エディブルフラワーとは
どんな花でも食べられるの?
「エディブルフラワー」って聞いたことありますか? これは「Edible(食用)、Flower(花)」を組み合わせた言葉で、食べられる花(食用花)の花を指します。 ただし、エディブルフラワーはどんな花でも食べられるのではなく、農林水産省のガイドラインに基づいて、食用に栽培された花だけです。
農薬がかかっていないものを選ぼう
ご自宅でエディブルフラワー専用と種や花のついていない苗を購入して育てることも可能ですが、例えばフラワーショップなどで購入した花は、もともと食べることを想定して栽培されているわけではありませんので、農薬を使って栽培されていることも十分考えられます。これら園芸店などで花を食べることは控えたほうがいいかもしれません。 また毒を持った花もあるので、しっかり種類を見極めましょう。
花には栄養があるのか?
野菜や果物の中でも、ビタミン類の含有量が高いブロッコリーやレモンなどがありますが、これらの食材と栄養価を比べても、エディブルフラワーに含まれるビタミン類は高いです。 花の栄養価がなぜ高いのかということですが、植物は子孫の繁栄のために、特に花に栄養を注ぐため、花の部分は野菜や果物類に引けを取らず栄養が豊富なのです。
栄養面を他の食材と比較してみよう
エディブルフラワーに含まれる栄養素について他の野菜など比べてみますと、以下のようになりました。
カーネーション
・ビタミンA…530 ・ビタミンB1…0.06 ・ビタミンB2…0.14 ・ビタミンC…78 ・糖質(g)…13.3 ・繊維質(g)…2.3 に対して、 身近な野菜でビタミンCなどが豊富とされるブロッコリーと比べると
ブロッコリー
・ビタミンA…720 ・ビタミンB1…0.12 ・ビタミンB2…0.27 ・ビタミンC…160 ・糖質(g)…6.7 ・繊維質(g)…1.1 というふうになっています。ビタミンの量については、野菜などと比較しても決して少ないことはありません。 彩りだけではなく、栄養価値もあることがわかります。
エディブルフラワーの品種や原種について
「エディブルフラワー」といっても種類はたくさんあります。皆さんになじみのあるお花で「エディブルフラワー」と呼ばれているもの、実はたくさんありますよ。今回はその中でもお菓子や料理によく使われているお花を例として3つほど、原産地や花言葉などを交えてご紹介いたします。
エディブルフラワーの種類①
パンジー
【エディブルフラワーとしての特徴】 紫や青色系など、野菜や果物にはない色合いなので、飾りとしても彩りが鮮やかに。味は淡白で、苦みも少ない。食物繊維、ビタミンA・ビタミンCが豊富。 【学名】 Viola 【科名】 スミレ科 / スミレ属 【原産地】 ヨーロッパ 【分布域】 パンジーの園芸品種の原種である野生種はヨーロッパ、北アメリカなどの3種が自生している
花言葉/由来/開花時期
【花言葉】 もの想い、純愛 【由来】 スミレ属の中から派生した。現在の園芸品種は、人工的に合成された品種。 【開花時期】 3月~6月
エディブルフラワーの種類②
ダイアンサス(ナデシコ)
【エディブルフラワーとしての特徴】 花びらの形を生かした飾りとして活用される。ガクには苦みがあるが、花自体は味と香りにはクセがなく食べやすい。 【学名】 Viola 【科名】 スミレ科 / スミレ属 【原産地】 ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、南アフリカ 【分布域】 ヨーロッパ、地中海沿岸地域、アジア、熱帯および南アフリカの山地など。
花言葉/由来/開花時期
【花言葉】 純粋な愛、無邪気 【由来】 中国や北米産の品種が観賞用として古くから栽培されており、そこから品種同士の交配によって多くの園芸品種が生み出されています。 【開花時期】 4月~11月
エディブルフラワーの種類③
ナスタチウム
【エディブルフラワーとしての特徴】 口溶けよく、後味ピリッと辛みありいけまワサビのような味がお料理にほどよいアクセントを与えてくれます。 【学名】 Tropaeolum majus 【科名】 属名:ノウゼンハレン科 / ノウゼンハレン属(トロパエオルム属) 【原産地】 ペルー、コロンビア 【分布域】 ペルー、コロンビアを中心とした中南米
花言葉/由来/開花時期
【花言葉】 感謝、怖い、恋愛 【由来】 中国や北米産の品種が観賞用として古くから栽培されており、そこから品種同士の交配によって多くの園芸品種が生み出されています。 【開花時期】 4月下旬~7月、9月~11月上旬
その他にもたくさんある
ここでご紹介した以外にもエディブルフラワーとしては、カーネーションやひまわり、カモミールなど、1年を通して約30種類もの花が食用として栽培されています。種類が豊富で、彩りもさまざまなので、付け合わせや飾りとして用いるだけで、お料理やお菓子の色合いがぐっと華やかになります。
エディブルフラワーの特徴
どんな味がするの?
エディブルフラワーはどんな味がするのか気になりますよね。花の種類によっても違いますが、甘みのあるものや苦みを感じるものなどもあります。 ただ、料理やお菓子の味を損ねてしまうものは特にありません。
保存方法
エディブルフラワーは、基本的には生野菜と同じように、冷蔵庫の野菜室などで保存します。 保存期間は大体2,3日から長くても1週間前後。栄養価を損ねないためにも、できるだけ早めに使い切りましょう。 保存する際は、ぬらしたキッチンペーパーの上に花を置き、その上から乾いたキッチンペーパーを被せてからさらにラップをして乾燥を防ぐようにして野菜室に入れておきます。
エディブルフラワーを使ったレシピ紹介
調理ポイントは
エディブルフラワーは、見た目や色合いのかわいらしさを生かして、複数の種類を生かしてお皿に散らしてみたり、アイデア次第で楽しみ方もいろいろあります。季節に合わせて変化も楽しめますよ。
エディブルフラワーのババロア
透明なゼラチンの中に色鮮やかなエディブルフラワーを詰め込んで。 おもてなしにもぴったりです。 レシピ詳細は下記のリンクよりご覧ください。
生春巻き
エディブルフラワーを使った生春巻き♡ pic.twitter.com/TkZNH5kFN4
— PRINCESWEETSさっちゃん (@princesweets27) June 4, 2016
生春巻きの皮から透き通ってうつるエディブルフラワーがきれいですね。 作り方も簡単で、見栄えもよくなります。パーティーなどにも◎ 材料と作り方については以下のリンクからご覧ください。
エディブルフラワーの育て方、栽培方法
エディブルフラワーすべての育て方や栽培方法についてですが、先ほどエディブルフラワーの一例でご紹介した5つの花について、それぞれご紹介いたします。
市販の培養土でも十分栽培できる
エディブルフラワーの栽培は特別な土や肥料を用意しなければいけないというわけではありません。 市販の培養土でも十分栽培できますが、口にするものなのでできるだけ農薬や殺虫剤などを使用せず、有機栽培を心がけたいものですね。
栽培時期はいつ?
栽培時期は、花の品種によって違います。花の種袋に記載されている栽培時期などを参考に植え付けてみましょう。
エディブルフラワーの栽培場所について
栽培場所も品種によって、多少異なります。日当たりのよい場所を選ぶ花、半日陰でも良く育つ花といろいろあります。 ・スミレ、パンジー…基本的には日当たりのよい場所を好むが、夏の直射日光には弱い ・カーネーション…日当たりがよく、乾燥した気候を好む ・バラ…日当たりのよい場所
種まきの場合
エディブルフラワーを種から育てる場合は、市販の花の種を使うこともできますが、エディブルフラワー用の種も用意されています。その場合は、インターネットで多く揃っているのでそちらをおすすめいたします。 発芽が良くなる前に種まき前に、種を一晩水につけておきましょう。
エディブルフラワーの苗の植え付けについて
以下の花の品種によって、植え付け方法も多少異なります。 また花の品種によって、苗の植え付け時期が異なります。例えば植え付け時期が遅いと寒さにやられたり、早すぎると逆に栄養を蓄えすぎた見た目の悪い花になってしまうことがあります。
水やりについて
花の種類によっては、暑さや乾燥に弱い花もある一方で、水を好む花もあり、水やりの頻度や方法も多少異なります。 ■乾燥に強い ペチュニア、カーネーション、インパチェンス、マリーゴールド、ゼラニウムなど ■水を(比較的)好む バラ、ホウセンカ、ペンタス(水のやりすぎには注意)など
肥料の与え方について
肥料には堆肥や油かす、鶏糞などの有機肥料と、硫酸アンモニウム、過リン酸石灰、塩化カリウムなどを用いた化学肥料とがあります。 有機肥料は、肥料効果の他、土壌を改善する働きもあります。
寄せ植えや植え替えなどについて
花の種類によっては、寄せ植えや植え替えなどが必要になる場合があります。 植え替えの際は、根を傷つけないように気を付けましょう。 また寄せ植えについてですが、花の種類によっては繁殖力が強いものと一緒に植えることで、他の植物が弱って消えてしまったり、 水やりの加減に微妙な差があったりして、一時はきれいに寄せ植えできても、最後は結局一種類だけの植物になってしまうこともありますので、寄せ植えする花の種類を選ぶときはそういったことも考慮しましょう。
野菜には出せない彩り、エディブルフラワー。
野菜に引けを取らず栄養価も高いエディブルフラワー、お料理やお菓子などに野菜にはない鮮やかな彩りを加えてくれます。興味を持たれた方はぜひ、栽培にもチャレンジしてみてください。