トビウオ/分類
ダツ目トビウオ亜目トビウオ科ハマトビウオ属
トビウオはダツ目トビウオ亜目 トビウオ科ハマトビウオ属、 安価で大量に取れる大衆魚です。 ベイトとしてのパターンが存在する 大型魚のエサとしても有名で、 トビウオの群れを追いかけて 青物やマグロが登場。 切り身や練り物だけでなく とびっこ、くさやの原料として 加工品でも活躍しています。
トビウオ/外国名
Japanese flyingfish
Japanese=日本の flyingfish=飛ぶ魚 空を飛ぶことが出来る事から 特徴を取ってこの名前が与えられました。
トビウオ/学名
Cypselurus agoo
Cypselurus=トビウオ科 agoo=トビウオ Cypselurusを持つトビウオは数が多く 10種類以上の魚がトビウオの仲間として 名前を与えられています。 トビウオはトビウオ科の中でも 本種を代表する魚として 単にトビウオ、と呼ばれるようになりました。
トビウオ/由来(漢字)
飛魚
トビウオの種を区別せず飛魚とする事があります。 空を飛ぶ様子から飛魚となりました。 出汁として近年人気上昇中の アゴもトビウオの仲間を指す言葉です。
トビウオ/生息地域・分布
トビウオの仲間は日本全土に生息!
トビウオは北海道南部から沖縄まで、 朝鮮半島や中国付近にも棲息しています。 産卵のために接岸するのは 九州と日本海西部がメイン、 産卵期以外のシーズンは 沖合いを広く回遊しています。 種によって回遊ルートが異なる魚です。
トビウオ/生態・生育環境
トビウオの食性、特徴、生育環境をチェック!
トビウオの生態から食性、特徴、 生育環境の3つをご紹介。 名前の通り空を飛ぶ事が最大の特徴、 その他の部分はアジやイワシなど 小型回遊魚に近い部分を持っている魚です。
1/3.食性
トビウオの主食は動物性のプランクトン、 小魚や甲殻類を捕食する場合もあります。 釣りではオキアミやアミエビ、 サビキやワームで狙います。
2/3.大きな翼が特徴!
トビウオは発達した胸鰭を使って 空中を滑空する事が出来ます。 大型の魚から逃げるための進化と言われており 危険を感じると海面からジャンプ、 100m以上飛び続ける事も珍しくありません。 驚くと飛ぶので船のエンジン音や ハリが外れた時も 海面を飛びながら逃げていきます。
3/3.成長に伴って沖へ移動
産卵期は春から夏。 沿岸で生まれた稚魚は流れの緩やかな場所で 成長し徐々に沖合いへ進出し 成熟に伴って産卵のために 海草や藻のあるエリアへ 接岸するサイクルを持っています。 寿命が1年の年魚なので 産卵後は沖合いへ移動しながら 少しづつ数を減らす魚です。 エサを追った回遊ではなく 産卵のためのに接岸するタイプで 日本海西部が接岸のメインになります。
トビウオ/特徴・形態
30cm以上に成長!
トビウオは成熟をむかえ 接岸を行うタイミングで30cm程度まで成長、 複数いるトビウオの中でも 大きな魚体を持っています。 大きなヒレだけでなく サンマのように胃がない事も特徴。 ハマトビウオ属の魚は姿が トビウオにそっくりな種が複数居るので 本種との見分けは難易度が高いです。
トビウオ/釣り情報
トビウオ釣り情報を3つに分けてご紹介!
トビウオ釣りの時期と釣り場、 釣り方に関連する記事と トビウオ型ルアーの 3つを紹介しています。 地域限定で釣れる期間も短いので 専門で狙う事は少ない釣りモノです。 サビキ釣り、磯釣りで混ざる事が多いので トビウオを釣りたい方は 上記の釣りに出かけてみましょう!
1/3.トビウオが狙える時期と釣り場
トビウオが釣れる時期は 産卵で接岸する春から秋、 暖かい地域や沖では一年中釣れる魚です。 種によって差がありますが 回遊ルートが決まっている魚なので 岸から釣れるのは西側の地域に集中しています。 タイミングが合えば 堤防やゴロタ浜、磯でも トビウオの釣りが楽しめます。
2/3.サビキ、ルアー釣りで狙おう!
餌を使う場合はアミコマセや オキアミを使ったカゴ釣りで狙います。 飛距離を出して狙う遠投カゴが主流で 遠投用の磯竿3号にスピニングリール、 大型のカゴと天秤にウキをつけて トビウオを狙いましょう。 危険を感じると水面に向かうので 食い上げが多く糸が緩んで ハリが外れやすいので 強くアワせて高速巻きで 回収するのがポイントです。 ルアーで狙う場合は ジグヘッドにワームを付けた仕掛けがおすすめ。 メバリングやアジングと同じタックルで釣れますが 飛距離が必要になる場面が多いので 飛ばしウキやキャロ仕掛けで 遠投しながらトビウオを探してみてください。
遠投カゴ釣りの入門ガイド|釣れる魚と基礎から解説する釣り方のコツ!
人気の岸釣り、遠投カゴ釣りについてです。これから遠投カゴを始める方向けに必要なタックルや仕掛けの内容、釣れる魚の種類について紹介しています。...
3/3.トビウオを意識した大型ルアーも!
マグロやヒラマサなど大型魚向けのルアーには トビウオを模した形状のモデルが多数展開されています。 海の大型魚は偏食性が強く、 追っているエサに執着する傾向があるので サイズやカラーを似せてターゲットを反応させましょう! トビウオパターンのアクションは早巻きが基本、 他の釣りではNGとされる 空中をジャンプするような アクションも有効。 トビウオが見えても反応が無ければ 別パターンと判断してルアー、アクションを ローテーションさせるのも大きなポイントです。
トビウオ/味・選び方
あっさりした食味で調理がおすすめ
トビウオの味は淡白でさっぱりとした 青魚独特の香りがあります。 食感はややハリがあり しっかりとした身質です。 生食は少々物足りない味なので なめろうや昆布締めで味を追加する方法がおすすめ。 テンプラや塩焼きなど火を通す料理なら 身のコクをバッチリ味わえます。 選び方は体色が良いもの、 魚体にハリがあるものを選びましょう。
トビウオ/栄養・寄生虫
新しい魚を選ぼう!
寄生虫はどの魚にもいるアニサキスを中心に 複数の寄生虫リスクがありますが 特別寄生虫の多い魚ではありません。 新しい魚を選んで内臓を除去し、 刺し身にする場合は目視での確認を行えばOK。 脂が乗りにくい魚なのでカロリーが低く ダイエットの栄養補給にもおすすめです。
トビウオ/料理・調理方法
トビウオの加工品、おすすめ料理を4つご紹介!
トビウオは数が取れる魚なので 昔から日本各地で加工品向けの素材として 重宝されてきた魚です。 近年は出汁素材としての価値が急上昇中で 出汁入り調味料や飲食店での アピール、セールスも好調です。 おすすめの料理も紹介しているので トビウオが手に入った方は 調理にも挑戦してみてください!
1/4.クサヤ
くさやはくさや液に魚を漬けて作る干物です。 伊豆諸島で誕生したこの加工品は 脂の少ない魚が適していると言われており トビウオ、ムロアジを使うのが主流です。 かなり臭いが強いので 好んで食べる方は少ないですが ハマった方は何度もリピートするような 強い風味と甘みが特徴です。
2/4.アゴ出汁
小型のトビウオを干して作る加工品、 味はイワシのニボシ系で 魚臭さが少なくスッキリした旨みを 与えることが特徴です。 関西ではポピュラーな存在でしたが 近年大手メーカーが注目したことで 全国的にもポピュラーな存在になりました。 粉末出汁や出し入り調味料、 ラーメン屋さんでも味わえます。
3/4.アゴ野焼
生食は味が少々物足りない魚なので 練り物への加工も人気。 かまぼこやつみれに良く合う魚です。 山陰地方名物のアゴ野焼で トビウオの練り物を楽しんでみてください。
4/4.おすすめの料理 トビウオのつみれ汁
トビウオを良く食べる八丈島の郷土料理、 トビウオのつみれ汁をご紹介。 新しいトビウオを使えばぷりぷりとした 心地よい食感を楽しめます。 アゴだしを使えば完璧です!
材料 (3〜4人分) トビウオ1尾 卵白1個 片栗粉 大さじ1 茹で筍1本 醤油大さじ1 木の芽好みで適量 塩適量
1 トビウオはウロコを洗い落として内臓を取り除いて3枚におろして皮を引きます。アラで出汁をとっておきます。 2 おろしたトビウオの身は包丁でよくたたいてからボウルに移し、卵白1個、片栗粉大さじ1を混ぜておきます。 3 トビの出汁をキッチペーパーで濾してから鍋に移して火にかけ、沸騰したらたたいたトビを丸めて入れてつみれを作ります。 4 トビに火が入ったら茹で筍を薄切りにして入れ、醤油を入れ、塩で味を整えて出来上がり。椀によそって木の芽をふんだんの添えて。 コツ・ポイント トビウオは小骨があるので丁寧に取り除いて。身がプリッとして上品な味です。
トビウオ/その他
船に飛び込むトビウオ
沖釣りで移動中、エンジン音に驚いたトビウオが 船内に飛び込んでくることがあります。 飛んでいるのを見るのは日常茶飯事です。 遠征系の釣りで暖かい海に行くと 海面のコマセを狙うトビウオを タモで掬う事もできますし、 夜間に電気をつけてトビウオを 掬いに行くツアーも開催されています。 釣り以外にもトビウオを取る方法が 沢山あるので興味のある方は そちらも是非チェックしてみて下さい。