ふうせんかずらってどんな植物?
紙風船のようなぷっくりとしたかわいい実が特徴
フウセンカズラはムクロジ科の1年草のつる植物です。巻きひげでフェンスやネットなどに絡みつきながら繁茂します。 夏に緑がかった白色の小さな花を咲かせたあと、緑色をして紙風船のようにぷっくりと空気でふくらんだ丸い袋状の果実をつけます。 このような繊細な草姿とツル性で四方八方に伸びることから「緑のカーテン」にも向いています。 果実が茶色く熟すと、黒地に白いハート模様の入った丸い種が3粒収穫することができます。 フウセンカズラは生長も早いので、あんどんやネットは早めに準備をして、つる通しが絡まないように誘引していきましょう。
ロマンチックなふうせんかずらの花言葉
ふうせんかずらには「あなたと共に」「あなたと飛び立ちたい」という2語の花言葉があります。 これらの花言葉は、ふうせんかずらの花の種が飛んでいく様を表した言葉で「一緒にどこまでも飛んでいく」という意味に合わせて名づけられました。 「あなたと共に」や「あなたと飛び立ちたい」という言葉は、駆け落ちのようなロマンチックなニュアンスが感じられます。 恋人や結婚相手といった大事な相手に贈る花言葉にぴったりですね。
ハート模様の種がかわいい♡
なぜ、ふうせんかずらの種はハート模様をしているのか。 ふうせんかずらの種の白いハート「おへそ」のようなものです。種子が発達するとき、胚珠が心皮の胎座と呼ばれる部分にくっついており、その跡がハート形として残っているのです。この胚には養分を蓄えるため接合部は最後まで着色せず養分を供給する個所として残っています。 赤ちゃんが臍の緒で母体が繋がって栄養をもらっていたのと同じように、「胎珠」も胎座を通して母体から種子形成に必要な栄養分をもらっている箇所なのです。ハートの形には特に意味はありません。
ふうせんかずらの楽しみ方
ふうせんかずらの実は、本当の風船のようにぷっくりと空気で膨らんでおり、子どもが手に取って遊んだり、ハート模様の種がお猿さんの顔を書くなどして楽しむことができます。
ふうせんかずらの育て方、栽培環境や時期について
ふうせんかずらを育てるポイント
紙風船のような形をしたかわいい果実は、熟すにつれて緑→黄→茶色と変化していくのですが、長く花を楽しみたい場合は、風船が黄色になった時点で切り取ります。 茶色の風船からは種が採取できるので、来春最低気温が17,8℃を上回るようになった頃に蒔くと、芽が出て再び花を楽しむことができます。
ふうせんかずらは、熱帯地方原産の植物なので、発芽適温、生育適温ともに20℃以上と高い傾向にあります。 ですので種まきする際も気温が十分に上がってから種まきします。 栽培環境としては、日当たりと水はけのよい環境であれば、生育旺盛で丈夫で育てやすい花です。
花の開花時期
夏に長い花柄を伸ばし、花径3~5㎜と淡緑白色の4枚の花を咲かせます。 花はごく地味で小さいのですが、この後に直径3cmほどのほうずきのようにふくらんだ黄緑色のかわいい実を付けます。の開花時期は、7~9月頃で、実は8~10月頃につきます。
実について
直径3cmほどのほうずきのように膨らんだかわいい実も観賞用として楽しめる要素です。 実が熟してくると、実の中に膜に覆われた部屋が3つに仕切られており、それぞれに白のハート形の模様が入った黒い種が入っています。 熟した実の中から取れた種は、乾燥させた後、封筒などに入れて冷暗所で保存しておきます。
ふうせんかずらの種まきや苗植えについて
ふうせんかずらの種まきと発芽時期について
ふうせんかずらの発芽適温は、八重桜が咲くころ(4月中旬~5月上旬頃)に直播するか、ポリポットにまいて育てます。 種は皮が硬く、吸水しにくいので、一晩水につけておいた種を蒔くか、種皮に傷をつけてから蒔くと発芽がそろいやすくなります。 ポリポットに蒔くときは、9cmポットに2~3粒の種を1cmほどの深さに蒔き、たっぷりと水をやります。本葉4~5枚になったら目的の場所に植えます。 たっぷりと水をやり、日だまりの暖かい場所において管理します。 ポットに根が周ったころ、畑やプランターに植え替えます
ふうせんかずらの土作りについて
ふうせんかずらの土作りについてですが、市販の野菜や花用の培養土を使うか、赤玉土6:腐葉土4を混ぜた土を用いて植え付けます。 日当たりと水はけのよい場所に1㎡あたり完熟堆肥を約3㎏、化成肥料を約50g(約2握り)をすき込み、株間約30cmで植え付けます。 プランターに植え付ける場合ですが、プランターの容量にもよりますが、苗の株間を詰めて2~3株植えると、土の量が少ないので、水切れが起きやすくなります。 緑のカーテンを作るときは株間を詰めないと遮光できませんから、その場合は10号鉢(直径30cm以上の鉢)に苗を1つか2つ植える程度にすると生長も良くなります。
ふうせんかずらの葉は「摘心」で増やす!
苗の手入れについて(摘心)
ふうせんかずらは気温の上昇とともに、ぐんぐん生長していくので早めに支柱を立てて、つるをからませる準備をしておきます。 ふうせんかずらの摘心についてですが、本葉が5~7枚に生長したら、「摘心(てきしん)」を行います。 フェンスやトレリスに絡ませるのもよいです。鉢植えにする場合はアサガオによく使うあんどん支柱を使うと場所もあまりとらないですし、見栄えもよくなります。 ある程度伸びてきたら、芽先を摘み取ります。これを摘心といいます。このように摘心をするとワキから新たに芽が出てきて、葉が良く茂るようになります。
ふうせんかずらの支柱の立て方と誘引について
ふうせんかずらは計画的につるを誘引していかなければ、見栄えがきれいでなくなります。 生長前に、支柱だけでなくツルを絡ませるようにネットを張ったり、支柱にひもを絡めてツルが絡みやすくなる工夫をします。 また生長がはやいために、行灯仕立ての支柱は手間がかかりますので、絡みつこうと伸ばすひげが短いために支柱の太さは短いものでないと絡みつきません。
ふうせんかずらの病害虫は?
ハダニに注意
フウセンカズラにはハダニが発生することがあり、ハダニが大量に発生すると、葉のつやがなくなる症状が見られます。 乾燥時には葉裏に葉水をするなど予防するように努めましょう。ハダニはハダニにも適用する殺虫剤を使うのが有効です。
肥料や水やりについて
土が乾いてきたら水やり
フウセンカズラの水やりですが、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをします。日中に水やりをすると、蒸発して蒸れやすくなってしまうので、朝や夕方などの涼しい時間帯に与えるようにします。夏場で気温が高い日は、早朝と夕方の2回水やりをすることが必要になることもあります。土の乾燥具合を見て判断するようにします。
肥料の与え方について
フウセンカズラに肥料を与える場合は、1~2週間に1度液体肥料を与えるか、1~2か月に1度緩効性の粒状肥料を与えると元気に育ちます。 ただ、窒素の多い肥料ばかりを与えていると葉が茂り過ぎて実を落とす原因となるので、リン酸やカリウムなどもバランスよく含まれている配合肥料を月に1度株元に置き肥として施すようにします。
実と種の収穫について
フウセンカズラは、種まきで数を増やします。寒さに弱いので、気温が下がって実が茶色くなってきたら、実をとって、中から種を取り出しましょう。1つの実には3つ種が入っており、多いときは1株から200個ほどの種が採取できます。採取した種は、乾燥させて茶封筒に入れて、冷暗所で保存すれば、次の年にまた植え付けて楽しむことができますよ。
緑のカーテンにもおすすめのふうせんかずら
いかがでしたか?見た目もユニークで、種の模様がかわいらしいふうせんかずらはさわやかな黄緑色の葉で、大人の観賞用としてはもちろん、子どもも喜ぶ魅力的な要素が感じられますよね。 初心者の方でも手をかけず育つ植物ですし、お子さんにも水やりや肥料をあげることができますので、ぜひ一緒に育ててみましょう。