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染料として身近に使われてきたクチナシ(梔子)!花言葉や香りの特徴をご紹介!

梔子(クチナシ)という植物をご存知でしょうか。今回は、梔子を植物図鑑形式で、特徴や花言葉、育て方などわかりやすく紹介いたします。白い花、艶のある葉が特徴の梔子は実も実用的です。梔子の実は食紅や染料として身近なところで使われていたりしますよ。
更新: 2021年4月6日
printemps117
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目次

梔子(クチナシ)ってどんな植物?

梔子の特徴

梔子は、おおよそ常緑低木の植物です。背丈は大体1m前後で育ちますが、大きいものでは2mを超えることもあります。 梔子にはいくつか種類があり、一重咲の品種は秋になると、橙色の実がなります。熟しても口が開かないことから「クチナシ」の名がついたといわれています。 お庭に植えられる方も多い樹木で、こんもりと枝が詰まって生長するので、生垣として好まれます。 初夏になると、真っ白な六弁花が咲き、とても甘い香りが漂います。花は3~4年経ってからでしか咲きません。 葉は艶があり、葉脈がはっきりしているのが特徴です。

梔子の基本情報

梔子(クチナシ) 科・属名:アカネ科クチナシ属 和名:梔子(クチナシ) 別名:ガーデニア 英名:Caps jasmine,Gardenia,Common gardenia 原産地:日本、中国、台湾、インドシナなどの温帯・亜熱帯 花色:白 開花時期:6月~7月 出回り時期:6月~7月(花の最盛期は6月) 花持ち期間:2~4日程度 誕生花:5月6日、6月7日、6月30日、7月7日

梔子の花言葉について

梔子の花言葉ですが、花名の「クチナシ」は「口無し」を意味し、先にご紹介したように果実が熟しても割れないことに由来しています。 梔子(クチナシ)の花言葉には、「とても幸せです」「喜びを運ぶ」「洗練」「優雅」などがあります。 西洋での花言葉・英語では"Language of flowers"といわれ、「I’m too happy(私はとても幸せです)」「transport of joy(喜びを運ぶ)」などといわれています。 アメリカでは男性が女性をダンスパーティーに誘うときにこの花を贈ることがあるそうです。花言葉の「とても幸せです」は、誘われた時の女性の気持ちを表しているのかもしれません。 また日本では、梔子が「嫁の口がない」につながることから女の子のいる家には植えないほうがいいという俗信もあるようです。

梔子の実の使い方について

食紅や色素として用いられる

クチナシの実の色は黄色で、栗きんとんやさつまいも煮、たくあん漬けなど食欲をそそられるような、鮮やかな色を引き出すために使われることがあります。 その他、パエリアに使われる「サフラン」の代用としてチキンスープに入れるなどの使い方もあります。

食紅や染料以外にも用いられる梔子の実


梔子の実にはさまざまな用途があり、食紅や漢方、染料などとして使われることがあります。 色素として使う場合は、粉末状になった市販のものを使うことが一般的ですが、料理の色出しとして使う場合は、実をそのまま使って色付けします。 またそれ以外にも梔子の実には様々な効能があるといわれ、健康促進にもつながるといわれています。

止血や鎮静、炎症を抑える

梔子の実は「山梔子(さんしし)」といって、漢方で使われていて主に止血や鎮静、炎症を抑える働きがあるといわれています。 また胆汁の分泌が促されることで、体内の脂肪分解能力が高まり、ダイエットにも効果的で解熱作用や血圧を下げる作用、整腸作用やむくみの改善にも良いとされています。 これらの効能により、肝機能低下の予防や高血圧の予防などの効果も見られ、肥満防止になるといわれています。 肝機能を向上させることで、生命維持につながり、高血圧になりにくくなります。

梔子に含まれる有効成分

梔子に含まれる有効成分には以下のようなものがあります。 ◎有効成分 ・ゲニポサイド 抗炎症作用、血圧を下げる作用、鎮静作用 ・脂肪油 腸壁の機能向上、腸液の分泌を促す ・クロテン 血行を良くする作用、毛細血管を強くする作用があります。 実の使い方にも様々な使い方があるので、バリエーションある使い方が出来そうです。

梔子の育て方について

ここでは梔子の育て方ということで、水やりや肥料の与え方などについて簡単にご紹介いたします。

水やり

完全に乾燥すると枯れてしまうので、乾いていたらたっぷりと水やりをします。 夏場は特に直射日光が当たり過ぎないように気を付けて水は多めに与えるようにします。西日の当たりすぎは、乾燥が進みやすいので植える場所としてはあまりおすすめしません。

肥料の与え方について

梔子は、2月と8月に1度ずつ追肥します。夏が過ぎてから追肥すると枝だけが生長し、花芽ができないので夏以降は与えないようにします。

梔子につく病害虫について


梔子には、カイガラムシやオオスカシバの幼虫、アブラムシのほか、ロウムシやカイガラムシなどさまざまな害虫が存在します。このような害虫は、樹液を吸い、株を弱らせてしまい、しまいには衰え枯れさせてしまいます。 特にカイガラムシは、国内で約400種類が発見されており、大きさや形などもさまざまです。 またアブラムシは3月~5月にかけて多く発生し、新芽や若葉など葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせてしまいます。これらは見つけ次第駆除しましょう。 病気については、さび病、裏黒点円星病、褐色円星病、すす病などがあります。これらの病気は風通しが悪いと発生しやすくなりますので、剪定をこまめにして日当たりのよい場所で育てるようにします。

種まきについて

種まきをする際は、ヤシガラの土を利用したパーム蒔きが適しています。種をまいて育てると数年たってからしか花が咲きませんので、早く花を咲かせたいという場合は、苗植えをおすすめします。

苗の植え付けについて

苗は大きくなり過ぎてから植え付けても失敗するので、ある程度根が伸びてきたら早めに植え付けることをおすすめします。暑さには耐性がありますが、西日などの直射日光があまり当たらない場所に植え、冬は寒さに弱いため、あまり寒い風に当たらないように注意します。

収穫について

クチナシの実は、霜で実が崩れてしまうことがあるので、寒くなる前に収穫します。実は乾燥させて長期保存すると便利です。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)について

挿し木で比較的簡単に増やすことができます。6月ぐらいに新しい枝を15cmぐらいにカットし、水を十分に吸わせたあと、水をたっぷり含ませた赤玉土に挿しておきます。1か月ぐらい水を与えながら日陰に置いておくと芽がでてきますので、秋か春に植えます。

置き場所や用土について

梔子は、日陰地にも耐えますが、花付きをよくするためには日当たりのよい場所に置くことをおすすめします。 湿り気があって表土の深い土地で、腐食質の多い土質を好みます。配合例としては、黒土に腐葉土を混ぜたような通気性と保湿性に優れた土が適しています。

梔子の芽摘みや剪定について


芽摘みについて

梔子は「芽摘み」といって4月下旬~5月上旬ごろまでに新芽を1~2節、摘んでおくと小枝が増え、多少の枝の徒長も抑えることができます。 芽摘み後は2番芽がすぐに伸びますが、6月~7月の葉刈りや剪定の時期までは伸ばし気味にして樹勢を付けておきましょう。

葉刈りについて

梔子は芽吹く力が強いので、開花時期の6月になったら葉をすべて切り取る「全葉刈り」を行います。 葉刈りの時期が早いと芽吹きが悪くなるので、樹勢がある状態のまま初夏まで待ってから葉刈りをしてください。 枝先に蕾がある枝は、その蕾を残して葉をすべて切ってしまいましょう。 葉刈りのあとは剪定をして全体をコンパクトにし、先の芽を無くしてもその下の節から次の芽が吹いてくるので、伸びすぎた枝は短く切り戻しても大丈夫です。

剪定について

梔子は7月~9月の間に花芽分化することがあります。花芽は花後に伸びた枝に作られ、秋に蕾が膨らみ始めて翌年に開花します。夏になると、新梢の成長とともに蕾がふくらみ、その年に開花する場合もありますので、花芽をつけさせる場合には、いずれにせよ、6月上旬~7月上旬までに剪定を済ませる必要があります。

甘い香りに包まれて

梅雨時期に漂う梔子は、うっとうしい梅雨の雰囲気を感じさせないほど官能的な香りを漂わせてくれます。 美しい純白の花はビロードの様な質感を感じさせてくれます。 梔子の育て方を知って、お庭を梔子の香りで包んでみませんか。