検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

ピラカンサとは?種類や剪定などの育て方をご紹介

生け垣や鉢植えとして栽培される常緑低木のピラカンサ。観賞用としても価値が高いです。 日本ではトキワサンザシ、タチバナモドキ、カザンデマリの3種類が多く栽培されています。 今回はこのピラカンサの育て方や挿し木の仕方、剪定などについてご紹介いたします。
2020年8月27日
printemps117
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

目次

花と実が美しいピラカンサ

ピラカンサは盆栽としても楽しめる、花も実も美しい植物です。10月~11月ころ、熟した赤い実をつけ、緑の葉のコントラストがよく似合います。 病気にも強く、栽培場所も選まず、手間のかからないピラカンサスですが、とげがあるので触るときは気を付けましょう。 これからご紹介する育て方を知って栽培も、盆栽など観賞用としても楽しみましょう。

種類も豊富なピラカンサ

ピラカンサの主な品種としては、「ハーレクイン」や「モハベ」、「ヒマラヤピラカンサ」、「トキワサンザシ」、「タチバナモドキ」などがあります。 実の色が違ったり、葉の作りや模様が異なっていたりします。

ピラカンサの花

ピラカンサの花は、白い5弁の小花が鞠のように集まって咲くのが特徴です。 毎年5月~6月頃にまとまった花をつけます。 ほとんど自家受精するので、花の数だけ結実します。開花中は花に直接水がかからないよう気を付けましょう。

ピラカンサの実


ピラカンサには、主に「トキワサンザシ」と「タチバナモドキ」という種類がありますが、トキワサンザシは鮮やかな赤い実が、タチバナモドキは黄~オレンジ色の実がなります。 どちらも実の観賞時期は秋~冬の間なので、この時期には両種を寄せ植えにしたり、枝を接いで2色の実を楽しむように作られた鉢植えもよく見かけられます。 遅くまで実をつけていても、樹勢が落ちないですが、小さい樹ほど力の消耗が大きいので、遅くとも年が明けたら摘果して樹を休ませるようにしましょう。

ピラカンサの幹・枝

ピラカンサの幹は古くなるととても固くなります。そこで無理に曲げると折れたり、そこから枯れこむことがあるので、針金かけなどをして形を作る場合は若い枝で行うようにします。 ピラカンサにはとげのある枝とない枝があり、とげのある短くて充実した枝に花芽がつきます。 剪定の時は、とげの出ない徒長枝を短く切り詰めますがとげのある枝まで切り落としてしまわないように注意しましょう。

ピラカンサの育て方ポイント

日当たりのよい場所で栽培する

ピラカンサは、日当たりのいい場所に植えておくと、あとは肥料をたまにやるぐらいで基本的に放任状態で問題ありません。 ただしほったらかし過ぎると樹形が悪くなってしまいますので、適度に観察しながら切り戻しを行います。 翌年の花芽は、実がなっているときにもつくため、切り戻しの適期というものはありません。

肥料の与え方について

ピラカンサは肥料を好む樹種なので、開花から結実までの間と梅雨から夏場以外にかけてはしっかりと施すようにしてください。 4月頃から梅雨入りまでに月1回程度肥料を与え、夏場は一時中止します。またそこから8月~10月頃まではしっかりと秋肥を与えてください。 肥料は油かすに骨粉(リン酸分)を3割くらい混ぜたものを与えると実がよくなります。 肥料過多による害はあまりありませんが、結実しても実が肥大しはじめたのを確認してから肥料を与えるようにしましょう。 肥料の量の目安としては、庭植えの株には、寒肥として2月下旬~3月上旬に、粒状肥料を1m²当たり150g、株元にばらまくようにして与えます。 鉢植えでは寒肥以外にも、開花後の6月中旬~下旬にも、用土1ℓ当たり5gの粒状肥料を株元にばらまきます。 春と秋に盆栽用の固形肥料を根本に与えるのもおすすめです。


水やりの方法と頻度について

ピラカンサは水を好みますが、乾きにも強いので普通の潅水で構いません。 新芽の伸びを抑えるには潅水を控えめにし、開花から結実までの間は特に水切れしないように注意してください。 花に水がかかると花粉が流れて傷んでしまいますので、開花中は花に水がかからないように注意しましょう。 水やりの頻度ですが、春の芽出し頃は1日1~2回、夏は1日2~3回、冬は2~3回に1回を目安に、表の土が乾いたら株元にたっぷり潅水します。 また庭植えの場合は、植えつけた直後に根付くまで水をやりますが、それ以降は雨水だけでも十分事足ります。 鉢植えの場合は、土が乾いていたら水をしっかりとやりますが、乾燥しすぎると花つきと実つきが悪くなるので注意が必要です。

植えつけについて

ピラカンサの植えつけは、寒さが終わって根の生育が始まってから、新芽が伸び始める前の3~4月または10月~11月が適期です。 庭植えは、根鉢の2倍以上の植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や完熟堆肥などを混合したものを使い、軽く根をほぐしながら深植えしないように植え付けます。 鉢植えは2年に1回を目安に、根を1/3ほど整理してから一回り大きな鉢に植え替えるようにします。 水はけがよく、腐植質に富んだ土壌を好むので、小粒の赤玉土と腐葉土を3:1で混合した用土などを用います。 植えかえ時には、鉢と株のバランスも考え、伸びすぎた枝を切り詰めます。

挿し木でも増やせるピラカンサ

ピラカンサは挿し木でも増やすことができます。 挿し木をする場合はその年の6月~7月に伸びて硬くなった枝を挿し穂として使います。挿し穂は1番下の葉を取り除いてから1時間ほど水揚げをしてから、切り口に植物成長調整剤を薄くまぶして鹿沼土や小粒の赤玉土などに挿します。 土が乾かないようにこまめに水やりをして管理すれば、秋ごろ発根し、根付きます。

種まきもできます。

ピラカンサは熟した実から種まきして増やすこともできます。種まきする際は、秋に熟した果実を採取し、果肉を洗い流してから蒔きます。 もし冬に発芽した場合は、鉢や箱を雨風の当たらない無暖房の室内に置き、春に鉢上げします。 屋外に置いて育てる場合は、春に発芽します。 春の種まきの際は、果肉をきれいに洗い流したあと、種を乾燥させないようにファスナーつきのビニール袋など密封性のある袋に入れた上で、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

ピラカンサの剪定について


ピラカンサは放置しておくと、四方八方に枝を伸ばします。それだけですといいのですが、ピラカンサにはとげがあり、そのままにしておくと伸びた枝にひっかかったりしてけがをする恐れがあります。また自分だけならいいのですが、隣家の境界線を越えて伸びてしまった場合や道路に面して生えている場合は、まめに剪定をしないと、事故につながる恐れもあります。 ピラカンサの特徴として、勢いよく伸びた枝には花をつけず、先端がとげとげした短い枝に花芽をつけるにで、この短い枝を定期的に切って整えます。短い枝を切ると花芽も落ちますので、花芽の数を確認しながら適宜切り落としていきます。 ちなみに花芽は10月頃にも作られます。実や花をしっかりとつけたいならば8月までに剪定を終わらせましょう。 邪魔なら10月以降も剪定して構いません。ピラカンサスは刈り込みすぎて枯れたり実がつきにくくなる植物ではなく、簡単に実を付けます。

必要であれば強剪定も

ピラカンサはよく芽吹くので、これ以上株を大きくしたくない場合や生け垣に仕立てる際は、強剪定を行う必要もあります。徒長した枝もよくのびるので、見つけ次第枝の基部から切り除きます。

針金かけ

ピラカンサは立ち性の性質があり、枝が立つようにして伸びがちです。整った樹形を作るには針金で枝を下げたり、曲線を付けるようにすると全体が整います。 ピラカンサの枝は比較的硬く、太くなってからですとなかなか癖がつきません。幹模様は苗木の幹がまだ細いうちから曲げて形にしておく必要があります。 このような針金かけの適期は花後5月~6月で若い枝に針金をかけます。 また無理に曲げようとすると枝が折れる原因になるので、もとの姿を自然に生かして上手にひっかけましょう。 枝は太りやすく、すぐに針金が食い込みやすいので2~3か月ぐらいの頻度で外して取り替えるようにします。

盆栽としても楽しめるピラカンサ

ピラカンサスは挿し木から盆栽として小さくまとめて育てて楽しむ方法もあります。 その際も肥料や、水やりなども通常栽培と同じようにおこないましょう。 花や鮮やかな実を見て楽しんでみてください。