カジキ釣り1【道具のポイント3つ】
道具1 -ロッドの選択について-
カジキ釣りでは、最も一般的なロッド形状である、ティップ部からバット部までが一直線になっている「ストレートバットロッド」が広く使われています。 とはいえ、一部のアングラーの間では、主にマグロ釣りで使用される、バット部が曲がっている「カーブバットロッド」が愛用されています。 カジキマグロはストライク後、できる限りボートから離れようとする性質があります。 そのため、一見すると、ポンピング時に前後方向にロッドパワーをいかせるストレートバットロッドが有利だと思いがちです。 ところがカーブバットロッドの場合、ファイティングチェアのジンバルにバットエンドを差し込むと、水平に近い角度でポンピングを行う形となるため、上下方向にロッドパワーが利くようになることで生み出されるテコの原理の効果で、軽い力でもロッドパワーを十分にいかすことが可能となります。 そのため、結果的にはカーブバットロッドの方が、効率的にファイトをすることができるというわけです。 自分のファイティングスタイルや、ファイティングチェアのジンバルの形状を考慮に入れ、最適なロッドを選択することで、カジキの圧倒的なパワーに負けないタックルセッティングを目指しましょう。
道具2 -ドラグ設定について-
強烈なファイトが魅力のカジキ釣りでは、リールのドラグ設定が特に重要です。 釣行の前には、必ずドラグテスターを使用して、リールのドラグパワーの調整を忘れずに行ってください。 基本的には、ラインのパワーの25%前後の負荷がラインに加わった段階でラインが出るように、リールのドラグを設定します。 長時間カジキとの駆け引きを楽しみたいのであれば、少し弱めにリールのドラグを設定しておくと良いでしょう。 当然のことですが、ラインが強いテンションでリールに巻かれていない場合、ファイト中にライン同士が食い込み合ってしまい、ラインブレイクの危険性が高まりますので、リールにラインを巻く作業は釣具店に依頼するか、強いテンションを掛けながらラインを巻くための専用グッズを用いる工夫が必要です。
道具3 -ルアー選びについて-
ルアー選びで特に重要な要素となるのが、ヘッドとベイトパターンです。 ヘッドの材質には、天然素材と樹脂素材が主に使用されています。 天然素材は小型のヘッドを中心に使われており、天然素材ならではの独特の輝きから、シビアコンディションで威力を発揮するとされています。 樹脂素材は加工が容易で、細かい気泡を吐き出すタイプのヘッドなどがあり、動きでカジキに誘い掛けたい場合に有効であると言われています。 ベイトパターンについては、イカベイトやタコベイトのカラーが釣果のカギを握ります。 カラーチョイスについての明確な基準はないものの、コントラストのはっきりとしたカラーや、ヘッドのカラーと同様のカラー、さらにはクリアー系などの紫外線を透過するカラーなどを用意しておけば、間違いはないでしょう。 ただし、ここでご紹介したルアー選びのポイントは、いずれも過去の実績や統計を分析したうえでの推測にしか過ぎないため、実際の状況を肌で感じ取り、柔軟にルアーチェンジを行えるように、ウェイトや形状の異なる複数のヘッドやベイトパターンを用意しておく必要があるでしょう。
カジキ釣り2【ボートのポイント2つ】
ボート1 -レンタルについて-
大富豪でない限り、ボートはレンタルとなります。 ボートの形状には、「フライングブリッジ」タイプと「センターコンソールボート」タイプとがあり、フライングブリッジボートの方が、ナブラの探索やファイト中の操船が容易です。 とはいえ、センターコンソールボートであっても、アウトリガーやバトルステーションなどの各種ぎ装が備わっていれば、カジキ釣りは十分に可能です。 レンタルの費用は、時期やボートのサイズ、レンタル時間によって異なります。 日本近海での釣りの場合、釣り人が多い6 - 8月の時期は、定員が10名のフライングブリッジボートで、6時間50,000 - 70,000円の費用が掛かりますが、釣り人が少なくなる10 - 3月の時期は、20 - 30%程度割安の費用でレンタルが可能となります。 冬から春にかけて釣れるカジキは、非常に食味が良いことでも知られていますので、この時期に釣行をすれば費用も抑えることが可能です。 また会員登録をすると、より安い費用でレンタル可能なサービスを用意している場合もありますし、センターコンソールボートであれば、30 - 50%も安くレンタルすることができますので、ゲームフィッシングの最高峰であるカジキ釣りを楽しめるのであれば、惜しくない金額であると言えます。
ボート2 -操船について-
一般的なカジキ釣りは、ボートの力でルアーを引っ張るトローリングと呼ばれる釣法で狙うため、操船方法が釣果に直結します。 自ら操船を行う場合は、潮流や魚群の状況を読み取りながら、効果的な操船でトローリングを行いましょう。 基本的にカジキや小魚の群れは、潮流の上手の方に頭を向けています。 ですからボートも、潮流に逆らうように走らせていきます。 また、潮目となるポイントでは、潮流とボートの動きを連動させながら、S時を描くようにジグザグに操船したり、大きなナブラが確認できた場合には、ラインが絡まないように注意しながら大きく旋回し、ナブラの後ろ方向に回り込むようにトローリングさせたりするのも効果的です。 トローリングスピードは、ボートが起こす引き波を利用して、波上から2/3、波底から1/3の高さでルアーをトレースできるように、8フィートの前後のトローリングスピードを維持します。
カジキ釣り3【仕掛けのポジションのポイント】
トローリングで確実に釣果を上げるためには、前述した操船テクニックとともに、最適な仕掛けのポジションが重要です。 5つの仕掛けを短長交互に流すペンタゴンスタイルの場合、ボートが起こす波のうち、最も強い第3波には、強い水流にも負けない大型のルアーが付いた仕掛けを流し、最も弱い第7波には、弱い水流でも動きの良い小型のルアーが付いた仕掛けを流すのが一般的です。 他にも、ハワイのマギージョースタイルのような、両アウトリガーの仕掛けをロングに、センターリガーの仕掛けを、コーナーの仕掛けとアウトリガーの仕掛けとの間の長さに流すポジションや、オーストラリアのカリプソスタイルのような、両コーナーの仕掛けを第3波に、両アウトリガーの仕掛けを第4波に流して、4つのルアーでカジキに挑むポジションなどもあります。 状況に応じて、ルアーポジションや流す仕掛けの数を調整し、ベストな状態でカジキを迎え撃ちたいものですね。
カジキ釣り4【ファイトのポイント】
カジキ釣りにおいて、カジキがフッキングしてからランディングまでの時間が、最もチームワークが試される時です。 カジキがルアーに乗ると、一気にものすごい量のラインが引き出されます。 アングラーは、慌てずにロッドホルダーからロッドを引き抜くとともに、他のクルーは他の仕掛けの回収を速やかに行います。 キャプテンがボートのスピードを落としながら、ファイティングチェアが備え付けられている船尾をカジキがいる方向に向けてくれますので、ラインのテンションを一定に保ちながら、ロッドのバットエンドをファイティングチェアのジンバルに差し込みます。 あとは、テンションを張ったまま力強いポンピングを繰り返し、徐々にカジキを弱らせていきます。 キャプテンは、操船でアングラーのファイトを全力でサポートしてくれますし、最もけがをする危険性が高いランディング時は、アングラー、キャプテン、ギャフマン、リーダーマンが協力して行います。 カジキ釣りは、アングラーやキャプテンをはじめとするクルー全員が一丸となり、協力し合って1匹のカジキを手にすることで、大きな喜びを感じることができる釣りなのです。
ポイントをつかんで, 大物カジキをゲット!
いかがでしたか。 カジキ釣りは、圧倒的なパワーとゲーム性の高さから、世界中で人気のスポーツフィッシングとなっています。 日本近海においても、タックルと条件がそろえば、レコードサイズのカジキを釣ることができますので、ぜひ一度カジキ釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか。