ジャスミンとは?
科名
モクセイ科ソケイ属
学名
学名 Jasminum
花名の由来
ジャスミンとは、ペルシャ語のヤースーミン(神からの贈り物)という言葉から由来されています。 ハーブティーの名前、そして欧米から中近東では女性の名前としても用いられており、耳にしたことがない人はいないと思います。
ジャスミンの品種・原種
アフリカやアジアの熱帯地方・亜熱帯地方
原種
オキナワソケイ 日本のジャスミンで唯一の原種です。 オキナワソケイは絶滅危惧2類に指定されているそうです。
品種
世界に数百種類もあるといわれているほど、ジャスミンの品種は数多くあります。 数百種類のなかから代表的なジャスミンの名前を以下にまとめてありますのでご覧ください。 ・ハゴロモジャスミン 4月頃になると薄いピンクや美しい純白の花を咲かせます。 ・アラビアンジャスミン(マツリカ) 白く美しい花で、香りが強いのが特徴です。 ハーブティーで利用されているものの多くがアラビアンジャスミンになります。 ・オウバイ(黄梅) 黄色の花を3~4月に咲かせます。 “梅”という漢字が入っていますがジャスミンの仲間です。
ジャスミンの花言葉
ジャスミンは色によって花言葉が違いますが、花の色に影響されない花言葉が以下になります。 【愛想のよい】 【優美】 【好色】 【官能的】 【あなたについていく】 【愛らしさ】
花言葉の由来
白く清楚な姿をしているジャスミンですが、官能的な香りを放ちエキゾチックなところから由来されています。 【優美】 【愛想のよい】などは、花の姿から、 【官能的】 【好色】などは、ジャスミンのもつ香りから由来されています。
ジャスミンの花言葉<白>
日本での花言葉 【温順】 【柔和】 【好色】 西洋での花言葉 【amiability(愛想のよさ)】 【sensuality(好色)】
ジャスミンの花言葉<黄>
日本語の花言葉 【優美】 【優雅】 西洋の花言葉 【grace(しとやか、上品)】 【elegance(優雅)】
ジャスミンの花言葉<ピンク>
【誘惑】 【官能的な愛】 【優雅】 【喜び】 【愛嬌】
ジャスミンの花言葉<青>
【密かな情熱】 【いつも明るい】 【同情】 【心より同情します】
ジャスミンの開花時期
開花時期は3~5月・7~11月です。 ただし、品種によって開花時期は異なります。 【ハゴロモジャスミン】4~5月 【コモンジャスミン】4~5月 【アラビアンジャスミン】7~9月 【オウバイ】3~4月
ジャスミンの特徴
ジャスミンは数多くの品種があり、特徴も様々です。 しかし、【マダガスカルジャスミン】と【カロライナジャスミン】は名前に“ジャスミン”とついていますが、全く別の違う品種になります。 マダガスカルジャスミンはガガイモ科に属していて、カロライナジャスミンはフジウツギ科に属しています。
ハゴロモジャスミン
つる性の低木で、つるが長く伸びて絡みつきます。 鉢植えで育てることができ、4月頃になると1つの株から30~40輪の花を咲かせます。 花の色は純白や薄いピンクです。
アラビアンジャスミン
白く美しい花を咲かせ、香りが強いです。 ハーブティーであるジャスミンティーに利用されているものの多くはアラビアンジャスミンです。 咲き始めの花を摘み、茶葉と混ぜて香りをうつすそうです。
育てやすいジャスミンもある!
現在では、品種改良が進み、寒さに強い品種がでてきています。 寒い地域に住んでいる方も是非チャレンジしてみてください!
ジャスミンの育て方・栽培方法
難易度
難易度 中級者向け 寒さに弱いというところから中級者向けになっています。
時期
ジャスミンを育てるにあたり、植え付けの時期は重要なポイントになっていきます。 植え付け時期は3月下旬~4月下旬・9月下旬~10月下旬です。
ジャスミンを育てるコツ
ジャスミンは太陽が良く当たる、日当たりがいい場所を好みます。 春・秋は1日中 日の当たる明るいところに置いてください。 鉢植えの場合ですが、夏は直射日光が当たると葉焼けてしてしまいます。 なので、日中は日陰に移動させましょう。 注意が必要なのは梅雨の時期です。 水が多いと成長に影響がでます。 生育が遅くなり、枯れてしまうこともあるので気をつけてください。 鉢植えの場合・雨の当たらない場所へ移動してください。 庭植えの場合・マルチを張り、ワラを敷いてください。 もみ殻くん炭を混ぜ、水はけを良くしましょう。 冬は室内で管理してあげてください。 暖地の場合、冬でも屋外で育てていても枯れませんが、雪の降るような寒い地域の場合は室内へ入れてください。 室内で管理する際、窓際に置いてあげると、葉が変色しにくく健康に育ちます。
ジャスミンの植えつけ
ジャスミンの育成に失敗するか失敗しないか…。 それは、育てやすいジャスミンを選ぶこと。 そして、ジャスミンを買って来て、植え付ける時です。 失敗しない植え付けの詳しいやり方を紹介します!
植え付けは慎重に!
ジャスミンは挿し木で苗を作ります。 苗を植えつける時期は上記でも記載しましたが、3月下旬~4月下旬・9月下旬~10月下旬です。 ジャスミンは寒さに弱い品種です。 摂氏2度~5度が、ジャスミンが耐えられる寒さの限界です。 春先(3月下旬~4月下旬)なら朝露が降りていないことを確認してから、秋(9月下旬~10月下旬)は気温が限界気温まで下がりきる前に植え替えを行ってください。 ジャスミンの根は傷に敏感ですので、扱う時は丁寧に扱ってください。 植え替えの時、根に傷がついてしまうと、上手く育たず、枯れる原因になってしまいます。
ジャスミンを育てる用土
用土は中性のものを使用してください。 中性、または弱アルカリ性の水はけの良い土でも大丈夫です。 ホームセンター等で売られているハーブ用の培養土はジャスミンに適しているのでオススメです。 庭の土、または使用済みの土は細菌が繁殖しているので使用しないようにしましょう。
ジャスミンの種まき
種まきの適した時期は、3月下旬~4月下旬の暖かい時期、9月下旬~10月下旬の秋になります。 ジャスミンは、挿し木で増やすことが一般的で根付いたものを苗木として販売されているので、種まきで育てるよりも、苗木を購入したほうが育てやすいと思います。
ジャスミンの水やり
鉢植えの場合
表土が乾いたら、たっぷりの水をあげてください。 水うけ皿に溜まった水は、根腐れの原因になるので捨ててください。 夏は毎日水やりを行います。 ポイントは、葉に水をあてないことです。 葉に水があたると光合成ができなくなります。 なので、水は根のほうにあげるようにしましょう。
地植えの場合
基本的に水やりをする必要はありません。 ですが、夏場に乾燥で土がカラカラになる場合には水やりをしてください。 朝か夕方のどちらで大丈夫です。
ジャスミンの肥料
肥料はなにをあげたらいい?
ジャスミンには有機化学肥料をあげてください。 ハーブ用の肥料で、カリ・窒素・リン酸を含んだものや、油かすなどのものを選んでください。
肥料をあげる時期
2月~3月の冬の時期に、寒肥として与えてください。 開花後の5月~6月頃にも肥料を与えると、順調に成長していきます。 固形の肥料の場合、根元に与えるのは避けましょう。 根が肥料焼けをしてしまいます。 なので、出来るだけ離れた場所へ置いてください。 液体の肥料の場合は水に薄めてください。 肥料が足りていないと、開花時期につぼみがついても茶色く変色し、花を咲かせないことがあります。 この場合、即効性のある液肥を与えてください。
ジャスミンの剪定
ジャスミンは繁殖力が強い品種です。 大きさを維持したいからと強剪定をすると、翌年に花を咲かせてくれなくなる可能性もあります。 剪定をやる時期・剪定のポイントを見ていきましょう。
剪定時期
剪定時期は開花後、なるべく早い時期(ハゴロモジャスミンの場合/6月)に行ってください。 遅くても9月までには剪定を終わらせます。
剪定方法
ジャスミンを綺麗に管理するには剪定は毎年行ってください。 脇からでたつるを間引きましょう。 1/3~2/3ほど切り戻してしまっても大丈夫です。 間引いたつるは挿し木として使えるので、増やしたい時は挿し木にして苗を増やせますよ!
上にあるイラストの濃い緑の部分がジャスミンの元の大きさ、黄緑の部分が育って大きくなった部分だとします。 ジャスミンの大きさを維持したいからと、黄緑の部分を全て落としてしまうと、翌年に花を咲かせてくれない可能性があります。 黄緑色の部分の1/3~2/3くらいをめあすに剪定を行ってください。
ジャスミンの増やし方
ジャスミンの増やし方は、挿し木で行います。
ジャスミンの挿し木
挿し木のやり方
ジャスミンの挿し木は、開花後(ハゴロモジャスミンは8~9月ごろ)に行います。 充分に成長している固い枝を選びましょう。 選んだ枝の、枝先から3~5節を切ります。 その後、切った枝を1時間ほど水に浸してください。 水にひたした後、新しい用土を用意し、枝を挿してください。 枝を挿した場所に土を盛ります。 最後に、たっぷりと水をあげ、根が張るまでは明るい日陰で管理してください。 土が乾かないよう適度に水をあたえてください。
シルクジャスミンについて
シルクジャスミンってなに?
シルクジャスミンとは、夏ごろにジャスミンに良く似た香りの花を咲かせる植物です。 名前に<ジャスミン>とついていますが、ジャスミンの仲間ではありません。 シルクジャスミンは“ミカン科”の植物です。 観葉植物として育てられ、とても人気があります。 また、耐寒性もあり、育てやすいところも人気のひとつです。
シルクジャスミンの育て方
ジャスミンとは違った種類の植物ですが、簡単に育て方を紹介します! シルクジャスミンは日当たりの良いところを好むので、日の当たる場所で管理してあげてください。 外で育てている場合は、秋口に10度を下回ってきたら室内へ移動してください。 シルクジャスミンは、水切れに弱く、夏場には乾きやすいので土が乾いたら、たっぷりあげてください。 ジャスミンを育てるのが難しいという方は、寒さに強いシルクジャスミンを育ててみるのもいいかもしれないですね!
ジャスミンのおすすめ情報
ジャスミンは美容と健康にとてもいい!
中国から伝わるジャスミン茶。 ジャスミン茶にはミネラルやビタミン類がとても豊富に含まれています。 ジャスミン茶は、緑茶や烏龍茶の茶葉にジャスミンの花の香りをつけて作られています。 なので、成分は緑茶や烏龍茶と同じで、 ビタミンC ビタミンE ビタミンE2 ミネラル 等が含まれています。 緑茶や烏龍茶は苦手だけれど、ジャスミンの香りが好きという方は挑戦してみるのもいいかもしれません!
ジャスミンには毒をもつものもある!
ジャスミンティーの香りづけに使用されている花で有名なのが<アラビアンジャスミン>です。 アラビアンジャスミン以外でハーブティーとして楽しめるものがないか調べていたら、驚く情報がありました。 ジャスミンの品種で<カロライナジャスミン>がありますが、草に毒があります。 摂取してしまうと眩暈や呼吸機能の低下といった中毒症状を起こし、最悪の場合死に至ってしまうこともあるそうです。 自分でハーブティーを作る際は、きちんと使うハーブについて調べることが大切です。
ジャスミンの香りはお茶以外にも使われている!
ジャスミンは香水やハンドクリームとしても使われてもいるようです。 お茶のイメージが強いですが、身の回りの雑貨としてジャスミンを楽しめることも可能なのです。 ジャスミンを家で育てることが出来ない人は、香水やアロマ、ハンドクリーム等で香りを楽しむのもいいかもしれませんね。