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【夏の訪れを告げる植物】ウツギ(空木)とは?育て方の6つのポイントをご紹介!

ウツギは、白く可愛らしい花を咲かせ、観賞用として人気の植物です。また、昔は垣根や木釘などにも活用される他、卯の花という別名から旧暦が決まる程、親しまれていました。そんな愛されてきたウツギについて、特徴や育て方を簡単にですが紹介します。
更新: 2021年4月2日
haduki0
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ウツギはどんな植物?

ウツギの学名は、アジサイ科ウツギ属であり、落葉低木の植物です。 樹の高さは大体2~4m。よく分枝する為、横にも広く育っていきます。 名前の由来は、幹が中空であることから「空木(ウツギ)」と名付けられました。 その為、科や属が違う別の種類でも幹が中空なら「空木」と呼ばれることがあるそうです。 昔から、畑の生け垣や観賞用、木釘などに利用され、庶民に愛され続けられてきた植物です。 空木は別名「卯の花」とも呼ばれています。 その由来は、ウツギの一文字目「ウ」の字を取り、干支の「卯(う)」を当てはめられた「卯(つぎ)の花」と名付けられたそうです。 この名称から、卯の花の開花する時期を「卯月」と呼ばれるようになり、開花する旧暦4月の事を卯月と呼ぶようになったそうです。

ウツギの生息地

ウツギの生息地は決まっておらず、北は北海道、南は九州と、日本全国に自生しています。 また、根付く場所も特に制限はなく、日当たりが良ければ大体の場所で育つようです。

ウツギの花言葉

ウツギの花言葉は、「古風」「風情」「秘密」です。 古風:古い流儀や習慣など、昔ながらのやり方や生き様を表す言葉 風情:それぞれの四季が造り出す、誕生、成長、質素、儚いなどの、美しさや情緒を表す言葉 秘密:他人に秘匿、隠すことを表す言葉 昔から愛されてきた植物らしく、日本の奥ゆかしい雰囲気と、独特で物静かな情景をもつ「美」を表す花言葉だと思います。 ウツギの誕生花は、「4/14」「5/4」「6/4」です。 当たり前ですが、ウツギの開花時期に誕生花として扱われています。 卯の花が由来の卯月(旧暦4月)は、新暦(現在)の4月下旬から6月の上旬に当たります。 その時期に合う誕生花だと言えるでしょう。 花言葉も誕生花も、調べる物によっては違う記載の場合があります。 上記の情報が記載されていないからと言って、どちらが嘘というわけではなく、地方や著者などによって変わってくる為、広い心と柔軟な気持ちで対処しましょう。

有名なウツギの品種

ウツギは昔から愛されている為、それに比例して多くの品種が存在しています。 その中でも、特に有名な品種を紹介します。

シロバナヤエウツギ

ウツギの品種その1。和名:白花八重空木 樹の高さは約1~2m程。名前の由来の通り白い花を咲かせます。 また、普通のウツギは一重の花を咲かせるのに対し、八重の花を咲かせるのが特徴です。 開花時期は、他の品種と一緒の5~6月頃

サラサウツギ


ウツギの品種その2。和名:更紗空木 樹の高さは約1~2m程。この植物もロバナヤエウツギ同様に八重の花を咲かせます。 名称の更紗とは、2色以上の織物などの布類を指す折り方の名称です。その名称の様にサラサウツギも、花弁の外側が薄紫色、内側が白色と、2色模様の花を咲かせます。 開花時期は、他の品種と一緒の5~6月頃

鉢でも育てられる「姫ウツギ」

和名:姫空木 姫ウツギの一番の特徴は、他のウツギと比べ非常に小柄なことです。 樹の高さが20~60cm程しかなく、他の品種と比較しても約半分ほどしかありません。 花は枝先に付きます。白くて1~1.5cm程の小さい花を下向きの穂状に咲かせます。 花付きがとてもいい為、最盛期には株が5枚の花弁の姫ウツギで覆われます。 枝はよく分岐して広がりますが、上方に広がるのではなく、枝垂れしながら広がります。 全体的にこぢんまりしていますが、小さくてもとても丈夫です。 日向が好きではありますが、耐寒性、耐暑性ともに高く、害虫や病気にかかりにくいです。 手間がかからず、大きさも手ごろな為、鉢で育てる人も多く、盆栽として有名です。 剪定、挿し木、植え替えなど、初心者でも育てる楽しみが味わうことのできる種類です。 姫ウツギは、白くて小さく首を垂れた様子は、謙虚で純白の可愛い印象を与えるだけではなく、最盛期の満開の様子が「満開の笑顔」と言えるような、まさに「姫」の名にふさわしいウツギと言えるでしょう。

ウツギの実

ウツギの実は、開花時期を過ぎるとすぐに実を付けます。 大きさは約5mm四方の小さい実で、実の中心から枝とは別の、軸の様な物が出ている「独楽」のような形をしています。 表面は、小さいボツボツが全体に生えており、触った感じはドングリなどと同様に木質な肌触りをしています。 実の中には種子が含まれており、アサガオやホウセンカと同様の蒴果(実の中に複数の種子が含まれている)です。 大体一つの実に3~4粒程含まれており、熟すと3~4裂します。 実自体は、固くておいしくない食べられたものではありませんが、乾燥した果実を使用した、利尿とむくみに効く民間療法もあるそうです。

ウツギの育て方 その1「水やり」

ウツギは湿り気のある土を好みます。その為、土が乾いているようなら水やりをしましょう。 ですが地植えの場合は、極端に乾燥している場合を除いて、基本的に水やりは必要ありません。降雨のみで十分です。 夏場の乾燥した時期が続くようでしたら、朝方や夜に水やりをしてください。夏場は生長期でもある為、乾燥したら水やりが必要になります。 主に姫ウツギの事ですが、鉢植えでは、土が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。 鉢は限られた空間です。地植えと比べ土壌に含まれる水分が不足しがちになります。 また、鉢植えだと室内で育てる人もいる為、降雨を受けにくいことも多いと思います。 姫ウツギは丈夫ではありますが、地植えよりも乾燥に注意して水やりを行いましょう。

ウツギの育て方 その2「肥料」

肥料は年に2回、春と冬に与えてください。 生長期の夏ではなく、落葉期の冬に向けて肥料を与えます。また、落葉期が終了し、消耗した栄養を補給する為、春にも与えた方がいいです。 肥料の種類は可能ならば、緩効性が良い顆粒肥料をお勧めします。 即効性のある液体肥料でもいいとは思いますが、肥料を与える冬は落葉期であると共に休眠期でもあります。 生長期の夏よりも水分や肥料は少なくていい時期と言えるため、与える頻度が多い液体肥料はあまり向いていないと言えます。 発酵油かすなどが肥料としておすすめですが、有機肥料よりも栄養価が高い、化成肥料などの種類で大丈夫です。 窒素分が少なく、カリウムやリンが多めの肥料だと、花付きがよく綺麗に咲きます。

ウツギの育て方 その3「植え替え」


ウツギ鉢植えしている場合、約2~3年に1回の頻度で植え替えを行います。地植えの際は植え替えの必要はありません。 植え替えする理由は、鉢という限られた空間にある用土が、古くてボロボロ(栄養が偏っている、菌が繁殖しやすいなど)になる為に新しくするのですが、地植えだと大地がその辺の事情を勝手に循環させるため、植え替えする必要が無いわけです。 植え替えする時期は、12~2月の落葉期に行います。 ただ、あまりに寒いと良くない為、厳寒期はできれば避けるようにしてください。 植え替えする際は以前の鉢よりも一回り大きい鉢を使用します。 以前と同じ鉢では窮屈な為、十分に育ちません。より大きな鉢でのびのびと育てましょう。 中に入れる土は、市販で売られている用土を使用します。 そのままでもいいですが、腐葉土や赤玉土などを混ぜた方が、鉢内部の環境が良くなり、根腐れなどの問題を防ぐことが出来ます。 お勧めする割合は、「赤玉土5:鹿沼土2:腐葉土2:川砂1」あたりが水はけが良くていいと思います。 または、鹿沼土の代わりに黒土でもいいです。多少水はけが悪くなりますが、その分保湿性が上がる為、湿った土を好むウツギにとってはいいのかもしれません。 植え替えする際の手順。 1:鉢から取り出し、土や古い根などを軽く落し、剪定します。 2:植え替える前に、約30分ほど根を水に浸し、充分に水を吸わせておきます。 3:水に浸している間に、植え替え先の鉢を準備します。 4:根が充分に水分を含んだら、事前に用意してあった土の入った鉢に入れ、土をかぶせます。 5:最後にたっぷりと水を与えて土を馴染ませたら完成です。

ウツギの育て方 その4「剪定」

剪定とは、はさみを使用して枝を切り落としことを言います。 植物が生長しすぎると形が不ぞろいになる為、景観を良くするために選定します。 また、育ちすぎてしまい管理が出来なくなるようなときも、剪定し全体的に小さくすることで管理が出来る様にする目的でも行います。 ウツギの剪定時期は、6~7月頃の夏と、12~2月頃の冬で二回あります。

夏の「間引き剪定」

夏の剪定時期では主に間引き剪定を行います。 間引き剪定とは、景観を良くする為や、風通しを良くするためにスッキリとさせる為の選定で、夏の生長により、枝が絡み合うなどして成長の妨げになることを防ぎます。 枝が絡むと光を遮るようになり、下の浜で日光が届かなくなります。 また、風通しも悪くなるため、カビなどにより病気が発生しやすくなってしまいます。 見た目も雑でよくありませんので、ウツギの為にも剪定し、環境を整えましょう。 また、生長期ですので、多少切りすぎても枯れる心配はありません。臆せずに剪定してしまいましょう。 とはいえ、切りすぎると来年の花が少なくなってしまう為、古木を中心に、固まっている枝を数本根元から切り落とす程度でも、十分効果があると思います。

冬の「切り戻し剪定」

冬の剪定時期では主に切り戻し剪定を行います。 切り戻し剪定とは、植物を小振りにするために、すべての枝を株本の近くから切り落とします。 こうすることで、植物を小さいまま育てることが出来るようになります。 ただし、切り戻し剪定は間引き剪定と比べ、思いっきり剪定してしまう強い剪定です。 当然、枝をすべて切り落としてしまう為、来年には花を付けません。 綺麗な花を見る為にも毎年行う必要ありません。大体3~4年くらいの期間で十分です。 もしくは、成長しすぎて管理が出来なくなるようなら行うようにしましょう。 ですが、冬の剪定では注意しなければならないことがあります。 多くの植物にとって、冬は休眠期であまり成長しません。 そのような時期に間引き剪定をすると切り口から枯れ始めることがあります。 特に新芽が発生してから行うと枯れ込む恐れが強くなります。 枯らす危険を少しでも少なくするために、新芽が発生し始める3~4月より前に行うようにしましょう。 もし、切り戻しが不安な様なら、姫ウツギの様な小振りな種類のウツギを栽培するのも手です。 好きな品種を育てるのもいいですが、長い付き合いを想定し、将来を考えた選び方も育て方の一つだと思います。

ウツギの育て方 その5「病気や害虫」

ウツギは病気や害虫に強く、世話のかからない植物です。 ですが、あくまでも強いというだけで、絶対に掛らないというわけではありません。 ウツギの育て方の中で注すべき病気は、ウドンコ病、サビ病。害虫は、アブラムシに注意しましょう。

ウドンコ病

ウドンコ病とは、春~初夏ごろに発生する、カビの種類です。 茎や葉、根元などに白い粉の様なものが付着します。 始めは少しでも、放置しておくと菌が繁殖し、植物全体に広がっていく深刻な病気です。 発生してすぐに枯れてしまうことはありませんが、放置すればするほど深刻になっていく為、早期発見・駆除するようにしましょう。 カビの種類ですので、風通しが良く、排水性を良くしましょう。その際、窒素肥料は少なめにしてください。 ただし、乾燥することで発生しやすくなる病気なので、適度に葉水などを吹き掛け乾燥しない様にしましょう。 もし発生してしまったら、植物用の殺菌剤を使用しましょう。ウドンコ病は有名な病気の為、園芸品店では対処法になる薬品が必ず置いてあります。 使用方法を理解し、正しく安全に使用してウドンコ病を除去してください。


サビ病

サビ病とは、春~秋にかけての高温期に派生する、菌にの種類です。 主に葉に付着する菌で、始めは白い斑点ですが、やがてその部分が錆の様な褐色の斑点に変化します。 放置することで表皮が破れ、黄や赤色の粉末を飛散させます。 そして、葉全体を覆いつくすようになり、枯死させます。 発生原因は、肥料が関係しています。 肥料の与えすぎ、または肥料切れにより発生しやすくなります。 その他にも、水はけが悪いなどの鉢内環境の悪化、日光不足など、ウツギの元気がなくなると発生しやすくなります。 もし発生してしまったら、薬剤により除去します。 ただ、サビ病の菌はかなり飛散するらしく、完全に除去・防止は難しいそうです。 また、可能ならばサビ病が発生してしまった葉っぱも、さらなる感染を防ぐため切り取ってしまった方がいいです。

アブラムシ

アブラムシとは、植物に付着して維管束から液を吸い出す害虫の事です。 液の中には植物の栄養も含まれている為、成長が阻害されます。 また、アブラムシは金やウイルスを媒介することも多く、アブラムシに付着されることで媒介され病気になり枯れてしまうこともある危険な害虫です。 発生する原因は、栄養内に窒素分が多いことです。 植物は窒素を与えると、葉にアミノ酸を多く合成します。アミノ酸はアブラムシの好物な為、たくさん群がるようになるわけです。 窒素分の多い肥料の与えすぎは厳禁と言うことです。 また、枝などが密集している環境をアブラムシは好みます。 剪定などにより風通しを良くすることで、アブラムシを湧きにくくさせましょう。 もし、付着されたら除去剤を使用します。 その他にも、手や道具で直接取り除く、テントウムシを放つ、石鹸水や牛乳などを吹き掛けることで駆除することが出来ます。

ウツギの育て方 その6「挿し木」

ウツギを増やすには、挿し木を行います。 挿し木は、枝や茎を切り、その断面を土に挿すことで行います。 断面から栄養を吸収し成長するだけではなく、切り口から根が出て土に根付きます。 挿し木を行う時期は、芽が出る3月頃か、梅雨の6月頃がいいとされています。 3月に挿し木をする際は昨年の枝を、6月に挿し木をする際はその年の枝を使用するようにしてください。 挿し木に用意する枝は、先端から約15cm程の長さに切った挿し穂を使用します。 また、用意した枝は先端を斜めに切り落としておきましょう。 そして、植え替え用の土を用意して、切り口を下にして土に挿します。 大体、土から芽が1~2個出る程度まで挿しましょう。 その後、乾燥させない様に半日陰で水を与えておきます。 順調にいけば、挿し木後、約90日程で根付きます。 その後は、他のウツギと同じような育て方をしてください。

まとめ「【植物図鑑】ウツギ編」

ウツギは病気や環境に強く、初心者にも育てやすい植物です。 地植えの場合は、放置しておいても意外と育ちますが、白くて綺麗な花をつけるウツギを、そのまま放置しておくのはもったいないです。 水やりや肥料を与え育ててみましょう。 他にも、剪定などを行い見栄えを良くすると、より花の美しさが引き立ちます。 「剪定や挿し木なんて初心者には無理」なんて思うかもしれませんが、ウツギは強い種類の為、正しい方法で行えば多少の失敗もものともしません。 とても育てやすい種類ですので、初心者にこそ育ててほしい植物だと思います。 地植えに慣れてきたら鉢植えも体験してみましょう。小振りなウツギはまた違った美しさがあります。 特に姫ウツギは品種として小振りな為、鉢植えに向いてます。 姫ウツギだけではなく、いろいろな品種のウツギをぜひ育ててみてください。