検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

サルスベリ(百日紅)とは?花言葉などの基本情報と育て方【植物図鑑】

夏になると、ピンク色の花が咲いた木を見かけませんか? それはきっとサルスベリ(百日紅)。庭木としては定番で、街路樹にもよく使われています。昔からのイメージを払拭するような新品種も豊富です! サルスベリ(百日紅)について、花言葉や特徴、育て方まで解説します!
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

庭木の定番、サルスベリ(百日紅)

ピンクの花が咲く

夏、ピンクの花で街を彩る木。 それがサルスベリです。 庭や道端に植えられている定番の木なので、誰でも1度は目にしたことがあるのではないでしょうか。 花はキンモクセイやライラックのように、房状にまとまって咲くので、葉っぱに印象が負けない華やかな樹木です。一般的にピンク色をしていますが、白や紫といったカラーバリエーションがあります。

定番と侮ることなかれ!

「サルスベリというと、昔の家に植えられているイメージ」 「定番すぎて、新しい家に庭木として植えるのはちょっと……」 ……なんて思っていませんか? 確かに、サルスベリは昔から民家や畑の近くに植えられてきました。 どこにでもある、真新しさがない、と感じてしまうのも分かります。 ですが、昔からある木ということは、それだけ昔から人気があった! ということなんです。その人気にも、もちろん理由があります。 では、サルスベリはなぜ、昔から日本人に愛されてきたのでしょうか? その理由はもちろん、「サルスベリって、どんな花?」という基本から育て方までご紹介します!

サルスベリ(百日紅)の基本情報

まずは、サルスベリの基本について確認しましょう。 サルスベリとは、ミソハギ科の落葉中高木です。 英名は「Crape-myrtle」、学名は「Lagerstroemia indica」です。 別名である「百日紅(ヒャクジツコウ)」は、長い間花が咲いていることからきています。

サルスベリ(百日紅)は、どこの花?

原産地は中国南部です。 そう言われてみれば、どことなく中華なイメージもあるような感じがしますよね。

サルが滑ってしまうから「サルスベリ」!?

和名である「サルスベリ」の由来は、いたって単純。 サルスベリの幹は、とってもスベスベしています。 なので、サルが木に登ろうとしてもツルッと滑ってしまうことから、「サルスベリ」と名付けられました。 しかし実際のサルは、ひょいひょいと登れてしまうそうです。 ちなみになぜ樹皮がこんなにスベスベなのかというと、古い樹皮の層が剥がれ落ち、新しい層に更新していることによります。

サルスベリ(百日紅)が定番な理由

花の期間が長い

サルスベリの花は、非常に華やか。 「百日紅」という名だけあって、7~9月の長い間、花を咲かせます。『並列花序』といって、中央のつぼみに対して、両脇に付いたつぼみが時間差で花開く性質を持っています。だから長い期間、ずっと花が咲いているように見えるのです。

花の少ない時期に重宝し、幹も抜群に美しい


夏は特に、葉っぱの生育が旺盛で、花は濃い緑に印象が負けてしまいがち。 庭を花あふれる雰囲気にするのが難しい季節なのです。 でも、サルスベリなら、この夏の時期にたっぷりとボリュームのある濃いピンクの花を咲かせてくれます。夏でも花が咲き誇る庭を造りたい! という場合、もってこいな木なのです。 おまけにスベスベと美しい樹皮は、花が咲いていない時期でも見ごたえがあります。

育てやすい

定番の理由は、その育てやすさも重要なポイント。 だれでも簡単なお世話で育てられるからこそ、昔から愛されてきたのですね。

和風の庭にも、洋風の庭にも合う

極めつけは、これ! どんな庭にも合う、用途の広さでしょう。 サルスベリは日本庭園に植えれば、昔ながらの古風な雰囲気を感じさせますし、洋風の庭に植えれば、パッと華やいだ雰囲気を与えてくれます。まさに万能な庭木なのです。

サルスベリ(百日紅)の花言葉

サルスベリには「雄弁」という花言葉があります。 これは、サルスベリの枝先にたくさんの花がつくことが由来です。

サルスベリ(百日紅)の品種

モダンで病気に強い新品種がおすすめ

従来植えられてきたサルスベリの多くは、中国原産のインディカ種とよばれる木でした。 このサルスベリは、うどんこ病に弱いという欠点があったのです。 しかし最近では、日本の神奈川県や海外で、うどんこ病に強い新しい品種が開発されてきました。 サイズ感や華やかさ、色にも工夫がほどこされています。 新品種たちをご覧いただければ、サルスベリは決して古くさい花ではなく、むしろ現代の新しい家や街路樹にもどんどん活用していただきたい木だということが、お分かりいただけるのではないでしょうか。 ここではその一部をご紹介します。特におすすめなものばかりを集めました。

インフニティ マゼンタ

出典: https://shop.takii.co.jp/CGI/shop/search/detail.cgi?item_code=NHX646

マゼンタ(濃いピンク)色をした非常に華やかな矮性種(小さめの品種)です。 6月下旬から9月ごろにかけて開花します。 木の高さは60~120センチほど。 大きく成長して他の植物のスペースを圧迫してしまうこともありません。 本来はコンテナ栽培で楽しめるように開発された品種なので、地植えせず、鉢植えにして楽しむのにも向きます。 手軽に栽培できるサイズ感と、華やかさを求めるなら、非常におすすめしたい品種です。

ブラックパールホワイト

出典: https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%BD%E8%8F%AF%E5%9C%92-%E5%9B%BD%E8%8F%AF%E5%9C%92-%E8%8A%B1%E6%9C%A8-%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%99%E3%83%AA-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%ABR-%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88-1%E6%A0%AA%E3%80%90%E2%80%BB%E7%99%BA%E9%80%81%E3%81%8C%E5%9B%BD%E8%8F%AF%E5%9C%92%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AE%E3%81%BF%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%93%81%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%91/dp/B0758XRRVN/ref=sr_1_fkmr1_4?ie=UTF8&qid=1509353425&sr=8-4-fkmr1&keywords=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%99%E3%83%AA

従来のサルスベリとは一線を画するイメージさえ感じさせるのが、このブラックパールホワイト。 葉は黒っぽく、花は白。つぼみは赤く、まるで実がなっているように見えます。つぼみの間も楽しめるのはもちろん、黒い葉だけの期間も絶妙にモダンな雰囲気があります。 樹高は3メートルほどと、大きくなりすぎないのも特徴。 アメリカ産の品種なので、洋風の家にもよく合います。 病気への強い耐性があるので安心です。

ディアルージュ

なんといっても深紅の花が魅力の品種。 赤系のサルスベリを植えたいと考えているなら、絶対にチェックしておきたい種類です。 ディアルージュは日本初の品種であり、ブラックパールホワイトのような黒い葉を持ちます。赤い花と黒い葉の組み合わせは、他にない真新しさがあります。つぼみの色も紅く、つぶつぶとした実をつけているような姿を同時に楽しむことができます。よく似た赤い花と黒い葉の品種に、「ブラックパール レッド」があります。


ディアパープル

出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%99%E3%83%AA-%E7%99%BE%E6%97%A5%E7%B4%85-%EF%BC%9A%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AB6%E5%8F%B7%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%88-%E8%97%A4%E6%A1%83%E8%89%B2%E3%81%A7%E3%81%86%E3%81%A9%E3%82%93%E7%B2%89%E7%97%85%E3%81%AB%E5%BC%B7%E3%81%84%E5%93%81%E7%A8%AE-%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%93%81/dp/B06XKYY3HV

品のある控えめな紫。 ピンクに近い印象です。 ビビットな濃いピンクは苦手な方、淡い色合いの花を育てたい方におすすめ。 日陰がちな庭にもよく合います。 洋風の庭園はもちろん、和風なお家のヤブランとも相性が良さそうです。

サルスベリ(百日紅)の育て方を解説!

「サルスベリを植えてみようかな……」 「鉢植えでも育つの?」 「初心者だから心配……」 そんな方でも平気ですよ! サルスベリは丈夫な木。育て方さえ分かれば、元気に成長します! 5つのポイントに分けてご紹介します!

育て方1、植えつけ

1-1、管理する場所

サルスベリは横に大きく広がる傾向があります。 なので、地植えの場合、広めにスペースを確保しましょう。 植え付けの時期は3月下旬から4月上旬がおすすめ。寒い時期はNGです。 日当たりと水はけのよい場所を選びます。土壌は肥沃で、やや湿っぽいと理想的です。注意したいのは冬の北風と乾燥。鉢植えの場合、冬の日は屋内に取り込み、日当たりのよい場所で管理するのもありです。

1-2、植え付けの手順

植え穴を掘り、堆肥と腐葉土をすき込みます。 やや高めに土を盛って植えつけましょう。

1-3、鉢植えするなら、矮性種

サルスベリは鉢植えでも育てることができます。 ただし、鉢植えにするなら「矮性種」とよばれる小さい品種を選ばなければなりません。ふつうの品種を鉢植えにすると、だんだん大きくなりすぎて、最終的には地植えせざるをえなくまります。まずは、きちんと品種を選びましょう。 成長するにつれて、根が鉢の中でいっぱいになりそうになったら、植え替えます。 植え替えのときも、たっぷりと堆肥を与えましょう。

育て方2、剪定

2-1、冬の剪定は避ける

サルスベリは寒さが苦手なので、冬に剪定を行ってしまうのはおすすめしません。 芽が出る直前の3月上旬~中旬に行うとよいでしょう。 木を高くしたくない場合、理想の高さで芯を切りとってしまいます。 横の枝も「切り戻し」といって、先端を切り取る作業を行いましょう。こうすることで、切り口から枝が分かれていき、花もたくさん咲くようになります。小柄ながら、花つきのよい株を作れるのです。

2-2、 剪定で元気な枝だけを残す

元気のない枝、混み合った枝も、剪定で切り取ります。 こうすることで、必要な枝に栄養と日光が行き渡るようになります。 剪定せず放置すると、全体的に花が小さくなりがち。 シュンとした見栄えの悪いサルスベリになってしまいます。せっかく植えるならきちんと剪定をして、あのフカフカした花をたっぷりと咲かせたいものです。


育て方3、肥料

サルスベリには寒肥を与えます。 1~2月のもっとも寒い時期に行いましょう。根の周りにぐるりと溝を掘って、有機肥料をたっぷりと与えます。堆肥、腐葉土、鶏糞などがおすすめです。 この作業さえ行えば、他に追肥は不要です。

育て方4、挿し木

4-1、挿し木でサルスベリを増やそう

サスルベリを増やすなら、挿し木がおすすめ。 すでに庭に1本あると「これ以上増やしても……」「スペースがない……」とお思いになるかもしれません。でも、挿し木で鉢植えを作ると可愛いんですよ。玄関先やベランダにスペースがあるなら、ぜひ挿し木をして、サルスベリの鉢植えを作ってみたいものです。 挿し木は3月下旬~4月上旬の、温かくなりはじめた季節に行います。 元気そうな若い枝を20センチほど取り、切り口を鉛筆の先端のように尖らせましょう。よく水揚げしたら、赤玉土(小粒~中粒)に挿します。土の温度が20~25度ほどで発根しますよ。

4-2、挿し木のコツは、乾燥を防ぐこと

挿し木を行うときは、乾燥に注意。 一日中日が照りつける場所に置くと、乾燥しがちです。明るめの半日陰で管理すると良いでしょう。また、挿し木同時を密に植えることで、乾燥しにくくなります。 だいたい剪定と同時期に挿し木を行えるので、 剪定と一緒に枝を取っておき、挑戦してみてはいかがでしょうか?

育て方5、注意したい病気

うどんこ病

サルスベリのかかりやすい病気は、うどんこ病です。 これは、葉っぱにうどんの粉をまぶしたような、白い点々が付く病気。 ただし、比較的新しい品種たちは、うどんこ病への耐性を持っているものが多いです。心配であれば新しい品種を選ぶと良いでしょう。 また、アブラムシ、カイガラムシの発生もみられます。 こういった被害予防のためには、冬に石灰流黄合剤の10倍液を散布するとよいでしょう。 実際に発生するのは5月~7月ごろなので、この時期にも乳剤の1000倍液を散布すると効果的です。

サルスベリ(百日紅)は、華やかな永遠の定番!

サルスベリのボリューミーな花は、永遠の定番です。 花の素晴らしさ・花期の長さはもちろん、 従来弱かった病気に強く、より現代的な品種が新しく誕生しているのも注目したいポイント。 「実家にあった木だから……」「なんとなく見飽きている」という方でも、きっと真新しさに驚かされるようなサルスベリに出会えるはずですよ!