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ヤブラン(リリオペ)の育て方!株分けなどの増やし方もご紹介

日陰のガーデニング、どんな植物を植えるか悩みますよね。木の影や北向き……そんな場所で大活躍するのが、このヤブランなんです。葉の形も美しく、花が咲き、とても丈夫! ぜひあなたのお庭にヤブランを取り入れてみませんか? 育て方から株分け等の増やし方までご紹介します!
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
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日陰で大活躍するのがヤブラン!

日陰でも育てられる植物って、なんとなく地味なイメージがありませんか? でも、どんなお庭でも、少なからず日陰のスペースというのはできてしまうもの。 この場所を有効活用したいと思っても、なかなか華やかな植物が見つからず、気分が上がらない…… なんとなく諦めてしまう…… そんな方にもぜひ注目してほしいのが、このヤブランという植物です。

ヤブランは神秘的なシェードガーデンに最適

シェードガーデンという言葉を知っていますか? これは英語そのまま、「日陰のお庭」のこと。 日陰というと、ジメジメしていてガーデニング向きではない! と思えてしまうかもしれませんが、日陰を逆手に取った神秘的な庭を作り上げようというのがシェードガーデンの目指すところです。 ヤブランはこのシェードガーデンに最適。日陰でも育てることのできる植物なんです。 和風のお庭にも、洋風のお庭にも、不思議とよく合います。葉の形も涼しげで美しく、木の根元や壁に沿った場所など、緑で埋めたい日陰にとりあえず植える! ということができてしまいます。

ヤブランはとても丈夫! 育て方が簡単

ヤブランは多年草です。一度植えれば、毎年花を咲かせてくれます。 とても丈夫なので、ちょっと踏まれても駄目にはなりません。 また、ほとんどの場合、鉢植えではなく庭植えとして利用される植物です。庭植えの場合、水やりはしなくて大丈夫なのも嬉しいポイント。雨水だけで充分育ってくれます。特別な育て方は要りません。 メインである日向のガーデニングに時間を割きたい人にとって、植えっぱなしでいいヤブランはとても嬉しい存在です。

ヤブランの花言葉

「忍耐」・「かくされた心」・「謙遜」・「無邪気な」

ヤブランの花言葉は、「忍耐」・「かくされた心」・「謙遜」・「無邪気な」。 日陰でも強く咲く姿を思わせます。 控えめで可憐、ヤブランはそんな花なのです。

ヤブランの開花時期

いつ花を楽しめるのかチェックしておきましょう。 ヤブランは一般的に、夏の終わりから秋にかけて、薄紫色の花を咲かせます。 種類によっては白い花を咲かせる場合もありますが、ほどんどの品種が濃い紫~薄い紫の花です。 白がいい場合は、モンロー・ホワイトという品種を選びましょう。この種類は日本には自生していません。 ヤブランの花はひとつひとつが小さく、豪華さはありませんが、花が少ない夏の時期に咲くのでよく目立ちます。

ヤブランの実

ヤブランは花が終わると実を付けます。 形は丸く、最初は緑色をしています。熟すと黒に近い紫色になります。実の時期は冬です。 花が終わっても実を楽しむことが出来る植物なのです。

ヤブランの種類


ヤブランとひとことで言っても、いくつかの種類が存在します。 ここでは、主要な種類の特徴をご紹介します! 自分のガーデニングスタイルに合ったものを見つけてくださいね。

斑入りヤブラン

いわゆるふつうのヤブランです。 もっとも一般に多く育てられています。 日本に自生しており、古くから庭にも植えられてきた種類です。 葉は幅1㎝程度です。高さは30~60㎝ほど。 花は密集して付くので、ヤブランの花を楽しみたい人にはこの種類をおすすめします。 紫以外の花色も流通しています。

コヤブラン

全体的に小柄な種類のヤブランです。 ふつうのヤブランより、10センチくらい背が低いです。 葉も細め。幅は4~7㎜ほど。遠くから見るとなんとなくラベンダーに似ています。 日本では、斑入りヤブランほどではありませんが、わりとポピュラーで珍しくない品種です。山の中に自生しています。 花は斑入りヤブランほどたくさん付きません。多少スカスカしている印象です。 紫以外の花色が流通しているのは、斑入りヤブランと同じです。

ヒメヤブラン

コヤブランと同じくらい流通している種類です。 日本では北海道西南部〜沖縄に自生しています。 花は薄い紫、実は濃い紫です。 コヤブランよりさらに小さく、葉は2~3㎜程度。「小さいヤブランを育てたい」と思ったらこれです。ただし、コヤブランと同じく、やはり花はあまり密に付きません。スカスカ気味です。 花は観賞しない、細い丈夫な葉をつける植物を完全な日陰で育てたい、という人は、このヒメヤブランか、コヤブランを選ぶといいでしょう。

モンロー・ホワイト

花の白い品種はこれ。 さわやかな雰囲気があります。 洋風の庭に合う品種です。

ヤブランの育て方

では、ヤブランの育て方を見ていきましょう! まずは基本のお世話についてご紹介しています。その後剪定や増やし方についても解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。

ヤブランの植え付け

どんな場所に植えれば良い?

苗を購入してくるのが手っ取り早くておすすめです。 植え付けは、ほとんど時期を選びません! なんと真夏と真冬以外なら、いつでもOKなんです。 ちなみに、苗が出回るのは秋が多いです。花が秋に咲き始めるからです。苗を買うなら、この時期にお店に行ってみるといいですよ。 場所は日なたから日陰まで、どこでも大丈夫。 野生のものは木陰のような直射日光が当たらない場所に多く生えているので、庭植えでもそれにならうと良いでしょう(藪に生えているから「ヤブラン」です)。 ですが、どんな場所にも適応するので、あまり気にする必要はありません。 おすすめは、他の植物が育ちにくいような日陰に植えること。 丈夫なのでグラウンドカバーにもできます。

ただし、ほとんど日光が当たらないと、花つきが悪くなる


これは木と木が茂っている場所の根元、ほとんど一日中日陰に植えられたヤブランです。なんとなく葉がまばらで、花もスカスカした感じに咲いているのが分かりますか? ヤブランは濃い日陰でもこのくらいは育ちますが、日が当たる場所のほうが葉が茂り、花も立派に咲きます。フサフサと葉を茂らせたいなら、半日陰程度の日光は必要です。

日当たりが良すぎると葉焼けする

ヤブランは日当たりが良すぎると葉焼けします。 なので、日当たりの良いメインの花壇にはたっぷりと日光を必要とする他の植物を植え、ヤブランはあくまで日陰のかかる場所で育てるのがもっともお庭で活躍できるポジションといえるでしょう。 葉だけでも美しく見ごたえのある植物なので、いっそ花はほとんど諦めてしまって、日陰で葉を観賞するものと割り切る育て方をする人もいます。

ヤブランの土

ヤブランはあまり土を選びません。 ふつうの園芸用の土を利用すれば充分に育ちます。 自分で配合したい場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合でブレンドするとよく育ちます。 ヤブランは自然の山の中で、木の葉の積もったところによく生えるので、腐葉土と相性が良いです。 優先したいのは水はけの良さ。粘土質な土壌の場合は気をつけましょう。

ヤブランの水やり

ヤブランはほとんど水やりを必要としません! 管理が楽で、本当に手のかからない植物なんです。 ただ、苗を植え付けた直後は水やりをしましょう。 土が根付くまで、土が乾いたら水やりをします。

ヤブランの肥料

ヤブランは肥料もほとんど必要のない植物です。 ただ、鉢植えの場合は、春と秋にゆっくり効くタイプの肥料を与えると良いでしょう。葉の色が悪くなり、花も咲かなくなったら、肥料切れを疑ってみてください。最初からゆっくり効く肥料を混ぜ込んでおくか、油粕を施しておけば、とくに追肥の必要はありません。

冬の間の管理

冬は霜で弱るが、あまり気にしなくてOK

ヤブランは耐寒性があります。 けれど、霜が直撃すると徐々に弱っていってしまいます。 とはいえ、たいていのヤブランが植えられるのは木の根元のような、霜が当たりにくい場所なので、とくに対策はしなくて大丈夫でしょう。それに、葉が弱るだけで、枯れることはあまりないのです。次の年にはまた増えてくれますから、関東より南であれば、屋外で冬越しします。冬の防寒対策も不要です。 鉢植えで育てている場合は、冬になったら屋内に取り込んであげたほうがいいでしょう。 とくに冬の寒さが厳しい地域では、屋内に入れてあげることをおすすめします。

ヤブランの剪定


普通、植物の育て方の中には剪定という作業があります。 不要な枝や葉をカットし、植物の蒸れを防いだり、株全体に日光が行き渡るようにしたりするのです。果樹の場合は剪定を行うことでひとつひとつの実が美しく美味しくなります。花の場合も、とくにデリケートな種類では欠かさず行ったほうがよい作業です。 ですがヤブランの場合は、これといって剪定も必要ありません。 あえて言うならば、枯れてきた葉を撤去する作業が、ヤブランの剪定でしょうか。 ヤブランの葉は、古くなると変色してきます。 春の新芽が出る時期に、古い葉を取り除いておくと、見た目が美しくなるのです。 さぼってしまっても特に枯れたりはしないのがヤブランですが、よりきれいに楽しむなら、剪定してあげましょう。人によっては、古い葉のついているヤブランは見苦しいため欠かさず剪定をする、という場合もあります。お好みで管理してください。

ヤブランの増やし方! 株分けで増やす

ヤブランの増やし方は株分けです。 株分けとは、ひとつの植物を根ごとべつべつの株に分けてしまい、植え替えて増やす方法です。 ヤブランの植え替えは3~4月か、9~10月が適切なのですが、株分けも同じ時期に行うのがもっとも良いです。ただ、丈夫な植物なので、真冬と真夏を避ければこれといって問題はないでしょう。

増やし方ステップ① 根ごと掘り返す

株分けのの手順を見ていきましょう。 まず、株分けしたい苗を土から掘り返します。根をできるだけ傷つけないようにしてください。

増やし方ステップ② 根ごと株を分ける

手や刃物で、根ごと株を分けていきます。 このとき、ひとつの苗が3~5芽くらいになるようにしてください。 あまり細かく分けるとうまくいきませんし、見た目も寂しくなってしまいます。 腐ってしまっているような黒ずんだ根があれば、取り除きます。

増やし方ステップ② 分けた苗を植え付ける

3~5芽ずつに分けた苗を、また地面に植えます。 あとは根が定着するまでの間、土が乾いたら水やりをしてください。

まとめ

ヤブランはとても手軽で育てやすい植物だと、お分かりいただけたのではないでしょうか。 普段はあまりガーデニングをしない方でも、お庭のちょっとした寂しい日陰のスペースに植えてみませんか? 一度植えてしまえば、基本的に手間いらずで、ずっと楽しめますよ!