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ラベンダー 剪定編!時期や方法は?基礎から教える初心者向け剪定ガイド

初夏になると上品な香りを運んでくれるラベンダー。一度は育ててみたいハーブの一つです。 ただ、ラベンダーのきれいな花を毎年咲かせるには、「剪定」が必要です。今回は初心者の方でもわかるラベンダーの剪定方法についてご紹介いたします。
更新: 2021年5月24日
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ラベンダーは剪定が必要な植物!

初心者でも簡単!ラベンダーの剪定

「ハーブの女王」とも言われるラベンダーに憧れる方も多いと思います。ただ、育てるのが難しいというイメージもあります。 それは水はけや風通し、日当たりなど管理についてと今回ご紹介する剪定についてです。

ラベンダーは剪定をきちんとするかしないかで、花が咲いてもその後の成長具合が変わってきますし、剪定せずに放っておくと、株自体が弱りやすく最悪枯れてしまうこともあります。 剪定は花が咲き終わった頃から秋ごろまでがおすすめです。

これからラベンダーを育てるという初心者の方も、剪定方法をきちんと理解して、ラベンダーの株ができるだけ長く育つように手入れしましょう。

ラベンダーはなぜ剪定をしなければいけないのか?

ラベンダーはなぜ剪定が必要かということですが、まずはラベンダー初心者栽培の方にも知っていただきたい、ラベンダーの性質についてお話しいたします。 ラベンダーが苦手とするものに、蒸れや風通しの悪さ、夏の暑さなどがあります。 特に日本の本州から東北地方にかけては「梅雨」という季節があり、ラベンダーにとって育ちにくい時期と環境です。

その時期はラベンダーの開花時期と重なっていることもあり、ラベンダーの株に負担をかける季節になっています。

そして花を咲かせたままにすることで、なおさら株に負担をかけることになるので、花を咲かせたあとは、きちんと剪定してラベンダーの株への負担を減らし、枝を減らすことで風通しをよくし、夏を過ごすようにすると夏を乗り越えて秋も元気に育ちます。 ラベンダーは花が咲いているときはきちんと収穫を行い、その後剪定を行うようにしましょう。

ラベンダーの花の収穫時期について

花が咲き終わらないうちに収穫してもOK

開花がほぼ終ったラベンダー「はなもいわ」です。優しい雰囲気の種類ですが、北海道系のラベンダーの中でも、葉がフワフワとしていて過湿にやや弱い種類でもあります。 上でも述べたように、一番良いのは花がまだ終らないうちにきちんと収穫してドライフラワー等にして楽しむことです。

でも、せっかく咲いている花、ついそのままで楽しみたくて摘み取りが後回しになってしまいがちです。開花が梅雨の時期とも重なり、収穫のタイミングを逃してしまうこともよくあります。 この株も、花が終るまで咲かしてしまった状態です。このまま梅雨末期、そして夏を向かえさせるのはあまりにかわいそうです。

花の摘み取りは花が満開になるまで待ってもいいのか?

ラベンダーの花が開花し、満開になるのを待ってから花を摘み取るのは、株を守るという意味ではよくありません。 花は咲くときにため込んでいたエネルギーを一気に使いますが、同時に子孫を残すようにと種も作るので、株全体としては相当エネルギーを消費してしまうわけです。 そのため、すべての花が満開になるまで待っていると、株は開花後エネルギーをほとんど消耗し、疲れて弱ってしまいます。

こうなるとラベンダーにとってはとても致命的なことですし、ラベンダーの苦手とする花の時期が終わるころにやってくるじめじめした梅雨と高温多湿な夏に差し掛かるため、弱った株ではこのつらい時期を乗り越えることが難しくなってしまうのです。 ですから、ラベンダーの花は満開になる前につぼみが少し残っているぐらいで摘み取るのが適切です。

花が開花しきっていなくても香りは十分楽しめます。 ドライフラワーやポプリ、サシェなどにすれば長く楽しむことができるので、一度やってみてください。


ラベンダーの剪定目的と時期について

ラベンダーの剪定は花が咲き終わってから秋ごろまでがおすすめですが、目的や時期はいくつかありますのでご紹介いたします。 ラベンダーは剪定の方法や時期によって目的は違ってくるのでこれから下でご紹介する目的別にわけた剪定の方法と適した時期をご紹介します。

1.形を整えるため

ラベンダーは鉢やプランターなどで育てて1~2年たつと茎がさまざまな方向に伸びて樹形が崩れることがあります。 伸びすぎた茎が増えたり剪定を怠っているとこのように形が崩れることがあるので、ある時期になったら形を整えましょう。

形を整えるなら3月、または5月下旬~7月上旬、もしくは秋なら9月や12月の期間に伸びた分だけ、もしくは昨年以前の古い茎は茎の根元から切り取ります。

2.収穫量を増やすため

ラベンダーの栽培の楽しみである、花の収穫。花を摘み取る際は5月下旬~7月上旬の間がベストです。開花してすぐのほうが切り花にしたときの香りをより楽しめます。 収穫する時は、翌年も花を咲かせることができるように、ラベンダーの根元から4~6つほど節を残してその上を切り取るようにしましょう。

3.株全体の健康を維持するため

毎年茎が伸びるラベンダーは、2年も放っておくとラベンダーの根元が見えなくなるほど多数の茎を生やすので、これを放っておくと風通しが悪くなる上に日光が当たりにくくなります。 そうなると、害虫の被害に遭いやすくなったり、病気にかかったりして枯れてしまうことがあるので注意しましょう。

収穫と同じ5月下旬~7月上旬のタイミングで古い茎や伸びすぎたり、内側に向いた茎などを選んで、根元から2~3節残してその上を切り取るようにします。

ラベンダーの剪定方法には2つある

ラベンダーの剪定方法には、地域性や栽培方法などによってさまざまなやり方があり、剪定時期なども違ってきます。 初心者の方は、花が咲き終わり、株全体の生長が落ち着いた秋に剪定されることをおすすめいたします。

花の剪定

ラベンダーの剪定方法には大きく分けて2つあって、一つは花を剪定する方法、そしてもう一つは風通しを良くする枝を剪定することです。 花の剪定ですが、これは咲き終わった花を伸びた茎事剪定するだけ。剪定がめんどくさいという方や、剪定方法がよくわからないという方は、花だけでも切り落としておきます。

きちんと花を剪定するならば、花茎の下に新芽ができているところから少し上で切り取るようにします。 丁寧な剪定は根気がいりますが、慣れてくると簡単にできるようになります。


枝の剪定(地際の枝を剪定する)

さらに風通しを良くするには、枝を剪定する必要もあります。まずは、地面にぴったりとついているような枝から切り落としていきます。 土が細かく、雨が降ると泥はねがしやすい場所でもおこなっておきたい作業です。 地際の枝を剪定するときは、地面についているような枝を株元にちかいところから剪定すると、株元の風通しが良くなります。

枝の剪定(枝すかし)

地際の枝の剪定が終わったら、次に「枝すかし」といって、込み入った枝を減らす剪定をします。 これはなるべく枯れたような古い枝から減らし、株元近くから剪定するようにします。

剪定の目安ですが、とにかく「涼しそうに見える」であればOK。株元から小さな新芽が出ていてそれが残っているようであれば大丈夫です。 思い切って枯れた枝や古い枝を切り落としましょう。

初心者も覚えておきたい剪定の注意点

ラベンダーを剪定する際に、いくつかの注意点がありますので押さえておきましょう。

開花し終わった花や枯れた花をいつまでも放置しない

ラベンダーの花は開花した後そのまま放っていると、「エチレンガス」という果物を熟成させたりつぼみを咲かせたりするガスを生み出します。

このガスは途中で発生が止まるわけではないので、熟成した果物や花に作用すると、腐らせたり枯れた状態にしてしまう、いわば老化を引き起こしてしまうものなので、咲いた花をそのまま放置しておくと、株全体が枯れたり、その他悪影響を及ぼしたりする原因にもなりかねません。

ラベンダーは摘み取る前も摘んでからも香りが楽しめるので、花の状態に関わらず、きれいな状態であっても思い切って摘み取りましょう。

新芽の向きに注意して剪定を

ラベンダーの新芽は、葉の根元から生えてきます。この新芽の上の方で切れば株全体が枯れたりすることはまずありません。 また新芽は外を向いている新芽の上で切り取るようにしてください。

株の内側に生えている新芽をそのままにしておくと、それが生長したときに、内側でぶつかり合い、蒸れや日光不足になってしまいます。 そうなると剪定した手間や時間が台無しですよね。 特にラベンダー栽培初心者の方は、新芽は外側を優先して剪定することを覚えておきましょう。

剪定は秋ごろまでに終わらせておきましょう。

雪が降る地域で冬を迎えるなら、秋ごろまでに、遅くても12月に剪定をしておきましょう。ラベンダーは冬の剪定を苦手とするので冬越しをする場合は注意してください。

ベランダなど雪が積もる可能性のある場所に置く場合、剪定をしておかないと葉や茎に雪が乗って折れたりして放っておくと枯れてしまいます。 葉が込み合っていたり、伸びすぎた茎があれば早めに茎元や周りとバランスがよい高さで切りそろえておきましょう。

絶対やらなければいけない「強剪定」とは?

ここからは、ラベンダーを栽培するのに必ず必要な、「強剪定」についてです。強剪定とは、読んで字のごとく、強めで思い切ったお手入れをすることで、初夏に向けて株の形を整えたり新芽がでなくなった古い枝などをすべて切り落とすことです。

雪が多く積もる地域では、枝折れ防止のために秋のうちに済ませるのもいいですし、枝が折れることを前提に、雪が解けたあとにその折れた枝ごと剪定する方法もあります。


強剪定の方法について

「強剪定」の方法ですが、最終的には根元から2/3ほどの高さになるまでしっかりと刈り込むことを目的に枯れた枝や古い枝を切り落としていきます。 手順についてみていきますと 1.まず、土についている枝や近い枝を切り落とします。 2.古い枝を切り落とします。古い枝や太く木質化した枝から切り落とし、できるだけ根元まで刈り込みます。

新芽の少し上まで切り落とします。 3.全体をざっくりと剪定します。 新芽の上で切るということを意識すれば、それほど慎重にならなくてもかまいません。これまでの株の大きさから比べて半分の高さになるように切ってみましょう。 4.形を整えます。 高さをそろえて花の位置も同じになるよう仕立て上げます。

最終的には半円のドーム型になるようにすれば優しい印象の株に仕上がります。 強剪定後は枯れた木の根っこのように寂しい印象があるかもしれませんが、春が近づくにつれて、新芽がぐんぐん生長し、開花する頃には前年度よりも一回り大きな株になっています。

株がよりたくさん栄養を蓄えて次年度の花をたっぷり咲かせるには、この強剪定で思い切ってコンパクトに仕上げるのが重要なポイントです。

強剪定の頻度は定植後2~3年目ぐらいから

強剪定の頻度は、定植後2~3年目ぐらいから行い、その後はできれば毎年おこなうのがおすすめです。 特に夏の暑い季節は、放っておくとどんどん茎や枝が伸びて形が崩れがちですので、2年以上たつと、強剪定自体ができなくなってしまいます。 数年おきに強剪定をされることをおすすめします。

ラベンダーの花が咲かない。もしかして選定方法が悪い?

ラベンダーを育てていて、昨年よりラベンダーの花が少ないと感じたり、花が小さいと感じる経験があるかもしれません。 これは適切な剪定ができていないかもしれませんので、剪定の際は古い枝から切り取ることや余分な茎数を増やし過ぎないようにすることが重要なポイントです。

茎の数が多すぎると根から吸い上げる水が足りなくなり、花が咲きにくくなるので、適度に本数を減らすことで根への負担が少なくなります。

ラベンダーの剪定を覚えて毎年花を楽しもう!

ラベンダーは剪定がとっても重要だということ、お分かりいただけましたでしょうか。 毎年きれいな花を咲かせ、株を長く元気に育てるためにもめんどくさがらず、定期的な剪定を行いましょう。