ザクロの実の特徴や歴史について
ザクロの特徴
りんごのような赤い果実が特徴のザクロは、果実を割ると中に小さな赤い粒がたくさん入っていることがわかります。このとうもろこしの粒のような赤い実を手で取りだして食べます。
ザクロの原産地や歴史については諸説あり、紀元前1000年以上前にエジプトへ伝わっていたこと以外については正確なことについてはわかっておりません。 エジプトから世界中に広がり、栽培もおこなわれており、歴史の古い果物の一つです。
世界各国の古代の医学書にザクロについて記されていることから、古代から薬用として大切に扱われてきたことや、種を多く持っていることから縁起のよい食べ物として大切に扱われており、占いや祈祷の際にも使われる神聖な果物であったようです。
ザクロが日本に伝わってきのは...
日本にザクロが伝わったのは、平安時代の923年頃のことで、中国から渡来し、鎌倉時代に入ってから具体的な栽培が始まりました。
日本では、主に生薬として利用されており、栄養価の高さに注目されていました。果汁は食品の甘み付けに利用され、日常生活の中では、鏡を磨くためにも用いられていました。
ザクロの実にはどんな栄養がある?
ザクロに含まれる栄養には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、エストロン、ナイアシン、カリウム、クエン酸、アミノ酸、ポリフェノールのアントシアニンやエラグ酸、プロアントシアニジンなどが挙げられています。
ポリフェノールやビタミンCには強い抗酸化作用があるため、後にご紹介するアンチエイジングや肌トラブル改善など美容効果も期待できます。
1.抗酸化作用、目の健康維持
ザクロにはタンニンや、プ二カラジン、アントシアニン、レスベラトロール、エラグ酸などのポリフェノール含有量が高いことが知られています。 これらの抗酸化物質は過酸化物質の生成を抑制し、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。
アントシアニンには、目の網膜に存在するロドプシンの再合成を促す働きがあります。アントシアニンによるロドプシンの再合成により、目の疲れの軽減や視力低下予防につながります。
2.美肌、アンチエイジング
抗酸化物質であるアントシアニンやエラグ酸は、他のポリフェノールと相乗することで高い抗酸化作用を発揮し、体内の過剰な活性酸素を軽減する働きがあります。 健康維持や老化防止、紫外線やストレスによる肌ダメージを軽減し、美しい肌を保つ効果も期待されています。
ザクロには、ビタミンCやエラグ酸、チロシナーゼの働きを抑制し、メラニン色素を防ぐ働きもあります。 美白やシミの予防には特に効果的です。
3.ダイエットに効果的
ザクロには豊富なカリウムが含まれています。体内に溜まっている余分な水分の排泄を促し、むくみの予防・解消効果が期待できます。
また上記でもご紹介したアントシアニンやレスベラトロールには、内臓脂肪の蓄積を抑える働きもあるので、むくみの予防や解消と合わせてダイエットや体形維持に役立つと考えられています。
4.女性ホルモンの活性化
ザクロには女性ホルモンと同じような働きをする「エストロン」という物質が含まれています。このエストロンには、美容効果でよく言われている、更年期障害や月経トラブルの改善、バストアップなど劇的な効果はあまり期待しない方がよいでしょう。
ザクロの食べ頃はいつ?
9月から11月初旬ぐらいが旬!
ザクロの食べ頃についてですが、ざくろの食べ頃と時期は、国内産・外国産に関わらずいずれも9月から11月初旬ぐらいが旬とされています。
ザクロの産地の中でも特にカリフォルニア産のものは、8月上旬頃に輸入が始まり、12月頃まで続きますので、長い間ザクロを味わうことができます。 ジュースや果実酒にしても楽しめますし、そのまま食べてもおいしくいただけます。
実は生で食べられるの?
ザクロの実を生で食べる場合、実の選び方のポイントですが、成熟していて果皮が多少割れているものを選ぶのがポイントです。また果皮が鮮やかな紅色に色づいているものが食べ頃で、茶色く変色した部分があるものは避けましょう。 ザクロの可食部分は皮と種を除くと、実際には全体の2割程度しかありません。
ザクロの種は外観の色と同じくとても鮮やかで、ヨーグルトに混ぜたり、デザートや飲み物などに香りや彩りを添えてくれます。 ザクロをジュースにすると色鮮やかで程よい酸味が癖になり、おいしいですよ。
ザクロの剥き方や食べ方について
意外と知られていない、ザクロの実(粒)と皮の分け方についてです。簡単・きれいに実だけを取り除く方法をご紹介いたします。
ザクロの剥き方ステップ①
ザクロの実の上下の、飛び出た部分を切り落とし、両面の切り口へ包丁で6~8等分くらい、十字で切り目を入れます。
ザクロの剥き方ステップ②
大きめのボウルに水を張り、ざくろの切れ目から裂くように水の中で実を割ります。実を割るときは、なるべく水の中でおこなうと汁が飛び散りません。
ザクロの剥き方ステップ③
水の中または、水面近くで殻から実を外します。実はボウルの底へ沈み、殻は水面に浮きますので、浮いた殻を取り除きながら作業をします。
ザクロの剥き方ステップ④
実をすべて取り外したら、目の粗めのざるに上げて、流水で細かい殻や肩を流す。
ザクロの剥き方ステップ⑤
キッチンペーパーで水気を取り、容器に移して食べられます。 ザクロの剥き方は以上です。たくさん手順があるようにも見えますが、やってみると意外に簡単です。 種には繊維質が豊富で、スナック感覚で楽しい食感です。
サラダやヨーグルト・スイーツにそのまま載せて食べるのもおいしいですよ。取り出した実は、冷蔵庫で1週間程度保存が効きます。丸ごとの新鮮なザクロは冷暗所で1か月、冷蔵庫では2か月程度保存が効きます。
ザクロの種を使った簡単アレンジ方法
ザクロの種は剥いてそのまま食べることもできますが、先にお伝えしましたように、サラダやヨーグルト、ジュースのほか、シロップ漬けなどのアレンジ方法がいくつかありますので、それらの方法を簡単にご紹介いたします。
1.ヨーグルト、ザクロの種添え
【材料】 (ザクロ1個分) ザクロ 1個 ヨーグルト 適量 【作り方】 上記でご紹介した通りにザクロを剥き、水気を切ってヨーグルトに添えていただくだけ。 甘酸っぱい味わいがヨーグルトにぴったりです。
2.ザクロの種を使ったサラダ
※写真はイメージです。 色鮮やかなザクロの種をサラダに混ぜてみませんか。 レシピは一例ですが、洋梨などを加えることでフルーティーなサラダのできあがり。いつものサラダに飽きてしまった方も一度試してみてはいかがでしょうか。
【材料】 サニーレタス 3枚 ザクロ 1/2 洋梨 1/2 スライスチーズ(とろけないタイプ)1枚 *レモン1/2 *サラダ油大さじ1 *塩
【作り方】
- サニーレタスは1.5cm幅くらいでカットし、ざくろ以外のほかの材料も1.5cm角にカットします。
- ザクロは皮を取りつぶを取り出す。
- レモンをしぼり*印の材料を混ぜ合わせてドレッシングを作ります。材料にかけてできあがりです。
3.ザクロジュース
※写真はイメージです。
【材料】ザクロ(約2kg)粒で約1kg
【作り方】
- 皮を剥いてザクロの粒を取り出し、水で洗ったあと、水気を切っておきます。
- ジューサーまたはミキサーにザクロの種をひとつかみ入れます。ジューサーまたはミキサーに2、3回まわして粒を割ります。(回し過ぎると種が割れて苦みが出るので注意しましょう)
- ステンレスザルを重ねたボウルにザクロを入れて、スプーンなどで押しながら絞り裏ごしします。 やりすぎるとタネが割れて味に苦みが出るので注意しましょう。
- ボウルに溜まったジュースを数回ミキサーに戻し、少しずつ攪拌させていきます。 全部絞り終えたら冷蔵庫で保管します。 ザクロ約2kgから約700mlのジュースができます。 完成したジュースは冷蔵庫で保管します。
ザクロの粒はサプリとして買える?
天然のザクロを食べるのもいいのですが、ザクロの粒に含まれる成分は栄養補助食品(サプリ)としても取り込むことができます。 ザクロ粒(種)に含まれるエキスを主原料に、イチョウの葉エキス、大豆イソフラボン、ビタミンC、ローヤルゼリー粉末などが加えられています。
ザクロ種子エキスを主原料に、イチョウの葉エキス、大豆イソフラボン、ビタミンC、ローヤルゼリー粉末などを加えた栄養補助食品です。特に環境ホルモンやストレスなどの影響によりストレスを抱えられた女性にお勧めの商品です。
食べ方いろいろ、低カロリーなのもうれしいザクロ
ビタミンCや抗酸化物質など、美容にもよい成分が豊富なザクロ。このような有効成分は豊富なのに、1個当たりのカロリーは55kalと低カロリーなのもうれしいですね。 実の剥き方を覚え、実も種も丸ごと食べてきれいになりましょう。