山コンって?
最近、耳にするようになった「山コン」。気になっている方もいるのではないでしょうか。 「山コン」とは、登山や山好きな男性・女性が集まって登山をしたり、簡単な山へ行って登山仲間を増やすイベントのことを言います。もっと言うと、街コンのフィールドが山になったと考えればわかりやすいでしょうか。 今回は、筆者が実際に山コンに参加した経験から、山コンの魅力に迫っていこうと思います。
山コンの魅力その1 初心者も安心!
「登山をしてみたいけど、いきなりじゃ何から準備をしていいかわからないし、一人だと不安……」 そんな方にぴったりなのが山コンです。山コンはそのイベント内容や開催する団体にもよりますが、初心者を対象として間口を広く受け付けているものがほとんどです。「登山をしたこともないし体力もないし……」という女性でも安心して参加できるものもありますよ。 また、初めての登山だと登山届の書き方などわからないことも多いと思いますが、登山届をイベント開催者があらかじめ作っておいてくれ、そこに名前や住所を書くだけで済む場合も多いです。詳しくはイベント開催者に聞いてみてください。
山コンの魅力その2 経験者も楽しめる!
もちろん、山コンのターゲットは初心者だけではありません。経験者が参加する価値はたくさんあるんです。 登山経験が長い方にとって、初心者との登山はしばらくしていない……という方も多いと思います。また、普段は単独登山が多いという方にとっては、パーティーを組んでの登山は久し振り、ということもあるかもしれません。 普段一緒に山に行かないメンバーかつ、自分よりも経験の浅い人と登山をするということは、自分が見落としがちな山の危険性や、つい慣れでおろそかにしがちな安全対策などに再び目を向ける機会になります。 また、初心者の人たちから尊敬のまなざしで見られるため、普段ストイックに登山している方も新鮮な気持ちになれると思います。自分はまだまだ初心者だと思っている方も、実はちゃんと成長できていたんだと感じられるなど、精神面でプラスになる経験が出来ますよ。
山コンの魅力その3 普段行かない場所へ行ける
経験者の方は普段どこの山に登っていますか? 3000m級の方もいれば、鎖場を攻める方、百名山制覇に勤しむ方など、様々だと思います。 しかし、山コンは初心者歓迎イベント。男性と女性の間の交流をメインとする趣旨から、そんなに難しい山へは行きません。経験者用の山コンでは泊まりがけの縦走イベントもありますが、基本は日帰りで、数時間で終えられるような内容になっていることがほとんどです。 そのため、普段は行かないような山へ行くことができるというのも山コンの魅力だと言えるでしょう。
山コンの魅力その4 仲間が増える
山コンは初対面の男性と女性の交流を促進するイベントです。そのため、登山仲間を増やすことが出来るんです。 それはもちろん、男性にとって女性、女性にとって男性の山好き仲間が増えるだけではありません。同性の仲間を増やせるというのも山コンの魅力です。 普段一緒に登っている登山仲間との予定が合わなくなってきた、という方も、普段は単独登山ばかり、と言う方も、山コンをきっかけに新たに仲間を増やしてみてはいかがでしょうか。 イベント開催団体が地元密着型なら、その団体の活動・交流場所もある程度特定されると思います。山コンをきっかけにそういった山好きが集まる団体に入ってみるのも良いかもしれません。
山コンの魅力その5 行動予定の悩みゼロ!
登山をする場合、どの山に登って、どこに寄るか、また、往復の交通手段など、考えることがたくさんありますよね。 しかし、山コンの場合はそういった悩みは一切不要です。イベント開催団体が往復の交通手段から行動予定まで全て準備してくれる、それが山コンの魅力。 イベントにもよりますが、大きめの駅などの集合場所で待ち合わせをしてバスなどで現地に向かい、登山を開始するというパターンが多いです。初心者を想定して予定が組んであるので、帰りの時間などを気にせず気楽に行動できるというのも魅力だと言えるでしょう。
山コンの魅力6 豊富なイベント企画
最近の山コンは単に登山だけで終わりではありません。温泉に入れたり、地元の名産品を食べられたり、場合によってはそば打ち体験や味覚狩りなどの体験イベントもあるんです。 山好きな女性に限らず、女性にとって味覚狩りや温泉はかなりポイントが高いはず。また、男性でも、普段参加しないような体験イベントに参加することで新たな発見が得られることでしょう。 自分で計画をたてるときは絶対に予定に入れないようなイベントがセットでついてくる分、行ったことのある山でも新鮮な気持ちで楽しむことが出来るのが山コンの魅力の一つなんですよ。
山コンの魅力7 恋の芽生えも……?
ここまで、山コンは初対面の男女でパーティーを組んで登山をするイベント、という紹介の仕方をしてきました。でも、山コンだって「○○コン」の一つです。 そのため、山コンに恋と出会いを求めて参加する女性もいる、ということなんです。最近では「山ガール」など登山好きな女性が増えてきましたが、山登りをする女性はまだまだ少ないのも現状です。 そのせいか、誰かと山に登りたいけれど仲間がいないから仕方なく単独登山をしているという女性も多いんです。山仲間が欲しい、でもあまり親しくない男性と山に登るのはちょっと……という女性にとって、「山好きな男性が恋人だったらいいのに」という願いは共通の願望でもあります。 そういった女性と、山好きの男性をマッチングさせるのが山コンの存在意義の一つだと言えるでしょう。 また、山コンには近年の山ブームで「一度山に登ってみたいな」と興味をもった山初心者の女性も参加します。そういった女性にとって、山に詳しい男性は憧れの対象です。経験者の男性にとっては腕の見せ所と言えるでしょう。 もちろん、登山初心者の男性にとっても、山コンは恋の始まりの場所となりえます。山初心者の女性とは山に興味を持った初心者仲間として、山以外の趣味でも話が盛り上がることでしょう。また、山経験者の女性とは一緒に高め合える仲間として、交流を深められるはずですよ。
山コンの謎! どこで申し込めばいいの?
ここまで、ざっくりと山コンの魅力をご紹介してきました。山コンに行ってみようかな、とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そんな山コンビギナーの方でも今すぐ申し込めるよう、山コンを開催しているサイトを以下にご紹介します。
街コン
お見合い・カップリングパーティーを一躍有名にした「街コン」。その「街コン」が山コンの開催もしているんです。 開催場所は鎌倉や高尾山、長野や神奈川の滝など、関東エリアでのイベント開催が多いものの、関西や中部エリアでの開催もあります。 参加費は男性5000円前後、女性3000円前後です。昼軽食つきの場合もありますよ。
山コン!(山コン運営委員会)
「山コン!」は「人生を共に縦走できるパートナーを見つける!」をキャッチコピーとした、アウトドアでの体験、経験の共有を通じての、恋人、パートナー、生涯の伴侶を見つけるための企画イベントです。 参加費は男性4500円程度、女性3000円程度です。参加年齢は27~45歳(多少の前後OK)で、20代限定イベントや30~40代中心イベントも開催されています。 開催場所は高尾山など関東エリア中心となっており、少人数型イベントなのが特徴です。参加人数が少なければその分メンバー同士の交流が密になる傾向があるので、人見知りぎみの方でも安心して参加できそうです。
「結びつく」筑波山縁結び(婚活)登山
筑波山ケーブルカー&ロープウェイのwebサイトで募集される「結びつく」。これは筑波山で開催される、縁結び(婚活)登山・ハイキングのイベントです。 対象年齢は30~45歳で、参加費は男性4500円、女性4000円ほどです。男性女性各25名の計50名で開催されるため、参加人数は多め。高校時代の遠足を思い出すような、そんな楽しいイベントとなっています。 また、登山ルートとしても、トレッキングシューズではないスニーカーでも行動できるような初心者向けのルートなので、楽しく参加することが出来ます。
ベストパートナー
「ベストパートナー」は山コン以外にもボルダリングコンやフットサルコンなど、アウトドア系のイベントや、ワイン会などのカップリングパーティーを多く開催している団体です。 ベストパートナーの山コンは、トレッキングは関東中心に、ハイキングまで範囲を広げると関西でも開催されています。開催場所は高尾山や鎌倉アルプス、嵐山など、初心者にもやさしい場所となっています。 対象年齢は20代から40代で、イベントによって30代~40代限定などもあります。参加費は男性4500円、女性3000円ほどです。 観光ロゲイニングコンも開催しているので、普段行かない場所を地図とコンパス片手に動き回りたい、という場合にはロゲイニングも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
社会人登山サークルNewDay
「社会人登山サークルNewDay」は山好きな人のための社会人サークルです。登山、ハイキング、ランニングなど、様々な交流イベントが開催されているのが特徴です。 経験者、初心者を問わず、登山を通じて恋活・婚活・友達作りをしたい人を対象としており、無料会員登録をすることでイベントに参加することが可能となっています。 開催場所は関東、関西、東海で、山コンの中では珍しく東海エリアでもイベント開催されているのが特徴です。東海エリアでの開催場所は、養老山、東谷山などで、他にも水族館や科学館といった山好きな人が仲間を増やすためのイベントも開催されています。 参加費は男性3500円、女性1000円ほどですが、イベントによって参加費が変わるため気になる方は一度webサイトを見てみてください。
山コン参加レポ
山コンの魅力もわかったし、山コンの申し込み方もわかった、でも、それだけじゃわからない部分も多いですよね。たとえば、実際の参加年齢層や交流イベントなどは、山コンの参加者募集サイトや予定表には書かれていないと思います。 そこで、ここからは筆者が山コンに参加した体験から、実際の参加者の雰囲気や交流方法、具体的なオススメポイントをご紹介したいと思います。なお、イベントや開催団体によって内容が異なることにご留意ください。
集合から登山開始まで
筆者が参加した山コンでは、各自で集合場所に集まったのち、イベント用に手配された観光バスに乗り込んでイベントがスタートしました。 バスに乗り込む際の受付で、身分証明書や振込証明書の確認がされます。筆者はあらかじめ参加費を振り込んでいたのですが、現地での支払いも可能でした。 そして、受付時に渡される番号にそってバスの座席に座ります。座席にはプロフィールカードやイベント参加者であることを示すためのバッチが置いてあります。バッチをザックにつけたり、プロフィールカードに名前やアピールポイントを書いているうちにバスが出発しました。 バスの中では、注意事項や行動予定、プロフィールカードの説明があります。プロフィールカードは使わなくてもいいけれど、書いておくと自己紹介が楽になるアイテムのようです。 隣の席の異性と話をしているうちに、登山開始場所に到着します。
いざ登山
バスを降りると、主催者からグループ分けがされます。ここでやっと他の参加者を確認することができたのですが、このイベントの参加対象年齢が26~49歳のところ、男性は35~48歳でボリュームゾーン41歳、女性は26~47歳でボリュームゾーン33歳でした。 グループ分けは男性3人、女性3人。途中の休憩場所でグループ替えがある旨の説明がされ、いざ登山スタートです。 グループの中で自己紹介をするのですが、さすが山コンだけあって、最近どんな山を登ったのかや、登山歴などの紹介が多いです。やはりみんな登山好きなだけあって、色んな山に登っている方が多い印象です。富士山経験者もかなり多かったです。 さて、実際、歩き始めてみるとグループ分けした意味があったのだろうか……といった様子で、数十人パーティーで歩いている、という感じに近くなります。グループ内で、速度が遅めの女性に合わせたり、疲れやすい女性に合わせて小休止を入れたりはするのですが、他のグループと大きく離れることはなかった印象です。 歩きながら、グループのメンバーから、これまで登った山の話やスマホの写真、自分で撮ったというライチョウの動画を見せてもらったりしました。女性参加者から見せてもらう写真は鳥や高山植物の写真が多かったですが、男性参加者から見せてもらう写真は風景写真が多かったです。同じ山好きでも性別によって視点が違うのだろうなあと感じた瞬間でした。 定期的にイベント主催者が設定したポイントで休憩を取りつつ、グループ替えもしつつ、お菓子を交換したりしながら楽しい登山になりました。
これでモテる?!ポイント 男性編
10分くらいごとにグループの女性メンバーに体調を聞いている男性は印象が良かったようです。特に登山が初めてで、お散歩感覚で参加した女性にとって、山コンは予想より少しハードなようです。そこで、適宜調子を聞いたり、イベントの休憩とは別に小休止の提案ができる男性はデキる男、といった感じがしました。 他にも、小休止や休憩時に飴やチョコレートを差し出したり、女性に水をわけたり、女性の鞄のペットボトルを一部自分のザックで預かったりしている男性は女性陣から高評価でした。とにかく山では気遣いをする力がものを言うようです。
これでモテる?!ポイント 女性編
男性としては、山コンに来る女性というと多少なりとも登山好きで、登山経験がある女性、というイメージで来ています。しかし、実際は登山が本当に初めて、という女性が参加していることで、男性としては少し戸惑う面も多いです。 そのため、疲れても少し頑張って歩き続けてくれる女性や、少しでも頭痛や吐き気がした場合にすぐに教えてくれる女性は有難いと感じました。 また、山の話を笑顔で聞いてくれる女性も素敵だなあと思いました。休憩時間にお菓子をつまむ際、ウエットティッシュを持参している女性は気配りができる女性と言った感じで、さらにごみを回収してくれると、印象が良かったです。
解散・その後(実際に出会いはあったのか)
途中で軽食を挟んだりし、その間に男女問わず連絡先交換をしたり、解散間際に主催者が連絡先を書いたカードを他の参加者に仲介してくれる場面がありました。 今回の山コンで知り合った異性と夕飯へ行くことになったので、まずは食事から、ゆくゆくは一緒に登山が出来ると面白そうだなあと思っています。
まとめ
いかがでしたか。山コンには普段の登山ではない出会いや楽しみがたくさんあります。 あなたも山コンに参加して、新たな出会いを掴んでみてはいかがでしょうか。