アンスリウムとは?(学名・英語・原産国は?)
学名 :Anthurium andraeanum 科・属名 :サトイモ科・アンスリウム属 英名 :Anthurium・Tailflower・Flamingo flower 原産地 :熱帯アメリカ~西インド諸島 別名 :アンスリューム・アンスリウム・アンドレアナム・ オオベニウチワ(大紅団扇) 園芸分類 :熱帯植物・観葉植物 種類 :600種類以上 形態 :多年草 特性・用途 :常緑性・開花期が長い・日陰でも育つ 草丈/樹高 :30~80cm 耐寒性 :弱い(12℃~) 耐暑性 :普通(~30℃) 日照 :明るい日陰 肥料 :5月中旬から10月(生育期)薄めの液肥/月、 緩効性置き肥/1~2回 栽培難易度(1~5):2 鑑賞時期 :5月~10月(環境が良ければ1年中) 植付け、植替え :5月~7月 用途 :鉢植え・切り花 花の色 :赤・ピンク・白・黄・オレンジ・緑など 花言葉 :煩悩・恋にもだえる心・可愛い
アンスリウムの特徴
アンスリウムの原産地では!!
熱帯アメリカに600種類以上も分布するアンスリウム。 これだけの多くの種類が育つ環境を持つ熱帯アメリカとは… エクアドルには、 森林の木々に張り付いて生長する種類の着生種(種類)があります。 その種類は、茎から気根という根を出して樹木などに張り付いて生長します。 また、地面に根を下ろす本来の種類の地生種(種類)もあります。 南米の森林の環境は、 まず湿度が高い。光が乱反射して、葉は日焼けしにくくなります。 次に、日当たりがよい。風通しが良い。 アンスリウムは、この環境で何世代も生き続けた植物なのです。 皆さんもお家でその環境を作ることが、アンスリウムの育て方の原点です。
アンスリウムの謎めいた花姿、本当の花はどれ?
花に見える赤いハート…仏炎苞(ぶつえんぽう) 花を包む苞:葉から変化したものです。 苞が古くなると緑色に変化します。 アンスリウムの花 …肉穂花序(にくすいかじょ) 実際の花は、尾のように突き出した肉穂花序、 黄色の突起部分に咲きます。 表面を覆うつぶつぶ、これが本当の花です。 花がちいさいので、苞が色づいたりして、 虫をおびき寄せていたのでしょう。 現在は、一般的に苞と花序を含め花と呼んでいる様です。 同じサトイモ科の種類…カラー・ミズバショウ・モンステラ
アンスリウムの種類
形態も種類によっていろいろあります。 鉢植えで多いい直立性のほか、つる性もあります。 園芸では用途別には「葉を鑑賞する種類」と「花を観賞する種類」に分かれ、 鉢花、切り花として扱われます。
花を楽しむ種類
オオベニウチワ : 原産地はコロンビア 葉の軸を80cmほど伸ばして30cm前後の卵形の葉を付けます。 切り花需要です。 ベニウチワ : 原産地はコスタリカやグアテマラ オオベニウチワに比べるとやや小型です。色はオレンジ色、赤色です。
葉を楽しむ種類
ヤツデウチワ : 原産地はメキシコ 葉は濃緑色、表面自体に光沢が出ています。
実を楽しむ種類
スカンデンス : 原産地は西インド諸島~エクアドル 小ぶりでつやのあると白く輝く実が大変かわいらしい。 半つる性で他の樹木などの上をよじ登るように伸びていきます。 2cm~3cmの果実を房状に40コ程度つけ、熟すと白色になります。
初心者でもできるアンスリウムの育て方のポイント6選
まず、初心者の方にやっていただきたいアンスリウムの育て方の基本は、 良い鉢とのめぐり逢い、 アンスリウムにとって最適な部屋と置き場所を見つける事です。 次に水やりのポイントをつかみ、肥料を与えるタイミングをマスターすれば、 以外に簡単に冬まで楽しめる観葉植物なのです。 後は冬越しをさせるテクニックです。 ここまでを本章で初心者の方にも解り易く紹介いたします。
アンスリウムの育て方、基本ポイント1.良い株を選ぼう!
初心者の方が、アンスリウムを買おうと決めた時の最初のポイントは、 良い株を選ぶことです。 良い株は1番上の花が黄色(肉穂花序)です。 新しい花(黄色)が一番高い位置で咲いているのが健康的!! 根が傷んでいると、新しい花が、一番高い位置では咲いていません。 このように良い株の一鉢を園芸店などで買ってきましょう。
アンスリウムの育て方、基本ポイント2.日当たりと置き場所
初心者の方でも、日当たりと置き場所を抑えれば、案外育てやすい観葉植物です。 部屋の窓辺のカーテンごしで、 50%程度、光をさえぎることが出来、温度が上がりにくい場所で、 風通しのよい場所がアンスリウムにとって心地のよい置き場所となります。
アンスリウムの育て方、基本ポイント3.水やり
アンスリウムの育て方・水やりのポイント
育成時期(4月から10月)用土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。 用土が常に湿った状態であれば、根腐れすることがあります。
アンスリウムの育て方・霧吹きのポイント
霧吹きは基本、葉に対する管理の仕方です。 アンスリウムの葉は湿度の高い場所を好みます。 季節にかかわらず毎日たっぷりと霧吹きをし、 部屋の湿度を高めてやります。 花、葉、株元、そして葉の裏まで霧吹きする事が重要です。
アンスリウムの育て方、基本ポイント4.肥料
育生時期(5月中旬~10月)に肥料を与えます。 それ以外の休眠期に肥料を与えると、根腐れの原因となります。 初心者の方の場合、肥料をやる時期を覚えておくことが大切なポイントとなります。
アンスリウムの育て方・液肥(鉢植え)の場合
市販の「水に薄めた液肥」を3~5倍に薄めた液肥を、 月に3回程度与えることをお勧めします。
アンスリウムの育て方・緩効性肥料(鉢植え)の場合
緩効性肥料の置き肥は、鉢の周辺(茎元から遠ざけて)2,3か所バラシて、 育生時期の間に2,3回与えす。
アンスリウムの育て方、基本ポイント5.剪定
初心者の方が考えないといけない剪定は、 傷んできた葉があれば根元から切ってやる程度です。 傷んだ葉を放置すると、株自体にダメージを与えるこ事もあるので、 早く剪定しましょう。
アンスリウムの育て方、基本ポイント6.冬の管理
アンスリウムは基本的に強い観葉植物です。 普通に育てても、花は咲きやすく、長く楽しめる観葉植物です。 初心者の方が、つまずくポイントの一つとして考えられるのは、 冬の管理ミスです。 育生時期を戸外で育てる方もおられるでしょう。 冬は部屋に入れ窓辺で日の当たるカーテン越しの場所を選び置いてあげましょう。
アンスリウムの育て方・冬の温度管理について
冬の温度は10℃程度までなら耐えることが出来ますが、葉は落ちてしまいます。 葉を落とさず、花を咲かせ続ける環境は17℃以上必要です。
アンスリウムの育て方・冬の水やり
気温が低いと成長せず、根も水を不要なため、冬は水やりの回数を少なくします。 目安としては、鉢の用土が、乾ききってから2,3日後の水やりでOKです。
アンスリウムの育て方・冬の霧吹き
霧吹きは水やりと管理方法が違います。 冬の部屋は暖房があること。そして、基本多湿の植物ですので、 毎日霧吹きを欠かさないようにしましょう。
来年も楽しむための上級ポイント5選
1.用土
園芸店で売られているアンスリウムの鉢は、 ピートモス(柔らかめの土)主体の用土を、 使っていることが多いいので乾燥すると根が傷んだり、 切れたりしやすい傾向があります。 なので少し硬めの土に植え替えることで、乾燥にも対応しやす用土となります。
用土の配合例
赤玉土(小粒)5、鹿沼土(小粒)2、軽石2、ヤシ殻チップ1 粒子が荒く硬いものがお進めです。 赤玉土(小粒)と鹿沼土(小粒)は、2mm角のふるいにかけ、 細かい粒子を取り除きます。 その前処理の後で、上記の配合をします。これで用土は出来上がりです。
今回、上級のポイントとして掲載しましたが、 初心者の方にも鉢の購入後、「新しい用土」を作り「植え替え」(次章)まで、 是非チャレンジして頂きたいと思います。
2.植え替え時期と方法
冬の時期を元気に部屋の中で乗り越えたアンスリウムの鉢は、 2年を目処に暖かい時期(5月から7月)、 一回り大きな鉢に植え替える必要があります。 元気で良い株は2年もすると、 鉢いっぱいに根がまわり根詰まりをおこし枯れる原因となるからです。
植え替えの手順
1.株を鉢からだします。 2.根から用土を落とします。 3.元気な株は、バケツの中で水洗いし全て用土を落とします。 4.傷んだ根があればすべて、切りとります。 5.一回り大きい鉢に、上記の用土で植え替えます。
3.増やし方
株分け
5月中旬から8月頃が株分けに適しています。 植え替えを兼ねて行うとよいでしょう。 アンスリウムの元気な株は子株が出ます。 株を鉢から出し、子株を取り分けます。 株分けはハサミを使うより手で分けた方が株を傷つけません。 子株の根はそのまま、新しい鉢に植え替えます。
とり木
アンスリウムのとり木は、5月~8月に行います。 茎の中段辺りで、新芽が出ているところにミズゴケを湿らせて、 巻きつけ管理します。 1か月ほどすれば、根が出てくるのでその下から切り取り、 新しい鉢に植えつけます。 これで新しい鉢の出来上がりです。 挿し木より成功率が高いと言われています。
仕立直し
アンスリウムの株が2~3年たって大きく成長してくると、 下葉が落ち、中段から下の部分が気根のたくさん生えた、 茎だけに成ってしまう事があります。 その様に成ってきたら、下部の茎だけを残し仕立直します。 上の部分を違う鉢に植え替えることで、見栄えの良い鉢に生まれ変わります。 仕立直しの時期は、5月中旬~7月の20℃以上の時期が良いです。
・仕立直しの手順 1.気根をできるだけ多く付け、葉の下5cm程度残し切ります。 2.切った茎は、植え替えと同じ要領で新しい鉢に植えつけます。 ※切り取った茎が多い場合、何鉢かに分けて植えても構いません。 3.残った鉢も新芽が出てくるので、日々の管理をしっかりしてやりましょう。
4.トラブル対処法
葉が黄色くなった時
鉢に水をやりすぎたりして用土が湿った状態になった時、 葉の色が黄色になることがあります。 次に、部屋の中で暗い場所で育ていると、この状態になることもあります。 この様な場合は、水やりのタイミングを変えるか、 部屋の置き場所を変えて調整しましょう。
葉が焦げた様になった時
屋外の置き場所で管理している場合、場所によっては、 直接日光が当たることがあります。 1~2時間程度でも、直射日光に当てると葉焼けしてしまいます。 この様な場合は、直射日光に当たらない場所に移すか、 遮光ネットなどで光の量を調節してください。 一度、葉焼けすると、回復しませんので注意してください。
全体的に萎れて元気がない時
部屋と置き場所そして水やりのタイミングに問題が無ければ、 肥料の与え方に問題があることが考えられます。 少ないと感じた場合は、効き目の早い液体肥料を与えてください。 肥料の与える時期は、春から9月頃までです。 与えすぎで元気がない場合は、根腐れしている可能性があるので、 用土を新しくし、植え替えてやる必要があります。
5.楽しみ方
花と葉の絶妙なコントラストが、 独特な雰囲気の美しさをかもし出すアンスリウム。 そこに鉢の色合いを変えるだけで、 お部屋や置いてる場所のイメージがガラッと変わります。 皆さんがいつもおられる部屋に置く花瓶の色は、真っ白がお勧めです。 アンスリウムを純白の花瓶で飾る。 清潔感・純粋・見てるだけで癒される感じになります。 さあ自宅でホームパーティ、何色の花瓶で一番目立つ場所に飾りましょうか。 私なら真っ赤な大きな花瓶に飾ります。 活動的、情熱的、テンション上がりませんか。
オシャレな水耕栽培・ハイドロカルチャー
「ハイドロカルチャー」で飾ってみませんか。 ・ハイドロコーンを使った水耕栽培です。 ・用土を使用しないので、お部屋の場所を清潔に保てます。 ・水の管理が簡単で観葉植物が良く育ちます。 ・植え替えが簡単なので、今静かなブームです。
寄せ植え
アンスリウムは真っ赤な花と緑の葉が、 絶妙なバランスをかもし出す観葉植物です。 アンスリウムだけを鉢植えにするのも素敵ですが、寄せ植えにしても、 目立つ一鉢になります。 アンスリウムの色合いの違う花を寄せ植えにすると、ボリューム感すごいですね。 花のない観葉植物と寄せ植えすると、アンスリウムがいいアクセントになります。 色々な植物と寄せ植えしてみるのも楽しいものです。
まとめ
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。 いかがでしたでしょうか。 アンスリウムは環境が良ければ、 一年中花を咲かせることも出来る観葉植物です。 初心者の方でも、初年度を冬越しさせるためのノウハウ!! 2年後・3年後に長く咲かせて楽しむノウハウ!! ぜひ、アンスリウムでお部屋の演出をお楽しみください。 もし、お困りのことがあれば、また参考にしてみてください。 ありがとうございました。
仏炎苞(ぶつえんぽう) 肉穂花序(にくすいかじょ)