スウェディッシュトーチとは?
スウェーデンでの松明が由来
「スウェディッシュ」とは「スウェーデンの人」「スウェーデンの~」という意味があります。トーチとは炬火(きょか)という意味で松明を想像するとよいでしょう。それらを組み合わせると「スウェディッシュトーチ」とはスウェーデンの人が丸太や木材を用いて作った松明のことを指します。 「木のろうそく」「丸太ストーブ」「スウェーデントーチ」などの呼称があり、最近話題になっているところです。シンプルな作りでしかも薪を追加することなく、2時間から3時間かけて燃焼します。スウェーデンの人々のなかにはこのスウェディッシュトーチを明かりにしたり、調理用具で使ったり、北欧地区では冬場になると暖をとるために使用します。
スウェディッシュトーチ製作に必要なもの
準備はホームセンターでも揃えられる!
■ベース素材 丸太(5本)、薪(5束)、 ■必要道具 チェーンソー、電動ドライバーまたはプラスドライバー、太いねじ4本、当て木用の長めの木材2本、のこぎり、金づち、定規またはメジャー、針金。 ■装備 熱に強い皮手袋、ゴーグル、ヘルメット、安全靴または長くつ、木材用チョーク、 ■着火剤 木くず、割りばし、古新聞などです。 これらはホームセンターにて揃えることができます。丸太の材質は長時間燃焼を続けることのできる桜やケヤキ、樫木など硬い材料の木材が良いといわれています。
丸太を使ったスウェディッシュトーチの作り方
丸太スウェディッシュトーチの作り方:ステップ①
あらかじめ用意していた丸太の下部に当て木を添え、電動ドライバーまたはプラスドライバーにてねじ止めを作ります。 チェーンソーやのこぎりを使って切り込みを作るときに、丸太が動くことのないように固定させることと、足止めするときの足の置き場所を確保するために取り付けます。大き目の石を3個から4個ぐらい重しとしておいてもよいと思います。
丸太スウェディッシュトーチの作り方:ステップ②
次に丸太の下から20cmぐらいのところに木材用チョークでライン引きします。ライン引きしたところまでチェーンソーを使った縦にまっすぐに切り込みを作ります。 切り込みを入れたところまで燃焼しますが、そこから先は燃焼せずに残ります。丸太の上に鍋ややかんを置いても安定するように「米」字に切り込みを作ります。
丸太スウェディッシュトーチの作り方:ステップ③
切り込み部分は少し隙間が出来ますので着火剤として割りばしや落ち枝などを差し込みやすくするためにまっすぐに切り込みを入れた後はV字型に切削します。 横の隙間から着火剤の割りばしや枝木を金づちを使って差し込みます。奥まで差し込みますが、はみ出てしまった場合ははみ出た長さをのこぎりで切り落とします。
丸太スウェディッシュトーチの作り方:ステップ④
着火の準備です。新聞1枚~2枚を丸めてねじりを作ります。丸太の上部中央に木くずや新聞で作ったねじりを押し込みます。丸太の横から差し込んでいる割りばしや枝木に到達するように押し込みます。
丸太スウェディッシュトーチの作り方:ステップ⑤
最後にねじ止め部分を取り外すとスウェディッシュトーチの完成です。スウェディッシュトーチは平らな場所においてください。同様に必要であれば5本ぐらい製作すると用途が広がります。
薪を使ったスウェディッシュトーチの作り方
薪スウェディッシュトーチの作り方:ステップ①
8本の薪を使用して「米」字になるように束ねます。束ねた薪は同じ長さに揃える必要があります。揃っていない場合は、はみ出している部分をのこぎりで削ぎ落します。
薪スウェディッシュトーチの作り方:ステップ②
束ねた薪の下から20cmのところに木材チョークでライン引きをして、針金を巻き付けます。細い針金の場合は4周から5周、太い針金の場合は3周ぐらい巻き付けます。底面と地面の接点が平らになるよう調節してください。準備が整いましたら金づちの持ち手やプラスドライバーを使って針金を締め付けます。
薪スウェディッシュトーチの作り方:ステップ③
着火剤の差し込みです。束ねた薪の下を針金で締め付けると上の部分の隙間を閉じられたような状態になります。ほんの少しの隙間になりますが、割りばしや枝木を金づちを使って差し込みます。この時に強い力を加えると折れてしまうことがあるため、注意が必要です。
薪スウェディッシュトーチの作り方:ステップ④
上部中央には鍋ややかんを置いて安定することを確認してから木くずや新聞で作ったねじりを差し込みます。丸太と同じくらいの安定感があると料理がしやすくなります。これで薪を使ったスウェディッシュトーチの完成となります。同様に5本ぐらい製作すると用途が広がります。
スウェディッシュトーチの燃焼方法と燃焼持続時間
着火前の確認事項!
着火する前にまず、風力の強弱を確認します。スウェディッシュトーチは隙間から風が流れると燃焼しやすくなりますので風力の強いときは穏やかになるのを待ってから着火してください。 周りに燃えやすいものがないかどうか確認してください。周辺に燃えやすいものがあり、飛び火になると一瞬にして山火事となることもありますので十分な注意が必要です。
着火の仕方!
着火剤はすでに差し込みされていますので、マッチやライターを使って上部中央に差し込んだ着火剤に着火します。着火するまでの時間はおおよそ5分から10分です。 丸太や薪は乾燥材を使用することが最善ですが、湿っている状態の場合は着火までの時間がかかります。生木は十分な乾燥が必要です。着火後は火力を調節することができませんので湯沸かしや鍋料理をする場合には火力が落ち着いてから行うとよいでしょう。
燃焼時間
燃焼時間は材質にもよりますが、おおよそ2時間~3時間です。切り込みの入っているところまで燃焼しますが、そこから下は燃焼しませんが、最後まで燃焼させることもできます。その場合はドリルや桐などで中央に穴をあけて木くずなどを入れる必要があります。底面の中央に穴をあける方法もあります。
スウェディッシュトーチの使い方
スウェディッシュトーチの使い方としていくつか取り上げたいと思います。
使い方1、耐熱用鍋での使用
トーチの上に耐熱用鍋を使っての鍋料理などでの使用方法です。 スウェディッシュトーチは火力の調整がききませんので火力が強いときに鍋をかけると底面が焦げてしまう恐れがありますので、火力が落ち着いてから鍋をかけるのがよいでしょう。
使い方2、焼き網の使用
焼き網を使ったバーベキュー。網の上に食材を置いて火の通り具合を見ながらしっかりと焼いてから食するのがポイント。炭焼きと違ってじっくり型ではなく、焼き加減を常に確認することが必要になります。
使い方3、キャンプファイヤー
キャンプファイヤーとしての使い方です。スウェディッシュトーチを5個から6個ぐらい用意して円形または三角形を作り、その周辺を人が囲みます。大きな炎は出にくいと思いますが、周辺が明るくなるのでキャンプファイヤーを楽しむことができます。
使い方4、吊り具を使用した調理
トライポッドと呼ばれる吊り具をスウェディッシュトーチの真上にセットして鍋鍋料理などを堪能する使い方です。鍋の高さを調節できますので、この吊り具を使い、トーチからの鍋までの高さによって火加減を調節できます。やかんを使ってお湯を沸かすこともできます。
その他
そのほかに焚き火会場とテントを張っている場所との距離がある場合はテントまでの通り道を示す篝火としての使い方です。人の気配のない場所でキャンプをしている場合は周辺が暗いと通り道が見にくくなりますので大変有効に使用できます。
まとめ
キャンプ自体が初めてであり、焚き火も初めてという方には少々苦労していただくこともあると思いますが、十分に楽しむことができると思います。 焚き火としてはもっとも単純な方法は古新聞の上に薪を前後左右に組合わせて着火する方法です。スウェディッシュトーチと比較すると燃焼時間も短く、型が崩れていくことと何度も薪を追加しなければなりません。 料理をするときは焚き火の上に鍋などを置くことができないため、専用のテーブルなどを用意する必要があります。 またスウェディッシュトーチはホームセンターやWeb上でもあらかじめ切込みの入った状態で販売しています。初心者の方向けに着火剤付きのスターターキットも販売していますので是非お試しください。