やすことができます。土に埋まっている根を掘り上げてから地下茎の部分を切り、増やしたい数にしてから鉢やプランターに入れ土をかぶせます。この株分けも2月~3月に行うのがいいとされています。
場所
栽培に適しているのは日当たりのいい場所です。しかし乾燥に弱いので湿り気の少ない所だと上手く成長せず茎の伸びも悪くなり花もあまり咲いてくれなくなるので注意が必要です。
植え替え
オカトラノオは生命力が強いので気付いたら根が地中に張り巡らされているなんてこともあります。あまりに根の数が多くなってしまうと他の植物の成長を邪魔するなどの悪影響が出てしまうので、ある程度育ってきたら土から掘り起こし別の容器に植え替えるのが適しています。
オカトラノオ/その他おすすめ情報
オカトラノオはハーブの一種なので飲み物にしたり白く小さい花を飾り付けとして使うことができます。生ではあまり食べることはありませんが、使用する時は乾燥さえるのが適しています。
オカトラノオの効能
ハーブとして使える植物であるオカトラノオですが、葉や根を切り取り天日干しにすることで、煎じてハーブティとして飲むことが出来るようになります。生理不順やむくみなどに効果があり女性には嬉しい効能が隠されているようです。
花束やフラワーアレンジメントにして楽しむ
オカトラノオは長く伸びた茎に咲く小さな花が特徴です。花束を作る時にアクセントとしてカスミソウを入れるように色とりどりの花の中に混ぜると垂れた姿が印象に残って変わった見た目のものが出来上がります。
白だけでまとめた花束でも、清純な心という花言葉が似合って清潔な印象をうけますね。
フラワーアレンジメントを作る時は、そのままでは茎が長いので切り取って使います。コンパクトにまとめたい時は先端の方を残すだけでも角が出てるようで印象に残る作品が作れますね。
まとめ
オカトラノオは色によって姿が多少違っていて日本に多く自生するのは白い花を咲かせる品種です。根も張りやすく種を落としあまり世話をこまめにしなくても立派に成長できるこの植物は初心者にも優しく育てやすいので、ハーブの手入れをしたことがない方にもチャレンジしやすいです。この花をきっかけにして育ったものを使い、ハーブティーを飲んでみたり見映えが良くなるように考えるフラワーアレンジメントにも挑戦したりと色々なことができるのでぜひ苗からの栽培をしてみてはどうでしょうか。