1、デンドロビウムとは?
◎デンドロビウム【学名:Dendrobium】とは、 ラン科セッコク属に分類されている植物であり、日本では主に〝セッコク〟と言う数種類が知られているそうですが、主に〝デンドロビウム〟と呼ばれる花は園芸種の洋ランとして栽培されている花に限られている様です。 ファレノプシス系【胡蝶蘭・ファレノプシスの花序に似ている】この二つが最も作られているそうです。
◎東南アジアを中心に世界的に栽培されており、広く分布している多年草として知られているそうです。原種が1,000種以上あるとも言われ、色や形、特徴がそれぞれ違うのが魅力的です。そのため、鉢植えで育てる愛好家も多い様で、栽培し贈り物にする方もいらっしゃる様です。 デンドロビウムは、ギリシャ語の〝デンドロ【木】〟と〝ビウム【生ずる】〟に由来し、野生では木、本体に着生し芽を出している様です。
2、デンドロビウム種類
◎デンドロビウムとは?にも記入した通り、種類は1,000種以上もあると言われております。 ものすごい種類ですが、では、具体的にどの様な種類があるのでしょうか?系統を一緒に勉強していきましょう!
【ノビル系】
◎デンドロビウム・ノビル【D:nobile】と言う原種と、それに近い花との交配種などの事を言い、棒状の茎を伸ばして葉をつけ、葉を落とした茎から芽が出て花を咲かせる様です。花は各節から2〜3個ですが、一つ一つの花が大輪のため、茎の上半部一面に咲かせる姿はとても美しい様です。かつて〝デンドロビウム〟と言えばこの〝ノビル系〟を言ったそうです。
【デンファレ系】
◎デンドロビウム・ファレノプシス【D.phalaenopsis】という原種と、それに近い近緑種との交配種などからなる一群を示すそうです。茎や葉の形はノビル系とさほど変わらないみたいですが、花は茎の先端付近だけから咲き、長い花茎を斜めに伸ばして、多数の花を穂の様につけるのが特徴みたいです。花の様子は胡蝶蘭に似ている様です。
【キンギアナム系】
◎デンドロビウム・キンギアナム【D.kingianum】を中心とする一群の事をいうそうで、耐寒性が強いが、セッコクやノビル系と近縁ではいない様です。細い茎で先端に葉が集まる独特の葉姿をしており、花は茎の先端から上に伸びる花茎に多数をつける様です。花は小輪ながら紫で美しく、比較的育てやすいといいます。
【フォーミデブル系】
◎デンドロビウム・フォルモーサムおよびその近縁種からの改良品種であり、ごく大輪のカトレアの様な花を茎の先端に少数つける様です。色は白系統でいて、その年の葉をつけたバルブに開花する様でノビル系・デンファレ系に遅れて人気が上がった様です。
【カリスタ系】
◎花が房の様に咲いて、それ全体が垂れ下がる様に咲く下垂性のものがあり、それらをまとめてこう呼ぶ事がある様すす。交配品種の系統と言うよりはカリスタ節属の原種をまとめて呼ぶ様です。
3、デンドロビウムの色
◎デンドロビウムには1,000種以上も栽培されているのですから、やはり注目するのは〝色〟ではないでしょうか?主によく見られるのは、白、紫地に真ん中が白、黄色でしょうか?少なからず私はそれぐらいしか知りませんでしたが、凄い数があったので、その中でも印象的で素敵な色をご紹介致します。
緑
◎とにかく鮮やかなグリーンで、森に咲いていたのなら分からないぐらいです。 落ち着いた雰囲気を感じさせ、癒されます。
赤・青・白
◎白地でいて、一つ一つの花びらが違う色という物も栽培されている様です。一つの花びらが赤、もう一つの花びらが青と言った様なとてもカラフルでありながら、神秘的なデンドロビウムが魅力的です。大変貴重なのでしょうか?画像をお見せできなかっただけに、残念です。
黒
◎大輪でいて真っ黒な重厚感あるデンドロビウム! こんなシックな物も栽培しているのかと、感心してしまいました。中心に少しだけ色味はありますが、とても美しいです。
マリンブルー・青・紫
◎マリンブルー地に中心からグラデーションを青から紫に花びらの先まで色が広がっている様なイメージです。花の蕾もマリンブルーで芽のグリーンとのグラデーションも華やかで綺麗で、息を飲みます。
4、デンドロビウムの育て方
◎デンドロビウムの育て方についてですが、比較的育てやすい植物になっている様です。それでもデンドロビウムに合った育て方を知っておく必要があります。〝育て方〟で一番重要なのはやはり〝環境〟ではないでしょうか?そこでデンドロビウムに合った環境を勉強しましょう。
水分多めな環境作り
◎デンドロビウムを育てる上で重要な事は①に水です。というのも、デンドロビウムは非常に乾燥に弱い植物なので水分は常に多めにあげましょう。株に水が行き届く様に、鉢から水が垂れるほど水をあげた方が良いそうです。特に植え替えた後はたっぷり与えてあげましょう。
木陰の様な環境作り
◎木の枝などに着生して育つデンドロビウムは木陰で育つため、あまり陽の当らない場所を選びましょう。木陰のような環境作りを心がけると良いかと思います。陽が当たりすぎず、当たらな過ぎずがベストかと思います。
5、デンドロビウムと水苔
◎環境作りでも記入しましたが、デンドロビウムは非常に乾燥を嫌いますが、通気性が悪いと株がダメになってしまうため、土をつかわず〝水苔〟を使う事をお勧め致します。 デンドロビウムは空気中の水分を吸い込んで湿度で育つ植物のため、〝水苔〟は株を守りながら水分を保つ性質があるため、デンドロビウムの様な植物とは相性が良い様です。 水苔を使った育て方を知る事で上級者になった気分になります。
◎水苔は一般のホームセンターなどで手に入りますので、デンドロビウムを頂いたその日にでも購入し、植え替えができます。時間がある方は前もってインターネットで水苔をお得に購入しておくのも良いかと思います。植え替え時期に合わせて購入しておくのも良いでしょう。
6、デンドロビウムの肥料のタイミング
◎植物の育て方としては、なんとなく難しく感じてしまうのが肥料の与えるタイミングです。デンドロビウムの肥料をあげる時期は春から夏までと言われておりますが、その時期にたっぷり肥料を与え、株を太らせてあげたら良いと思います。
◎植物を植えた後に肥料を与えるのですが、その目的は『植物に必要な養分を適時に補う事』です。そのため〝速効性の液体肥料〟や〝速効性〟と〝暖効性〟を〝併せ持つ固形〟の肥料が適していると言えます。
◎効果が持続する期間は〝液体肥料〟の場合1〜2週間程度。〝置き肥〟の場合は1〜2ヶ月程度となります。ただ、植物の生育の仕方次第で必要な量が異なりますので、花色や葉色、芽の付きなどを良く観察し、定期的に与える事をお勧め致します。
7、デンドロビウムの肥料
置き肥
◎こちらは〝洋蘭用の肥料〟になります。上でお話ししていた〝置き肥〟の事ですが、デンドロビウムは蘭の仲間なのでこの様に書かれている肥料をお使いになると良いと思います。お近くのホームセンターなどにも売っていると思いますが、インターネットだと種類が豊富ですので、自分に合った量が手に入ると思います。
液体肥料
◎こちらは〝液体肥料〟になります。『原液』と書かれているので、そのまま与えない様に注意点しましょう!必ず説明書きを読み、決まった量を水と合わせてから植物に与えましょう。守らない場合、株が弱ってしまったり、芽が出でこなくなってしまったりと、元気になるどころか弱らせてしまいます。
8、デンドロビウムの開花時期
◎デンドロビウムの開花時期を知るには、自然の開花の仕組みを知る事が重要です。自然では雨が多い時期に水を沢山吸ってよく成長し→乾季と低温期が訪れる事によって花芽が付きやすい状態に→乾季の終わりには霧が発生し、水不足で疲れた株を潤す様です。こういったサイクルを知る事で育て方が上手になり、花芽が付き、花を咲かせる事が出来る様になると思います。
◎デンドロビウムの開花時期は種類に個人差があると思いますが、だいたい2月頃に花芽が付き始め、3月、4月、5月が開花時期になると思いますので、育て方は変わりませんが、植え替え時期だけ気をつけると良いと思います。
9、花が終わったサイン
◎デンドロビウムの花が花芽をつけ、終わりを迎える時のサインが、花を見て頂き、透けてきたのなら、それがサインになります。花が終わりましたら、花茎の付け根部分から切り取って下さい。だいたいポロポロと落ちてくる様ですが、落ちない物はハサミで切り取って下さい。
10、デンドロビウムの高芽取り
◎デンドロビウムの花芽は、葉の付け根から出ます。その時にバルブ【球根・株】が充実していなかったり、低温処理が適切ではいなかったりすると、花になるべき芽が葉になってしまいます。これを〝高芽〟と言うそうです。
高芽を利用し〝株〟を増やす
◎高芽を利用して〝株〟を増やす事が可能です。高芽が大きくなり根が伸びてきたら、新株から外し植えつけます。高芽が大きくなっている場合は、早めに行う事をお勧め致します。また、芽が小さい場合は成長してから行いましょう。※上の画像は〝新株〟から外した物になります。
不要な場合の芽取り
◎高芽が不要な場合は、早めにに除去した方が良いそうなのですが、この高芽が何処にできているかというと、本当に高い位置の、上の方に生えてくるみたいで、大変驚きました!面白いですね!この根元から優しく取り除いていきます。
11、デンドロビウムの植え替え方
◎デンドロビウムが開花中は〝植え替え〟はできません。栽培するにあたって水苔の紹介もさせて頂いたのですが、水苔は花が全て咲き終わり緑だけになった頃に初めて植え替えをします。古い水苔を捨て、新しい水苔で株を包む様にして植え替えて下さい。その時、株を雑に扱わない様に気をつけましょう。
◎新株から高芽を外し、予め湿らせておいた水苔で小玉を作り、根で水苔を抱かせる様に包みます。次に根の周りも水苔で丁寧に巻きます。その時、茶色く枯れてしまった根も除去せず包むと安定してくるそうです。
◎次に鉢に植え替えますが、鉢掛け、発泡シチロール片を入れ、山形に盛り上がる様にして植え込むと、根を水苔の中に伸ばす余裕が取れるので後の株の生育に良いそうです。その時、鉢と株の間に水溜め用に隙間を空けておくと良いそうです。
12、デンドロビウム花言葉
◎花には〝花言葉〟があります。もちろんデンドロビウムにも〝花言葉〟があるんですが、花言葉にはあまり興味のない方でも使ってみたくなるかもしれません。そんなデンドロビウムの〝花言葉〟や〝使い方〟を少なからずですが、ご紹介致したいと思います。
わがままな美人
◎デンドロビウムの花言葉として〝わがままな美人〟が一般的に知られていますが、花言葉辞典には〝わがままな恋人〟と書かれていました。どっちにしても〝わがまま〟には間違いない様ですが、男性が恋人に〝愛らしさ〟を表現してプレゼントするなら喜ばれるかもしれません。
天性の華をもつ
◎結婚式やパーティーの主役の友人にプレゼントすると喜ばれそうですね!上司や部下、恋人が落ち込んでいる時に『あなたにはこの華の方が似合います』など言葉を添えてプレゼントしてから花言葉を伝えると励まされるかもしれませんね。
思いやり
◎『思いやり』素敵な言葉ですね。普段からお世話になっている方などに植え替えた物をプレゼントすると喜ばれるかもしれません。感謝の意味もこもっていて素敵だと思います。ただし、入院している方などに、御見舞の際には『根が張る』物をプレゼントしてはいけませんので、切り花にしてからプレゼントすると良いでしょう。
13、注意する事
◎育て方の基本が身についたところで、注意すべき点を〝おさらい〟しておくと後々、栽培するにあたって元気にデンドロビウムを咲かせれる様になるのでは?と言う事で、より注意しておいた方が良い事を二つ〝おさらい〟致しましょう。
水苔
◎栽培するにあたって、水苔は一旦乾くと水を弾く性質がある様で、水苔が湿っている内に水をあげた方が良いでしょう。水苔が乾いた後に水をあげても、水苔と鉢の間を水が通るだけで株には水が到達しない様なので、水苔を乾かさないのが重要な注意点となります。
直射日光
◎デンドロビウムは〝育て方〟でもお話ししましたが、木陰で育つ植物なので〝直射日光〟は避けましょう。日陰の風通しの良いところに置いたら良いと思います。
14、デンドロビウムをギフトに!
◎デンドロビウムの栽培と育て方を学んだ事で、芽取りと植え替えをし、綺麗だけれども沢山増えてしまった方!花言葉も覚えましたし〝プレゼント〟をしてみては如何でしょうか?お花好きな方にはもちろん、日頃の感謝の気持ちを込めて、言葉も添えるとより良いと思います。
《 まとめ 》
◎デンドロビウムの栽培方法、育て方、植え替え方などを見てきましが、如何でしたでしょうか? 思った以上に種類が豊富で、とても綺麗だと思いました。増えるのでプレゼントもできますし、楽しみが後についてくる様な〝デンドロビウム〟!あなたのお部屋を飾ってみませんか?