アカツメクサとは
科名
科名はマメ科です。
学名
Trifolium pratense L Torifoliumはラテン語の3という意味のtreisと葉っぱという意味のfoliumが語源です。 pratenseはラテン語の牧草から。 Lは1753年にリンネという人が命名したことから名前が付いてます。
花名由来
アカツメクサは漢字で書くと赤詰草になります。 このツメクサは私達がよく目にするクローバーのシロツメクサのことも指していて、江戸時代の頃オランダからガラス器を日本へ運んでくる際に器が割れないように、シロツメクサやアカツメクサを乾燥させたもので隙間を埋めていました。そこからクローバーのことを詰草というようになり、花が白いものがシロツメクサ、赤いものがアカツメクサと呼ばれるようになったことが語源です。 日本には明治以降にシロツメクサと一緒に牧草として持ち込まれ、日本中に広がりました。種子名のpratenseもラテン語の「牧場に見られる・牧草」という言葉に由来しています。
アカツメクサ/品種・原種
原産地
原産地はヨーロッパ、西アジア、北西アフリカです。
分布地域
アカツメクサは原産地はあれど、世界中に移入されました。その結果、各地方で変種が出来上がりそれぞれの形態がその一定の地域ごとに分布しています。現在では7種知られています。 分布地域は世界中です。
アカツメクサ/花言葉・開花時期
花言葉
アカツメクサの花言葉は勤勉、実直、豊かな愛です。 赤みがとても濃いアカツメクサの花言葉は上品です。 クローバー全ての共通する花言葉は私を想って、幸運、約束があります。
由来
由来は432年にアイルランドを訪れた聖パトリックという司教がクローバーの三枚の葉でキリスト教の三位一体を説明し、キリスト教の布教を熱心に行っていました。 その後クローバーはアイルランドの国花になり、聖パドリックのための祝日も設けられその成果がいまでも尊敬されています。 この故事から由来され花言葉が生まれました。 アカツメクサの伝話として恋に落ちた2人が毎夜逢引を続けていたら、会いに行く途中事故で男が死んでしまいそれに嘆いた女が遺体と自分を結び身投げをしてしまった。その跡に恋の花としてアカツメクサが咲いたことから花言葉の豊かな愛があるという説もあります。
開花時期
開花時期は4月~8月
アカツメクサ/特徴
シロツメクサとの違い
アカツメクサはクローバーの仲間です。 クローバーの一種であるシロツメクサとの違いはまず「葉の付き方」にあります。 シロツメクサは花から長い茎が伸び、地面に葉が茂ります。 アカツメクサは花のすぐ下に葉があり茎が伸びていきます。 葉はアカツメクサのほうがプロペラ様でシロツメクサは大きな丸みを帯びた涙滴様です。 そして花の色がシロツメクサは白、アカツメクサはレンゲ色をしています シロツメクサは踏みつけても丈夫な花ですが、アカツメクサはシロツメクサよりも弱いです。 その代わりアカツメクサの方が背丈がぐっと高くなります。
益虫の住処を作る蜜源植物
アカツメクサは益虫をの住処を作り害虫を駆除する働きを持っています。特にキャベツのそばに植えると真価を発揮します。 また蜜源になりミツバチが寄ってくることで、他の植物の結実を助け成長が良くなります。
緑肥になる
クローバーは地面を豊かにすることで有名です。 マメ科の植物には根に根粒菌という粒を作る菌を保有しており空気中の窒素を吸い込み土壌に窒素を供給してくれます。 アカツメクサも例外ではなく、アカツメクサを育てている土壌を耕し豊かにしてくれます。 またアカツメクサを10cmほどのところで収穫し天日干しで乾燥させて土に混ぜ込むことも有用です。
アカツメクサ/育て方・栽培方法
難易度
世界各地で栽培されていることも有り、住んでいるところの気候に合わせた品種を選べば誰でも簡単に育てることが出来ます。
時期
猛暑と厳寒の時期を除けばいつでも栽培が出来ます。
植え付け
まずはじめに育てたい場所を決めましょう。アカツメクサは爆発的な繁殖力を持っていますので、最初に場所と育てたい範囲を決めておかないと雑草化します。 植え付け時には範囲を決めて、そこにゴミ袋やビニール袋を敷き根が広がるのを防ぎましょう。 時期は春~秋までで、真夏日が続く7.8月はなるべく避けます。
種まき
種まきは4~5月か9~10月が適期です。 花から種が収穫できるのは8月頃です。 植えたいところに直播きする方がいいですが、アカツメクサは生育が旺盛なため一度広がると除去する手間がかかります。 はじめは鉢に直播きすることをおすすめします。 種をまいた時は発芽するまで土が乾かないようにします。
水やり
地植えするならほぼ必要ありません。 鉢で管理する場合は表面が乾いたらたっぷり水を与えると良いです。 寄せ植えをしている場合は他の植物の状態に合わせて水をあげればいいです。
肥料
アカツメクサは空気中の窒素を土に運び込むため一切必要ありません。 この働きがあるので、アカツメクサを植えている土壌に肥料を加えると過剰栄養になり草丈がたいへん高くなります。
剪定
成長目的での剪定の必要はありません。 花を収穫すれば剪定の代わりになります。収穫しなくても問題ありません。 生育の広がりを抑えたい場合は根本から抜き取るように剪定します。 また草丈が高くなってきたら刈り込むように選定するといいです。
増やし方
株分けで増やすことができ、4~5月が適期です。 株分け後に丁度夏がやってきます。その頃には定植されていますが夏の暑さで枯れることが有りますが涼しくなってくると復活します。
場所
日当たりが良ければどこでも育ちますが夏の暑さに弱いので西日は避けてください。半日陰でも育ちます。 また梅雨や秋雨等の長雨にも弱いので鉢で管理している場合は軒下に移動してください。 数年育てていると梅雨の時期にアカツメクサがいなくなることがあるので、植え替え時期のサインだと思い新しく種をまいてあげてください。
寄せ植え
クローバーでまとめるとキレイに映えます。 アカツメクサは背丈が高く葉が花の下に付くので、他のクローバーの葉との高低差が生まれるためです。 ビオラやパンジーとの相性もよく寄せ植えは可能です。 小さい花と組み合わせるといいです。
植え替え
連作障害がおきます。 2年以上立ってくると生育が悪くなってくるので、植え替えを行うより新しく種をまいて育てるほうが良いです。
アカツメクサ/その他おすすめ情報
イソフラボンが大豆の約20倍
大豆より多くイソフラボンを含み、また吸収しやすい性質を持ったイソフラボンも含んでいます。 これにより女性ホルモンバランスが整えられ、更年期障害の改善が期待されています。
効果・効能について
アカツメクサの代表的な効果はエストロゲン様、抗酸化、抗菌、去痰、抗炎症、消炎、鎮痙、鎮静、利尿の作用があります。 更年期障害、月経前症候群、月経不順、咳・喘息、気管支炎、浮腫、肌荒れ、湿疹・乾癬にききます。
どんな方法で使うか
薬効のあるハーブとしての使用が可能でハーブティー、ハーブチンキ、湿布として使えます。 新鮮な状態で濃く煮出し、うがい薬としてつかうと口内炎に効きます。 ティーとして使う場合はよく洗い乾燥させてから使ってください。匂いはやや甘みのある草の香りで味は癖の少ない烏龍茶系の味がします。 ノンカフェインです。 収穫は4月~10月で使用部位は花です。
注意点
妊娠中や授乳中の方は摂取を控えてください。 摂取し続けた羊が不妊化するという報告が上がっているので注意してください。
まとめ
アカツメクサはシロツメクサと違った可愛らしさが有ります。観賞用としても楽しめますし、ハーブとして生活に取り入れることが出来ます。 手間が一切かからないので是非一度アカツメクサを育ててみてはいかがでしょうか。