検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

レモンバームの育て方!香りの特徴や挿し木での増やし方など12つの基本知識を解説!

レモンバームはミントに似た外見のハーブです。その名の通りさわやかなレモンの香りがあり、料理のトッピングや香り付けなど、使い方もさまざま。身体への効能も認められているんです。育て方も簡単! レモンバームについて、知っておきたい12の基本情報をご紹介します!
更新: 2021年4月22日
三ツ矢ナオ
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

レモンバームはポピュラーなハーブ

レモンバームはハーブの中でも、ポピュラーで育て方も簡単です。 見た目はミントに似ていて、フレッシュなハーブティーを作るならぜひ栽培してみたいハーブです。お茶の他にも、デザートやフルーツへのトッピングなど、さまざまな料理に大活躍します。 生育はミントほどではありませんが旺盛で、こぼれ種で勝手に増えることもあるくらいです。 特徴や育て方、使い道など、レモンバームについて知っておきたい12の基礎知識をご紹介します!

①レモンバームの香り

レモンのような芳香

レモンバームには、その名の通りレモンに似たフレッシュな香りがあります。 バームとは芳香(balm)のこと。レモンに似た香りがするから、このような名前が付けられたのですね。 この香りの正体は、レモンと共通するシトラール(ゲラニアールとネラール)という成分。 料理に使用すれば、レモンのさわやかな香りを付けることができます。

②レモンバームの効能

効能が認められているハーブ

レモンバームには鎮静効果や鎮痛効果があるとされています。 今から1000年ほど前、ギリシャ人のディオスコリデスがレモンバームの薬効について記述しました。こんなに昔からレモンバームには人間に嬉しい効能があると言われてきたんです。現在では、神経性不眠症、消化器系に対して効能が認められています。 「ハーブって、育ててもどう利用すれば良いのか分からない……」という人でも、栽培して収穫したレモンバームをお風呂に浮かべるだけで、簡単に香りでリラックスすることができます。眠れないときにぜひ試してみたい使い方です。

③レモンバームの歴史

ミツバチを集める性質が利用されてきた

レモンバームはシソ科の多年草。 なんと、もう2000年以上にわたって栽培されてきた植物です。 夏になると咲かせる白い花にはミツバチがたくさん集まるので、地中海付近では昔から蜜源植物として育てられてきた歴史があります。 レモンバームの学名は「Melissa officinalis」ですが、この「メリッサ」というのはギリシア語でミツバチの意味。ミツバチを集める性質が学名の由来なのです。 この性質を利用して、植物の受粉を行わせやすくすることもできますよ。受粉させたい植物のそばにレモンバームを植えてみましょう。

④レモンバームは寒さに強い

レモンバームは冬に地上部が枯れても、土の中に残った根は数年間生き残ります。 また、雪が積もる前に生えてきた葉っぱは、雪の下でも枯れずに冬を越すこともできるんです。 一度植えれば、一年だけしか育てられないということはないので、毎年楽しむことができる嬉しいハーブなのです。 寒い地方でも育てられますよ!

⑤レモンバームの育て方は簡単!


育て方をチェックしよう

こんな嬉しい効能もあるレモンバームを、お庭やベランダで育ててみませんか?  ふとしたときに摘んできて、お茶やお菓子に加えることができる楽しさは格別です。 初心者の方でもできる育て方をご紹介します!

レモンバームを育てられる環境

レモンバームは寒さに強いハーブです。また、日陰でも栽培できるので、日当たりの悪さで植物の栽培を諦めがちなお庭にもおすすめです! やや湿った場所が好きなので、ジメジメしがちな土に植えても大丈夫ですよ。

⑥レモンバームの土

レモンバームは比較的土を選ばず植えられるハーブです。 市販されている園芸用の土を使えば充分によく育ちます。自分で栽培する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を1:1の割合でブレンドするのがおすすめです。保水性のいい土になるようにします。

⑦レモンバームは乾燥を避ける

土が乾燥してきたら水やりをする

レモンバームは乾燥した場所で栽培すると、葉も硬くなってくる性質があります。 なので土はカラカラに乾燥はさせないでください。 早めに水やりを行い、やや湿り気を帯びるように育てましょう。 水やりのタイミングは、土の表面が少し乾燥してきたころが適切です。早朝や夕方に行いましょう。 また、乾燥防止には、株元を腐葉土でマルチングするのがおすすめです。鉢植えの場合は庭植えよりさらに乾燥しやすいので、土の表面が乾ききらないうちに水やりしましょう。 ハダニという虫がつくことがあるので、葉っぱの裏側にも水をかけて洗い流すと良いです。

葉が黄ばんだら水切れかも?

レモンバームを育てていると、葉っぱが黄色くなることがあります。 この原因のひとつは水切れが考えられます。 もしくは肥料切れかもしれません。レモンバームの肥料についてはつぎの項目で解説しています。

⑧レモンバームと肥料

レモンバームを育てるときは、元肥といって、最初から土に肥料を混ぜ込んでおきます。 ゆっくり効いていくタイプのものが良いでしょう。 「緩効性化成肥料」と書かれているような商品を用意してみてください。 また、追肥といって、生長途中にも肥料を与えます。 追肥には液体肥料を用いるのがおすすめです。株元から少し離れた場所に与えましょう。 追肥のタイミングでおすすめなのは、収穫や「切り戻し」と呼ばれる作業で茎を切りとったときです。このときに肥料を与えることで、また新しい芽がたくさんつくようになります。

⑨レモンバームの切り戻し


バジルのような他のハーブにも言えることですが、レモンバームは花が咲き出すとかわりに葉が硬くなっていってしまいます。こうなると、レモンの香りが弱まり、楽しみも半減です。 花が咲く前に、高さを半分ほどに切り戻してしまい、生長を遅らせるのがおすすめです。こうすると切り口からまた新しい芽が出て、花が咲く時期をずらすことができますよ。

切り戻しの方法

6月の花が咲く前に行うのがおすすめです。 レモンバームは、切り戻しをしてもつぎつぎと新しい芽を出してくれるので、思いきって刈り込みましょう。地際から3センチほど残した部分で切り戻しをします。切った部分はハーブティーや料理に使って楽しみましょう。 こんなにばっさり切ってしまっても、土の下の根は生きています。冬に地上部が枯れても、根はずっと残ってくれるのと同じです。ミントには劣りますが、レモンバームはかなり生命力があります。

⑩レモンバームの収穫

摘心と剪定を兼ねよう

「摘心」と「剪定」という作業のいずれかと兼ねるつもりで収穫すると、切りとった部分からまた新しい芽が出やすいのでおすすめです。

摘心とは

摘心とは、植物のてっぺんについている芽を切りとる作業のことです。 摘心を行うことで、縦ではなく横への生長を促します。 植物には、まんなかに生えているメインとなる茎と、メインの茎から横に生えている茎があります。 このメインの茎のことを「頂芽」と呼び、対する横の茎を「側芽」と呼びます。 植物は放っておくと、頂芽を優先的に伸ばそうとするので、縦にばかり伸びて側芽が出にくくなります。こうなると葉の数も増えにくく、収穫量が減ってしまうのです。 なので、切り戻しでは頂芽をカットします。 すると縦の生長に使われていた栄養分がほかの芽にも行き渡るようになり、結果的によりたくさんの葉をつけるので、多く収穫できるようになるというわけです。

剪定とは

剪定とは、不要な枝を切る作業のことです。 植物はあっちこっちに芽をつけ、株全体が茂ると、蒸れやすくなったり日光が株全体に行き渡らなくなったり、ひとつひとつの枝の生長が中途半端になったりします。 なのでレモンバームを収穫するときも、株をスッキリさせて風通しをよくするような気持ちで行ってみましょう。どこをどう切るか、あまり神経質になる必要はありません。

⑪レモンバームを増やそう

挿し木で増やす

レモンバームには2通りの増やし方があります。挿し木と株分けです。 挿し木とは、茎ごと摘んできたレモンバームを水につけて数日間おき、発根させる方法のこと。このとき下のほうについている葉は、水につかないよう摘みとっておきます。 根が出てきたらこれを土に植えましょう。これで新しい株に増やすことができます! 新しい苗を買ってくる必要もないので、ぜひ試してみてください。

株分けで増やす

もうひとつの方法が株分けです。 株分けとは、ひと株のレモンバームを根ごと切り取り、べつべつの株に分けてしまう方法です。 大きくなりすぎた株があれば行ってみましょう。土から根を傷つけないように引っこ抜き、土を落として刃物で切り分けます。 とくに鉢植えで栽培している場合、大きくなると鉢の中で根が混み合ってしまい、それ以上生長できなくなります。 植え替えも兼ねて株分けをしてしまうと良いでしょう。


⑫レモンバームの使い方

さまざまな使い方がある

レモンバームの育て方を確認してきました。収穫できたら自宅で利用してみましょう。 乾燥保存させることもできますが、おすすめはフレッシュな状態で楽しむことです。 せっかく眠りや消化器官への効能のあるハーブなので、賢い使い方で生活に取り入れたいですよね。ここではいくつかレモンバームの使い方のアイディアをご紹介します。

紅茶に入れる

一押しは、紅茶の茶葉に混ぜる使い方です。 摘んできたレモンバームの葉をよく洗い、2~3枚をティーポットに入れます。 紅茶と一緒にお湯を注ぎ、2~3分間蒸らせば、ほんのりレモンの香る紅茶の完成です!  身体の芯まで温まり、リラックスできますよ。

フレッシュハーブティーを作る

レモンバームの葉だけでお茶を作ることもできます。 まず、大量に収穫したレモンバームを水洗いします。 ティーポットにたっぷり詰めたら、熱湯を注いでください。これだけでレモンバームティーが完成します!  ちょっと野原っぽい味わいかもしれませんが、レモンの香りがさわやかです。これだけ大量のレモンバームを使えるのも、自家栽培ならではの醍醐味です。

料理に使う

一番シンプルで、かつ失敗のない方法は、料理のトッピングに使うこと。 少し意識すると、レモンバームは意外と頻繁にお店の料理やお菓子のトッピングに使われていることに気づきます。それだけ葉の見た目が美しく、またレモンの香りもさわやかで、料理の味の邪魔をしないハーブなのです。 ぜひ自宅でもレモンバームを飾り、カフェの料理のようなアレンジをしてみてください。

まとめ

古くから愛されてきたレモンバーム。 身体への効能も認められている、健康的な使い方のできるハーブです。 育て方も簡単。 寒さに強く、一度植えれば毎年葉を茂らせてくれます。 ぜひ暮らしの身近なところに、レモンバームを取り入れてみてください!