辛いししとうについて
辛いししとうに当たってしまうと、 あまりの激辛に汗だくになりながら のたうち回ることになります。 辛さはしばらく引きづりますので、 突然だと楽しい食事が台無しになることも… 辛いししとうの方が好きという、大の辛いもの好きもいます。 かく言う私もその一人です。 まずは、ししとうについて詳しくみていきましょう。
ししとうの名前の由来
ししとうは略語で、 本当は「獅子唐辛子(ししとうがらし)」という名前を持ちます。 名前から分かる通り唐辛子の一種です。 ちょっと分かりづらいのですが、 見方によっては一部の形が獅子に見えることから名付けられました。 成熟した見た目は唐辛子と同じように赤くなり、未熟の段階で収穫されます。
ししとうの仲間
ナス科トウガラシ属に分類され、 ピーマンやパプリカと同種の甘味種になります。 ししとうを含めこれらはもともと唐辛子で、 品種改良によって辛さを消した夏野菜です。 ちなみに唐辛子は辛味種とされます。 栄養素も豊富で、夏の料理にぴったりの食材です。 この記事の後半では、ししとうを使った料理とレシピをご紹介します。
ししとうが辛い原因
元は強い辛さのある青唐辛子です。 一部のししとうが辛い原因は、青唐辛子の遺伝子が残っているためです。 栽培中の環境によるストレスで、その遺伝子が現れて辛さが生まれます。 水や肥料が足りなかったり、暑さが夜間まで続くなどの負担が影響します。 夏野菜にもかかわらず暑さに弱いという面を持っています。
辛いししとうの割合は?
ししとうを買ってきて、 その中にどのぐらい辛いものが混ざっているのか気になりますよね。 10個に1つ、つまり1割の確率で辛いししとうに当たるといわれています。 その割合から、辛さのロシアンルーレットととも比喩されます。 ですが、この信憑性は低いです。 ししとうが辛くなるのは上項で説明した原因によるもので、 割合で発生するわけではありません。
辛いししとうが持つ栄養素
ししとうには、人が夏を過ごすために必要な栄養素を沢山含んでいます。 夏バテ防止やダイエットにも効果的なので、取り入れていきましょう。 ●カプサイシン ●ビタミンC ●ビタミンK ●ビタミンB6 ●βカロテン ●カリウム 他にも食物繊維や、ナイアシン、ビタミンPも含みます。
辛いししとうの4つの見分け方
辛いししとうは、辛いもの好きでも耐えられないことがあります。 辛いものが苦手な人は、なおさら避けたいところですよね。 そこで辛いししとうを見分ける4つの方法をご紹介します。 4つとも当てはまれば、口にしてしまう危険が大きく下がるはずです。 料理をする前にチェックしてみましょう。
4-1.辛いししとうを形で見分ける
まずは簡単に、形で見分ける方法です。 形が整っていないししとうが辛いとされています。 変に曲がっていたり、シワが少ないといった、 通常のししとうに比べていびつな形のものが該当します。 ししとうは熟す前に収穫されますが、 あまりにも未熟なものも辛い可能性があります。 加えて貧相な形も同様です。
4-2.辛いししとうを香りで見分ける
次に香りを嗅いで見分ける方法です。 通常のししとうに比べ、香りの強いものが辛いとされます。 生のままでは香りを感じることができなければ、 加熱した時に発生する匂いが分かりやすいです。 かるく炙って嗅いでみましょう。
4-3.辛いししとうを種で見分ける
ししとうの中に入っている種の量で見分ける方法です。 種が少ないほど辛い可能性があります。 切って中身を確認するとすぐにわかります。 料理によっては切らずにそのままの形で使用したい時もありますよね。 そういった場合には、指でつまんで確認できます。 種が多いと中身が詰まっているため凹みづらく、 種が少ないとスカスカなので凹みやすいです。
4-4.辛いししとうを時期で見分ける
最後に、ししとうが出回る時期で見分ける方法です。 ししとうは通年で出回っていますが、夏野菜なので旬は夏になります。 ただ栽培中に受ける暑さに弱く、それが辛さの生まれる原因の一つです。 このことから夏のししとうは辛いものが混ざっている確率が高いです。 春のししとうも辛い場合があります。 秋と冬のししとうは辛くなりづらいです。
より効果的な辛いししとうの見分け方
辛いししとうの見分け方を4つご紹介しました。 4つの方法を取り入れればいいのですが、手間は少しでも省きたいもの。 それに効果的な方法と、あまりそうでない方法があります。 4つの内、どの方法が無駄なく 本当に辛いししとうを見分けられるのかをご説明します。
辛いししとうを見分けるおすすめの方法
時期で見分ける方法は、辛さが生まれる原因と結びついているため、 かなりの確率で辛いししとうを避けることができます。 ただ、夏野菜だけに旬の夏に食べたいですよね。 夏前に多めにストックしておくのも手ですが、ししとうは痛みやすいです。 保存には痛まないよう気をつける必要があります。 種の量で見分ける方法が、時期を問わず簡単でおすすめです。
辛いししとうの下ごしらえ
ししとうは食べ方のバリエーションが豊富で、 手に入りやすい食材のため気軽に取り入れられます。 ですが調理の際、心に留めておいた方がよいポイントもあります。 調理の前に簡単な下処理が必要になります。
ししとうを調理する前に
ししとうは加熱が原因で中の空気が温まり膨張、そして破裂します。 果肉や種、油などが飛んで火傷を負ってしまう恐れがあります。 調理する前には、ししとうの中の空気を逃す目的で、 少し切れ目を入れるか穴を開けておいて下さい。 それと痛みやすいため、軽く状態を確認してから使いましょう。
ししとうに穴を開ける
1.ししとうのヘタを残す場合はヘタの上部分を包丁で切り落とすか手でポキッと折ります。 (簡単に折れますよ) 2.ヘタも取る場合はヘタの上部分からヘタも一緒に折る感じで取ります (ポロッと簡単に取れますよ) 3.ししとうをキレイに洗って水気を切り、爪楊枝で1〜2ヶ所穴を開けます (ししとうを突き刺すと1度に2箇所穴が開きますよ) 4.天ぷらや炒め物、煮浸しなどお好きな料理に使って下さい♪ 5.使いたい分量だけ処理して下さい。
基本的な下処理はこれだけです。 簡単で手間もかからず形も崩れないので、必ず処理しておきましょう。
ししとうの種を取る
1.まな板にししとうを乗せ、手でひたすらゴ~ロゴロ転がします。 2.ししとうのヘタを切り、あとはゴミ箱の上なんかでお尻のほうを指でパンッと弾きます。 3.弾くと、種が面白いように飛び出してきます。 4.何度か弾いて、まだ残っているようなら、爪楊枝などでかき出してください。 (ほとんど種は取れていると思いますが…)
ししとうは種とヘタに辛さがありますので、 このように取り除いてしまう方法もあります。
辛いししとうのおすすめ料理8選
辛いししとうを見つけても、捨ててしまうのは勿体無いです。 食べ方次第では美味しい素材になります。 辛いししとうに限定した、おすすめ料理の調理方法をご紹介します。 いずれも辛さが効いていて、ご飯とお酒によく合いますよ。 辛さは慣れなので、食べ続けるうち辛いものにハマってしまうかもしれません。
8-1.辛いししとうレシピ「佃煮」
【材料】(4人分) ●シシトウ30本 ●ごま油 大さじ1 ●砂糖大さじ1 ●みりん 大さじ1 ●しょうゆ大さじ1 ●昆布5cm ●水100cc 【作り方】 1.昆布は水に入れて柔らかくしておく。 2.シシトウのガクを指で取る。ポロッと簡単に取れる。 3.5mm幅くらいの斜め切りに。 4.ごま油を鍋に入れ、シシトウを炒める。 5.シシトウに油が回ったら、キッチンバサミで細切りにした昆布、砂糖、みりん、しょうゆ、昆布を戻した水を加える。 6.煮汁がなくなるまで、中火で炒めたら完成! 7.シシトウの甘辛佃煮。一度に食べ切れないものは、小分けにして冷凍。
これはご飯が進みます。 甘い味付けと、ししとうの辛さを活かして、どんな食べ方でも合う甘辛の料理です。 作り置きしておいて、いつでも食べられるのがポイントです。 お漬物代わりにもいいですね。
8-2.辛いししとうレシピ「ししとう味噌」
【材料】 ●ししとう今回は100gくらい ★しょうゆ大さじ3 ★みりん 大さじ1 ☆みそ大さじ5くらい ☆ごま油 大さじ2(お好みで) 【作り方】 1.しし唐をひたすら輪切りに・・・(今回は100gほど使いました) 2.ちょっと色が変わりやわらかくなるまで電子レンジor蒸し器で蒸す(私は大きめのフライパンに水を張って蒸しています) 3.加熱し色が変わったらキッチンペーパーやフキンにくるんで水気を切る 4.しし唐と★の材料を保存するビンに入れ混ぜてなじませ☆の材料も混ぜたら完成!
調味料としても使える辛味噌です。 辛味が欲しい時に重宝します。 酒のアテとしても最高です。 カップラーメンにも合います。 辛さと旨味、深い味わいが加わった辛旨ラーメンにグレードアップします。
8-3.辛いししとうレシピ「みそ鰹詰め焼き」
【材料】(2人分) ●ししとう10本 ●味噌大さじ2 ●鰹節大さじ5 ●みりん 大さじ2 【作り方】 1.ししとうはヘタを取り、縦方向に中央部分に2~3㎝程切り込みを入れる。 2.味噌と鰹節、みりんを混ぜ合わせ、1の切り込み部分に詰める。 3.2を魚焼きグリルで焼く。少し焦げ目が付いたら出来上がり。
レシピ2のししとう味噌は、調味料的な使い方が主になります。 こちらのみそ鰹詰め焼きは、辛いししとうを主役にして味わう料理です。 素材の味を楽しめます。
8-4.辛いししとうレシピ「ぼんじりおろし」
【材料】(4~5人分) ●ぼんじり500g(骨付き) ●しし唐1パック(20本くらい) ●塩コショウ少々 ●大根5cmくらい ●お好みのポン酢適量 【作り方】 1.まず、ぼんじりの下処理です。 断面を下(まな板側)にし、ふくらみのある部分を前にします。 2.ふくらみの部分に脂壷という臭みのある部分があるので取り除きます。ペティナイフのような小さな包丁が便利です。 3.ふくらみにある突起部分をつまみ、ふくらみの根元に包丁を入れます。 4.骨からふくらみをそぎ落とすように包丁をうごかします。黄色い塊が脂壷です。脂壷の下で切り離してください。 5.脂壷を切り離した状態。慣れると脂壷を破かずに取り除けるようになります。 6.ぼんじりの中央に骨があります。骨から身をそぎ落とすように、骨の右側の身を切り離します。 7.同様に、骨の左側も骨から身をそぐように切り離します。 これで下処理は完成。骨は使用しません。 8.しし唐はヘタの部分を切り落としておきます。 9.フライパンを熱し、強めの中火でぼんじりの身を炒めます。テフロンのフライパンなら油は引かないで大丈夫です。 10.ぼんじりから油がたっぷりでてくるので、揚げ炒めのようなかんじで表面に焼き色が着くまで炒めます。 11.ぼんじりに焼き色をつけている間に、大根を全ておろし、水分を少し絞っておきます。 12.ぼんじりに焼き色が着いたらしし唐を加え、塩コショウを軽く振ります。さっと炒め合わせて火を止めます。 13.フライパンに溜まった油をクッキングペーパーで吸い取ります。ペーパー4~5枚分くらい、しっかり吸い取ってください。 14.お皿に13を盛り、上にたっぷりの大根おろしを乗せ、ポン酢をお好みの量かければ完成です。
ぼんじりは鶏の尻尾の部分で、鶏好きに人気があります。 このぽんじりの処理は大変ですが頑張れば、最高の一品にありつけます。
8-5.辛いししとうレシピ「炒め物」
【材料】(2人分) ●ししとう10本 ●舞茸1/2パック ●胡麻油 大1 ●自然塩適宜 【作り方】 1.ししとうはへたと軸を取る。舞茸は小房に分ける。 2.フライパンに胡麻油を熱し、1を色よく炒め、塩で味をととのえたら出来上がり☆
シンプルな材料で手軽に作ることができます。 舞茸の他にもキノコを加えれば、これだけでお腹いっぱいに! ヘルシーな食事を心がけている方は、 低カロリーの食材だけを使った食べ方がマストです。
8-6.辛いししとうレシピ「クタクタ煮」
【材料】 ●辛いししとう20本くらい ●厚揚げ好きなだけ ●水200cc ●くばら あごだしつゆ大さじ2 ●オイスターソース 大さじ1 【作り方】 1.ししとうは縦半分に切って種を取り除き適当な大きさに切っておく。 厚揚げは熱湯をかけて油抜きして切っておく。 2.お鍋に水、くばら あごだし、オイスターソースを入れて火にかける。 沸いたらししとうと厚揚げを入れて蓋をして弱火でコトコト。 3.軽くしんなりしたら蓋を取り、中火で汁気を半分くらいまで飛ばすように炊いたら出来上がり。
味を染み込ませるために、完成したら冷ましましょう。 出汁とオイスターソオースで深みのある味付けになっています。 油揚げをボリュームアップすることで、十分なおかずになります。
8-7.辛いししとうレシピ「チャンプルー」
【材料】(2人分) ●ししとう15本 ●木綿豆腐200g ●ウインナー4本 ●卵1個 ●醤油小さじ 1~1と1/2 ●カレー粉 小さじ 1/2~1 ●塩、こしょう少々 ●油 適量 ●かつお節お好みで適量 【作り方】 1.豆腐はキッチンタオルを二重に巻いて耐熱皿にのせ、600Wのレンジで2分加熱する。 2.レンジから出して①の上にお皿をのせ、重石をして10分位おき、しっかり水切りをしてから食べやすい大きさに切る。 3.ししとうは破裂防止の為に包丁の先で刺し、穴をあけておく。 4.ウインナーは斜め切りにする。 5.醤油とカレー粉を混ぜ合わせておく。 6.フライパンに油を入れ熱し、豆腐を両面色づくまで焼き、取り出す。 7.油を足し、ウインナーとししとうを炒める。 8.焼き色がついたら豆腐を戻し入れ、5のカレー醤油を回しかけて味付けをする。 9.溶き卵を回し入れ少し固まったところで大きく混ぜ合わせ、味をみて塩、こしょうで調味する。 10.お皿に盛ってお好みでかつお節をかけて完成です。(ブラックペッパーもいいですよ)
辛いししとうとカレーの相性は抜群です。 材料が多いので手間はかかりますが、 その分食べ応えのある立派なおかずになります。 かつお節が和の風味を出してくれて、ししとうが引き立ちます。
8-8.辛いししとうレシピ「とり味噌野菜炒め」
【材料】(お弁当1個分) ●鳥もも肉3切れ ●しめじ6分の1パック ●ししとう2本 ●キャベツ1枚 ●味噌小さじ1 ●醤油小さじ2 ●砂糖小さじ1 ●酒小さじ1 ●生姜 チューブ0.5cm 【作り方】 1.鳥もも肉、キャベツ、ししとうをお弁当用にカットし少しずつ残しておく。 2.鳥もも肉肉を油をひいたフライパンで皮面からキツネ色に焼いていく。 3.両面焼けたら、キャベツ、ししとう、しめじを入れる。調味料を合わせておく。 4.全体に火が通ったら、調味料を入れ、タレが絡まれば完成 5.調味料を3倍にして、材料も増やせばご飯がススム晩ご飯のメーンに★
冷めてしまうお弁当に、辛いししとうがアクセントになってくれます。 寒い日など、辛いものは体を温めてくれますね。 食卓でメインのおかずにした時にも、 ジューシーな鳥もも肉を辛いししとうがピリっと補助します。
辛いししとうに慣れても刺激はある
辛さを上手に活かした食べ方でも、お子様には刺激が強すぎます。 辛いししとうが混ざってしまわないように取り除いてあげましょう。 辛いもの好きの大人でも食べ過ぎには注意が必要です。 過度な辛味は胃腸によくありません。 辛いものにハマると際限がなくなってきます。 適度な辛さと量に留めておいて下さい。
辛いししとうに当たってしまったら
どんなに慎重に見分けても、辛いししとうに当たってしまうことがあります。 辛いもの好きならラッキーなことかもしれませんが、 苦手な方にとっては罰ゲームのようなものです。 意図せず辛いししとうを口にしてしまった時の対処法をお教えします。
辛さを消すのに水は逆効果
ししとうの辛さの原因は、唐辛子と同じくカプサイシンです。 水に溶けづらく、辛さを流すどころか広げてしまいます。 さらに水によって辛さが引き立ちます。 辛いものを食べたら水という印象があると思いますが、 カプサイシンでは逆効果です。
辛さを消すなら乳製品がおすすめ
カプサイシンは脂溶性のため、 脂に溶けやすく、水に溶けづらい性質を持ちます。 なので辛いものを食べた時には、 脂を含む乳製品が辛さの刺激から救ってくれます。 また、乳製品には、タンパク質であるカゼインが含まれています。 これはカプサイシンによる刺激を止める働きがあります。 辛さから逃れるためには、 水ではなく牛乳やヨーグルトなどを飲みましょう。
辛いししとうが怖くない食べ方
ししとうの辛さの原因であるカプサイシン。 この刺激を抑える方法が上項で分かりました。 前もって牛乳などの乳製品を飲むことでも辛さは緩和されます。 ししとう料理の調味料にマヨネーズを使うのも効果的です。 辛いししとうを食べた後のデザートには、 アイスクリームがおすすめですよ。 この食べ方で、突然の辛さにも対処できるようになります。
辛いししとうを見分けて美味しく食べる
辛いししとうの原因や、見分け方、料理とレシピをご紹介しました。 現在はまだ辛いししとうを完全に無くす栽培は難しく、 自分で見分けるしかありません。 嫌いになってしまっては元も子もないので、 辛いものがどうしても苦手な方は、見分け方を参考に取り除いて調理しましょう。 辛いししとうの食べ方は様々あります。 辛さを活用して自分なりの料理を創作するのも楽しいですね。