マダイイエロー
海釣り餌の種類は, 多岐にわたる
海釣りで使用される餌の種類は、ごく一部の地域や釣り方のみで用いられているものも含めると、100種類を優に超えます。 海釣りに限らず、餌釣り全般では、餌の選び方や付け方が釣果を大きく左右する重要な要素となるため、釣り餌について深く知ることは重要です。
この記事は、海釣りを始めたばかりの初心者から、長年海釣りを楽しんでいるベテランの釣り人に至るまで、すべての方に知って頂きたい海釣り餌のすべてを詰め込んだ内容となっております。
おすすめの海釣り餌《計22種類》をご紹介!
海釣り餌についての情報は、釣り関連のメディアでも度々取り上げられているものの、今一つ説明が足りない部分がある場合が多く、筆者も、海釣り初心者の頃に大変苦労した経験があります。
ここでは、使用状況や釣果などを踏まえたうえで、筆者が自信を持っておすすめする、「エビ類」の海釣り餌4種類、「虫餌類」の海釣り餌8種類、「身餌」の海釣り餌3種類、「カニ類」の海釣り餌3種類、「貝類」の海釣り餌2種類、「その他」の海釣り餌2種類の《計22種類》の海釣り餌それぞれの特徴や付け方について、分かりやすくご紹介していきます。
おすすめ海釣り餌1【エビ類の海釣り餌4種類】
海釣り餌を取り上げるうえで欠かすことができないのが、「オキアミ」をはじめとするエビ類の海釣り餌です。 エビ類は身が軟らかく、魚のくい込みが良好なことから、仕掛けを投げる釣り方以外の釣り方で幅広く用いられている海釣り餌です。 ここでは、エビ類のおすすめ海釣り餌4種類について見ていきましょう。
エビ類のおすすめ海釣り餌1 <オキアミ>
「オキアミ」は、後述する「アオイソメ」と並ぶポピュラーな餌で、多くの魚たちが捕食している動物プランクトンの1種であるため、状況や対象魚を問わず、釣果が安定しているのが特徴です。
主に、チヌやグレなどの魚を狙うウキフカセ釣りを中心に使われており、ブロック状に冷凍されたものと、半解凍状態でパックに入ったもの (餌持ちを向上させるために、ボイル加工が施された「ボイルオキアミ」や「半ボイルオキアミ」もある)とが、釣具店で販売されています。
※ 下の動画では、オキアミの針への付け方 (「腹掛け」と「背掛け」)の実演をしています。
エビ類のおすすめ海釣り餌2 <アミエビ>
「アミエビ」は小型のオキアミで、釣具店では冷凍ブロックで販売されています。
オキアミと違い、トリックサビキ釣りを除いて、付け餌に使われることはほとんど無く、サビキ釣りやウキフカセ釣りにおいて、コマセとして (混ぜる場合もある)使用します。 多くの魚たちの捕食対象であるため、後述する各種人工配合餌では実現できない集魚力が魅力です。
エビ類のおすすめ海釣り餌3 <シラサエビ>
「スジエビ」や「モエビ」などとも呼ばれることがある「シラサエビ」は、生きている状態で付け餌として使用します。 水中で跳ねるように動き回るため、オキアミには無い武器で魚を狙い撃ちできるため、スズキやメバルなどの魚を狙うエビ撒き釣りや、チヌを狙うウキフカセ釣りで使われることの多いエビ餌です。
釣具店で購入する際には、エビクーラーやエアーポンプなどの、生きた状態での持ち運びが可能な道具が必要となります。
※ 下の動画では、シラサエビの針への付け方 (「鼻掛け」)の実演をしています。
エビ類のおすすめ海釣り餌4 <ツブエビ>
「ツブエビ」は、「ヤマトヌマエビ」や「ミナミヌマエビ」などとも呼ばれ、前述のシラサエビ同様、生きている状態で付け餌として使われます。
釣具店で販売されているツブエビは、シラサエビよりも小型のものがほとんどであるものの、水深の深い場所に潜っていく特徴があることから、アイナメやソイなどの海底付近に生息する魚を狙う釣り方で重宝されていますが、関東地方では入手が困難な場合もあります。
※ ツブエビの針への付け方については、前述したシラサエビと同様です。
おすすめ海釣り餌2【虫餌類の海釣り餌8種類】
一般的に「ゴカイ」と呼ばれている「多毛類」や、カレイやマダイなどの魚を狙う投げ釣りで使用される「ユムシ動物門」に属する各種虫餌類は、海釣り餌の中でも特に種類が多く、幅広い釣り方で用いられています。
多くは、中国や朝鮮半島で養殖、または採取されている輸入品で、狙える対象魚も数多く、釣具店で容易に購入することができる一方、虫が苦手な方は使用が困難な餌でもあります。 ここでは、虫類のおすすめ海釣り餌8種類についてご紹介します。
虫餌類のおすすめ海釣り餌1 <アオイソメ>
オキアミと並んでポピュラーな海釣り餌である「アオイソメ」は、地域によっては、「アオムシ」や「チョウセンゴカイ」などとも呼ばれているゴカイ類で、様々な魚を狙うことができる万能虫餌です。
オキアミなどのエビ類の海釣り餌と比較して、身が硬いため、投げ釣りや遠投を必要とするウキ釣りなど、仕掛けを投げる必要がある釣り方で用いられることの多い餌で、最も安価、且つ広い地域で入手可能な虫餌と言えるでしょう。
特にカレイを狙う投げ釣りでは、「房掛け」と呼ばれる、針に複数匹のアオイソメを付ける使い方をする場合もあります。
※ 下の動画では、アオイソメの針への付け方 (「通し刺し」)の実演をしています。
虫餌類のおすすめ海釣り餌2 <アカイソメ>
「イワイソメ」や「マムシ」と呼ぶ地域もある「アカイソメ」は、水中で強烈な臭いを放つことによる抜群の集魚力が自慢で、カレイやマダイなどの魚を狙う投げ釣りや、アイナメやイシダイを狙うヘチ釣りなどのスーパー特効餌となるゴカイ類です。
そのため釣具店では、アオイソメの価格よりも1.5 - 2倍程度高価で販売されていることがほとんどです。 カレイやアイナメなどの魚を狙う投げ釣りにおいては、前述のアオイソメなどと併用して使用する場合もあります。
※ アカイソメの針への付け方については、前述したアオイソメと同様です。
虫餌類のおすすめ海釣り餌3 <ジャリメ>
「ジャリメ」は、小さい針に適した細身の体と、水中で放つ強烈な臭いによる集魚力をいかし、ウミタナゴやメバルなどの魚を狙うウキ釣りや、ハゼやキスなどの魚を狙う投げ釣りなどの、小型魚が対象魚となる釣り方で使われる機会の多い虫餌で、「イシゴカイ」や「スナイソメ」と呼ばれることもあります。
比較的広い地域で入手可能で、ゴカイ類の虫餌の中では、価格もそれほど高くない部類に入るのですが、フグやキュウセンなどの外道の魚の猛攻に遭うことが多いのが難点です。
※ 下の動画では、ジャリメの針への付け方 (「通し刺し」)の実演をしています。
虫餌類のおすすめ海釣り餌4 <アオコガネ>
「アオコガネ」は、カレイの投げ釣りのスーパー特効餌として知られている虫餌で、10日程度保存できる長所もあります。 他のゴカイ類の虫餌と異なり、カレイやチヌなどの一部の魚しか口にしない餌であるため、外道対策に効果的です。
身が柔らかく、厳寒期のカレイ相手でもくい込みが非常に良いのですが、その分遠投に不向きであるため、塩漬けにして身を硬くさせる方法もあります。
※ アオコガネの針への付け方については、前述したアオイソメと同様です。
虫餌類のおすすめ海釣り餌5 <ホンコウジ>
「ホンコウジ」は、後述する「チロリ」同様、大物を狙う投げ釣りでスーパー特効餌となる虫餌で、カレイ、チヌ、マダイ、アイナメなどの大物の実績が高いだけあって、釣具店では1匹200円前後で販売されていることもある高級餌です。
一部地域では入手が困難な餌ではありますが、特に、1本の針にホンコウジと数匹のアオイソメとを一緒に針付けする、「イイダコ」と呼ばれる餌の付け方は、まさに最強の投げ釣り餌と言っても過言ではないでしょう。
※ ホンコウジの針への付け方については、前述したアオイソメと同様です (針先を刺す位置は、ユムシの肛門 (割れ目が無く、毛が生えている側)の中央)。
虫餌類のおすすめ海釣り餌6 <チロリ>
「チロリ」は、大物を狙う投げ釣りにおいて、前述したホンコウジと並ぶスーパー特効餌です。 ホンコウジと違い、ゴカイ類の虫餌であるため、ホンコウジを口にくわえることができないシロギス狙いにも使うことが可能で、春に釣れる大型のキスを狙う投げ釣りにおいては、チロリしか使用しない釣り人もいるほどです。
地域によっては、ホンコウジよりも安く入手することができますが、チロリを使用する際は、頭と尾の見分けが付きにくい点、自ら体を切り離す習性がある点、体液が餌箱内の他のチロリを弱らせてしまう原因になる点などに注意する必要があります。
※ チロリの針への付け方については、前述したアオイソメと同様です。
虫餌類のおすすめ海釣り餌7 <フクロイソメ>
「フクロイソメ」は、水中で緑色に発光する特徴を持つゴカイ類で、夜釣りにおけるスーパー特効餌として、夜の投げ釣りや電気ウキ釣りなどで用いられています。 前述のチロリと同様、関東地方での入手が困難で、価格も1匹150円前後するため、ややマイナーな存在ではありますが、マダイやチヌなどの大物のくいが非常に良い虫餌です。
なお、他のゴカイ類の虫餌と比較すると、やや身が柔らかめなので、仕掛けを遠投する釣り方には向かないでしょう。
※ フクロイソメの針への付け方については、前述したアオイソメと同様です。
虫餌類のおすすめ海釣り餌8 <タイムシ>
マダイを狙う釣り人なら誰しもが知っているスーパー特効餌が、「タイムシ」でしょう。 マダイのくいの良さについては、他の餌の追随を一切許さない唯一無二の餌で、高品質な国産品は、大型のもので1匹5000円のもの値が付く規格外の虫餌です。
タイムシの身をちぎると、切り口から紫色の体液があふれ出てくるので、肌荒れを防止するために、使い捨ての手袋を装着しての針への餌付けをおすすめします。
※ タイムシの針への付け方については、前述したアオイソメと同様です。
おすすめ海釣り餌3【身餌類の海釣り餌3種類】
海釣りで使われる身餌には、生きた魚を用いるものと、魚の切り身を用いるものとがあり、集魚力の高さとくいの良さから、船釣りでも使用される機会の多い餌です。 ここでは、身餌類のおすすめ海釣り餌3種類をご紹介していきます。
身餌類のおすすめ海釣り餌1 <各種生き餌>
生き餌として使用されるのは、主に小型のアジ、イワシ、アユなどで、ヒラメや青物などの、ゴカイ類の虫餌への反応が鈍い肉食魚を狙う泳がせ釣りで不可欠です。 ただし、釣具店での入手は困難な場合が多く、いかしバッカンやエアーポンプが必要となるなど、管理に手間が掛かるのも難点と言えます。
※ 下の動画では、各種生き餌の針への付け方 (「鼻掛け」 (孫針あり))の実演をしています。
身餌類のおすすめ海釣り餌2 <各種冷凍餌>
各種冷凍餌は、主にイワシやキビナゴを丸ごと1尾冷凍させたものが広く使われており、各種生き餌が用意できなかった場合の代替え餌としても使用されています。
くいの良さは各種生きエサに劣るものの、非常に扱いやすく、ヒラメや根魚をはじめとする、死んだ餌への反応が良好な魚には問題無く使用可能です。 釣具店で、パック入りのものが販売されているほか、スーパーで購入した小魚を冷凍して使うこともできます。
※ 各種冷凍餌の針への付け方については、前述した各種生き餌と同様です。
身餌類のおすすめ海釣り餌3 <各種生餌>
サンマ、アジ、イワシ、イカなどを短冊切りにした各種生餌は、水中で放つ独特の生臭さによる集魚力が魅力の餌で、船釣りやカニ網などにも使われます。
釣具店で販売されているほか、スーパーの魚売り場で販売されている青物類の切り身でも代用可能ですが、生の状態では身が軟らかく、針から落ちやすいため、塩漬けして身を硬くするのが一般的です。
※ 下の動画では、各種生餌の針への付け方の実演をしています。
おすすめ海釣り餌4【カニ類の海釣り餌3種類】
カニ類の海釣り餌は、チヌを狙うヘチ釣りや投げ釣りで使用される餌として知られていますが、実は根魚狙いにも非常に有効です。 釣具店でも販売されていますが、自分で容易に採取することが可能で、餌代に費やす費用を抑えたい釣り人にも最適です。 ここでは、カニ類のおすすめ海釣り餌3種類をご紹介していきます。
カニ類のおすすめ海釣り餌1 <イワガニ>
「イワガニ」は、日本の広い地域の磯やテトラポットの周辺に生息している小型のカニで、チヌや根魚などの魚を狙うヘチ釣りでは、最もポピュラーなカニ餌です。 餌持ちとくい込みの良さのバランスが取れているため、もっとも使いやすいカニ餌と言えるでしょう。
※ 下の動画では、イワガニの針への付け方の実演をしています。
カニ類のおすすめ海釣り餌2 <タンクガニ>
猛毒を持つことで知られる「スベスベマンジュウガニ」の子供である「タンクガニ」は、大きなハサミが特徴的なカニ餌で、1匹丸ごと針付けする使い方のほか、ハサミのみを針付けする使い方もあります。
殻が非常に硬いため、チヌやイシダイなどの、硬い餌を噛み砕く強靭なあごをもつ魚しか口にすることの無い餌ですが、その分外道に悩まされる状況では、スーパー特効餌となります。
※ タンクガニの針への付け方については、前述したイワガニと同様です。
カニ類のおすすめ海釣り餌3 <スナガニ>
体全体が白い「スナガニ」は、身が非常に軟らかく、魚のくい込みが良いため、シーズン初期の活性の低いチヌ狙いのスーパー特効餌となります。 他のカニ餌では針掛かりが悪い状況で威力を発揮するカニ餌ですが、入手できる地域が比較的限られているのが残念な点です。
また、身の軟らかさ故、投げ釣りへの使用は困難で、外道が軽くかじっただけでも容易にちぎれてしまうため、あくまで、冬から立春までの一部の季節のみ有効な餌です。
※ スナガニの針への付け方については、前述したイワガニと同様です。
おすすめ海釣り餌5【貝類の海釣り餌2種類】
多くの魚たちが捕食している貝類は、釣り餌としても最適です。 釣り場で採取できるものや、スーパーで購入できるものがあり、船釣りやヘチ釣りなどで出番の多い海釣り餌です。 ここでは、貝類のおすすめ海釣り餌2種類についてご紹介します。
貝類のおすすめ海釣り餌1 <イガイ>
ヨーロッパでは「ムール貝」とも呼ばれ、食用とされている「イガイ」は、チヌやイシダイを狙うヘチ釣りの定番餌で、剥き身にしたものは根魚狙いにも効果的です。 また、殻の大きさが2cm未満の小型のイガイは「ツブ」とも呼ばれ、殻に付いた繊維を絡めて針に餌付けする「ツブダンゴ」と呼ばれる餌は、くい渋るチヌやイシダイへの特効餌として知られています。
堤防の際に張り付いて生息しており、熊手と網が付いた器具を玉網の柄に装着して採取します。
※ 下の動画の1:09 - 3:18では、イガイの針への付け方の実演をしています。
貝類のおすすめ海釣り餌2 <アサリ>
食用貝の代表格である「アサリ」は、むき身にしたものを餌として使用します。 カワハギ釣りでは必要不可欠な餌で、フグを狙うカットウ釣りでも用いられることがあります。 釣具店で販売されているもののほか、スーパーで販売されている殻付きのアサリをむき身にしたものを使うことも可能です。
※ 下の動画では、アサリの針への付け方の実演をしています。
おすすめ海釣り餌6【その他の海釣り餌2種類】
マダイイエロー
海釣りでは、前述した餌以外にも様々な餌が使われており、高い実績を挙げています。 ここでは、その他のおすすめ海釣り餌2種類をご紹介していきます。
その他の海釣り餌1 <ボケジャコ>
「ボケジャコ」は、「バケジャコ」や「ニホンスナモグリ」とも呼ばれており、チヌを狙う投げ釣りの特効餌です。 身が軟らかく、くい込みが非常に良好で、ボケジャコを使ってもチヌのアタリが出ない時には、潔く釣りをやめる釣り人もいるほどです。
身が軟らかいため、ボケジャコを投げ釣りで用いる際は、穂先のしなやかな遠投磯竿を使用し、ふんわりと軽い力で仕掛けを投げるようにしましょう。
※ ボケジャコの針への付け方については、前述したアオイソメと同様です (針先を刺す位置は、ボケジャコの頭部の中央)。
その他の海釣り餌2 <各種人工配合餌>
各種人工配合餌は、自然素材では実現し得ない集魚力や使い勝手の良さがあり、海釣りに限らず、幅広い釣りで用いられています。 チヌやグレなどの魚を狙うウキフカセ釣りでは、砕いたオキアミと混ぜてコマセとして使用するほか、様々な釣りで使うことができる付け餌用のものもあります。
とはいえ、自然素材にも長所はたくさんあるため、状況に応じて使い分けることが大切です。
海釣り餌の知識を深めて, 釣果アップを目指そう!
いかがでしたか。 ゴカイ類からスーパーで入手可能なものまで、海釣りでは様々な餌が使用されています。 皆さんも、海釣り餌に関する知識を深めて、さらなる釣果アップを目指していきましょう。
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