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アナナスとは
アナナスとはどのような植物でしょうか。聞きなじみのない方でも、日本にはアナナスに属する品種が存在します。
アナナス/科名
アナナスはパイナップル科の植物です。日本ではパイナップル科に属する鑑賞用の植物全体を、アナナスといいます。
アナナス/学名
学名はAnanas。 アナナスは属名で、パイナップル科アナナス属に分類された植物のことを指します。 ほかの種に属するグズマニア・チランジア・フリーセア・エクメア属なども、大まかに「アナナス」と括られています。
アナナス/花名由来
アナナスは、南アメリカの先住民の言葉で「パイナップル」を意味した、「ナナス」が由来とされています。
アナナス/品種・原種
アナナスとはどのような種類なのでしょうか。 植物が生まれた場所と現在生息する地域を紹介します。
アナナス/原産地
アナナスは、熱帯アメリカが原産の植物です。 乾燥した地域に育つ種類は、多肉(葉のなに水分を貯める)植物が多く、 高温多湿のジャングルで育つ種類は、鮮やかな色の花と花苞をつけます。
アナナス/分布域
熱帯に属する地域でアメリカ大陸、西インド諸島、アフリカのギニアに分布しています。 種類はパイナップル科全体で、60属1400種が存在します。
アナナス/花言葉・開花時期
アナナスの花言葉は植物の形を元につけられています。
アナナス/花言葉由来
「あなたは完全」「「満足」「蓄える」「大切な気持ち」などの花言葉があります。 「あなたは完全」「満足」の意味を持つのは、アナナスは花が咲いたあとの茎に集合果(小さな果実が集まったもの)が成るためです。 「蓄える」は葉の付け根に水を貯める器官に由来し、「大切な気持ちは」花と花苞の鮮烈な色合いを、恋をしたときの感情に見立てたものと、言われています。
アナナス/開花時期
アナナスの開花時期は5月~7月です。 ただ、種類によって花の咲く時期が違います。 種類ごとの開花時期 ・エクメア属:一年中 ・グズマニア属:5月~10月 ・チランジア属(シアネア):一年中 ・フリーセア属(トラフアナナス、インコアナナスなど):不定期
アナナス/特徴
【特徴】 寒さに弱く、乾燥に強い植物です。乾燥に耐えられるように、葉のなかに水分を貯める(多肉化)たり、葉からも水分や養分を吸収できたりします。 アナナスのなかには、根を張らない着生生物がいます。ほかの植物や岩、石の上に張りついて成長しますが、寄生生物ではありません。 養分は葉と気根(土の外に出ている根のこと)を通じて、空気中から摂取をしています。 【アナナスは多年草の一種】 宿根草(しゅっこんそう)と呼ばれる種類です。 開花に適した時期に成長し、花が咲ききると、地上部だけが枯れる植物のことです。アナナスはこのサイクルを繰り返して生きています。 アナナスのなかには、ロゼット状(地面に近いところから放射状に葉を広げる姿)のまま、枯れずに冬を越す種類も存在します。 【基本データ】 丈 :30cm~100cm 花序(花をつけた茎):15cm~30cm 花色:紫・黄・橙・赤・ピンクなど 葉 :表面に艶があり、細長い葉を伸ばします。茎に近い葉の根元には水が貯められる 空洞を作ります。 多肉植物のような厚い葉を持つ種類も見られます。 花弁(はなびら)のように見える部分も葉っぱです。花苞と呼ばれ、つぼみを包 んでいたものです。 日光:強り光を好みません。明るく日の入る日陰が生育に適しています。 温度:5度以上を保ってください。熱帯が原産の植物です。 低い気温には対応していません。 また、湿度の高い環境も苦手です。
アナナス/育て方・栽培方法
アナナス/難易度
難易度は中くらい。 種と苗を植える必要がない多年草でも、アナナスは一度花を咲かせると、二度と咲いてくれません。 毎年花を咲かせるには、株分けの作業が求められます。 また、室内で冬を越す間も日当たりや乾燥、水やりに気を使う必要があるため、少し手間がかかります。 ただ、土を使わずに育てられるため、室内でも手入れがしやすい植物です。
アナナスの水やりで注意すること
成長する5月~7月では、土の表面が乾いたときに水を与えてください。葉や、水が貯まる葉の付け根にも水をかけましょう。 アナナスの中には、根を生やさず葉から水分を摂り込む着生植物もいます(フリーセア属・トラファナナス、インコナナス。チランジニア属・シアネアなど)。 このような種類には霧吹きを使って葉に水分を与えましょう。 成長を止める冬には、水やりの量と回数を控えます。 葉の付け根にある空洞からは、水を抜いておきましょう。寒さで枯れてしまう恐れがあります。
アナナスに肥料と与える方法
5月~7月は、月に一度肥料を与えます。薄めた液体肥料(1000倍に薄めたもの)を使用してください。 土に与えるほか、葉にも霧吹きで肥料を与えましょう。 また、葉の付け根の空洞にも肥料を忘れずに注いでください。ここからも養分を吸収します。
アナナスを育てる場所
直射日光を避けた日陰に置いてください。室内では遮光カーテンを引いた窓際が適しています。 アナナスは湿度の高い場所を嫌います。そのため、室内に置く場合は風通しを考えて、置き場所を選んでください。
アナナスの植え替え
5月~6月の植物が成長する時期に行います。 植え替えは根詰まりを起こしたときや、葉が大きくなって栄養が行き渡らないとき、花が咲ききったときに行います。 アナナスは、成長すると本株の横から子株が生やします。 子株を親株から離して、新しい鉢へ移し替えてください。 土は赤玉土:腐葉土=6:4の割合で作ります。 着生植物の場合は、土を必要としないため、通気と排水性のよいミズゴケを使いましょう。
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アナナスの増やし方
株分けや挿し芽によって、アナナスの株を増やすことができます。
アナナスの株分けを行う
5月~6月に行います。親株から、子株を分けて別の鉢へを移してください。植え替えに合わせて株分けをすると、手間が少なくて済みます。 注意点は、親株から離れたところから株を切り離すと、根がついていなかったり、根つきが悪かったりすると、枯れてしまいます。 株を分けるときは、親株の近くからこそぎ取るように親株の一部を取っておくと、枯らさずに育てられます。
アナナスを挿し芽で増やす
挿し芽とは、木でいうところの「挿し木」のことです。若く元気な枝の代わりに、葉を切って土へ植えつける方法です。 挿し芽は5月~7月の間に行います。 【手順】 1.芽がついて、葉が10枚ほどに増えた子株を、根元の硬いところから切ります。 2.切った子株の根元を軽く水で濡らし、ミズゴケを巻きつけ、離れないようにゴムで巻きつけます。 3.軽石を敷いた鉢に挿し芽を入れて、ミズゴケで隙間を埋めたら完了です。
アナナスの虫対策
カイガラムシ、アブラムシ、ハダニなどがつきます。 虫を見つけたら、歯ブラシで葉を擦ってください。 効果がないときは、殺虫剤や薬剤、セロハンテープなどで虫を取り除きましょう。
アナナス/その他おすすめ情報
エチレンガスを使って花芽を出させる方法
エチレンガスを使って花芽を出させる エチレンガスは老化を促すホルモンです。熟した果物が大量に発している成分です。 老化が進み生命の危機を悟った植物は、実をつけ、子孫を残すために花を咲かせます。 つまり、熟した果物の近くにアナナスを置くことで、開花を促すことができるのです。 【手順】 1.袋のなかにリンゴとアナナスを入れます。 2.1日1度、袋を開けて、なかの空気を入れ替えます。 3.これを1週間続けます。 すると約3カ月後には、芽をつけたアナナスが花を咲かせています。 花を咲かせる時期を調整したい方は、この方法を使ってみましょう。 5月の早い時期や、6月の半ば、7月の終わりごろなど、花を観たい時期に合わせられます。
おすすめの種類
アナナスには数多くの種があります。選ぶにも一苦労です。 代表的な種類を選んでみました。
グスマニア属
中南米に分布する種類です。数は120種類と多くの品種が確認されています。 グスマニアは、放射状に葉を広げた姿をしています。葉のつけ根に、水を貯めるための空洞を持っています。 根は弱く、茎を支える機能しかありません。そのため、水分は葉や水が貯まる葉の根元から吸収します。 グスマニアは発色のよい黄色・赤の花苞が特徴です。 花はすぐ咲ききってしまいますが、花苞は3カ月~5か月ほど、きれいな色をつけてくれます。 ちなみに、植物の名前はスペインの自然学者・グスマンにちなんでつけられました。
エクメア属
アメリカの熱帯に生息する品種です。 種類は180種。 木の上や岩、石などに張りつく着生植物です。 茎はロゼット状に低く葉を広げ、葉は縁に棘を持っています。 花苞がきれいに色づく種類です。 シマサンゴアナナス(ブラジル原産)は葉の縞模様と、ピンク色の花苞が特徴です。 花はすぐに咲ききってしまいますが、色づいた花苞は長い間鑑賞することができます。 プリメラは葉に棘がないため、手入れが行いやすい品種です。 エクメア・ガモセパラ(ブラジル原産)は、冬の間に青紫の花を咲かせます。また、花を包むがくも赤やピンク色に染まり、2つの色を同時に楽しめる品種です。 冬季間に花を楽しみたい方、花苞よりも花を観賞したい方におすすめです。
フリーセア属
アメリカの熱帯に230種が分布しています。 原産はブラジルの東南部です。 中型・大型の種類がそろい、フリーセア・ヒエログリフィカ、フリーセア・フェネストラリスなどが、大きく葉を広げて成長します。 葉は淡い緑色で、縦に葉脈が入る種類や、横縞模様、斑点などが現れます。 きれいな花苞を観たい方は、オオインコアナナスがおすすめです。鮮やかな赤、橙など色が特徴です。この品種も花が早くに咲き終わり、花苞が長く色づいている品種です。 苗を購入するときは、大きさや開花の長さ、花苞の色づき、手入れにしやすさなどを考えて品種を選びましょう。
まとめ
アナナスの生態と育て方を紹介しました。熱帯地方が原産でも、水やりと乾燥に気を付けていれば、きれいな花や花苞が観られます。 株分け・挿し芽を行って、毎年うつくしいアナナスを鑑賞しましょう。