パロマーノットとは
フックとラインを結ぶ結び方や、 スナップとラインを結ぶ結び方には 様々な結び方があります。 今回紹介するのはそんなラインの 結び方でも特に簡単でかつ、強力な 結び方の一つパロマーノットを ご紹介したいと思います。
パロマーノットの用途
パロマーノットの用途は主に 糸と糸を結ぶのではなく、 ラインとルアー等を結ぶために 使われるノットです。 クリンチノットやユニノットに 並ぶ汎用性を持っているので ラインとフックやルアーなどを 結ぶ釣りならバスフィッシングから オフショアジギングまで幅広い 釣りで活躍するノットです。 ただ結び方の特性上、仕掛けの最後に 結ぶのに一番適しているので、仕掛けの 途中にあるサルカンなどを結ぶには あまり向ていないノットでもあります。
パロマーノットの特徴
パロマーノットの特徴は何と言っても その結びやすさとそれに似合わない 強度の強さです。 後程詳しく結び方について詳しく解説 しますが、他の有名なノットである クリンチノットやユニノットと さほど変わらない手間で、この二つの ノットよりもさらに強度のある結び目を 作ることが出来るので、大物と 相手をすることもある海での ジギングなどでも活躍する強力な ノットです。
パロマーノットのメリットとデメリット
パロマーノットのメリット
パロマーノットのメリットは 何と言っても接続強度の信頼感が 抜群に高い事。 結束強度とは簡単に説明すると、 読んで字のごとくラインの結束 した部分の強度の事で、おおよそ ほとんどのノットは結び目が 本来のラインの強度より弱くなって しまうため、結び目がラインの 本来の強度の何%までの強度を 発揮できるのかを数値化したものです。 パローマノットはこの結束強度を 調べる為に、フロロカーボン30ポンド のラインでどこまで結び目が過重に 耐えれるかを検証した実験で、 ラインの耐えれる荷重限界まで 結び目が耐えたという 実験結果が出るくらいまで強力な ノットです。 そしてそれでいて結びやすいのも 特徴の一つ。筆者が結んだ所 大体1分から2分かからずに結ぶ 事が可能でした。
パロマーノットのデメリット
一見無敵に見えるパロマー ノットですか多少の弱点も 存在します。 まず第一に、ラインアイに 2本の糸を通すことになるので それなりの太さのラインを 使う時は結ぶ側のアイが 十分に大きくなければ 糸が通しにくく、結びにくく なってしまいます。 また、長い又は大きいルアー。 例えばジギングに使うメタル ジグなどを結ぶときには、 あらかじめ気を付けて 工夫しておかないと 結ぶのが困難になってしまう のも欠点の一つです。 そして最大の欠点は 結び方がきちんとしていないと 本来の強度を出すことが 出来ないこと。 きちんと結ばなければ クリンチノットやユニノットと 変わらない強度の結び方に なってしまいます。
パロマーノットの結び方
ではここから実際にパロマーノットの 結び方を6つのステップに分けて 紹介していきます。 結び方自体は複雑な結び方が 必要ではない非常に簡単なノット なのでどなたでもすぐに覚える ことが出来るはずです。
1/6:ラインを2つ折りにしてアイに通す
まず初めにラインを二つ折りにして 上の写真の様にアイに通します。 この時、折るラインの長さは大体 結ぶ対象物の長さの2倍から3倍が 目安。短くても出来なくはないですが、 慣れないうちは後々の作業がやりにくく なってしまうので、ラインが もったいないかもしれませんが、 長めにラインを確保しておくことが おすすめです。
2/6:アイを潜らせたラインで軽く結ぶ
アイにラインをくぐらせたらラインを 折り返して画像の様に軽く 結びます。この時なるべく二つに折った 側のラインが結ぶ対象のルアーや フックよりも長くなるように結んでください。
3/6:二つ折り側のラインにルアー等を潜らせる
軽く結び終わった後は二つ折りに した側のラインにルアーやフック などの結びたい対象物を潜らせます。 この時先ほど軽くラインを結んだ時に 二つ折りにした側のラインが短いと ラインにルアーを潜らせることが やりづらくなってしまったり、 そもそもラインを潜らせる事が 出来なくなります。 小さいフックや小型のルアーなら 多少無理をして潜らせることも できますが、パロマ―ノットは 強度のある結び方なので大型の ジギングルアー等にも使う事があります。 しっかりとラインの長さを確保して おくことが上手く結ぶコツの一つです。
4/6:潜らせたラインを折りかえす
二つ折にしたラインをルアーなどの 結びたい物に潜らせ終わったら、 二つ折りにしたラインを始めに ゆるく結んだ結び目側に折り返します。 その後ラインを引っ張ってあらかじめ 二つ折りにした側のラインの輪を 結び目を引っ張って小さくしておくと 後々の作業で結び目の仕上がりが 綺麗になりやすくます。
この時最も注意して欲しいのは 上の写真で黒く丸をした部分の 2本のラインがクロスしたり ヨレていたりしない様に注意すること。 ここのラインがきれいに平行に 並んでいるかいないかで、 最終的に結びあがったノットの 強度に差が出てきます。
5/6:ラインを引っ張ってゆっくり締めあげる
最後になるべくメインライン側ではなく 余って後で切ってしまうライン側を 引っ張ってゆっくりと結び目を 絞めていきます。 この時なぜ余り側のラインを引っ張る 様にするかというと、あまりメイン ライン側を強く引っ張ってしますと 型がついてヨレてしまい、きれいに 仕上がらないことがあるからです。 出来る限り余り側のラインを引っ張れば 型がついて結び目が汚くなることは ありません。 また、結ぶ際にあらかじめ結び目を 水やつばで湿らせておけば摩擦に よるラインの劣化を防ぐことが 出来るので、より結び目に強度が 出ます。
6/6:余ったラインをカットする
最後に余ったラインをカットすれば パロマーノットの完成です。 このままでも十分強度のあるノット ですが、更にラインのすっぽ抜け などの対策をする場合は、余った ラインを切った部分をライターで 軽くあぶってラインを溶かし、こぶを 作ってすっぽ抜けにより強くしたり、 余ったラインを切る前に、一度 余ったラインでハーフヒッチを 結んで更に結び目の強度を増す テクニックもあります。
パロマーノットの落とし穴
パローマノットは簡単で非常に 強力なノットですがきちんと 結ぶことが出来なければその力 を十分に発揮することが出来ず 強度にムラが出てしまうノット でもあります。 パローマノットを結ぶうえで 気を付けなければいけない点は 一つ。「二つ折りにしたラインを 一つのラインとして扱う」という事です。 これはプロアングラーヒロ内藤氏が 言っていたことなのですが、この言葉が パロマ―ノットを綺麗に100%の強度を 持って結ぶコツであると思います。
パロマ―ノットを結んだ際のチェックポイント
パロマーノットを結び終わった後に 最も注目して欲しいのは 上の写真で丸で囲った部分。 ここのラインがきちんと平行に 並んでいるかどうかです。 きちんと平行になっていれば パロマーノットはその強度を 十全に発揮することが出来ますが、 もしこのラインが平行ではなく クロスしたりヨレていたりすると そこから余計な負荷がラインに 掛かってしまい、ノットの強度が ガクンと落ちてしまう事にも 繋がります。 パロマ―ノットを結んだ際には まずはこの部分のラインがきちんと 平行になっているか確認し、 もし平行になっていないようならば 失敗なので結びなおすようにしましょう。
簡単ながら奥の深いパロマーノット
以上でパロマーノットの解説は 終了です。 実際にご覧頂けたら分かったと思いますが、 パロマーノットは簡単な結び方では ありますが、その実100%の力を発揮 する完璧な結び方にするには ちょっとした注意とコツが必要な 結び方です。 かといってそんな難しく構える必要も ありません。多少失敗してもそれでも クリンチノットやユニノットよりも 強度はありますし、今回お伝えした 注意事項に気を付ければ強力な パロマーノットを結ぶことも 難しくはありません。 ぜひパロマーノットをマスター してより快適な釣りライフを 送ってください。