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すす病の発生原因は?事前の予防法から薬剤(農薬)を用いた害虫対策まで徹底解説!

すす病という病気を知っていますか? すす病菌というカビの一種が植物につき、増殖し発症すると葉や枝、果実などに黒いすすがかかったような症状がでます。 この病気の原因はアブラムシやカイガラムシの排泄物って本当?病気の原因をしっかりと押さえましょう。
更新: 2021年3月3日
printemps117
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アブラムシやカイガラムシを放っておくと大変!

アブラムシやカイガラムシは、それ自体は小さく単体ですとさほど影響はありませんが、その多くは葉や枝に群れて棲みつくため、放っておくと植物の栄養を吸い取ったり、病気を媒介することが多いのです。

すす病もこのアブラムシやカイガラムシが影響しているとご存知でしょうか?

すす病とその症状について

すす病とは「すす病菌」というカビの一種が植物の上で増殖することで発症します。庭木や観葉植物や野菜、果物などどんな植物にも発症するという病気の一種です。 ほぼ1年を通して発生しますが、特に4月~10月語路にかけて発生することが多いです。

一度発症してしまうと花や葉の美しさを損なうだけでなく、光合成や葉の表面からの蒸散が妨げられたり、生長が遅れ最悪の場合は枯れてしまう危険性もあります。 ではすす病にはほかにも症状があるので見ていきましょう。

斑点が広がる

黒いすす状の斑点が広がり、薄い皮膜のようになっていく症状がわかりやすい症状としてあげられています。 蘭などの花にも繁殖し、花や葉の美しさを大きく損ねていきます。 外観が悪くなるだけでなく、すす状の膜で覆われることで光合成に大きな影響を及ぼします。

輪状反転から広がる

すす病を発症した初期段階では、輪状の小さな斑点があるのが特徴ですが、病気の発見が遅れたり、気にせず放置したりするほか、対策を怠ったりすることが原因で、植物全体へすすを振りかけたような状態になってしまいます。

野菜にも発症してしまうと収穫に至らないこともあります。

発生時期と原因について


すす病は、1年をとおして発症しやすい病気です。しかし、4〜10月に多く見ることができます。真冬の寒い時期は、虫の活動が鈍くなるため、発症が低くなる傾向があるのです。 被害が少なくなったため、対策を怠ったまま春を迎えると、再び発症してしまう悪循環に陥る恐れもあるでしょう。

すす病の原因とは?

黒いすすを被ったような症状が特徴のすす病ですが、発症する原因がありますので、知っておきましょう。

カビによるもの

すす病菌と呼ばれる糸状菌が原因です。これはカビの1っ種でカビが植物の葉に繁殖しながら寄生します。 葉だけにとどまらず、幹や枝などにも広がる恐れもあるので、被害が拡大する前に予防や対策が求められています。

カイガラムシやアブラムシが原因って本当?

すす病菌は、アブラムシやカイガラムシやハダニなどの害虫から出る排泄物を養分としているので、植物そのものから分泌される有機物質を栄養として繁殖する恐れがあります。

すす病菌自体が植物に寄生して栄養を吸い取るわけでないので、直接植物を枯らせることはありませんが、増殖して光合成を妨げることで成長を悪くします。

ただ、すす病菌が増殖することは、害虫がいる証拠ですので、植物にとってはよくない状況なので早めの対応が必要になります。

すす病が発症すると生育にも悪影響がある

植物は、葉で光合成をおこないながら成長していますが、すす病は葉、幹、枝などに黒い粉を振りかけたようなカビが広がり、植物の光合成を阻害します。

光合成が阻害されると、株が弱ってしまう恐れもあります。腐敗や枯れることは少ないので広い範囲で症状が拡大した場合は注意が必要です。 すす病は植物内部にも侵入しますので、植物の生育に著しい影響を与えます。


真冬はいったん治まったようにも思うが…

すす病は、上記でご紹介したようにその原因のほとんどが害虫の排泄物や分泌物に寄生するカビの一種ですが、アブラムシやカイガラムシなどの害虫の活動が劣る真冬の間、いったん病状が収まったようにも見えます。

ただ、それは真冬の間だけで、カイガラムシやアブラムシといった害虫の予防や駆除の対策を根本的におこなわない限り、春暖かくなるとまたすす病の症状が現れてきます。

すす病の予防や対処法

こまめな剪定も対処につながる

すす病を発見したら、黒ずんでいる葉っぱや実を取り除き、それから殺菌剤を散布するようにし、その後、増殖の原因になる害虫を駆除する薬剤をかけるようにすると効果的です。

予防策としては、すす病菌を増殖させている害虫の発生を防ぐことが一番です。害虫をみかけたら月に数回など定期的に殺虫剤を散布して寄せ付けないようにしましょう。

害虫は高温多湿の環境を好むので、日当たりがよく風通しのよい場所に置きます。枝葉が込み合っているとそれも風通しが悪くなるので、日ごろからこまめに剪定しておくことで害虫の被害を防ぐことができます。

剪定・誘引などの作業時は健康診断のチャンス!

すす病は定期的に観察することで早期発見・早期対処ができる可能性が高まります。 そこで、剪定や誘引などの作業時はすす病をはじめ、その他病気においても健康診断のチャンスです。

木の部分ばかりでなく、少し離れて全体的な樹形を眺めることも大切です。枝の込み具合がどうかを見極めたりしながら、病気の早期発見に努めましょう。

発症部位を拭き取る

防虫剤と殺菌剤の使用はとても重要ですが、すす病を発症した部位はすぐに消失することがないため、発症部位を拭き取る方法も効果的です。また発症部位を拭き取る方法以外に、摘み取る、取り除く、剪定する方法もあります。

殺菌剤など薬剤を使う場合の注意点

すす病の原因となっているカビを殺菌することが大切ですが、殺菌剤は複数種類あるので、すす病に効果がある殺菌剤かどうかを購入前に必ず確認しましょう。

すす病の出やすい植物ではスミチオン乳剤やオルトラン水和剤、アクテリック乳剤などの散布も効果的です。 また水で薄めて散布する乳剤タイプではアブラムシやアザミウマ、スリップス、アメリカシロヒトリなど幅広い害虫駆除に効果を発揮する家庭園芸では代表的な薬剤です。

無農薬で害虫を退治したい!


すす病の原因となるアブラムシやカイガラムシは、殺虫剤を購入する以外にも、竹酢液などを自分で作って散布することで、予防することもできます。

簡単な作り方ですが、素流水に竹炭を適当に入れ2~3日浸けたら、これを散布するときにお酢1:素粒水3の割合で黒くなった果実や葉に直接噴霧すると効果があります。

これを10日おきぐらいに2~3回繰り返して様子を見ることで、すす病から徐々に回復できます。 自分で作った竹酢液は安全ですし、いつでも簡単に作って散布できます。

すす病だけを食べるカタツムリ!?

病状改善に役立つ生物として、「コダママイマイ」というカタツムリの一種がいます。 キューバが原産のこのカタツムリ葉や枝に這わせてすす病菌を食べてくれます。

殻径は2~3cmで、殻色は黄色や薄黄、白、朱色など種類が多く世界で一番美しいカタツムリとされています。

ただ、すす病菌しか食べないため、餌である菌がなくなったあと維持するのが難しいのが難点で、また手に入りにくいというのもデメリットです。

中には農家の方から分けてもらうなどの方もいらっしゃるようですが、専用の通販で購入する方法が一般的です。 ただ、無農薬かつ有機栽培にこだわっている方には有益な方法でもあります。

すす病がついた果実は食べられるのか?

例えばみかんやイチゴなど果樹がすす病の症状にかかった時、実に黒い煤のようなものが付着することがあります。 この黒い煤がつくと、被害状態であるため、加工品とされ、商品価値は著しく低下します。

ただ、家庭菜園で育てる果樹の場合、外側の皮が煤状で見栄えがよくなくても、味や栄養価、保存性など品質にはまったく影響がありません。触ると手が少し汚れますが、ただ単に見栄えだけの問題なのです。

まずはすす病の原因となる害虫をシャットアウト!

すす病かな?と思った時は、すす病そのものに殺虫剤をかけることも重要ですが、アブラムシやカイガラムシなどの害虫を薬剤で駆除・予防することが病気の根本的な治療につながります。

ただ、すす病が果実についていたとしても、見栄えは悪くなりますが、中身や味には影響がないので、生理的に無理でなければ家庭菜園で実った貴重な実は洗って皮をむくとそのまま食べることができます。

病気の原因を押さえ、再発防止にも努めましょう。