トレッキングとは
トレッキングの概要
トレッキングとはオランダ移住者が読んだ 「trek」という言葉、直訳すると「移動」 が名前の由来として、山麓の麓付近から 3000メートル級の山の稜線まで、大自然を 楽しみながら歩いていく事を「トレッキング」 と言います。 例えるなら、ウォーキングとクライミング の中間のようなスポーツです。 渓流に沿って川を観察しながら歩くリバー トレック、雪原の中をスノーシューを使って 歩くスノートレック、高山の山頂と稜線を 何日か掛けて歩くロングトレイル、自転車等を 使うトレッキングもあり、幅広いスポーツと なっています。
トレッキングとハイキングの違い
麓でのトレッキングはハイキングと明確な 差が解りずらい所ですが、どちらも山頂を 目指さないで、登山道を歩き、景色や自然 を楽しみます。 ただ違う所は、トレッキングは行程を重視 し、入念なコース選択を行います。 そして一番のハイキングとの違いは、山に登る 事を前提としている所です。 ハイキングは高山や麓を軽装備で、安全に歩き 、風景や自然を山登りをせずに歩いて楽しむ 事を言います。ですので、ランニングシューズ 等で臨む人が多いです。
トレッキングと登山との違い
序文でも触れましたが、山頂の制覇が目的 ではない事が、明白に違います。 歩きでのトレッキングは目的もコースも幅広く、 ふもとの登山道を歩き、短時間でコースを攻略 するものもあれば、アルプスのような稜線を 縦走し、テントや食料を用意し、何日もかけて コースを縦走する事もあります。 稜線の縦走というと登山の様に錯覚しますが、 登頂に拘らずに、山を縦走しながら歩く 事を指しますので、高度技術やアイゼンやロープ 等の道具は使用せず、無理を避け山を登り、時間 を掛けてコースを楽しむスポーツです。 最短コースで山頂を攻略する登山と、時間を 掛けて難所を避け安全に攻略するという、 極力無理を避けるスタイルも登山とは明確 に違う所です。
トレッキングの種類
コースによって大きく異なります
概要でも触れましたが、トレッキングは 登山、ハイキングと違い、歩きだけは無く、 様々な道具を使い、コースを攻略します。 移動しコース攻略に拘り楽しむスポーツ と言えます。 移動の行程を楽しむ為に道具を使う という所が、大きく登山とハイキング と違う所でもあります。 また、特殊なトレッキングでは目的も多様 で、はっきりと登山、ハイキングとの違いが 浮き出て解りやすいです。
トレッキング(登山道)
ここでは登山道を登る入門編の トレッキングでの醍醐味、装備を ご紹介します。
トレッキング(登山道)の醍醐味
登山道を利用したトレッキングの良い 所は、登頂を目的に、時間やコースに 縛られず、眺望の良い所を切り取って 登山を楽しめる自由度が高い所です。 登山の様に専門的な道具も持つ必要が 無いので、装備が軽く初心者は気楽 に望めます。 登山の様に時間が掛からない為に、 行程中や帰路で温泉を楽しむような トレッキングもあります。 屋久島のトレッキングツアーでは、 そもそも中腹の森の景色を楽しむものや、 縄文杉、ウィルソン株などの目標を定め、 じっくりと観察するツアーが多く、 無理なく楽しむ事も醍醐味といえます。
トレッキング(登山道)の装備
服装
ハイキングと違い、登山道を登るので、 しっかりとした、トレッキング シューズを選びます。 足首が固定された、防水の物で、 ソールはクッション性が良く、 濡れた岩の上なども歩くので、 すべらない物を選びます。 ウェアは防水性と防風性を備えた ものを選びます。 ゴアテックスの素材を使ったウェア がおすすめで、防水、透湿性に優れ 重宝します。 寒い時期の高山などではミドルウェア でフリース等を着て、インナーは ポリエステル素材の体にフィットした 物を着込みます。 パンツはアウターとセットで選べますが、 やはり防水性のものを選び、ゴアテックス 素材のものをお勧めします。 サイズは自由自在に動き回れる、ジャスト サイズの服装を選ぶのが基本です。
ザック(バックパック)
装備品はザック(バックパック)、 トレッキングポール、帽子、グローブ、 サングラスが最低でも必要となります。 ザックは30Lで日帰り、50Lでテント泊 が出来るサイズとなっています。 初心者は30Lで充分ですが、テント泊を する事を目的とするなら、50Lの物を 選びます。 ここでは初心者の装備を紹介します。 防水性の物で、ザックを背負ってベルトの 調節で、腰のベルトの位置が合うものを選 びます。 また各ベルトが長さをしっかり確認し、 荷物の重さを腰で分散して受け取める フィット感があるものを選びます。
トレッキングポール他
トレッキングポールは急な登坂や疲労時の時に 使用します。 アルミ製と、カーボン製がありますが、初心者 はポールの損傷を考慮し、アルミ製のものを おすすめします。 いずれも軽量で丈夫な物を選びます。 帽子は紫外線だけでなく、降雨からも頭を 守れますので、撥水加工でつばが広い物を おすすめします。 サングラスとグローブも必須アイテムですが、 サングラスはフィット感が良い物を選び、 グローブはポールを握ってすべらずに、 吸収速乾性の良いフィットしたものを選びます。
スノートレッキング
スノートレッキングの概要
スノ‐トレッキングという雪原を 歩くトレッキングがあります。 北海道や本州の高山のスキー場など で行われるこのスポーツは、 スノーシューという、日本のかんじき の様な細長い靴と、トレッキングポール というスキーのストックの様な杖を装備 し、雪山の銀世界を楽しみながら歩き 樹氷や、氷瀑(凍った滝)を見て廻り 非日常を楽しむスポーツです。
スノートレッキングの醍醐味
スキーやスノーボードの様にスピード を出すスポーツではない為に、初心者 でも安全に楽しむ事が出来るので静かな ブームとなっていて、各所でツアーが 開催されています。 白銀の景色を楽しんだり、動物を観察 したり、秘湯を目指すなど様々な目的 と醍醐味があり、魅力的なトレッキング となっています。 さらに樹氷や氷瀑などの冬山にしか 見れない物を拘って見に行くツアーが多く 、登山やハイキングなどと明らかに目的、 内容が異なる事が分かります。
スノートレッキングの装備
服装
服装は雪山のトレッキングですので、 スキーやスノーボードのアウター ウエアを着用します。 中間着(ミドルウェア)は通気性の良い フリースを着用します。 インナーは汗で濡れてしまうと低体温に なる可能性があるので大事です。 肌に直接触れるものなので、汗をかいた時に 体を冷やさないよう保温・速乾性のある ポリエステル素材がおすすめです。 上は長袖、下はタイツなど体に密着する物を 選びますと熱が逃げにくく、暖かく過ごせ ます。 靴は防寒性の高いスノーブーツか、防水の トレッキングシューズを着用します。 帽子、手袋、ネックウォーマーはスキー と同様のものを用意し、着用します。
装備品
一番大事な道具が「スノーシュー」と 「ストック」です。 ふかふかの新雪のあるフィールドを トレッキングする場合はスノーシュー を使用します。 縦長のかんじきの様な靴で新雪でも沈ま ずにトレッキングが可能になります。 スノーシューとセットで上体のバランス 保持の為の必須アイテム、ストックポール を2本両手に装備します。 歩くための装備は上記の2点になります。 用途やコースによって変わりますが、 ザックも装備します。着替え、タオル、 水筒、乾パン等の軽食は最低限でも用意 します。 雪山で紫外線が強いので、サングラスも 必須アイテムとなります。 ツアーではアウターから靴や装備品は レンタルで借りれますので、初心者にも 頼もしく、おすすめです。
リバートレッキング
リバートレッキングの概要
リバートレッキングでは渓流を主体に滝壷や 源流を目指しトレッキングをします。 沖縄では亜熱帯の原生林の渓流を歩いて、 上流の滝を目指しながら、希少な動植物を 観察し、目的の滝では水に浸かったり泳い だりして暑さを癒す、リバートレッキング ツアーが人気です。 関東では同じ様に渓流の滝や源流を目指し、 トレッキングし川を縦断したり、滝壷で 泳いだりします。 渓流の自然を楽しみながら、水に入り非日常 を楽しむというツアーが多くあります。 また純粋に渓流を登って登山する、リバー トレッキングもあります。
リバートレッキングの醍醐味
渓流や、滝壷のトレッキング以外でも、 アクティビティは多く、これからも 開拓されていく事が予測されます。 付近の秘湯を目指すツアーもありこちらは 年配の方に人気の様です。 リバートレッキングの人気のアクティビティ で、キャニオニングという遊びがあります。 これは渓流の岩が綺麗に削られたところで 行う天然のウォータースライダーで滑って 天然プールに飛び込むという、大人でも楽 しめる様な遊びが人気となっています。 小学生と親御さんのチャレンジが多く 初心者向けのツアーが多くある トレッキングといえます。
リバートレッキングの装備
リバートレッキングの装備は ヘルメット、ウエットスーツ、 ライフジャケット、リバーシューズ 等の軽装です。 渓流はコケが生えた岩場を歩きますので、 滑り止めがついたシューズを選びます。 工程やツアーにもよりますが、半日以上 楽しむのでしたらザックが必須となります。 防水のザックを用意し、着替えなどが濡れな い様に運びます。水中を観察したいので あれば水中眼鏡を用意します。
バイクトレッキング
バイクトレッキングの概要
日本ではまだなじみのない、自転車や、 バイクでのトレッキングは海外では 確立されたジャンルのトレッキング となっています。 日本でも少ないながらもツアーなどあり、 マウンテンバイクを使って林道を縦走する トレッキングツアーがあります。 整備された林道を、ファミリーで マウンテンバイクで楽しむコースから、 本格的な未舗装での林道でダウンヒルを 体験出来るツアーなどあり人気を博して います。ここではマウンテンバイクの バイクトレッキングを紹介します。
バイクトレッキングの醍醐味
ツアーコースも増えていて、各所にあります。 本格的な、倒木や起伏なある難解なコース を攻略するものがあり、コースをスムーズに 攻略する楽しみが醍醐味の様です。 未舗装ですが整備されたコースを安全に、 自転車を乗り始めた小学生と、親御さんが 大自然の中、ドライブ感覚でファミリーで 楽しむものもあり、親切です。 また、林道の大自然の中をマウンテン バイクで長距離走る、個人やグループが 多数いて、それぞれのコースをバイク トレッキングして楽しんでいます。 人や車が居ない大自然の中をマウンテン バイクで疾走するのは、自然が好きな アクティブ派にとって代えがたい楽しみ であり、醍醐味となっています。
バイクトレッキングの装備
バイクはマウンテンバイク使用し、 軽量で初心者は軽量で漕ぐ力の ロスが少ない、フロントだけの サスペンションがおすすめです。 購入する前に、実際にコースを レンタルで実走し、選ぶ事を おすすめします。 装備は短距離ならヘルメット、水筒、 食料、携帯電話をザックに詰める装備 で大丈夫ですが、長距離をトレッキング するのであれば、それなりの装備が必要 です。 タイヤの空気を入れるミニポンプ、パンク 修理セット、ドライバーなどの修理ツール、 包帯やばんそこう等の医薬品が必須です。 怪我や故障に対する対応策を考慮して 行う必要があり、出発場所に自力で戻る 用意が必要ですので、単独でのトレッキング は避けた方が賢明です。
トレッキングの始め方
ツアーを利用するのがおすすめです
トレッキングは上述の通り、種類が多い スポーツですが、その分、上述の全ての トレッキングで、ツアーが開催されて います。 登山道を登る簡単なトレッキング、林道の 短距離のマウンテンバイクトレッキング以外 はツアーを利用しないと危険で、おすすめ 出来ません。 またトレッキングは少人数より、大人数で わいわいと行ったほうが、心強くトラブルが あった時も対処が軽く済むので、初心者は ツアーを利用するのがベターです。 登山道でもツボを押さえたツアーがあり、 初心者が行って到達出来ずにがっかりする、 可能性が軽減されます。 林道のバイクトレッキングも整備された エンターテイメント性が高いコースをツアー から入り、バイクの操作を教えてもらって、 習得してから林道に行くことを、 おすすめします。
トレッキング(登山道)のおすすめツアー
登山道から登る眺望の良い、初心者でも 安心なおすすめコースを紹介します。
トレッキングの入門編のツアーです。 ケーブルカーで御岳山の標高820mから トレッキングスタートです。 国の天然記念物の神代ケヤキの古木や、 武蔵御嶽神社など自然や歴史を感じながら 、日出山、山頂を目指します。 標高920mの山頂からは東に関東平野~ 都心方面、西に御岳山、大岳山など奥多摩 の名峰や秩父の山並みが望めます。 ゴールにはつるつる温泉が待っていて、温泉 を楽しんで疲れを癒してツアー完了です。 登山初めての方、お子様なども保護者同伴 で臨めます。
日本百名産の那須連山の「朝日岳」と 「茶臼岳」の縦走トレッキングツアーです。 これから南アルプスなどを目指そうという 方にはおすすめの稜線の縦走トレッキングです。 安全で快適に登山するための知識や、技術を レクチャーしながら縦走します。 これからもっとスキルアップしたい という人にはぴったりのツアーです。
スノートレッキングのおすすめツアー
ユネスコエコパークにも指定された入笠山 より、ゴンドラ山頂駅から絶景ポイントを 巡り、山頂を目指す3時間のスノー トレッキングです。 山頂からは富士山をはじめ八ヶ岳連峰、 南・中央・北アルプスまで望めます。 レンタルシュノーセット、ガイドも充実した 、初心者対象のスノートレッキングツアーです。
蔵王坊平の樹氷帯~御田の神~お釜 ~樹氷帯~ブナ林~ ダケカンバ/ミズナラ林/からまつ林 ~お清水の森をスノーシューで廻る 1泊2日のツアーです。 アザラシ樹氷群とも呼ばれる蔵王坊平 の完全な樹氷を心ゆくまで見て回れます。 さらに、スノーシューだけでなく、 手作りの和かんじきでのツアーもあります。
リバートレッキングのおすすめツアー
北軽井沢の地図にも載っていない ”秘境の滝”を目指すリバート レッキングです。 イワナやヤマメが泳ぐ渓流の景観や、 魚や動植物を確認しながら、滝で 泳いで暑さを癒します。 ワンちゃんの同行が可能なのが 嬉しいです。
沖縄のリバートレッキングや、滝巡り とは違い、ウエットスーツを使わずに 水に入らない前提のツアーです。 関西最高峰の大峰山脈、八経ケ岳を 弥山川沿いから登って行き、八経ケ岳 を目指す、本格的な渓流での リバートレッキングです。 水遊びでは無く、渓流の景観や紅葉、 更に関西最高峰の八経ケ岳からの景観 が望めます。
バイクトレッキングのおすすめツアー
山梨県の南アルプス市櫛形山の山中で、 林業の古道をマウンテンバイクで走ります。 コースを走る前に、マウンテンバイクの 講習を行いますので、初心者には是非 おすすめです。
北海道のニセコアドベンチャーセンター 敷地内で涼しい空気の中、本格的な ダウンヒルの上級者コースから初級者 コースまであり、広大な草原も滑走 可能です。 初心者から上級者までをカバーした 広大なコースを堪能出来ます。 ハイキングやリバーカヤックSUPなど のツアーもありアウトドア好きな方 には見逃せません。
トレッキングのおすすめの服装
トレッキングでは雨天や強風など変化目 まぐるしい山中での移動を行いますので、 服装、シューズが大変大事になります。 服装は防水のものを選び、突然の雨にも 影響を避ける様に対応します。 上下とも服装は防水のゴアテックス素材 のものを選ぶ事が望ましいです。 また、気温も乱高下しますので、インナー やミドルウェアの服装も気を使い、暖かい 物を選択します。 シューズも防水のゴアテックスの シューズを選択し、足が濡れないように 心掛けます。 シューズは安全を確保するうえで、大変 大事なアイテムなので、安価なシューズ は避け、防水で、足首のホールドがしっかり した物を選択し、すべらない物を 最低条件として選びます。 またシューズの選択は、初めて買うメーカー のシューズはネットで購入する事を避け、 ショップで試着して、相談の上 購入するようにします。 これは服装も同様です。
トレッキングの注意点
準備が大事になります。持ち物のリスト を作って、前日に忘れ物が無いか確認し、 忘れ物の無い様にしましょう。 正しい服装でトレッキングに望みます。 膝が曲がらないパンツや、だぼだぼの ウェアでは転倒などの危険を招きますので、 藪や、峰や岩の上を歩くイメージで、 適正な服装を用意しましょう。 短い行程であっても、飲み物は必ず 持っていきましょう。起伏や気温の乱高下 で、思わぬ体力を消耗しますので、大丈夫 と思っても、用意します。 シューズのひもや、使用する道具の確認を 、前日に済ませておきましょう。 当日発見しても治し様が無く危険です。 また、代え効く、靴紐や等はザックに入れて 持っていきましょう。 緊急連絡先が入った自分のアドレスを紙面で 用意し携帯しましょう。 何かが起きた時にすぐに戻れない事を認識 して、行動する事が大事です。
トレッキングの現況と今後
近年でトレッキングは様々な形態が現れ て、確立した趣味として、発展しています。 スポーツといえば球技などに偏りがちな 日本で、ボルタリングやカヤック等の オリンピック種目が発展しているのも、 趣味の多様性の表れで、喜ばしい事です。 最近ではこのトレッキングというスポーツを トレイルランと呼びタイムトライアルの競技 もあり、人気も出ているようですが、自然を 愛し、自然を観察するトレッキングとは趣が 異なります。 賛否ありますが、トレッキングが休日に納得 いくまで楽しめる環境を保全していきたいも のです。