桔梗の育て方を解説
和の庭に合う! 桔梗を育てよう
桔梗は紫色の花が愛らしい、しっとりとした宿根草です。 落ち着いた雰囲気があり、和の庭によく合います。 日本のお庭を作りたい方は要チェック! 桔梗の育て方を解説します!
桔梗の育て方1.桔梗の栽培難易度は?
1-1、簡単に育てられる!
園芸初心者さんに多いのが、 「簡単な花を育てたいけど、桔梗ってどう? 育てるのは難しくないの?」という悩み。 安心してください、桔梗は簡単に育てられる花です! 特に、「新しく和風な家を建てたから、庭に合う花が知りたい」という方には、ぜひ押さえておいて頂きたい花です。 桔梗は東アジアに分布する植物。 なので和な雰囲気に合うのはもちろん、 秋の七草に数えられるほど、日本でも昔から馴染みがありました。
1-2、こぼれ種で増える!
桔梗は生育が旺盛で、 日当たりさえよければどんな場所でもよく育ちます。 おまけに花が終わった後の「こぼれ種」で、 放っておいてもどんどん増えてくれるんです。 いったん根付くと辺り一帯に広がる可能性があるので、鉢植えよりは花壇向けの植物でしょう。 でも、育てるのが簡単とはいえ、ちょっとしたポイントがあります。 気をつけたい点もご紹介していくので、ぜひ確認してくださいね!
桔梗の育て方2.種まきや植え付けの時期と、開花時期は?
2-1、種まき時期
種まきから育てるなら、4~6月の間か、9月が適期です。
2-2、桔梗の植え付け時期は?
苗から育てるなら、種まきした時期によって植え付け時期も変わってきます。 春に種をまいたなら、10月に植え付けましょう。 秋にまいた場合、春がきてあたたかくなるまで待ちます。 4月のぽかぽかした頃に植え付けると良いでしょう。
2-3、桔梗の開花時期は? 秋の七草なのに、初夏に咲く!?
秋の七草にも数えられるので、 「秋の花?」と思われるかもしれませんが、 実はもうちょっと早い時期から咲く花なのです。 6月には咲きだし、秋にはちょっとだけ花が残る程度。
桔梗の育て方3.植え付ける場所
3-1、桔梗を植える場所は?
桔梗を育てるなら、 日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。
3-2、もともとの自生地は、日当たりの良い草原
桔梗はもともと、東アジアの日当たりのよい草原に自生する花です。 自生地に近い環境を作ってあげることが、栽培の上では重要。 うまく育たない! と感じたら、まずは日当たりを見直してみてくださいね。
桔梗の育て方4.土作り! 普通の培養土でもOK
4-1、種まきの時に用意する土
種まきからスタートさせる場合、 市販の「赤玉土(小粒)」にまきましょう。 発芽するまでは乾かさないように管理します。 土が乾いてしまうと、うまく発芽しません。
4-2、苗の植え替えのときに必要な土! 培養土でOK
本葉が5~6枚ついたら、苗を植え替えます。 植え替えのときに用意する土は、 市販されている普通の培養土でもOK。 「花の土」や「花と野菜の園芸土」などと書かれている商品を買ってきて、そのまま使えば間違いありません。 もともと植物の好きな成分が配合されている土なので、 これを用意しておけば、ほかの植物を植えたいときにも幅広く使えます。 数袋買っておくと重宝しますよ! ただ重いので、車をお持ちでない方は通販を利用しましょう。 ベランダ菜園程度なら小容量の土でもOKですが、 お庭でガーデニングを楽しみたいなら大容量の商品を買った方がお得です。
4-3、植え替えのときに用意したい、土の配合例
それなりにガーデニングの経験がある…… という方は、自分で用土を組み合わせてオリジナルブレンドの土を作るのも良いでしょう。 赤玉土7、堆肥または腐葉土3の割合で配合した土を用意し、苗を花壇や鉢に移します。 もしくは、赤玉土5:鹿沼土2:腐葉土3の組み合わせもおすすめ。 、 腐葉土は、有機質に富む土が好きな桔梗によく合います。 鹿沼土を混ぜると、土が酸性に傾きます。桔梗はやや酸性の土が好きな性質も持っているのです。
桔梗の育て方5.うまく発芽しない!? コツが必要
5-1、乾燥に注意!!
桔梗が発芽するまでは、 とにかく乾燥させないことが大事! 1度でも土が乾燥してしまうと、 うまく芽を出してくれません。
5-2、桔梗の乾燥対策
新聞紙で覆ってしまえば、 乾燥を防げます。 うまくいかないときは試してみましょう!
桔梗の育て方6.種まきは難しい!? おすすめは苗から
6-1、苗から育てた方が簡単!?
桔梗は、乾燥するとうまく発芽しないのが難点。 この欠点を補うためには、 最初から苗を用意して植えつけてしまったほうか楽です。 特に初心者さんは、 園芸店やホームセンター、道の駅で根付きの苗を購入してくるのが確実です。 この方法だと、花も咲かせやすいですよ。
桔梗の育て方7.水やりの方法とタイミング
7-1、地植えは放置でOK!
桔梗を地面に直接植えたのなら、特に水やりは必要ありません。 根を伸ばした桔梗が、土の中の水分を自分で吸い上げてくれます。 ただ、鉢植えとなると、そうはいきません。 生育期には毎日、土が乾いていないかチェックしましょう。乾いているようなら水を与えます。水が切れると生育が衰えるので要注意!
桔梗の育て方8.肥料は? いつ何を与えればいい?
8-1、緩効性肥料と化成肥料を半々に混ぜよう
苗を植えつけるときに、元肥を与えます。 緩効性肥料と化成肥料を半々に混ぜたものをあげてください。 ゆっくり効いていくのが緩効性肥料で、すぐ効果を発揮してくれるのが化成肥料です。
8-2、花の時期は液体肥料を与えると◎
花が咲く時期になったら、 液体肥料を2週間に1回与えると安心です。 必須ではありませんが、こうすることできれいな花が咲きやすくなります。 肥料を与えるのに特におすすめなのが、鉢植えの場合です。 地植えであれば、最初に元肥をきちんと与えさえすれば、特に追肥の必要はありません。花つきが悪いと思ったときに試す程度で良いでしょう。
桔梗の育て方9.植え替えと株分け・挿し芽
9-1、植え替えを行って、元気を回復させる
桔梗はずっと育てていると、 鉢植えの場合も、庭に宿根した株の場合も、 だんだんと花つきが悪くなってきます。 鉢植えなら、数年に1度はひっくり返して、鉢底をのぞきましょう。 根が見えてしまっているなら、鉢の中で根がパンパンになってしまっている証拠。 もっと大きな鉢か、花壇に植え替えます。 庭植えの場合も、だんだん株が古くなるとよい花が咲かなくなります。 新しい株に更新してあげると良いでしょう。 育て方の11項目で説明している「挿し芽」で、簡単に新しい株を作ることが出来ますよ。
桔梗の育て方10.株分けをしてみよう! 株分けって何?
10-1、桔梗は「株分け」で増やせる!
株分けとは、植物を増やす方法のひとつ。 根ごと植物を切り分け、 悪くなってしまっている根を取り除いてから、新しい場所に植え替えます。 桔梗もこの「株分け」で増やすことができます。 「わざわざ植物を掘り返すなんて、汚れるしめんどくさそう……」と感じられるかもしれませんが、 株分けをすることで、込み入った場所がスッキリし、 ・根がよく伸びるようになる ・風通しがよくなり、蒸れを防げる ・結果的に、植物が元気に育つ! といったメリットがあるんです! 単に植物を増やしたいから株分けをするというより、 メンテナンス・健康管理を兼ねているといえます。
10-2、花と葉が枯れた時期にチャレンジ
桔梗は株分けで増やすことが出来ます。 地上に出ている花と葉っぱが枯れたら、株分けのチャンス。 だいたい秋~冬の時期になります。 この時期は、株自体がお休みのシーズンに入っているので、多少根を傷つけてしまっても大丈夫なのです。
10-3、株分けの手順
土ごと桔梗を掘り返します。 葉も花も枯れてしまっているので、「これ大丈夫?」という気がするかもしれませんが、根は生きているので平気です。来年に咲くための元気を蓄えている状態だと思いましょう。 掘り返した根は、何又かに分岐したような形をしています。 この根の上の方に、小さなトゲトゲがついていませんか? これが来年以降に伸びる芽です。この芽が必ず根と一緒に付くように、根ごと切り分けましょう。手作業でも、刃物を使っても可です。 切り分けたら、新しい土を用意して植え付けます。 これで終了です!
桔梗の育て方11.単に増やしたいだけなら「挿し芽」がおすすめ!
11-1、桔梗は挿し芽でも増やせる!
桔梗は株分けだけでなく、 「挿し芽」でも増やすことができます。 植物のメンテナンス関係なく、単に増やしたいだけなら、こちらのほうがお手軽です。
11-2、挿し芽とは
挿し芽とは、植物の茎の一部を切り取り、 切り取った部分から発根させて、新しい株に育てる増やし方です。 古くなった株を更新したい! という時は、挿し芽にチャレンジしてみましょう!
11-3、挿し芽の手順
時期は生育期の春がおすすめですが、 花が咲いてからでも挿し芽は可能です。 桔梗の株(これを親株と呼びます)から、数センチの茎を切り取ります。 だいたい5センチくらいあれば良いでしょう。 切り取ったら、この子株を30分以上水に浸け、吸水させます。 ジャムの空き瓶に大量に挿しても良いですし、 100均で買える試験管を使えば、口が狭いので、1本ずつ挿しやすいですよ。 この吸水作業をしている間に、挿し芽用の土を用意しておきます。 おすすめは赤玉土。あらかじめ水やりをして、湿らせておきましょう。 子株への吸水が終わったら、用意した赤玉土に挿してください。 乾燥しやすいので、直射日光が当たる場所には置かないでください。根付いて葉が出てきたら、明るい場所へ移動させましょう。
桔梗の育て方12.こんな害虫に注意!
ハマキムシ、コガネムシ
桔梗によく発生する害虫は、ハマキムシやコガネムシです。 防虫剤を4月頃から散布すると予防できますよ。 植え付けるとき、土に防虫用の錠剤を混ぜ込んでおくのもアリです。
最後にご紹介! 桔梗は普通の紫色だけじゃない!
桔梗といえば、 青~紫色の一重咲きが一般的です。 でも、ボリューム感のある八重咲きの桔梗や、 ピンク、白の品種もあるってご存じでしたか? 桔梗は昔から日本人に馴染み深かった花。 その分、「モダンな雰囲気を感じにくい」「古くさい」なんて思われる方もいらっしゃるかもしれません。 でも、普通の紫色をした一重咲き以外の品種にも目を向ければ、 きっと新しい発見があるはずですよ。
画像は白い桔梗です。 汚れがなく、神聖な雰囲気を感じさせます。 緑の中にたたずむ白に、ハッと目を奪われてしまいそう。 花が少ない、グリーンの濃いお庭にもよく合います。
こちらはピンク色の桔梗。 淡く愛らしい色調です。 洋風のお庭にもピッタリ馴染みます! どんな色のお花に組み合わせたいのかを考えて、品種選びを楽しんでくださいね。
育て方をマスターして、桔梗の花を咲かせよう
いかがでしたか? 桔梗は和の庭に合う、簡単に育つ花です。 苗を買ってきて育てるのがおすすめ! 宿根草なので、毎年咲きます。 数年に1度の植え替え・株分けがおすすめな花ではありますが、 「ずっとガーデニングを続けられる自信がない……」という方でも大丈夫ですよ! 育て方をマスターして、紫の美しい花を咲かせましょう!