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黄色い花がとても綺麗!エニシダ【植物図鑑】

あなたの住む街の公園や道路の生垣などで身近に見かけるエニシダをご存じですが?初心者にも簡単に始められるエニシダ栽培。キュートで愛らしい黄色の花を咲かせるエニシダの特徴から花言葉・簡単な育て方まで、いっぺんにご紹介します。
2020年8月27日
MMRICH
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目次

エニシダとは

エニシダは細い緑色の枝が弓なりになって、初夏にまめのような形の黄色い花を咲かせる落葉性の低木。鉢植えに適した草丈の短い品種から、3メーターの高さにまで生育する落葉樹の品種が流通しています。

エニシダ/科名

マメ科に属す。ギンヨウエニシダ属やヒトツバエニシダ属などの属種があります。レタマ属などを総合すると全部で25種ほどの属種があり、200品種ほどに及ぶ植物。

エニシダ/学名

学名はCytisus scoparius(シチサス・スコパリウス)といい、和名は漢字で「金雀枝」エニシダと書きます。英語名で別名コモンブルーム(common bloom)、Scotch broom(スコッチ・ブルーム) 。 花は黄色い豆のような形とも蝶のような形ともいわれる小さくて丸いフォルムをしているのが特徴。その為「蝶形花」チョウケイカとも呼ばれています。

エニシダ/花名由来

・エニシダ エニシダの花名は、ラテン語で「genista ゲニスタ」(小低木の意味)と言います。これがスペインに入り、「hiniestaイエ二スタ」に変化し、江戸時代に日本にもたらされた時に、「エニスタ」と変化を遂げて、今日の「エニシダ」に落ち着いたと言われています。 ・金雀枝 和名の漢字で表される「金雀枝」は、黄金に輝く枝垂れ咲く形状が孔雀の羽にも見えることから、当て字で黄金の孔雀のような枝を持つ花。としてつけられた漢字でした。 ・bloom 英語名にある「ブルーム」はその昔、エニシダの枝を使って、ホウキ(英語でbloom)を作っていたのが由来。

エニシダ/品種・原種

エニシダの原種は「エニシダ」。常緑性で耐寒性が強く、水はけと日当たりの良い場所でよく育ちます。

エニシダ/原産地

原産地は、地中海沿岸地域及びヨーロッパ中心が原産。全体の育種は約70種と言われ、ヨーロッパでは特に庭木として一般的です。

原種のエニシダよりも、小ぶりで草丈が低いため、鉢植えとして好まれる品種。庭に直植えをすると、1メートルほどの高さに成長することもあるが、耐寒性が原種のエニシダよりも弱いため、5度くらいの気温でも枯れてしまいます。室内でもなるべく冷たい風の当たらない場所で管理することが必要。


白の花と緑の枝のコントラストが非常に鮮やかで美しい「シロバナ エニシダ」。エニシダ属の中では背丈が3メートルほどにも達する落葉性の品種。このシロバナエニシダの枝が帯化(てっか/植物の奇形をこう呼び、石化・せっか・いしかとも呼ばれる)したものが、生け花の材料として多く流通していて、独特な湾曲の形と方々に伸びる枝ぶりが見事な生け花を演出するとして好まれる理由です。

ヨーロッパ原産のエニシダが原種で、ほっぺにほお紅を塗ったような赤いグラデーションが入る「ホオベニ エニシダ」は非常に珍重される品種。

エニシダ/分布域

明治時代に日本にも導入され、湘南などの海岸線に砂地の植木や庭木、公園用の樹木として良く植えられている。アジア西部からヨーロッパ、アフリカの温暖な地域に多く分布して、現在までに30種余りが確認されています。 白い小さい花を咲かせる「シロバナエニシダ」はスペイン・ポルトガル・北西アフリカが特に原産の落葉低木。日本でよくアレンジメントに使われるこのタイプの品種。

エニシダ/花言葉・開花時期

花束のアレンジメントでも良く利用されるエニシダ花言葉にはどんな意味があるのでしょう。またその由来についてもご紹介します。

エニシダ/花言葉

「humility(謙遜、卑下)」「neatness(清潔)」

エニシダ/花言葉由来

エニシダの花言葉「卑下」「謙遜」はある古代の言い伝えが由来です。フランスのある地方のお城に兄と弟の兄弟が住んでいました。王位は男子どちらか一人だけに譲られます。長男である兄が王位を継ぐことに我慢ができなかった弟は兄を殺して、自分が王位につこうとしました。 しかし、兄を殺害した弟は今度はその罪の深さに、いたたまれなくなり、城を後にするのでした。兄への懺悔のために巡業に出た弟は、毎日罪への許しを請うために、エニシダにむかって祈り続けたと言います。 この謙虚は弟の罪に対する意識の改善を意味し、卑下は彼の起こした殺人をいつまでも悔いるという気持ちから、花言葉がつけられたと言われています。

エニシダ/開花時期

開花時期は春から初夏。5月~6月が見ごろ。

エニシダの特徴


・発育能力が高い エニシダは多くは低木の落葉性の植物で、寒さや乾燥に強く、やせた土地でも良く生育します。 ・花 花がマメ科に特有の蝶形花冠で、腋生といって、葉っぱと葉っぱの間に花や芽がでる特性を持っています。その他にも品種によっては、総穂花序( そうすいかじょ/単一の軸から複数の枝に花がひとつづく咲くもの)、束状になって花が咲くものもあります。 ・葉っぱ 葉っぱは花の大きさから比べても非常に小さく、乾燥地で水分が飛ばないように退化したものです。最大限に日光から栄養を取り込むため、エニシダは枝でも光合成ができます。

エニシダ/育て方・栽培方法

エニシダの栽培難易度

エニシダの栽培は非常に簡単で、初心者向きです。環境が様々な公共施設の生垣や、公園など手入れの行き届かない場所でも良く育つことで知られています。耐寒性には優れていますが、湿気を好みませんので、夏の蒸し暑い気候には注意が必要です。

エニシダの植え付け時期

3月~4月に植え付けを行います。鉢植え、庭植え共にこの時期が適当です。鉢土か庭の植穴の底に有機質肥料もしくは長く日持ちのする緩効性化成肥料を藻と元肥として設置します。場所を移動すると、根がつかなくなることがあるので、庭植えの場合はあらかじめ土壌や周囲の環境を考慮したうえで、植え付けをします。 エニシダは弱アルカリ性の水はけの良い用土を好みます。庭に直植えの場合は2週間ほど前に石灰を混ぜるなどして、土をアルカリに調整しておきます。

エニシダの水やりと注意点

乾燥地でも非常によく育つので、水やりが必要ないように思われがちですが、植えて間もない1,2年の間は土がかわいたら、たっぷり水やりをします。鉢植えも庭植えの場合もしっかりと水を与えましょう。 庭植えの場合は2年くらいで、根も花自体も定着してきますので、雨が少ない乾燥の時期だけ気を付けて、水やりをします。鉢植えは引き続き、ある程度乾燥したら水やりをしますが、やりすぎると、茎ばかり伸びて花がつきにくくなりますので、要注意。

エニシダの肥料のやり方

庭植えのエニシダには冬に、油粕を少量株元に施してあげます。もしくは2月頃に有機肥料を株元に埋め、1年に1回の肥料で十分です。鉢植えは冬3月ごろと、花が終わったころの2回、長く持つ化学肥料を施します。

エニシダの剪定方法

環境への順応性もよく、自然によく育ちますので、定期的な剪定は必要ありませんが、特に枝が込み合っている大きな株は、枝分かれをしている部分を切る「間引き剪定」を行います。太い枝を切り落とした場合は、切り口から菌や水分が侵入しないように、癒合剤を塗って保護をします。 3月ごろ行う剪定は、古くて枯れている枝や、幹の途中から不完全に成長した不定芽という弱い芽が出ている個所をみつけ、付け根から切り取ります。今年でた新芽の枝は途中から剪定しても、また伸びてきますが、3年以上経過した古い枝を途中で切ると、そこから枯れてしまいますので、剪定の時は必ず根元から切り落とします。

エニシダの増やし方とポイント

エニシダは種で増やすのがおすすめ。10月ごろに種を採取しておいて、翌年3月に種まきをします。3月にまいた種は秋には50㎝近くに成長。この種に花が咲くのは3年ほどかかりますが、確実に根を張りますので、花壇などでエニシダの垣根を作る場合は、成長具合を見ながら種まきをすると良いでしょう。

エニシダの挿し木


エニシダの増殖法は種まきをお勧めしますが、挿し木でも増やすことができます。 6月ごろの花が終わって剪定の頃に同時に挿し木も出来ます。 1.枝葉を切り取る 2.差し穂にする枝を5㎝~8㎝くらいに切る 3.コップなどに水を入れ、水あげを1時間程度。 4.鉢などに用意した用土に植える 5.芽がでたら一回り大きい鉢に移し替える

エニシダの管理場所

日当たりの良いところが第一条件です。庭植えの場合、水はけの悪い環境に植えると、梅雨の時期に根腐りをする原因になりますので、植える前にしっかり確認します。 鉢植えは出来るだけ日中は日のあたる南側において、軒下やベランダなどの直接雨が降らない場所が適しています。冷たい風の吹く季節は風が直接当たらないよう室内に取り入れるなどして工夫します。

エニシダの寄せ植え

かわいい寄せ植えが公開されていますので参考にしてください。

エニシダのなかでも小ぶりの姫エニシダなどは、ジュリアン・アルメリアといった春のはなと寄せ植えをするととても生えます。ただ、エニシダ自体があまり移植を好みませんので、一度植え付けをしたら、毎年花を咲かせる品種と寄せ植えをすることをお勧めします。

エニシダの植え替え方法

エニシダがまだ若いうちに植え替えは行います。これは株を大きくする目的とは異なり、あくまでも場所を移動する必要がある時のみ移植を行います。もともとエニシダが枯れた同じ場所は必ず避けて、移植をします。同じ場所に植えなおすと、連鎖を嫌って、花がつかなくなります。

エニシダ/その他・おすすめ情報

日本にエニシダが伝わってきたのは江戸時代。ヨーロッパからの原種エニシダで冬の寒さに比較的強い原種。ヨーロッパでは開花の時期に花が放射線状に広がって、どっさりと花をつけることと、花が小麦の付き方に似ていることから、エニシダがたくさん花をつける年は、麦の収穫も豊作になると信じられていて、イギリスでは穀物の豊作をつかさどるラッキーな花の象徴として、崇められてきました。

まとめ

公園や河原などにも時々群生を見かける身近なエニシダ。丸くカールしたふっくらとしたマメの形の花がなんとも愛らしい。庭に地植えをして、梅雨時期だけきを付ければ、ほとんどケアフリーな植物ですね。 庭に植わっているだけで、とっても華やかな雰囲気をかもし出してくれますし、ちょっとしたお客様用のお花のアレンジメントも、花瓶にささっとさしていっちょ出来上がり!いっぺんにテーブルを華やかに彩ってくれます。皆さんもエニシダ栽培、是非楽しんでくださいね。