トウモロコシの葉を剥いたら虫が!?
トウモロコシ(スイートコーン)を育てていて、葉をめくったら実の中に虫が…。きゃ、気持ち悪い。 どうやらこの虫に実を喰われているらしい…。せっかく出来てきたスイートコーンの先端が喰われ、茎は穴を開けられ…。 一体この虫の正体は何なのか。そして除去や防除の方法をご紹介していきます。
この子です!
— めぽ (@lovetoru) September 28, 2017
アワノメイガという種類みたいです(๑òωó๑) pic.twitter.com/5AqJTVzTTw
実や葉を食い荒らしていたのはアワノメイガ
トウモロコシの天敵ともいわれるアワノメイガ。トウモロコシの実を喰い荒らすのは、この「ガ」の幼虫です。雨が降らず暑い季節に多く発生します。
これがアワノメイガの幼虫だ!
アワノメイガとは、「メイガ」という蛾の仲間です。アワノメイガはトウモロコシをはじめ、稗や粟などの穀物を食害することで知られています。 この害虫と呼ばれているのがアワノメイガの幼虫で、体長は数ミリ~数センチ。 家庭菜園のトウモロコシもこの幼虫の被害に遭うことが多いです。 アブラムシのように病気やウイルスを媒介することはありませんが、トウモロコシの実ができる前の雄穂、雄花が食害され、結果実がならなくなってしまいます。 さらに奥の方にも侵入し、茎の中に入り茎の中心部も食害するのでトウモロコシ自体の生育も悪くしてしまうのです。
アワノメイガの幼虫はいつ侵入するのか?
アワノメイガは、幼虫の状態で冬の間イネ科植物の茎の中で過ごし、春になるとそこから這い出して成虫になります。成虫となった蛾が春から初夏にかけて植え付けが始まるトウモロコシを見つけて、トウモロコシの葉の裏に卵を産み付けます。この卵がかえり幼虫が這い出し、幼虫が茎に穴をあけて侵入し被害が出てくるのが、トウモロコシの実が大きくなる8月頃です。
アワノメイガに似たアワヨトウにも注意
今日はアワヨトウ、アワノメイガらしき幼虫にトウモロコシがかなり食い荒らされていて駆除に2時間ぐらいかかった(›´ω`‹ ) pic.twitter.com/26f5fp4A3K
— INSECTORs (@Incectors) September 18, 2017
アワノメイガに似た病害虫にアワヨトウという食害中がいます。灰〜黒色で背面に縦縞がある幼虫で、大きくなると、昼間根元に潜んで夜に食害します。食べる量が多いので、こちらも見つけ次第早めに除去しましょう。
アワノメイガのトウモロコシ被害にと対策について
穂が出るまでに農薬を撒くのがベスト
売ってないだろうと思いつつ、行ったらあったトレボン乳剤
— スイッチオン (@gyahhaon) October 1, 2016
明日はチャドクガ退治
理由は不明だが、大量発生 pic.twitter.com/6125BigC1D
アワノメイガの被害対策として、農薬の散布があります。 トウモロコシの 雄穂の出始める頃から雌穂の絹糸が出揃うまでに農薬を撒くのがベストだとされています。トウモロコシの実の先から出た絹糸が出そろうまでの約10日間隔で「トレボン乳剤」などを2~3回散布することで、アワノメイガだけでなくオオタバコガの防除も同時に期待できます。 農薬を撒くときは、トウモロコシの葉の両面にしっかりと薬剤がかかるように散布しましょう。 トウモロコシの葉の裏は卵を産み付ける場所ですし、孵化した幼虫が移動する道筋にもなります。葉の両面にしっかりと薬剤をかけるようにすることが重要です。 一度幼虫が実や茎の中に入り込むと薬剤が効きにくくなってしまうので、散布が遅れないように、天候を見計らって予定より早めに散布するように心がけましょう。 その他農薬がしっかりと葉や茎に残るように、展着剤を使用することもあります。
アワノメイガの入る場所
麻の虫食い。正体を調べたらどうやらアワノメイガの幼虫みたい。麻の茎の中に入り込んで食害し、そこから折れてしまうため製品になりません。食害が多いとそれだけ製品が減るので農家としてなんとか対策したいのですが、無農薬でできないかな? pic.twitter.com/DxJ46tS1bb
— にーやん(にじまる食堂&農園) (@t_niiyan) July 13, 2016
アワノメイガは茎に穴をあけてそこから出入りします。穴から茎の中に入り、しばらく食べるとその穴を通って出ていくを繰り返し、徐々に穴が大きくなります。また、茎以外にもトウモロコシの実のひげが出ている部分も幼虫の通り道になるので、ヒゲの生え際にも農薬を蒔く必要性も出てきます。 ヒゲの生え際の穴から侵入されると実を食べられるのは確実ですので注意しましょう。
アワノメイガの被害を防ぐための有機対策
土作りや雄花の除去も対策に
アワノメイガを防除するには、農薬を散布する以外にも土作りの際に窒素分を少なめにしたり、雄花をカットするなどの方法があります。 土作りで気を付けることは、窒素分が少なめで、ミネラルが豊富な土で栽培すると発生しにくいということも証明されています。植え付け前に堆肥をしっかりと加え、ミネラル分の豊富な土になるよう心がけましょう。 受粉が完了すれば、雄花は用済みなので、受粉が完了したのがわかったら切り落とします。 そうすることで再度「アワノメイガ」の飛来するのを防除できます。 あとは雄花の受粉が終わったあとはすぐに切り取るようにすること。アワノメイガは雄花の匂いによって来る傾向にあります。受粉が済んだあとは、雌花は切り取って畑の外へ持ち出します。
とにかく見つけ次第捕殺する
農薬を使わないと決めたなら、あとはとにかく見つけ次第捕殺します。例えば雌花の周りに茶色いフンがついていたら、小さくても幼虫がいるかもしれないという予兆。 趣味の家庭菜園なら、植え付け本数もそれほど多くはないと思いますので、日々観察するなら「雌花」を必ずチェックするようにしましょう。 その他チェック項目としては、 ・雄花付近の葉の裏に卵があるか、ないか ・雄花に茶色いフンが付いていないかどうか ・雄花の下の茎部分に穴が空いていないかどうか ・雄花の穂を触ったとき、スカスカになっている部分があれば、幼虫がいるかもしれません。
アワノメイガの駆除は難しくない!
アワノメイガの防除や対策では早めの農薬の散布の他、土作りや雄花のカットなども重要です。それでも虫はやってきますが、日々こまめに観察し、虫を見つけたら捕殺しましょう。 虫が苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、早めの対策が虫を最初から寄せ付けない秘訣です。