シマノ RA-027Q
釣行日がいつも晴れであるとは限らない
普段仕事をしている一般人は、休日しか釣行のチャンスは無いでしょう。 とはいえ、釣行日がいつも晴れであるとは限りません。 なかなか釣りをする機会が無い方は、釣りに支障をきたす天候でなければ、たとえ釣行日が雨であっても釣りをしたいと思うはずです。
しかしながら、雨と釣果との関係や、雨の日に釣りをするのが望ましいのかどうかについては、あまり知られていないのが事実です。 雨の日に釣りをしなければならないことは、十分に想定されますので、雨の日の釣行に関する知識を身に付けておくことは、非常に重要でしょう。
雨が釣果に及ぼす影響は?
言うまでもありませんが、雨は塩分を含まない淡水です。 降雨量にもよりますが、海に雨が降ると、海水の塩分濃度は下がります。 塩分濃度の変化に敏感な魚は、降雨をきっかけに魚の捕食本能が刺激され、より魚が釣れるようになる場合が多々ありますが、淡水を嫌う魚は釣れなくなる場合もあります。
また、雨粒が海水面を叩くことで細かい泡が発生し、海水の溶存酸素量も増えることになります。
溶存酸素量が増加すると、食物連鎖ピラミッドの底辺に位置する動物プランクトンの活性が高まります。 結果的に、動物プランクトンを捕食する小魚を狙うサビキ釣りなどの釣果や、その小魚を捕食するフィッシュイーターを狙うルアーフィッシングなどの釣果が伸びる傾向があります。
また、降雨量によっては海水温を変化させる要因となるため、魚の活性度が急激に変わることもありますし、降雨は低気圧の接近を意味しているため、水位の上昇が発生することによっても釣果は変化します。
とりわけ、雨の影響を特に受ける河川と海とが接する河口部では、降雨が釣果に直結する非常に重要な要素となります。 特に数日晴天が続き、海中の状況の変化が乏しくなっている状態で雨が降ると、一連の状況の変化によって釣果に大きな影響を及ぼすのです。
特に、サビキ釣りのような食物連鎖ピラミッドの下部に位置する魚を狙う釣り方では、より早い段階で釣果への影響を感じる傾向があります。
雨の日に釣りをするメリットは?
ここでは、雨が釣果に及ぼす影響を考慮に入れない場合の、雨の日に釣りをするメリットは、釣り場がすいているという点です。 詳細については後述しますが、雨の日の釣行はメリットよりもデメリットの方が多く、釣りがしづらいため、釣り人の人数は、晴天の時と比較して減少します。
そうなれば、普段は釣り人の姿が絶えることなく、とても釣り座を確保できないような一級ポイントであっても、容易に釣りが可能なことがよくあります。 また、釣り人が少なければ、投げ釣りなどにおいて、竿掛けを使用して竿を扇形に広げ、広範囲に仕掛けを投入することもできます。
雨の日に釣りをするデメリット3つは?
雨が釣果に及ぼす影響を考慮に入れない場合の、雨の日に釣りをするメリットは1つしかありませんでしたが、一方のデメリットは3つもあります。 ですから、雨の日には釣り人の数が大きく減り、前述したような釣り場がすくというメリットが生まれるわけです。 ここでは、デメリット3つについてご紹介していきます。
デメリット1【釣りがしづらい】
詳細については後述しますが、雨の日は服装にも注意が必要ですし、安全面にも配慮を払う必要が生じ、釣りがしづらくなってしまいます。
特に、サビキ釣りで使用するサビキ仕掛けや、キスの投げ釣りで使用する多点掛け仕掛けなどのような長い仕掛けを使用する釣り方、磯竿のような柔らかい竿を使用する釣り方、細いラインを使用する釣り方などでは、釣りづらさが顕著に出ます。ですから、初心者が雨の日に釣りに出掛けることは、おすすめできません。
デメリット2【釣りの中止のリスクが高まる】
渡船を利用する必要がある釣り場では、ひとたびまとまった量の雨が降ると、危険性が高まるなどの安全上の理由から、渡船が運行を取りやめる場合がほとんどです。
また、釣り大会などへの出場を決定していた場合、大会自体も中止になります。 雨の日には、釣れるかどうか以前の問題として、釣りができるかどうかという根本的な問題が発生するのです。 また、詳細については後述しますが、雨の日は天候が急変するリスクも高くなりますので、雨の日の釣行は慎重にならざるを得ません。
デメリット3【エサや各種道具の管理が大変】
雨粒が降り注ぐ雨天での釣りでは、エサや各種道具の管理にも一苦労します。 サビキ釣りで使用するアミエビエサは、水が混じるとベチョベチョになってしまい、使い物にならなくなるので、雨に濡れない場所に置いておくようにしなければなりませんし、虫エサやエビエサも雨水を嫌いますので、エサの管理が大変になります。 また、防水処理が施されていない各種道具は、車内に置いておくなどの工夫も必要ですし、釣り終了後は、雨水に濡れたタックルを乾拭きし、表面の水分を落とす手間も掛かります。
雨の日の釣りで注意したい点3つは?
前述した、雨の日の釣行のデメリットを鑑みても釣りをしたい場合は、いくつかの点に注意が必要です。 もし、晴天の日と同じ感覚で釣りをすると、最悪の場合、命を落とすリスクもありますので、これからご紹介する3つの注意点をしっかりと頭に入れたうえで、釣りをするようにしましょう。
注意点1【天候の急変】
雨の日は低気圧が接近しており、大気の状態が不安定です。 当然、天候が急変するリスクも高くなります。 特に雷のリスクは、非常に心配されます。 最近は、通電性の高いカーボン素材が幅広いタックルに使われるようになっているため、落雷の危険性が非常に高くなっており、感電すれば命を落とす危険もあります。
雷鳴を聞いた場合には、各種道具の片づけは行わず、速やかに車内などの安全な場所に避難するように心掛けてください。 また、雲が発達することで起きる強風もリスクとなります。 海は風を遮るものがほとんどないため、強風によって各種道具が飛ばされたり、最悪の場合、突然の突風にあおられて落水する危険性も否定できません。 十分に注意しましょう。
注意点2【足元】
前述した天候の急変の他にも、雨の日の釣りにはリスクがあります。 その1つが、足元の危険です。 雨の日の足元は、非常に滑りやすい状態になっています。 さすがに雨の日に、足場が特に悪い磯に上がる方はいらっしゃらないと思いますが、たとえ平坦な堤防の上であっても、足元は危険です。 筆者も、雨の日に堤防の上で足を滑らせ、転倒した経験があります。 滑りにくい靴を履くなどの対策が必要不可欠です。
注意点3【服装】
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雨の日に釣りをする場合は、服装にも注意が必要です。 レインウェアなどの防水性の高い服装で釣りをしましょう。 大手釣り具メーカーからは、雨の日の釣行を想定した防水性の高い釣り専用多機能レインウェアが発売されていますので、着用してみると良いかもしれません。 防水性の高い素材は、風も通しにくく、冬の釣りでも防寒着として活躍してくれますよ。
雨の日の釣りを楽しもう!
ここまで、雨の日の釣りについてご紹介しましたが、いかがでしたか。 ターゲットや状況によっては、魚がよく釣れる環境を降雨が作り出してくれる場合もありますが、同時に、釣行の際には様々なリスクにも注意が必要ですので、ここで取り上げた内容を参考にし、雨の日の釣りを楽しんで頂ければ、筆者も幸いに思います。
1.この記事で取り上げる内容は、いずれも海釣りについてです。 2.この記事で取り上げる内容は、いずれも雨の日の釣行についてであるものの、雪の日の釣行についても同様です。