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カナブンとコガネムシの違いとは?見分け方の6つのポイント!

カナブンとコガネムシ。身近ではありますが、実はコガネムシがガーデナーにとって頭の痛い害虫の一つなのです。駆除の前に、カナブンとコガネムシの見分け方、そして意外な生態の違いをご紹介します!子供の頃に戻って、きらきらとした金属にも似たきらめきを見つめてみましょう!
更新: 2022年8月1日
夏野のばら
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カナブンとコガネムシって違うの?

丸々とした体つき、キラキラと金属のような輝きの緑~銅色の虫。コガネムシ~は~金持ちだ~と、童謡にも歌われています。身近で無害できれいな虫として、子供の頃はながめていたという方も多いのではないでしょうか? しかし、ガーデナーにとっては、頭の痛い害虫の一つです。

成虫は花や葉を、幼虫はかわいい植物の根っこを食害して枯らしてしまいます。いざ駆除・・・の前に、彼らがどんな虫なのか知っておきましょう。

カナブンとコガネムシの見分け方

カナブンとコガネムシは別の種類の虫なのです!同じ虫の別の呼び名だと思っていませんでしたか?とはいえ、近縁です。大きくは、両方とも「コウチュウ目コガネムシ科」に属しています。それではまず、外見の見分け方4つです。

カナブン

Photo by omoon

頭部が比較的「四角い」。羽の付け根の逆三角形が比較的「大きい」「二等辺三角形」。比較的大きく、2センチ程度。色は茶色、青色、緑色とさまざまだが、やや落ち着いた色調。

コガネムシ

頭部が比較的「丸い」「半円形」。羽の付け根の逆三角形が比較的「小さい」「丸みを帯びている」。比較的小さく、1.5センチ程度。色は緑色が多く、金属の派手な光沢がある。写真を比較してみれば、違いがよく分かりますね!

カナブンとコガネムシの生態

6つの見分け方のうち4つは外見でした。残る2つは、その生態です。

カナブン

カナブンの成虫は熟した果実や、広葉樹の樹液をエサとして食べます。卵は朽木や腐った葉などに産み付けられ、幼虫は朽木などを食べて育ちます。

コガネムシ


コガネムシの成虫は広葉樹の葉をエサとして食べます。卵は土の中に産み付けられ、幼虫は土の中で植物の根を食べています。ずいぶん違いますね。カブトムシとクワガタムシを採りに行ったり、飼育した経験のあるかたならば、カナブンの生態がカブトムシ・クワガタムシにとても近いと思われることでしょう。

カナブンは無罪!

カナブンは森林を豊かにします

生態を知ると、「あれ?カナブンって駆除しなくていいんじゃない?」と思われませんでしたか? そう、ガーデニング中に、土を掘り返すとごろりと出てくる幼虫も、葉を食べてボロボロにする成虫も、カナブンではなくコガネムシだったのです!

カナブンは、腐った葉や朽木を分解して土壌を改良し、森林を豊かにしてくれるのです!夏に虫取りに励んだことのある方には、樹液にむらがるカブトムシやクワガタムシに混じって、カナブンがいるのを見た記憶があることでしょう。

筆者の家の近くには大規模な桃園があり、桃の甘い匂いに誘われてカブトムシがよく採れるそうです。きっとカナブンも混ざっているに違いありません。

カナブン対策をしよう

ガーデンのみならず家に入り込むことの多いカナブン。すぐにできる防除の方法をご紹介します。

カナブン対策(1)幼虫

生態で紹介した通り、カナブンは朽木や腐葉土に産卵します。注意すべきはマルチング材です。木製チップ類や発酵が不十分な腐葉土を用いるのを避けましょう。チップはいずれ朽木になってしまいます。

腐葉土は発酵の過程で一時的に60度という高温になり、虫の卵などが死ぬのですが、発酵が不十分だとわざわざ虫の卵を自分のガーデンに持ち込むことになってしまうからです。

カナブン対策(2)成虫

成虫相手には、習性を利用しましょう。前述のとおり、甘い匂いに誘われるので、洗濯洗剤や柔軟剤の匂いに導かれて、取り込んだ洗濯物にくっ付いてきてぎょっとさせられますね。香りの少ない洗濯洗剤に変えてみましょう。

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出典:Amazon
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シャボン玉せっけんの洗濯洗剤は無香料です。長年粉末でしたが、液体せっけんも発売されました。ほのかなせっけんの香りのみがします。

また、光にも誘われるので、夜に窓を開けていると室内灯に向かって入り込んできます。そのように部屋に入り込んできてしまったら、ティッシュや手でつかんで外に逃がしましょう。どうしても触りたくない!

という方は、懐中電灯をご用意ください。夜、室内灯を消し、懐中電灯の光で外へと誘導してあげるのです。捕殺してしまいたい場合には、手軽に利用できる一般的な殺虫剤を用います。

犯人はコガネムシ!その対策

憎きコガネムシ。成虫は晩春の頃に現れ、あちこちに飛来しては葉を食害し、土の中に卵を産み付けます。成虫の糞の匂いが他の成虫を呼び、更に卵を産み・・・と、成虫も幼虫も大量発生してしまいます!成虫の食害には特徴があり、葉をまだらに穴だらけにするので、他の害虫と区別できます。

幼虫は5~6月頃から土の中で植物の根を食い荒らし、枯らしてしまいます。庭に出現するコガネムシの種類は複数あり、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ、マメコガネなどがいますが、対処法は共通です。対策をして、植物を守りましょう!

コガネムシ対策(1)除草

最も大切なのは、幼虫、成虫とも見つけ次第捕殺することです。お庭の周囲の除草も大切です。しかしご近所に雑草地(空き地や法面なども含む)があると、限界があるので防除は困難です。 


コガネムシ対策(2)マルチング

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出典:Amazon
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鉢植えであれば、土にもぐりこんで産卵するコガネムシへの対策ができます。もぐりこめないように、不織布や鉢底ネットで土の表面をカバーしてしまうのです。

画像のようにディスク状になっていて扱いやすいものも販売されていますが、100均で鉢底ネット、三角コーナー用の不織布、手芸用フェルト(化繊の物)などでDIYするのも楽しみですね。

コガネムシ対策(3)幼虫の駆除

幼虫の発生時期は7~10月です。土の中にいて姿を見ることができない幼虫。予防的に早々に、又は植物が元気がなさそうと思ったら薬剤を用います。植物の種類によって、使用できる薬剤の種類や希釈する倍率が違いますので、注意が必要です。

住友化学園芸 家庭園芸用GFオルトラン粒剤 200g

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オルトラン粒剤:定番ともいえるこの薬剤は、土にばら撒くだけです。紹介したボトルは、蓮口状に穴が開いていて、粒剤を手軽に撒くことができます。

水をかけると溶けて植物の根から吸収され、植物を食べる虫を殺します。効果は二週間程度です。薬剤入りの植物の根を食べた幼虫は、土の上に出て来て死にます。その数の多さに戦慄するかもしれません!

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水攻め:農薬は使いたくない!という方には水で溺死させるのがおすすめです。用意するのは植木鉢よりも大きなバケツなど。植木鉢ごと水につけて10分程度放置しましょう。植物の種類や健康状態によっては、植物自体がダメージを受けてしまうので注意が必要です。

コガネムシ対策(4)成虫の駆除

前述のオルトラン粒剤は大変便利なのですが、いかんせん根から成分を吸収するので、地上30~60センチ程度までしか効果が現れません。背の高い草や樹木を食害する成虫に対しては、別の薬剤を用います。

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スミチオン乳剤:スプレーボトルにスミチオン乳剤と、できれば定着剤のダイン(薬剤を花や葉に付きやすくします)も入れて水で希釈し、散布します。即効性がありますが、オルトランのように植物に吸収(浸透移行性といいます)がありません。バラのように生育が早いものだと、散布後新たに育った葉は被害にあうことがあります。

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トラップ:成虫の捕獲・駆除のために、専用のトラップもあります。何十匹も捕獲できますよ。

コガネムシ対策にコンパニオンプランツ

虫よけの効果があるコンパニオンプランツ。コガネムシにも効果があるものをご紹介します。お庭が一段と素敵になりますね。

花やハーブたち


マリーゴールド:ネグサレセンチュウへの虫除け効果があるのはよく知られていますが、コガネムシにも効果があります。マリーゴールドには一年草と多年草がありますが、虫除け効果を期待するならば一年草を植えます。

水仙:早春に美しい花を咲かせる水仙。毒があることでも知られています。同じヒガンバナ科のニンニクも防除効果があります。

イタリアンパセリ:コガネムシへの忌避効果があります。お料理に使えるのはもちろん、ひよこ色の小さな花も楽しめます。

ルー(ヘンルーダ):ミカン科の常緑低木です。50~100センチほどに育ちます。夏に黄色い小花を咲かせ、レースのような形をした美しい葉を楽しめます。独特の強い香りがあります。更には乾燥させると強い殺虫効果があり、刻んで撒くという利用もできます。

一方で毒性があり、葉から出る汁をさわるとかぶれることがあるので、注意が必要です。大抵の虫は忌避するのですが、ミカン科を好むアゲハ蝶は卵を産み付け、幼虫が葉っぱをどんどん食べつくしてしまいます。

今、人気の多肉植物もコガネムシの防除効果あり!

今人気の多肉植物。グラウンドカバーとして植えてみましょう。コガネムシが土にもぐって産卵するのを防いでくれます。

モリムラマンネングサ:セダムの一品種です。晩春に黄色い小花を咲かせます。ふさふさした明るい色の葉がかわいらしいですね。とても強健で、いつのまにか庭のあちこちに増えているのも愛らしく、多肉植物のグラウンドカバーとしてよく用いられています。多湿に弱いので、寄せ植えの組み合わせには注意が必要です。

カナブンとコガネムシ、見分けてガーデンを豊かに!

カナブンとコガネムシの6つの見分け方、いかがでしたか?違いは見た目以上に、彼らの生態にありました。害虫の存在は大変なストレスですが、上手に防除・駆除して、ガーデニングライフをもっともっと楽しみましょう!