はじめに ~新しい釣り「SUPフィッシング」~
SUPフィッシング…この言葉を初めて聞く人も多いと思います。 SUPフィッシングは、ここ数年の間に生まれ、まだまだこれからの新しい釣りのスタイルです。ここでは、「SUP」と「SUPフィッシング」に必要な道具の紹介を通して、皆さんがこの新しい釣りに興味を持っていただくことを目指しています。
「SUP」とは
「SUP」とは、「Stund Up Paddleboard (スタンドアップ・パドルボード)の略称で、日本語では「立って漕ぐボード」になります。サーフィンやボディボードと違い、パドル(オールのようなもの)を使い、立って漕ぐことで水上を移動します。「立って漕ぐなんて危なくない?」と思われるかもしれませんが、 SUPボードは幅が広く安定性に優れています。
このため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。(もちろん水上でバランスをとるための練習は必要です)SUPフィッシングは、その名の通り、SUPを使った釣りです。ボートよりも手軽で小回りが利くため、陸上から攻めにくいポイントも攻略できます。 今回は、SUPフィッシングについて、必要な道具をまず紹介していきたいと思います。
揃えよう! SUPの5つ道具!
まずはSUPを楽しむための道具の紹介です。フィッシングだけでなく、安全上必要なものもありますので、しっかり読んでくださいね。
1.SUPボード
まず、 SUPボードは材質別に「インフレータブル」と「ハード」に分けられます。初心者の方は、折りたたんで使えるインフレータブルがおすすめです。
インフレータブル
ゴム(PVC)でできており、ボードの中に空気を送り込んで膨らませるタイプ。未使用時は折りたためるので持ち運びや保管に便利です。
Beyond Marina インフレータブル パドルボード
ハード
ポリウレタンや木材などでできているタイプ。頑丈だが折りたためないので持ち運び、保管場所などで手間がかかる場合もあります。
また、用途でも様々なタイプに分けられます。レース用、ツーリング用などもありますが、ここではフィッシング、オールラウンド用についてお話します。
フィッシング用 ~釣り専用に作られた、釣り人のためのボード~
幅が広く、道具を乗せやすいのが特徴です。ロッドホルダーがついているものもあります。
SUP BCカーボンパドル
オールラウンド用 ~どれを選べばいいかわからない、釣り以外も楽しみたい~
釣りだけでなく、ツーリングなど幅広い用途があるタイプです。初心者にもおすすめですね。

2.パドル
SUPは手足ではなく1本のパドルを使って進みます。「パドル」という単語を初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。パドルとは、カヌーなどで使用する櫂(かい)のことで、ボートのオールと同じものと考えていただいて構いません。 SUPのパドルも材質や長さが様々で、使用者の用途や体格、体力により使い分けられます。
パドルの材質と特徴について
パドルは、材質で形が変わるものではないので、各材質ごとの特徴を簡単に挙げておきます。購入時の参考までに。 ・カーボン…軽量かつ丈夫だが、その分高価 ・グラスファイバー…軽量でカーボンより安いが、曲がりやすい ・アルミ…安価で丈夫だが、カーボンなどと比べてやや重い
MORGEN SKY サップパドル MS-CP11
MORGEN SKY サップパドル MS-CP11
また、保管時に外して長さを変えられるタイプもあります。外した場合、2~3ピースに分けられます。
airSUP アルミ・3ピース・パドル
airSUP アルミ・3ピース・パドル
3.リーシュコード
リーシュコードとは、落水時にボードが流れて離れ離れにならないように、体とボードをつなぐためのものです。海では通常足首に着けますが、リバーSUPでは腰につけたりなど、用途に合わせ取り付け個所やタイプが変わります。
ストレートコード
コードが巻かれていないタイプ
クリエイチャーズ リーシュコード PRO
コイルコード
コードが巻かれているタイプ
NKTM SUP用リーシュコード コイルリーシュ
4.ポンプ(インフレータブルボード用)
インフレータブルボードは、中に空気を入れて膨らませる必要があります。このためのポンプが必要です。ただし、手動ポンプはボードに付属して販売されていたりもします。あくまで参考としてご覧ください。
手動式
自転車の空気入れのような、手押し式のポンプです。
INTEX ハイアウトプットハンドポンプ
電動式
自動車のシガーソケットを電源にして膨らますタイプ。手動より楽に空気を入れられるのでおすすめです。
セビラー 12V 15PSI ウォーターポンプ
セビラー 12V 15PSI ウォーターポンプ
体力的な面も考えると、最初に電動ポンプ、仕上げに手動ポンプで適性の空気圧まで空気を入れられたら理想ですね。
また、ここまで読まれた方はうすうす気づいていらっしゃると思いますが、1~4の道具はセットで売られていたりもします。価格も安ければ5万円前後でもあったりしますので、特に初めての方はセット商品から検討してみるのもおすすめです。
WOWSEA Rainbow R1 インフレータブルパドルボード
WOWSEA Rainbow インフレータブルパドルボード
5.ライフジャケット
いくら泳ぎに自信がある人でも、服を着た状態での泳ぎはかなりの体力を消耗します。また、SUPに限らず落水はパニックによる溺水にもつながりやすいので、必ずライフジャケットは着用してください。 ライフジャケットは、ソルトウォーター用のもので大丈夫です。ルアーや小物などが入る大小のポケットがついているのもうれしいですね。
ダイワ ライトフロートゲームベスト DF-6421
揃えよう!3つの装備
SUPフィッシングは基本的に日陰のない海上での遊びです。熱中症や、落水に注意する必要があります。また、魚のとのファイトやランディングもボード上の限られた空間で行うため、装備にはシンプルさと動きやすさが求められます。
6.帽子
熱中症対策には必須です。
クイックシルバー 日よけ帽子
7.服装
夏場などは水着でもよいのですが、日焼け対策はやはり欲しいところ。ラッシュガードや乾きやすい化繊性の長袖のシャツを着用しましょう。また、ウェットスーツなどがあれば夏以外の季節でも楽しめます。
VAXPOT(バックスポット) VA-4011
VAXPOT(バックスポット) VA-4011
AIRFRIC 3mmダイビングスーツ
AIRFRIC 3mmダイビングスーツ
8.マリンシューズ
日焼け対策のほか、上陸時に足を怪我しないように1足あると便利。
SIMARI SWS001
SUPフィッシングのタックル、この5つを揃えよう!
ようやくフィッシングのお話です。SUPフィッシングの場合、先に述べたようにボードの上だけでキャスト~ランディングと、釣りの一通りの過程をこなすことになります。揃えるタックルもシンプルを心がけましょう。
9.ロッド
基本的には短くて丈夫なものがおすすめです。
餌釣り
シロギスなどの餌釣りであれば、コンパクトロッドがおすすめです。
サンライク(SANLIKE) 投げ竿
ルアー釣り
シーバスロッドやショアジギングロッドがおすすめです。長さは6~9ftくらいが扱いやすいでしょう。
シマノ(SHIMANO) スピニングロッド ルアーマチック
ご自身の慣れやターゲット、海況に合わせて、徐々にロッドを変えていきましょう。
10.リール ~SUPフィッシングは水濡れと隣り合わせ~
汎用性、価格など、スピニングリールがおすすめです。ただ、常に海水に濡れることを考えて、ソルト用のものを選びましょう。
ダイワ(DAIWA) スピニングリール 18 レガリス LT
11.仕掛け
餌釣り
シロギスなどを狙う場合は、ボート釣りなどで使う市販の仕掛けや餌(イソメなど)がおすすめです。 ただし、仕掛けの針は多くても2本針がいいでしょう。競技用の仕掛けなどで、何本もの針にシロギスがかかるのは憧れますが、そこはSUPの上ということを忘れずに。安全のためにも欲張らずに針は1~2本が無難です。
シロギス仕掛 競技用赤鈎
ルアー
陸上よりも深く、広くポイントを探れるSUPの強みを活かして、スズキや青物、ヒラメなどもルアーで狙ってみましょう。シンキングミノーやメタルジグなどがおすすめです。
タカミヤ H.B concept ライトステップ ジグ
12.クーラー
小、中型のクーラーがあると便利です。餌や魚の他に、氷や飲み物、おやつなどを入れておくと、熱中症や体力の消耗を防げます。また、ロッドホルダーもつけておけば、移動中もパドリングに集中できます。
ダイワ(Daiwa) クーラーボックス 釣り クールライン
13.ストリンガー
ストリンガーがあれば、釣った魚をボードにつないでおくことができます。クーラーのあるなしに関わらず、一つ携行しておくことをおすすめします。
プロマリン ATE200
あったら便利!SUPフィッシングの補助用具
ここでは、これまでに話した装備やタックルの他に、SUPフィッシングをより楽しむための補助的な道具を紹介します。
シーアンカー
SUPは軽いため、潮流の影響を受けやすいです。ポイントがずれたり、流されて岸に戻れなくなるのを防ぐために、アンカーがあればある程度の制御が効きます。
Ocean South シーアンカー
サングラス
日光や海面の照り返しなどを防ぐことができます。
FERRY 偏光レンズ スポーツサングラス
ランディングネット
SUPフィッシングでは、ランディング時はそのままボード上に魚を乗せ上げますが、直前で暴れてなかなか乗らなかったり、バラシを防ぐために、小型のランディングネットがあれば便利です。
プロックス(PROX) ラバーランディングネット
まとめに ~SUPフィッシングを楽しむために~
ここまで、SUPフィッシングについて必要な装備やタックルについてお話しさせていただきました。SUPフィッシングは釣りの可能性を広げる手段として、とても魅力的です。最後のまとめとして、安全とマナーについて、簡単にお話しさせてください。
SUPフィッシングは安全第一
SUPはサーフボードに比べれば幅広で安定性もあります。しかし、やはりボートなどに比べればバランスや波に弱いのも事実です。風や波にあおられての落水、転覆など、思わぬ事故を起こさないように注意して下さい。波が強いと感じたときは、決して無理しないで引き返す勇気も大切です。
マナーを守って楽しい釣りを
海は個人のものではありません。漁業者など、海を舞台に生活をする人たちの邪魔にならないように心がけることも大切です。いけすや漁船に不用意に近づかない、海にごみを捨てないなど、ごく基本的なことですが、必ず守るようにお願いします。
安全とマナーを守り、SUPフィッシングにぜひチャレンジしてください!