ハタの分類
刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科ハタ族マハタ属
ハタ科は非常に大きなグループで、450種 の魚が属しています。スズキ亜目の中でも 大きな科の一つといわれています。 種の魚のサイズもバラエティーに富んで数 cmのハナダイから2mを超えるタマカイ がグループ内にいます。
ハタの外国名
seven band grouper
seven band grouper=セブンバンド、 グルーパーで、直訳でマハタです。 若い個体ははっきりと7本の縦縞が 入る事からの命名 です。 ハタの事をgrouperと呼び、タマカイ などの巨大種を「giant grouper」 といいます。
ハタの学名
Epinephelus septemfasciatus
ハタの名前の由来
漢字では真羽太です
諸説あり、江戸時代前期に、籏代 (はたしろ)魚として登場し、その逸話に 「魚斑紋黒と白のを相畳み、丁度黒白に 分け染めた籏の様だ」 と記されており、マハタの絵もある事から 、由来しているという、有力説があります。 また、ハタは斑(はだら)の斑紋のある魚 のはだらの欠落語で「ハタ」と由来した、 実際にハタ科の魚は斑紋模様の魚が多く、 有力という説もあります。 もう一つが背鰭の事をハタ=籏と呼び、 ハタの鰭は大きく固い棘がマストの様に 見えた事という説もあります。 また、マハタのマは「真のハタ」の意味で、 ハタ類の中で、一番多く、最も美味しい 魚の意味があります。
ハタの生息地域・分布
分布
ハタは温水を好む海水魚ですが、分布は 意外と日本海側は北海道~九州南岸、 東シナ海。太平洋側は仙台湾以南です。 小笠原諸島にも生息が確認されています。 国外では朝鮮半島南岸、済州島、東シナ 海の中国沿岸、遠くはインド洋にも分布 すると言われています。
生息地域
マハタが好んで通常生息しているのは、 岩礁地帯や砂地と岩礁が混じりあった 場所です。 幼魚は沿岸で見られますが、成体は 深海で生息します。 100m~300mの海域に生息し、150m 前後の水域での漁獲が多いいそうです。 近海で見られるのは10kg位の亜成体 ですが産卵で生態が浅場に入ってきて 見かけられる事もあります。
ハタの生態・生育環境
生態
マハタは単独生活をし、昼間は岩礁の岩穴 などで、じっとしていて、夜になると穴から 出て、サバやアジ等の魚、エビやカニなどの 甲殻類を貪欲に捕食しています。 産卵は5月位とされ、浅場の藻場などに卵を 産み付けます。 マハタは成長するまで全ての個体が雌で、 成熟すると雄に変態する、「雌性成熟」 の魚です。 成熟は5年かかり、雄に変わるまでにさらに 5年を要すると言われています。
生育環境
生育環境は、成熟するまでは沿岸で見られ 磯に多く生息し、河口や漁港などでも釣り の対象魚となっています。 10kg位までの亜成体は近海の10~50m位の 浅い海の海底の穴に生息し、夜間、駆け 上りや、南洋ならリーフエンド付近で 活発に捕食活動を行っています。
ハタの特徴・形態
特徴
幼魚時代は白い縦縞が7本くっきりと入り、 英名のセブンバンドや、江戸時代の逸話の 黒白に分け染めた籏と言われたように、 はっきりと縦縞が入っています。 体型は側偏して丸みがかり、尾鰭は団扇の ような形で大きく、その他の鰭も総じて 大きいせす。 背びれは名前の由来の様に籏のマストに たとえられる位骨が太く先端は尖っています。
形態
ハタの形態はカサゴの横幅を間延びした様な 形態で、大きさは比べ様が無い位、大きな 種が多いです。 マハタはハタ科の中でも大型種で、100cm 超え、 重量は100kgを超えます。 体色はやや明るい茶褐色で、若い個体は縦縞が 入り、成体になるにつれ縦縞は見られなくなっ ていきます。 ハタの大型のものはカンナギといわれ、 最大のものは全長192㎝ 重量146kgのものが 2005年の2月に与那国島近海で漁獲されています。
クエ
マハタとよく似ていて、流通も多いのが クエです。どちらも巨大な魚で、超高級魚 ですが、模様で区別がつきます。クエの方は 茶褐色、に黄土色が混じった斑紋模様で ハタは暗いあずき色で縦縞が入ります。 また、クエは最大で60kgの重量ですが、 マハタはそれを大きく超え成長する違い もあります。 クエ鍋や、アラ鍋(九州名)でつとに有名で、 ハタ科ではマハタに並び絶品魚として知られ、 最近では養殖も盛んに行われています。
カンナギ
カンナギとはマハタと、マハタモドキの 老齢魚を指します。 カンナギという名前は、一説には、 巫(かんなぎ)から由来し、「巫女(みこ)=神子」、 つまり『神の仕えの者』という意味です。 その巨大な姿に昔の人は命名したという説が ある位、大きく堂々とした体躯の魚なのです。 上記の2種がカンナギと呼ばれますが、 老齢魚になると模様が不明瞭になり、 区別が困難です。 本州、伊豆諸島ではマハタが多く、南西 諸島ではマハタモドキが多い傾向が あります。 沖縄では、成体がアーラミーバイと呼ばれ 1mを超える物はタマカイと呼ばれます。 驚くことに沖縄では、磯や港でも釣り上 げられています。
ハタの釣り情報
【魚図鑑】ですので、概要をご紹介します。 リンクや動画をご参照下さい。
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餌釣り
伊豆半島などでは、水深50m~150mの ポイントで活きイワシなどの餌を海底 まで落とし込み、海底から2m~5mあげた ところでアタリを待ちます。 ハタは餌を素早く丸呑みし、ひったくります ので、竿を起こし合わせます。 潮に左右され、ギャンブル性が高く、底物 の釣りなので根掛かりも頻発します。 大変な釣りですが、1匹釣れれば全てが報われる 釣りだと、船長が励ましお勧めする、マハタの 船釣りです。
ハタの味・選び方
味
透明感のある非常に綺麗な白身で、刺身は これ以上ない位美味しいです。 小型のものでも、刺身は甘みがあり、身の 繊維が繊細で、身の締まりもあり、味も絶品 ですが舌触りも極上です。 小さいハタも脂がの乗っていますが、大型の ものは良質の脂が、身と皮の間に、たっぷり 乗っていて、鍋にとても合います。 プルプルの脂とアラから出る出汁がまた絶品で 、鍋の中の身とよく合います。 鍋を囲む席では「美味しい」「絶品」の称賛 の声が止まないと言います。
選び方
超高級魚のマハタやクエはスーパーや魚や 煮はめったに並びませんので選ぶ事は 難ずかしいです。 また釣るにしても、沿岸では滅多に釣れません。 手に入れるのは、船に乗って釣りに行くしか ありませんが、釣れる保証はありません。 天然物は料亭や、有名お寿司屋さんに廻って しまい手に入りそうもありません。 ですが、最近は養殖技術が発達し、美味しい マハタやクエを養殖し、通販で、販売しています。 また非常に希少ですが、天然もあるようです。 下記にて記載しますので、ご参考下さい。
『【紀州産】活〆クエハタ(約2.5~4kg)』 クエとハタの掛け合わせた養殖魚です。
山陰産のクエの出品です。1.5kgと 小ぶりのサイズですが、天然ものです!
ハタの栄養・寄生虫
栄養
脂がのったハタのカロリーは獲れる季節や 個体差がありますが、基本的に低カロリーの 食材です。 鍋一人前で150kcalと高くなく、野菜も沢山 一緒に摂れますので大変健康食です。 鍋の中の皮や顔の周りのコラーゲンを想像し イメージは高カロリーですが、獣肉と違って 低カロリーなのです。 また、コラーゲンは血管を柔らかくしたり、 骨を丈夫にし、骨粗鬆症を防いだり皮膚炎 を改善したりと体全般を元気にする効果が 期待出来ます。 更に高タンパク質なので体を元気付ける 効果は抜群です。
寄生虫
ハタやクエは体に付いた寄生虫や、口の中 の食べかすなどをホンソメワケベラという 小型のベラに掃除をしてもらう、共生関係 があります。 人間がハタやクエを食べる時に、気になる 4寄生虫は「リリアトレマ・スクリジャビニ」 という寄生虫が、ハタ系には多く付く、丸い ゴマのような寄生虫です。一応人体に害はない とされています。 が、寄生している可能性が高いという事で、 不衛生なので、取り除いた方が良いでしょう。 アニサキスにも注意です。青物にて有名な アニサキスですが、どんな魚にも寄生する 可能性がある寄生虫ですので、お刺身で捌く ときに注意深く見て、もし見つけたら、 熱で死滅しますので、加熱して食べる 事にします。
ハタの料理・調理方法
刺身
鱗を落とし、お腹に包丁を入れ、内臓を 取り除きます。 頭を落として、エラを取り除き、身を綺麗に 洗います。左右の身を背骨に沿って包丁を 入れ、3枚に卸します。 お腹の部分の腹落ちといわれる個所は骨が あるので、取り除きます。 皮を引き、身を薄くサク切りにして、お皿に 並べて完成です。
しゃぶしゃぶ
刺身とさばき方は同様です。 お鍋に水、だし昆布を入れます。沸騰 寸前になったら長ねぎの青い部分、酒を 加え煮立てます。 しめじ、エノキ、白菜、豆腐を投入し 中火で煮込みます。 捌いた刺身を持ってきて湯にくぐらせて 戴きます。 鍋にアラを入れても美味しいです。
鍋
刺身で身を取ったクエの頭、腹落ち、中骨 背びれを使用します。 お鍋に昆布と水を入れ煮立てます。 沸騰したところで白菜を入れ、再沸騰したら 魚を投入します。 15分ほど煮込んだら、ネギや豆腐など野菜を 入れます。煮立ったら出来上がりです。
ハタの逸話
「クエを食ったら他の魚は食えん」と言われ、 その上質で美しい白身はフグより上と称賛 されています。 また、過去にはその人気から、別種のものを クエと偽り、偽装販売もありました。 角界ではちゃんこ鍋の具として取扱われて いて力士に栄養を提供しています。 などの逸話の多い特別な魚です。
ハタの今後
近年ハタ、クエ共に養殖が盛んに なってきていて、通信販売でも手に 入るようになって、身近な魚に なったともいえる、本種ですが、 稚魚放流も行っている様で、益々 今後の流通が期待できると言えます。 クロマグロや、サンマ、カツオなど 、中国や台湾などの需要が増える中、 本種の他、様々な放流事業を大事にし、 稚魚を守っていくか環境を心掛け、 今後に繋げていきたいと感じます。