検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

ダイワ「SVスプール」の魅力とインプレ!バックラッシュは本当にしない?

大手釣り具メーカー ―「グローブライド」の「ダイワ」ブランドが、2013年に発表した「SVスプール」は、究極の遠投性能とバックラッシュ防止というコンセプトが話題となりました。この記事では、SVスプールの特徴やメカニズム、インプレッションについて取り上げます。
2020年8月27日
cgjpm705
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

この記事で紹介しているアイテム

ダイワ 16 ジリオン SV TW 1016SV-XXHL

ダイワ(Daiwa) ベイトリール 14 SS SV 103SHL

【DAIWA】ダイワ『スティーズリミテッドSV 103H-TN』

バックラッシュは, ベイトリールの宿命

ベイトリールは構造故、スピニングリールと比較すると、バックラッシュが発生しやすい傾向があります。 スピニングリールの場合は、ローターの回転運動によってラインを巻き取り、ベールを倒すことによってラインを放出させる仕組みであるため、スプール自体の回転運動はありません (ドラグを除く)。 対するベイトリールの場合は、ラインの巻き取りや放出をスプールの回転運動によって行う仕組みです。

そのため、ラインの放出時にスプールが勢い良く回転した場合、スプールの回転数がラインの放出スピードを上回ってしまい、ラインの過放出 (オーバーリリース)によるバックラッシュを引き起こしてしまうのです。 近年では上位商品を中心に、高性能な各種ブレーキシステムが積極的に採用されてきているため、バックラッシュの発生率は大幅に低下しているものの、完全にバックラッシュの心配が無くなったとは言い難いのが実情です。

「SVスプール」とは?

「SVスプール」とは、大手釣り具メーカー ―「グローブライド」が2013年から、「ダイワ」ブランドのベイトリールのラインナップのうち、上位に位置するものに採用しているスプールのことです。 「SV」とは「Stress Free Versatile」の略で、多くのアングラーをバックラッシュのトラブルから解放し、さらなる操作性の向上を追求するというコンセプトで注目を集めています。

ただし、リールはスプール単体では機能しませんので、ベイトリールの本体内部の動作機構との組み合わせによるバックラッシュ防止効果となるため、厳密には、「SVスプールや各種高性能ブレーキシステムなどによって実現した、『SVコンセプト』を採用したベイトリール」という定義となります。 2017年10月10日現在、SVスプールを採用している現行ベイトリールは、「ダイワ アルファス SV」、「ダイワ ジリオン SV TW」、「ダイワ タトゥーラ SV TW」、「ダイワ SS SV」、「ダイワ スティーズ リミテッド SV」、「ダイワ スティーズ SV TW」、「ダイワ モアザン PE SV」、「ダイワ スティーズ リミテッド SV TN (Toshi Namiki バージョン)」の8つです。

SVスプールのメカニズム2つを解説

SVスプールの有効性について考えるうえで、SVスプールがバックラッシュを防止するメカニズムについて理解しておくのは、賢明なことでしょう。 もちろんSVスプールには、バックラッシュを防ぐこと以外にも、遠投力の向上や幅広いルアーウェイトへの対応力などの魅力がありますが、この記事ではバックラッシュ防止の面について、特に深く掘り下げていきます。

とはいえ、前述したようにSVスプールは、リール本体があって初めて機能するものですので、リール本体内部の動作機構のメカニズムについても併せて見ていく必要があります。 ここでは、ソルトウォーターゲームにも使用可能な「ダイワ ジリオン SV TW」 (以下、「当機種」と表記)における、SVスプールのアンチバックラッシュメカニズム2つについて徹底解説します。

メカニズム1【高性能ブレーキシステム】


遠投性能の追及には, ブレーキシステムの高性能化が不可欠

当機種には、ルアーのキャスティング時に放出されるラインが、レベルワインダーに触れることで発生する摩擦抵抗を低減する「TWS (T-ウイングシステム)」が採用されています。 そのため、よりスムーズなラインリリースによって、さらなるルアーの飛距離向上を実現しています。 しかしながら、遠投性能をとことん追及した場合、無抵抗に近い状態でスプールが回転するのが理想形となるため、どうしてもバックラッシュの発生率が高くなり、結果的に高性能なブレーキシステムが必要不可欠となります。

メカニカルブレーキは, 操作性を悪化させる要因

メカニカルブレーキノブを締め込むことによって、ピニオンシャフトが押し出され、ピニオンシャフトがスプールシャフトを押さえ付けることで、スプールの回転を根本的に抑制しています。

ベイトリールを使用する際はバックラッシュを防ぐために、ルアーの自重がラインに掛かった時に、ゆっくりとラインが放出されていくようにメカニカルブレーキを調整するのが、従来の常識でした。 しかしながらメカニカルブレーキは、スプールの回転数の多少を問わず、根本的にスプールの回転を抑制してしまうため、軽いウェイトのルアーをキャストした場合の飛距離の低下や、至近距離におけるピンポイントアプローチでのコントロール性の悪化を引き起こします。 この点が災いとなり、スピニングリールの普及率の牙城を崩せていないのが現状です。

SVスプールは, 脱「メカニカルブレーキ依存」

当機種ではメインブレーキとして、「遠心力式ブレーキシステム」よりも細かな調整が可能となる、「ネオジムマグネット式ブレーキシステム」を採用していますが、さらなるバックラッシュの防止と遠投性能の向上を目的として、メインブレーキ動作機構が「エアーブレーキシステム」となっています。 エアーブレーキシステムは、ブレーキングを行う心臓部となるインダクトローターの介入制御を、スプールの回転数によって行う画期的なシステムです。

そのため、メカニカルブレーキによって、最初からスプールの回転を根本的に抑える必要は無くなり、スプールの回転数が、バックラッシュの危険性が高くなる“スプールの回転数”に到達した場合にのみ、エアーブレーキシステムがインダクトローターを介入させ、ネオジムマグネットが磁力によるブレーキングを行う仕組みが実現しました。 それによって、軽いウェイトのルアーをキャストした際の飛距離を飛躍的に向上させつつ、最もバックラッシュの危険性が高まる場面では、確実なブレーキングでバックラッシュを防止することを可能にしているのです。

メカニズム2【柔軟なラインキャパシティー設定】

ラインキャパシティーは, バックラッシュと深い関係がある


スプールに多くのラインを巻いている場合、スプールとベイトリール本体との隙間が狭くなるため、スプールの回転数がラインの放出スピードを上回った時、過放出されたラインは行き場を失い、バックラッシュが早い段階で発生しやすくなる傾向があります。 逆に、スプールに少量のラインしか巻いていない場合、スプールとベイトリール本体との隙間は十分にあるため、スプールの回転数がラインの放出スピードを上回った時でも、過放出されたラインの行き場が残っているため、軽い過放出であればバックラッシュはしません。

結局のところ, アンチバックラッシュメカニズムの要

当機種のSVスプールは、16ポンドのナイロンラインのキャパシティーが40 - 80m、14ポンドのナイロンラインのキャパシティーが45 - 90mとなっており、ラインキャパシティーが柔軟に設定されています。 つまり、「遠投が必要無い釣り場では、スプールに巻くラインの量を極力少なくして、バックラッシュを防止するようにして欲しい」ということになっており、事実上アンチバックラッシュメカニズムの要となってしまっているのです。

ダイワは表向きでは、幅広いウェイトのルアーに対応できるようにした結果であるとしていますが、実際にラインキャパシティー設定値の上限量のラインをスプールに巻いた際の、バックラッシュの発生率を検証してみると、ダイワのSVスプール非搭載ベイトリールや、他の大手釣り具メーカーが製造する“マグネット式ブレーキシステム搭載ベイトリール”の場合と、ほとんど差異がありません。 確かに、ルアーの飛距離を犠牲にしないブレーキシステムについては、これ以上無いほど高く評価することができますが、肝心の“バックラッシュを防止する”効果については、ダイワのまやかしにしか過ぎないというのが、筆者の正直な意見です。

SVスプール搭載ベイトリールのインプレッションは?

前述した理由から、SVスプール単体としてのインプレッションでは不十分です。 ここでは、SVスプールを採用している、当機種 (ダイワ ジリオン SV TW)、「ダイワ SS SV」、「ダイワ スティーズ リミテッド SV TN」の3つのベイトリールの、各ユーザーから寄せられたインプレッションをご紹介していきます。

インプレッション1【当機種 (ダイワ ジリオン SV TW)】

ダイワ 16 ジリオン SV TW 1016SV-XXHL

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

ブレーキ調整を付属の説明書通りに設定すればバックラッシュがかなり減り、ストレス無く釣りが楽しめています。 重いルアーからフィネスな釣りまで幅広く使えるので、バス釣り初心者の最初のタックルとしては少々高いかもしれませんが釣りを楽しく上手くなるためにはもってこいのリールだと思います。デザインもかっこいいのでオススメです。

素晴らしいの一言。 ブレーキ8くらいからサミングせずとも、 ほぼバックラッシュ知らず。 それでいて飛距離は必要十分。 50メートル以上の遠投には ブレーキを6以下にする必要があるものの、 すさまじく適当なサミングだけで対応できてしまいます。


インプレッション2【ダイワ SS SV】

ダイワ(Daiwa) ベイトリール 14 SS SV 103SHL

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

ベイトは遠心派でやってきた私ですが、SS airの出来に納得して元となったSS SVも買ってみました。 印象は、もう超がつくほどベーシックな、誰でも使えるベイトリールって感じです。 悪く言うと何の面白みもないんですが、これはこれでありです。 良いリールだと思います。

旧リベルトピクシー以来のベイトです。軽く、トラブルがありません。

インプレッション3【ダイワ スティーズ リミテッド SV TN】

【DAIWA】ダイワ『スティーズリミテッドSV 103H-TN』

出典:Amazon

今までSTEEZ(スティーズ)は100SHと103Hの2台を所有していました。 バズベイトなどを使うにあたり、STEEZの左巻きはなかったので、スティーズ リミテッド SV103HL-TNを購入しました。クランクベイト、スピナーベイトでも使ってみましたが、今までのスティーズを比べてギアが大きくなったためなのか、巻き感がさらにスムーズにになり、驚きました。

ライトリグに最高です!! さすが並木さんモデル!!重宝します!

SVスプールは, 決して悪いものではないが・・・・

いかがでしたか。 SVスプールは前述した通り、ルアーのキャスト時の飛距離の向上という大きな魅力がある一方で、バックラッシュを防止する効果について、有効性が十分に認められないという結論です。 とはいえ、そもそも非電子化機構では、バックラッシュを根絶することには無理があり、バックラッシュ対策について本気で考えるのであれば、回転センサーと電磁コイルによるブレーキングを行う、「デジタルコントロール (DC)ブレーキシステム」を採用したベイトリールのさらなる進化に期待することが、賢明なのではないでしょうか。