ガクアジサイとは
種類がどんどん増えている、人気のアジサイ
誰もが知っている「アジサイ」。 このアジサイの中でも、画像のような種類のことを「ガクアジサイ」といいます。
「てまり咲き」とガクアジサイの違い
カレンダーや絵はがきによく描かれるアジサイといえば、真ん中にも周りと同じような花がついていて、もっとまんまるな形をしていますよね。一般によく知られているこの咲き方をするアジサイは、「てまり咲き」と呼ばれています。 対してガクアジサイは、小さなつぼみのような点々が中央に集まっている種類です。 この部分こそが花で、周りを囲っている花びらに見える部分は「萼片(がくへん)」といい、葉っぱが変化したものです。萼片が目立つから「ガクアジサイ」と名付けられたのですね。
ガクアジサイの基本データ
花言葉
「移り気」や「浮気」、「冷淡」「高慢」など。 マイナスイメージの言葉ばかりに思われますが、実は花の色ごとにも花言葉があり、こちらはプラスイメージの言葉が揃っています。 ・赤い花…元気な女性 ・青い花…辛抱強い愛情 ・白い花…寛容
贈り物にも向いている
庭に植えて観賞するのはもちろん、最近は贈り物にも人気の高い花です。 とはいえ、てまり咲きのアジサイに比べて、ガクアジサイは簡素な印象なので、人にあげたときの見映えが劣るように思えてしまうかもしれません。 ですが、最近では萼片(便宜上、以下の文では萼片を花と書いています)の部分がゴージャスな品種もたくさん登場しています。花屋さんで見比べれば、決して見劣りする花ではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
最近は母の日の贈り物にも人気
近年、アジサイ類は母の日の贈り物としての人気も高まっています。 母の日と言えば、カーネーションが定番ですよね。 しかし最近は、ガクアジサイも母の日用のギフトに多く用いられるようになってきました。 アジサイは花持ちもよく、年代関係なく人気の高い植物です。ご紹介した「元気な女性」「辛抱強い愛情」「寛容」といった花言葉も、母の日にピッタリとはまりますよね。 いつもカーネーションばかりだとつまらない……とお思いの方は、アジサイを贈ってみるのもアリですよ! ガクアジサイだけでも種類が豊富なので、選ぶ楽しみもあります。「こんなのあるんだ!」とびっくりするようなものが見つかるかも?
ガクアジサイの品種を選ぼう
種類が豊富
「ガクアジサイを育ててみたい……」 そう思ったらまずは、品種選びをしましょう! 人気の植物というのは、たくさんの品種改良が行われるもの。 ガクアジサイも例に漏れず、今日までにたくさんの品種が生み出されてきました。中には2010年以降に考えられたものもあり、その種類の多さから、ガクアジサイの人気がうかがえます。 ここではその一部をご紹介します。
こんぺいとう
最近誕生した、新しいガクアジサイです。 花びらのふちが白く、こんぺいとうのような星形の花が特徴。従来のアジサイと比べて個性の強いシルエットをしています。花は八重咲きで、遠くから見ると、ガクアジサイではなくちがう植物のようにも見えます。モダンで真新しいアジサイを育ててみたい人におすすめ。
恋路ヶ浜
葉っぱが特徴的なガクアジサイ。 よく見ると、白い斑が入っています。 多年草(1年で枯れず、1度植えれば来年模索植物)であるガクアジサイは、1年のほとんどを葉っぱだけの状態で過ごします。観賞を楽しめる美しい葉であることも、重要なポイントのひとつです。
ガクアジサイを育てるときのポイント
アジサイというと、育てるのが少し難しそうに感じられるかもしれません。 でも、好む環境に合った場所に植えられれば、意外としっかり育ってくれるんですよ。
押さえておきたいのはこの3つ!
ガクアジサイを育てるときには、最低限この3つを押さえておきましょう!
①乾燥が嫌い
梅雨の花というイメージから連想しやすいかもしれませんが、ガクアジサイは乾燥を嫌う植物です。とくに真夏の間、直射日光がずーっと強く照りつけるような場所では、上手く育たない場合があります。
②水を切らさない
地面に直接植えるのであればそこまで心配は要りませんが、鉢植えにした場合は特に注意! 忘れずに水やりを行ってください。鉢がカラカラになると根が乾燥し、ガクアジサイに大きなダメージを与えてしまいます。
③ジメジメしすぎもNG
「乾燥が嫌いなら、日陰の湿った場所に植えれば良いんじゃない?」 そう思われるかもしれませんが、実はこれもガクアジサイに合った環境とは言えないのです。 1日のうちに、太陽光が当たる時間と日陰になる時間の両方がある「半日陰」なら育ちますが、完全な日陰は向きません。日陰を好む雑草が生えているような場所は、避けたほうが良いでしょう。 ベストなのは「乾燥しすぎない日なた」です。ちょっと難しく感じられるかもしれませんが、お休みの日に庭の日照状態を観察してみてください。
ガクアジサイの育て方
作業手順をご紹介
押さえるべき3つのポイント、分かりましたか? それでは、作業手順を見ていきましょう!
育て方1.適地
1-1、日当たりのよい場所
ガクアジサイは乾燥が苦手な性質を持っていることは、前の項目でもご紹介しました。 それなのになぜ、日当たりで育てるべきなのでしょうか? その理由は、花を美しく育てるためです。 ガクアジサイは日に当てて育てたほうが、花つき・花色ともに良くなります。
1-2、真夏の直射日光に注意
ガクアジサイを育てるとき、真夏の強すぎる日光が毒になるのは覚えておきたいポイントです。 日が当たることは欠かせないポイントですが、日光が強すぎる太陽光で弱ってしまうこともあるのです。
1-3、結局、どこに植えるべき?
完全な日陰は駄目、日当たりが良すぎてもうまく育たない……となると、「結局、どこに植えるのが1番良いの?」と考えてしまいますよね。 そんなときは、こう覚えましょう。「この場所は、日陰か、日なただったら、どっち?」と聞かれたとき、「日なた」と答えられるくらい太陽の光が当たる場所で育てるのです。ガクアジサイの植え場所はよく「半日陰」と紹介されます。これはガクアジサイの場合、「日陰寄りの場所」ではなく「日なた寄りの場所」だという認識でいたほうが良いでしょう。
育て方2.植えつけ
2-1、いつ植えればいい?
3月から梅雨に入る前までの期間に植え終えましょう。
2-2、植え付けの手順
あらかじめ大きな穴を掘っておき、完熟堆肥と有機肥料を充分に施します。 植え付けの前後には、たっぷりと灌水してください。
2-3、土で花色が変化する!?
アジサイ全般は、土の酸性度(pH)によって花色を変えるという性質があります。 植物の中でも、これはちょっと変わった特徴です。 花色の変化は品種にもよるので、一概には言えないのですが、土壌が酸性なら青色、アルカリ性なら赤色の花を咲かせます。お望みの花色がある場合は、自分の育てたい品種がどの程度酸性度に影響を受けるのか調べた上で、チャレンジしてみるのもいいでしょう。花びらが白っぽく、うまく発色しない場合も、原因は土壌の酸性度にあるかもしれません。
2-4、花色を変えるなら、こんな土を使おう
土壌の酸性度を調節したいとき、一番簡単な方法は「青色のアジサイを咲かせる土」というようなことが書かれている商品を購入してくること。手間がかからず、安心して使えます。 ある程度土作りに慣れている人なら、お持ちのさまざまな用土をブレンドして、酸度の調節を行ってみるのも良いでしょう。たとえば、赤い花を咲かせたいなら、植え付けの前に石灰をすき込みます。土の酸性度を検査できるキットもあれば、さらにスムーズです。 まずは確実な方法で成功をつかむのも、ガーデニングのモチベーションを保つコツ。うまくいくか心配なら、そのまま使える市販の土や検査キットをフル活用しましょう。
育て方3.水やり
3-1、鉢植えなら特に、水やりは重要!
鉢植えの場合、地面の深くまで根を張ることができないので、水切れしやすくなります。 根が乾燥しないように、たっぷりと水やりをしてください。 夏場に何日間か出かけるときは、特に注意します。 雨が降らないようなら、出かける前日にたっぷり水やりをして、乾燥しづらい場所に鉢を移動させるような対策を取りましょう。
3-2、庭植えなら、基本的には水やり不要
庭植えの場合、基本的には水やりは必要としません。 ただし、晴れの日が続くようなら、様子を見て水を与えましょう。
育て方4.肥料
4-1、元肥
植え付けの時に、元肥として緩効性肥料(ゆっくり効いていくタイプの肥料)を与えます。ちなみに元肥とは、かんたんに言えば「最初に与えておく肥料」のことです。
4-2、追肥
植え付け後、後から与えていく肥料が「追肥」です。 ガクアジサイの場合、花が終わった7~8月に化成肥料を与えます。 また、植え付けしたばかりの1年目の株には必要ありませんが、年越しした株であれば春の最初にも肥料を施すと良いでしょう。
育て方5.剪定
5-1、剪定は必須ではない
不要な枝を切り落とす作業を「剪定」といいます。 植物によっては、剪定した方が植物の育ちが良くなるのですが、ガクアジサイの場合必須ではありません。剪定の方法が悪く、株を弱らせてしまうくらいなら、そのままのほうが良いともいえます。不安であれば、剪定はしなくても大丈夫です。
5-2、形を整えたいときに少しだけ行う
ガクアジサイの剪定は、形を整えたいときに少しだけ行えば充分でしょう。 また、株が大きくなりすぎたときにも剪定をします。剪定した枝は、挿し木に有効活用すれば、無駄のないガーデニングライフを楽しめます。
育て方6.挿し木
6-1.「挿し木」とは
植物の増やし方のひとつです。 ガクアジサイも、この挿し木で増やします。枝を切り取り、切り口から発根させ、新しい株に育てるのです。植物の生命力が伝わってくるので、観察していて特に面白さを感じられる方法です。
6-2.ガクアジサイの挿し木は簡単
挿し木というと、高度なテクニックに感じられるかもしれません。 でも、ガクアジサイの挿し木は比較的簡単に行えるのです。剪定で切りとった枝があれば、そのまま捨てるのではなく、ぜひ挿し木に有効活用しましょう。
6-3.挿し木は湿度の高い時期に行う
ガクアジサイの挿し木は、行う時期が重要。 チャレンジするなら、湿度の高い6月にしましょう。
6-4.挿し木の手順
まず、節ごとに切りとったガクアジサイの枝を用意します。 あとは葉が2~3枚ついている状態で、赤玉土の小粒に挿すだけです。これで新芽ができます。
ガクアジサイの育て方をマスターしよう!
お気に入りの種類を美しく育てよう
いかがでしたか? ガクアジサイは、豪奢すぎない素朴な美しさが魅力。 品種選びの段階から、実にさまざまなバリエーションが楽しめます。 ガクアジサイがひと株あるだけで、梅雨の鬱陶しい季節も、涼やかに感じられるのだから不思議です。あなたもガクアジサイと一緒に、心安らぐ時間を過ごしてみませんか?