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カモミールとは?花言葉や育て方など、14の基本情報をご紹介!

りんごのような香りがするハーブ、カモミール。古くからヨーロッパを中心に薬草として利用されてきた、とても伝統的な存在です。効能が認められており、癒やし効果もあります。カモミールの花言葉や育て方など、14の基本情報をご紹介します!
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
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カモミールとは?

古くから効能が期待されてきた薬草

黄色い花芯に、白い花を咲かせるカモミール。 誰でも見覚えのある植物なのではないでしょうか。 観賞用としても愛らしいこのカモミールは、ハーブの一種です。 とても歴史が古く、昔からさまざまな効能があるとされ、薬草として利用されてきました。もちろん現在でも、わたしたちの身近な場所で、お茶や美容品の原材料、アロマオイルなどに使われています。 カモミールについて、14つの基本情報をご紹介します!

①ヨーロッパの「お母さんのハーブ」

ヨーロッパが原産

カモミールは、キク科・カミツレ属の一年草です。 一年草とは、一年で枯れてしまう植物のこと。ですが一度植えれば、来年もこぼれ種で増える可能性があります。 原産はヨーロッパです。とくにドイツでは「ムッティ(お母さん)のハーブ」と呼ばれ、薬用にされてきました。ドイツの薬用植物の評価委員会でも、治療目的の使用がちゃんと認められているんです。 イギリスでも親しまれており、イギリスの女性作家が書いた「ピーターラビット」の物語の中でも、お母さんがカモミールティーをピーターに運んでくれるシーンが登場します。生活の中で当たり前に取り入れられてきた薬草なのです。

②踏まれれば踏まれるほど、丈夫に育つ

花言葉は「逆境に負けない」

カモミールはとても丈夫な草です。 踏まれれば踏まれるほど旺盛に育つと言われています。 ヨーロッパでは、古くから地面にばらまいて植えられてきました。その丈夫に育つ姿から、「逆境に負けない」という花言葉まであり、中世のイギリスでは、謙虚さと忍耐の象徴ともされていたのです。 「カモミールの苗床のごとく、踏まれるたびに成長せよ」という言葉まであるほど。 この頑丈さから、グランドカバーの草として使うこともできます。

③古くは聖なる存在

太陽神への捧げ物

古代エジプトで、ローマンカモミールは「太陽神への捧げ物」とされていました。治癒の秘薬、最高のハーブと呼ばれるほどの存在だったのです。

古代ギリシャでも活躍

古代ギリシャでもカモミールは薬草として使われていました。 熱病や婦人病に効くとされていたのです。

神話にも登場

カモミールはなんと神話にも登場します。 アングロサクソン人の神話では、薬草の神ウォドンが与えた9つのハーブのひとつとされているのです。

④ローマンカモミールとジャーマンカモミールの違い

それぞれ用途が違う!

「カモミール」という名の付く植物には、複数の種類があります。 ですが今日、一般に「カモミール」といえば、「ローマンカモミール」と「ジャーマンカモミール」という2種類のことを指します。薬用として使われるのも、この2種類だけなのです。 ローマンカモミールとジャーマンカモミールでは、ふさわしい用途も違います。 特徴をそれぞれ解説します!

ジャーマンカモミール


ジャーマンカモミールは、薬としての効能が期待できるハーブです。胃薬として、炎症を抑えるための薬として、昔から使われてきました。ハーブティーにするなら、ローマンカモミールよりジャーマンカモミールのほうがクセがなく、飲みやすいとされています。 ちなみに、ジャーマンカモミールを使った製品が青色なのは、ジャーマンカモミールを蒸留すると生まれる「カマズレン」という成分のためです。 この成分は、マトリシンという状態でもともと植物の中に存在します。蒸留してあげることにより、青色で薬のような匂いのするカマズレンへと変化するのです。

ローマンカモミール

ローマンカモミールは、りんごのような香りを持つ植物です。ほふく状に広がり、ジャーマンカモミールよりやや大きい花を咲かせます。ジャーマンカモミールの葉には芳香がありませんが、ローマンカモミールは葉もいい香りがします。「どっちかな?」と思ったら、葉の香りを嗅いでみてください。 おもな用途は、精油への利用です。 ハーブティーにすると苦みが強く、また飲んだときの効能もジャーマンカモミールほどは期待できません。匂いは良いのですが、飲んだときは苦みに驚いてしまうでしょう。アロマオイルとしてリラックス目的に使うのがおすすめです。

違いをまとめると……

ローマンカモミールとジャーマンカモミール、それぞれの違いをまとめると、 ・お茶や薬にするならジャーマンカモミールがおすすめ ・香りがいいのはローマンカモミール(アロマオイルにおすすめ) ということになります。 それぞれの違いを知って、カモミール製品の購入や自宅での利用の参考にしてくださいね。

⑤カモミールは炎症を抑える

炎症に効く薬草

では、カモミールの詳しい効能について見ていきましょう。 まずは炎症を抑える効能についてです。ジャーマンカモミールに多く含まれる成分に「アズレン」というものがあります。 これは、すぐれた抗炎症作用をもつ成分として知られていて、多くの薬剤や化粧品に使用されます。 アレルギーのために生じた発疹や、火傷、結膜、皮膚炎、胃炎、下痢、腎炎に効き目があるとされています。

⑥カモミールは美容の効能もある

化粧水やリンスとしても活躍

カモミールは美容にも効果を発揮します。 炎症を起こした皮膚はもちろん、 乾燥肌にも効果があります。 化粧水にもよく利用されているのです。 また、髪にツヤをもたせる効果もあるため、シャンプーやリンスにもよく使われています。

⑦カモミールにはリラックス効果がある

そして、忘れてはいけないのがリラックス効果です。 カモミールには、「平滑筋」という筋肉の組織を落ち着かせる働きがあります。なので、緊張した身体をホッとやわらげてくれる効能を期待できるのです。また、胃にも効くため、ストレスで荒れたお腹の調子を整えてくれます。

眠れないときはジャーマンカモミールティーがおすすめ

ジャーマンカモミールには、青リンゴに似た香りがあります。この香りには鎮静効果があるので、ジャーマンカモミールティーを寝る前に一杯飲むと、心身がリラックスしてよく眠れるとされています。 アールグレイのような他の茶葉とブレンドして飲むのも良いですが、カフェインで寝付きが悪くなる心配があります。眠りの導入に使うならカモミール単体のお茶が良いでしょう。

ローマンカモミールは心に効く

ローマンカモミールは、心への作用がジャーマンカモミールより期待できるとされています。 「イライラする」 「落ち着かない」 「心がざわつく」 そんな時はローマンカモミールでアロマテラピーを試してみましょう。 すっと心が落ち着いていくはずです。 含有量が少ないため、アロマオイルはやや効果なのが難点ですが、とても香りが良いのでぜひ試してみたいハーブです。

⑧美味しいカモミールティーを淹れるには?


カモミールティーの淹れ方を解説

カモミールの甘い香りを楽しむなら、ぜひハーブティーにして飲んでみましょう。 カモミールティーのおいしい淹れ方について解説します!

作り方(2~3杯分)

ティーポットに、カモミールの花20~30個と、レモンバーム1~2枚、スペアミント1~2枚を一緒に入れます。ポット全体の半分ぐらいの分量を目安にしましょう。熱湯を注ぎ、ポットにふたをして5分ほど蒸らします。ティーカップに注げば完成です。

コツ

使うティーポットは、耐熱性のものがおすすめです。 透明で中が見えるものを使うと、見た目も楽しめます。 カモミール単体でも楽しめますが、ミントやレモンバームなど、さわやかな他のハーブとミックスしてもOK。レモングラス、レモンバーベナと一緒に淹れてもよく合います。いつもはカモミール単体でも、たまに変化をつけて楽しんでみると面白いですよ。 ミルクとの相性も良いので、チャイに加えるのもおすすめ。

⑨ポプリとして使ってみよう

香りを簡単に楽しめる

カモミールを乾燥させて、ガーゼ状の編み目が粗い袋に入れれば、ポプリに早変わりします。 りんごのような香りは誰にでも親しみやすく、ちょっとした贈り物に添えるのもおすすめ。タンスの中や枕元に置いて、香りを楽しんでみてください。

⑩カモミールを育てるのに適した環境

カモミールの育て方を解説

カモミールを自分で育ててみませんか? たいへん人気の高いハーブなので、100均のような身近な場所でも種が販売されています。もちろん苗から育ててもOK! カモミールの育て方を解説します!

【育て方ポイント1】カモミールの種まき時期

カモミールの種まきは、暖かい時期に行います。 発芽適温は15~20℃くらいです。西日本なら3月から5月か、9月から11月が適切な時期だといわれています。 東日本の比較的寒い地域では、4月~6月上旬の春まきがおすすめです。 雪の心配があまりない地域であれば、秋まきが向いています。秋に種をまいたほうが、株が大きく成長するので、花もたくさん収穫できます。秋まきができないのであれば、2月のうちから室内で種まきを行っておき、暖かくなってから育てた苗を外に出す方法を取ると、大きく育てることができます。 カモミールは耐寒性の強い植物です。雪の下でも枯れにくいのですが、冬に雪で葉がしもやけを起こすと、生育が悪くなります。また、冷たい風にも強くないので、新聞紙をかぶせて越冬させると良いでしょう。耐暑性はあまりありません。夏には枯れてしまいます。

【育て方ポイント2】用意する土

日当たりが良く、水はけの良い土で育てましょう。 肥えた軟らかい土を好むので、庭の地面に直まきする場合、あらかじめ腐葉土や堆肥をよくすき込んでおきます。この作業は種まきや苗の植え付けの1ヵ月前に終わらせておくようにしてください。 鉢植えの場合、市販されている花と野菜の培養土や、赤玉土小粒と腐葉土を1:1の割合でブレンドしたものがおすすめです。

⑪カモミールを植えるときのコツ

【育て方ポイント3】種まきの手順

ポットや鉢に土を入れ、あらかじめたっぷりと水やりをしておきます。 カモミールの種はとても細かく、種まきしづらいです。 そのまままくと混み合ってしまいがちなので、あらかじめ少量の用土と種を混ぜておき、それをまくようにすると、均一にできます。土をかぶせる必要はほとんどありません。 種が小さいため、発芽後の成長はゆっくりです。発芽した芽も非常に小さいので、水やりを叩きつけるように行うのはNG。鉢底から給水すると良いでしょう。苗が小さいうちは過湿になると根腐れしやすいので、注意してください。

【育て方ポイント4】植え付け


種まきした苗が苗が高さ5~10cほどになってきたら、別の鉢や花壇に植え付けます。株間は30cmほど空けてください。苗同士が混み合っていると、蒸れやすくなります。直まきした場合も間引きを行ってください。

【育て方ポイント5】苗から育てるときは

苗を購入してくるときは、葉のふちが黄色く変色しておらず、花がついていないものを選びましょう。 カモミールは植え替えを嫌う植物です。苗が小さいうちに植え付けを行ってください。そのときは根を傷つけないように行いましょう。また、苗が大きくなってきたときに植え替えをしなくて良いよう、あらかじめ鉢や花壇にはスペースの余裕を持たせておきます。

⑫カモミールを育てるコツ

【育て方ポイント6】カモミールの肥料

鉢植えの場合、用土に元肥としてゆっくり効くタイプの肥料を混ぜます。 たくさん花を収穫したければ、リン酸の多い液体肥料を3月ごろに与えてみましょう。花つきがよくなります。

【育て方ポイント7】カモミールの水やり

乾燥しすぎると、株がひょろっとした格好に育ちやすくなります。こうなると花の数が少なくなり、収穫量も期待できません。 庭植えの場合、生育が旺盛な時期に雨が降らないようであれば、水やりをします。 鉢植えの場合、土の表面が乾いたら水やりをします。水切れさせないためにも、大きめの水で育てるのがおすすめです。

⑬カモミールの収穫

【育て方ポイント8】収穫の方法

カモミールは花の部分を収穫します。お茶にして飲むのも、この花の部分です。ハーブというと、葉っぱのイメージが強いのが一般的ですが、カモミールはちょっと変わった存在といえます。でも、お花の部分を使えるというのは、見た目にも華やかで嬉しいですよね。 花の中心の黄色い部分がふくらんできて、花びらがそり返ったような格好になった時がベストなタイミングです。晴れた日の午前中がおすすめ。タネができないうちにこまめな収穫を行えば、花期が長くなり、たくさん収穫できます。 一輪ずつ収穫するときは、人差し指と中指でそっと首の部分を挟みます。手間に感じられる場合、株の7割くらいが開花したタイミングで、茎ごと切ってしまっても良いでしょう。 黄色い部分が崩れている花でも、変色していなければ使うことができます。

⑭カモミールの保存

おすすめは冷凍保存

たくさん収穫できたら、洗って水分を飛ばし、冷凍しましょう。 この方法で翌春まで保存できます。 一般的なのは乾燥する保存方法ですが、冷凍のほうが香りのもちが良くなります。また、乾燥させたカモミールを密封して冷蔵保存する方法でも、色や香りをよく残すことができます。

カモミールは効能も認められている伝統的な薬草

健康にも精神にも嬉しい効能がある、カモミール。 とても伝統的な薬草で、さまざまな効能が認められているのだとお分かりいただけたのではないでしょうか。 白い花も可憐で、りんごのような香りに癒やされます。見た目よし、香りも身体にもよしの、嬉しいポイントづくめな植物なのです。 ハーブの中でも人気抜群なカモミールを暮らしに取り入れて、リラックスした毎日を送りませんか?