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レッドデビルとはこいつだ!アメリカオオアカイカの特徴と生態に迫る!

アメリカオオアカイカという生物を知っていますか?日本ではあまりなじみのない生物ですが、海外の一部地域ではレッドデビルとも呼ばれる巨大なイカです。ここではアメリカオオアカイカの特徴とその生態、そしてなぜレッドデビルと呼ばれるかについてご紹介します。
2020年8月27日
lightright13
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アメリカオオアカイカ/分類

開眼目アカイカ科アメリカオオアカイカ属

アメリカオオアカイカは、アカイカ科に属する巨大なイカです。 成長すると外套約2メートル、体重50キロほどまで大きくなります。

アメリカオオアカイカ/外国名

Humboldt squid

「フンボルトのイカ」と英名がついていますが、これはフンボルト海流が流れているあたりに生息地域があることに由来しています。 あるいは見たまま「Jumbo squid(ジャンボ・スクイッド)」と呼ばれることも多いです。 さらにはキラー・スクイッド(人食いイカ)やレッド・デビル(赤い悪魔)などとも呼ばれていて、なにかと呼び名の多いイカです。

アメリカオオアカイカ/学名

Dosidicus gigas

gigasは「巨大な」という意味を持っています。 和名が「オオ◯◯◯◯」などの生物は、学名にgigasとついていることが多いです。

アメリカオオアカイカ/由来(漢字)


米国大赤烏賊

「アメリカの」「大きい」「赤い」「イカ」で「米国大赤烏賊」。そのままですね。 ちなみに烏賊の由来は、カラスが水面に浮かんだ死んだように見えるイカを食べようとします。すると近づいたカラスにイカが足(触腕)を絡めてカラスを海中に引きずり込み、そのまま食べてしまった、という中国のお話に基づいている説があります。 また賊という字には、そうして騙し襲われるカラスにとっては恐ろしい「賊」のようなもの、という意味があります。

アメリカオオアカイカ/生息地域・分布

メキシコ~ペルーの太平洋側

英名の由来でもある、南米のフンボルト海流(ペルー海流)あたりの、深海200~700メートルあたりに生息しています。 しかし、近年では北方に生息地域が移動していることが確認されています。これは主に温暖化による水温の上昇などが原因と考えられています。

出典: https://unpac.wordpress.com/

アメリカオオアカイカ/特徴・形態

アメリカオオアカイカの特徴① 成長速度

アメリカオオアカイカは外套(がいとう)部分だけで2メートルほどまで成長し、その体重は50キロ近くにもなります。つまり人間とそう変わらない大きさになるのです。 そして驚くべきはその成長速度です。 イカはほとんどが寿命が短く、アメリカオオアカイカの寿命は約1年と言われています。たった1年で大人の人間と同じ大きさまで成長することを考えると、凄まじい成長速度です。 もしアメリカオオアカイカの寿命がもう少し長ければ、巨大なイカとして有名なダイオウイカと肩を並べるほどの巨大生物となっていたでしょう。

アメリカオオアカイカの特徴② 肉食性

アメリカオオアカイカは肉食性で、主に甲殻類や小魚を捕食します。 1,000匹以上で群れを作って行動することが多く、小魚の大群を狙って襲いかかります。 食欲旺盛な性格で、時には弱った仲間を共食いすることもあります。


アメリカオオアカイカの特徴③ 体色変化

アメリカオオアカイカは頭足類のため、ほかのイカやタコと同じように体色を変えることができます。 獲物を攻撃するときや、外部から刺激を受けた場合には、体全体の色を変えて相手を威嚇します。 またこの体色変化を利用して、仲間とのコミュニケーションをとっていると考えられています。

アメリカオオアカイカ/釣り情報

アメリカオオアカイカは南米太平洋側に生息しているため、残念ながら日本では釣ることができません。 アメリカオオアカイカはペルー沖でイカ釣り漁船によって漁獲されています。 なので南米の西海岸まで出向けば、アメリカオオアカイカを釣り上げられる可能性があります。 テレビなどで巨大イカを目にすることはありますが、実物を生で見ることはそうありません。 興味がある人なら南米に旅行にでも行くと、生きた巨大イカを見ることができるかもしれません。

アメリカオオアカイカ/味・選び方

知らないうちに食べたことがある人も多い

イカの天ぷらやさきイカなどのイカの加工品は、昔はほとんどがスルメイカでした。しかし、スルメイカの漁獲量が激減したことが理由で、それに取って代わる資源が必要となりました。 その代わりとなったものが、アメリカオオアカイカです。 ただしイカの加工製品の原材料に「アメリカオオアカイカ」と記載されていることはまずありません。単純に「イカ」と書かれていることが多いので、スルメイカだと思って口にしていたイカフライが、実はアメリカオオアカイカだったということは十分にありえるのです。

巨大イカはもともと食用とされていなかった

さらに、アメリカオオアカイカのように巨大なイカには、塩化アンモニウムが多く含まれています。 そのためスルメイカなどと比べると、異臭やえぐ味が強い傾向があります。 また、加熱した場合は酸味の元ともなってしまいますので、アメリカオオアカイカを美味しく加工するのは難しいのです。 アメリカオオアカイカの肉質を劣化させないよう塩化アンモニウムを除去し、なおかつ美味しく食品加工する技術が、今でも日々研究されています。

アメリカオオアカイカ/栄養・寄生虫

タウリンが豊富に含まれている

タウリンは魚介類に多く含まれており、アメリカオオアカイカからもたくさんのタウリンを摂取することができます。 タウリンは含硫アミノ酸と呼ばれるもので、体に取り入れることで主に血圧降下に期待できます。


アメリカオオアカイカ/料理・調理方法

濃い目の味付けは必須

アメリカオオアカイカはえぐ味や匂いが強いため、生食には適しません。 しかも加熱すると、今度は酸味が出てきてしまうという厄介な特性があります。 そのため一般家庭で調理することはまずありませんが、スーパーですでに加工されたものが販売されていることはあります。 もちろんそのほとんどは、スルメだったり、天ぷらだったりと、何らかの加工がされています。そしてアメリカオオアカイカのクセを隠すため、濃いめの味付けが施されていることが多いです。

アメリカオオアカイカ/レッドデビルと呼ばれる由来

別名レッドデビル(赤い悪魔)

アメリカオオアカイカは釣り上げられた刺激で、体色を赤に変えて暴れまわることがあるため、メキシコなどの漁業関係者にはレッドデビル(赤い悪魔)と呼ばれています。 その呼び名から、かなりの獰猛性があるようなイメージをしてしまいますが、実際には人間に襲いかかるほど気性は荒くありません。 強い光などで刺激すると人間に危害を加える行動をとることもありますが、稀なケースです。 ただ、大人の人間ほどの大きさのイカが船の上で暴れることを考えると、レッドデビルと呼ばれても不思議ではありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 日本ではあまりお目にかかることのできないアメリカオオアカイカ。サイズ感含めてすごい生態ですよね。レッドデビルと言われることがすごく納得できます。 もし機会があればぜひ食してみてくださいね。