キスってどんな魚?
キスとは、スズキ目スズキ亜目キス科に属する魚の総称です。 円筒形の細長い魚体で、釣り人の間では「海の女王」と呼ばれるほど美しい魚体です。 主に釣りの対象となるシロギスはパールに輝く美しい姿をしています。
アフリカ東岸からアジア一帯、オーストラリア全土まで広く生息しています。 夏期には産卵のため砂地の浅場に移動して来ます。 海底に住むゴカイなどを食べています。
キスの釣り方
キスの釣り方は、主に投げ釣りです。 サーフや堤防、沖の船からなど、様々な場所で釣れる魚です。
釣りのシーズン
実はキスはほぼ1年中釣れる魚です。 しかし、シーズンはあります。 キス釣りのベストシーズンは夏です。 夏になるとキスは産卵のために群れで浅場に近づいてきます。 チョイ投げでも釣れる季節です。 夏に日中でも釣れる魚というのは限られますね。
キスの他にはアジのサビキ釣り、黒鯛の落とし込み釣りなどですね。 そういった意味でも夏のキスは貴重な釣りものです。 秋になると数釣りは出来なくなりますが、 その代わり大型が狙えます。
釣り上げたときに肘に近いサイズのため、 俗に「肘たたき」といわれる大型になります。 寒くなるとキスは深場に落ちていき、 沿岸からはほとんど釣れなくなります。
しかし、全く釣れないわけではありません。 深場で越冬するキスを狙う事もあります。 丸々とさらに大型化したキスは、脂がのって美味です。 そして、春先にはそのうちの一部が沿岸に近づいてきます。 大きな群れではありませんが、春キスも大型が狙えます。
釣り方
キャスト後、底まで仕掛けを沈めます。 糸ふけを取り、仕掛けをさびいていきます。 その際、ナス型錘が海底をこすっている感覚が大切です。 キスは海底から10cmくらいを回遊しているので、 仕掛けが浮き上がらないようにする必要があります。
さびいてくる方法は、ゆっくりとリールを巻くか、 竿を横にスライドしていきます。 超デッドスローという感じです。
キスに食わせの間を与えてやるためです。 サーフではロッドを立てて、 やはり超デッドスローで巻いていきます。 キスがヒットすると、「ブルブルッ」という独特のアタリが出ます。
活性が高い時期は、そのままで向こう合わせしてくれますが、 食いが悪い時は、充分送り込んで合わせを入れます。
数釣りのコツ
キスは群れで移動しています。 特に夏場は群れが大きく、数釣りが楽しめます。 数を多く釣るにはハリスを多くするのが一つの方法です。 7本針くらいの競技用の仕掛けで、 主にサーフから長いロッドで遠投すると、 数釣りが楽しめます。
堤防からのチョイ投げでも3本針の仕掛けを用意しましょう。 数を釣るには、一回のキャストでなるべく多くのアタリを拾う事が大切です。 一匹目のアタリが出ると、嬉しくてすぐ巻き取ってしまいますが、 周囲には群れのキスがまだいます。
アタリが出て合わせても、すぐ巻き取らず次のキスを狙いましょう。 その一回一回の連掛けが大きく数を伸ばすことになります。
キス釣りのタックル
【サーフからの釣り】 サーフからの本格的なキス釣りの場合は4m以上のロッドと4000番クラス以上のスピニングリールが必要です。 【堤防からのチョイ投げ】 2m前後のロッドと2000~3000番のスピニングリールでオッケーです。 シーバスロッドやエギングロッドでも対応できます。
主に天秤を使います。 8~10cmくらいのキス天秤に、5~8号くらいのナス型錘を使います。 キスは口が小さいため、仕掛けは専用のものがおすすめですが、 100均の投げ釣り仕掛けでも充分釣れます。 その際は針の大きさを7号以下にしましょう。
キス料理 さばき方
キスは刺身にするか、その他の料理にするかでさばき方が違います。 ここでは、その他の料理をする場合の「背開き」と「腹開き」の方法についてご紹介します。
【背開き】
1.うろこを優しく取り、ワタを出して、頭を落とします。この時注意したいのは、 腹をあまり深く切らないことです。 2.頭のあった位置から背骨の上から包丁を入れ、開きます。 3.背中を上にして、包丁を身と背骨の間に水平に入れ、背骨を削ぎ取ります。
包丁が尻尾に到達したら、包丁を立てて背骨を切ります。 4.腹側を上にして、両サイドの腹骨を薄く削ぎ取ります。 5.銀色の腹膜を軽く取って背開きの出来上がりです。
【腹開き】
※うろこを取り、頭を落とすことは背開きと同じです。 1.ワタを取った腹に包丁を入れ、尻尾まで開きます。 2.背中を上にして、身と背骨の間に水平に包丁を入れ、背骨を取っていきます。
尻尾まで来たら、包丁を立てて背骨を取り取ります。 3.腹側を上にして、両サイドの腹骨を薄く削ぎ取ります。
美味しいキスの簡単おすすめ料理 【天ぷら】
美味しいキス料理の定番といえば、やはり天ぷらですね。 外はサクサクで中身がジューシーなキスの天ぷらは 口に入れた瞬間、思わず目を閉じてしまうほどの美味しさです。
天ぷら料理 材料レシピ
・キス(あまり大きくないものでOK) ・油適量 ・小麦粉1カップ ・水1カップ ・生卵1個
天ぷら料理 調理レシピ
1.キスを背開きにしてキッチンペーパーなどで水気を取っておきます。 2.軽く小麦粉をまぶします。 3.天ぷら粉を作ります。 卵と冷水を混ぜ合わせ、少しずつ小麦粉を入れていきます。
4.高温の油で2~3分揚げます。薄く狐色になったら出来上がりです。
天ぷら料理 ワンポイントアドバイス
カラッと揚げるためには、天ぷら粉と油の温度が大切ですね。 天ぷら粉を作るときの小麦粉は、あまりかき混ぜず、 さっくり混ぜる程度にしましょう。 しっかり混ぜすぎると、だまになって食感が重たくなります。
油の温度は180℃の高温で揚げましょう。 キスのを一気に入れすぎると温度が下がってしまいます。 最初からは難しいと思いますが、少しずつ感覚を慣れていくと、 料亭っぽい味が出せますよ。
美味しいキスの簡単おすすめ料理 【塩焼き】
美味しいキス料理のもう一方の横綱が塩焼きです。 料理法が簡単なうえに、ほんのりとキス独特の爽やかな苦みも味わえる 唯一の料理方法です。
塩焼き料理 材料レシピ
・キス(20cmくらいの大ぶりなもの) ・塩適量 ・レモン適量
塩焼き料理 調理レシピ
1.キスのうろことワタを取ります。頭は残します。 2.高いところからまんべんなく塩を振ります。 3.魚焼き器(グリル)かフライパンで焼きます。 ※焼きすぎないことがポイントです。 4.お好みでレモンを絞って爽やか風味も楽しめます。
塩焼き料理 ワンポイントアドバイス
キスを美味しく焼くためには、 あまり焼きすぎないことが大切ですね。 身が固くなってしまうからです。 そのためには、アルミホイルを敷いたり、 焼く前に少量のお酒に浸けておくと、 ふんわり仕上がりますよ。
美味しいキスの簡単おすすめ料理 【ガーリックソテー】
キスをとにかく手軽に味わいたいときに、おすすめなのがこの料理です。 ニンニクの香りとキスの歯触りがマッチして、ビールにおすすめです。
ガーリックソテー料理 材料レシピ
・キス5尾 ・塩 ・コショー ・ニンニク2粒(チューブニンニクでもOK) ・オリーブオイル適量
ガーリックソテー料理 調理レシピ
1.キスのうろこを取り、ワタを取って開きます。 (背開きでも腹開きでもOK) 2.キスに軽く塩コショウをします。 3.フライパンを温めてオリーブオイルを入れ、ニンニクを炒めます。
4.キスを背中側から焼きます。30秒くらい焼いて、裏面が白っぽくなりはじめたら、 裏返して焼きます。焼きすぎないことがポイントです。
ガーリックソテー料理 ワンポイントアドバイス
やはり塩焼きと同じく、焼きすぎないことが決め手ですね。 「焦げ目が無いといけない!」と思っている人が多いようですが、 焼き目というより、ほんのり狐色で充分です。 キスのふっくら感を楽しむためにも オリーブオイルに軽く浸す感覚でOKです。
美味しいキスの簡単おすすめ料理 【刺身】
刺身料理 材料レシピ
・キス3尾(20cm以上の) ・醤油またはポン酢
刺身料理 調理レシピ
1.うろこと頭を取り、3枚におろします。 2.皮を取ります。 身が小さいので刺身包丁を使うと取りやすいです。 3.斜めに平切りするか、削ぎ切りして薄造りにします。 4.醤油かポン酢で頂きます。
刺身料理 ワンポイントアドバイス
キスは実が小さいため、お刺身で頂く場合には、 切らないという手もありですね。 三枚におろした後、皮を取って1枚ものでお刺身を頂くと ボリューム感が出ます。 お寿司にしちゃうのもありですね。
美味しいキスの簡単おすすめ料理 【しゃぶしゃぶ】
定番料理を食べつくしたら、しゃぶしゃぶにもチャレンジしてみましょう。 三枚におろすだけなので、余り手間もかからず楽しめます。
しゃぶしゃぶ料理 材料レシピ
・キス20尾(2人の場合) ・春菊1束 ・エノキ3束 ・豆腐1丁 ・だし用昆布1枚 ・ポン酢適量 ・小ネギ適量 ・赤ゆず胡椒適量
しゃぶしゃぶ料理 調理レシピ
1.キスのうろこと頭を取り、3枚におろします。 2.野菜類と豆腐を食べやすい大きさに切っておきます。 3.鍋に水を張り、昆布を入れて煮ます。 沸騰したら昆布を取ります。 4.キスをしゃぶしゃぶにしてポン酢とネギと赤ゆず胡椒で頂きます。 ※薬味はお好みで変更してください。
しゃぶしゃぶ料理 ワンポイントアドバイス
しゃぶしゃぶにすると、パクパクいけますので、 結構キスの量が必要になります。 丁寧に三枚におろしていくのは、 釣行の後だけに、結構体力を奪われます。 そこで、必殺手抜きさばき法をご紹介します。
1.うろこを取って頭を残したキスを用意します。 2.頭の後ろから包丁を入れ、そのまま背骨沿いに片方の身を取っていきます。 3.尻尾まできたら包丁を立て、骨だけを切ります。
4.ひっくり返してそのまま再び骨と見の間に包丁を入れて切っていきます。 こうすると、かなり時間が短縮できます。 普通の三枚おろしに慣れてきたら、1~2尾からチャレンジしてみてください。 楽ですよ!
キス料理まとめ
キスの釣り方や簡単な調理方法を紹介してきましたが、 いかがだったでしょうか? キスは、釣りやすくとてもおいしい魚です。 調理も比較的簡単で、誰にでもチャレンジできます。
特に釣りだけで料理は奥さん任せという人には、 ぜひ料理の楽しさも味わって頂きたいと思います。 キス釣りの楽しさが倍増してきますね。