磯釣りの魚1【グレ (メジナ)】
《釣り方は?》
グレのウキフカセ釣りは, 磯釣りで最もポピュラーな釣りの一つ
磯釣りで最もポピュラーな釣りの一つが、グレのウキフカセ釣りです。撒き餌を撒いて魚を寄せ、撒き餌が漂っている場所に、オキアミが付いた仕掛けを投入して、ウキでアタリを取る釣り方です。グレは「上物」と呼ばれ、表層から中層付近で捕食活動を行うことが多いため、魚のいるタナを正確に割り出し、撒き餌と仕掛けを立体的に確実に同調させることが、釣果のカギを握ります。尾長グレと口太グレの2種類を区別した場合、尾長グレの方が引きが強いのが特徴です。
グレ釣りは, スリルと奥深さが病み付きになる
グレは非常に遊泳能力の高い魚で、スリリングなファイトを楽しめます。特に、磯は障害物があちこちに点在しており、グレは障害物付近に逃げ込もうと、ものすごいパワーで鋭く突っ込むため、やり取りの際にはテクニックが求められるでしょう。加えてグレは、非常に賢い魚で、少しでもタナや撒き餌が合っていないとエサを喰いません。磯は外海に近く、変化に富むフィールドですので、釣り場の状況を的確に理解し、撒き餌や仕掛けの様々なテクニックを駆使して、仕掛けが入っている場所に、確実に撒き餌の集魚力を効かせるようにしなければならず、この奥深さが多くの釣り人の心を燃えさせているのです。
《仕掛けの基本構成と, 必要な道具は?》
<竿> 号数0.8 - 号数3号の長さ5m前後の磯竿 <リール> サイズ1700 - 3000番のレバーブレーキスピニングリール <道糸> 号数1.7 - 号数3号のナイロン製道糸 <ウキ止め糸, シモリ玉, フカセストッパー> 道糸に対応しているもの <ウキ> 浮力000号 - 浮力4Bの円錐ウキ <ハリス> 号数1.5 - 号数2.5号のフロロカーボン製ハリス <ハリ> 号数5 - 号数8号のグレ用ハリ <オモリ> 重量G4 - 重量4Bのガン玉オモリ
《仕掛けの作り方のポイントは?》
前述したように、グレのウキフカセ釣りでは、撒き餌と仕掛けの同調が最も重要です。磯で発生する複雑な潮流の中で、コントロールしやすいような仕掛けの作り方をしなければ、好釣果を望むことは不可能です。基本的には、フカセストッパーの形状やサイズ、ウキの浮力、オモリの重さや位置、ハリスの長さなどを工夫することで、仕掛けの動きが変わりますので、試行錯誤を重ねて、自分の釣り方のスタイルに合った仕掛けを見つけ出していきましょう。
磯釣りの魚2【チヌ (クロダイ)】
《釣り方は?》
グレと並ぶ磯釣りの好敵手は, ウキフカセ釣りや投げ込み釣りで狙う
チヌは、グレと並ぶ磯釣りの好敵手で、チヌ釣り専用の各種道具も多数販売されています。磯から狙うチヌ釣りでは、ウキフカセ釣りや投げ込み釣りが一般的です。チヌのウキフカセ釣りについては、基本はグレのウキフカセ釣りと同様であるものの、チヌのいるタナは完全な底である点、オキアミ以外の付けエサの出番も多い点、タナが深い故に、使用するウキやオモリも大型になる傾向がある点などに差異があります。投げ込み釣りについては、後述の根魚の項目をご覧ください。
60cm級の大型も夢ではないのが, 磯釣りならではの魅力
磯釣りで釣れるチヌの魅力は、何と言っても釣れるサイズの大きさです。磯釣りであれば、「トシナシ」 (成長しすぎて、年齢が分からないという意味)などと呼ばれる60cm級のチヌに高確率で出会えるチャンスがありますし、型だけではなく、好条件であれば想像以上の数釣りを楽しむことも可能です。ファイトも、グレのような走り回る俊敏さはないものの、粘りのあるトルクフルな引きが特徴です。グレのウキフカセ釣り用の各種道具の多くを流用できるため、冬はグレ、夏はチヌ (瀬戸内地域などでは、逆の場合もある)というように、季節によってターゲットを変えている釣り人も数多くいます。
《仕掛けの基本構成と, 必要な道具は?》
<竿> 号数0.8 - 号数2号の長さ5m前後の磯竿 <リール> サイズ1700 - 3000番のレバーブレーキスピニングリール <道糸> 号数1.7 - 号数2.5号のナイロン製道糸 <ウキ止め糸, シモリ玉, フカセストッパー> 道糸に対応しているもの <ウキ> 浮力000号 - 浮力4Bの円錐ウキ <ハリス> 号数1.5 - 号数2.0号のフロロカーボン製ハリス <ハリ> 号数0.8 - 号数5号のチヌ用ハリ <オモリ> 重量G4 - 重量4Bのガン玉オモリ
《仕掛けの作り方のポイントは?》
グレのウキフカセ釣りと同様、潮流へ乗せやすい仕掛けの作り方や、撒き餌と仕掛けの同調を最優先に考慮した仕掛けの作り方が重要ですが、チヌのウキフカセ釣りではそれらに加え、ハリの直上にオモリを取り付けるなどの、付けエサが底を離れないようにする工夫も必要です。チヌは、海底にベッタリと着いたエサへの反応が良く、逆にエサ取りの魚たちは、海底にベッタリと着いたエサへの反応が鈍いため、エサ取り対策にも効果的でしょう。
磯釣りの魚3【イシダイ】
《釣り方は?》
頑丈な仕掛けを使用した, 大胆な投げ込み釣りが主流
イシダイ釣りでは、その強烈な引きに耐えらえる頑丈な道具を使用した投げ込み釣りが、近年の主流となっています。というのも、最近は生息環境の悪化や乱獲が進み、竿の真下を狙う「南方宙釣り」と呼ばれる釣り方では、思うような釣果を望めない傾向があります。そのため、竿の真下だけではなく、沖に投げて広範囲を探ることができる投げ込み釣りが一般的になっています。
グルメな磯釣りの王者は, ファイトも強烈
イシダイの味覚は非常にグルメで、付けエサには、サザエやウニなどの高級海産物がふんだんに用いられます。場合によっては、ウニや貝類の殻を撒き餌として使用する場合もあり、まさに磯釣りの王者に挑むロマンあふれる釣りといったところです。普段高級なエサを口にしているからなのかは分かりませんが、磯釣りのターゲットの中でもトップクラスの強烈な引きで、不安定な姿勢でやり取りすると落水の危険があります。とはいえ、エサに対する警戒心も高く、イシダイ特有の「三段引き」と呼ばれる、徐々にエサを噛み砕いて喰い付く慎重さも持ち合わせているところも、興味深いですね。
《仕掛けの基本構成と, 必要な道具は?》
<竿> 負荷20 - 負荷30号の長さ5m前後のイシダイ竿 <リール> サイズ3000 - 4000番の両軸リール <道糸> 号数20 - 号数22号のナイロン製道糸 <スイベル> 号数1号 - 号数2/0号のコークスクリュースイベル <根ズレ防止ワイヤー, ハリス> 太さ36 - 太さ38番のワイヤー <スリーブ> ワイヤーに対応しているもの <ミツマタスイベル> 号数1号 - 号数2/0号のコークスクリューミツマタスイベル <ハリ> 号数15 - 号数17号のイシダイ用ハリ <捨て糸> 号数6 - 号数8号のナイロン製道糸 <オモリ> 号数20 - 号数30号の六角オモリ
《仕掛けの作り方のポイントは?》
イシダイはハリ掛かりすると、とてつもないパワーで根に突っ込むため、力ずくで障害物周りから引き離す必要があります。ですから、強引なやり取りをしても安心できる仕掛けの作り方が大切でしょう。また、イシダイの投げ込み釣りの仕掛けに用いられるワイヤー類やスイベル類は、非常に高価なものが多いので、釣行後は速やかに真水で洗浄し、陰干しするようにすれば、仕掛け以上にエサに資金を費やせるようになることも覚えておきたいものですね。
磯釣りの魚4【メバル類 (シロメバルが多い)】
《釣り方は?》
グレやチヌと同様に, ウキフカセ釣りで狙うことが多い
グレやチヌと同様に、磯釣りで狙うメバル釣りでは、ウキフカセ釣りが最適でしょう。グレやチヌよりも釣れる魚のサイズは小さいため、仕掛けに用いる道糸やハリスは細くなります。また撒き餌に関しては、使用する釣り方と使用しない釣り方がありますが、磯でのメバル釣りでは、安全上の関係で、メバルの活性が上がる暗い時間の釣りは困難なため、撒き餌を使用してメバルの活性を一時的に上げるようにした方が、釣果は伸びる傾向にあります。グレ釣りやチヌ釣りのような小難しさは無いので、磯釣り初心者でも容易に好釣果が期待できるでしょう。
磯釣りで釣れるメバルは, サイズが段違い
他の魚と同様、エサが豊富で魚の出入りが激しい磯で釣れるメバルは、どれも良型揃いです。特に磯場は岩や海藻など、メバルが容易に姿を隠せる障害物が豊富にあるわけですから、メバルたちにとっては、まさに最高のすみかと言えるでしょう。30cm級の尺メバルをコンスタントに釣りたいのであれば、磯釣りに限ります。
《仕掛けの基本構成と, 必要な道具は?》
<竿> 号数1 - 号数2号の長さ5m前後の磯竿 <リール> サイズ1700 - 2000番のスピニングリール <道糸> 号数1.7 - 号数2号のナイロン製道糸 <ウキ止め糸, シモリ玉, ストッパー付きゴム管, ゴム管> 道糸に対応しているもの <飛ばしウキ> 重量10g前後の飛ばしウキ <アタリウキ> 浮力B - 浮力3Bの棒アタリウキ <スイベル> 号数8号のスイベル <ハリス> 号数1.25 - 号数1.7号のフロロカーボン製ハリス <ハリ> 号数2 - 号数6号のチヌ用ハリ <オモリ> 重量B - 重量3Bのガン玉オモリ
《仕掛けの作り方のポイントは?》
ここでご紹介している二段ウキ仕掛けは、メバルのわずかなアタリも確実に捉えられる点や、小型のウキでも遠投が可能な点などのメリットが多い反面、キャスト時にトラブルが発生しやすいという難点があります。キャスト時のトラブルを避けるために、飛ばしウキは固定せずに、アタリウキの45cm上にストッパー付きゴム管を取り付けるように工夫しましょう。こうすることで、空中で仕掛けの姿勢が不安定になっても、飛ばしウキの中を道糸が行き来することで、トラブルの原因が自然に解消されるようになります。
磯釣りの魚5【根魚類 (アイナメやカサゴなど)】
アイナメ
カサゴ
ソイ類 (クロソイが多い)
《釣り方は?》
根掛かりの激しい磯釣りでは, 投げ込み釣りが最適
根魚類は、障害物の陰に隠れてジッとしていることが多く、どうしても海底付近の根掛かりが激しい場所での釣りとなります。ですから、頻繁にロストすることを想定したシンプルな仕掛けが特徴の投げ込み釣りが、磯での根魚狙いには適しているでしょう。投げ込み釣りは、撒き餌で魚を自分の目の前に寄せるのではなく、直接魚のすみかにエサを届ける釣り方なので、非常に効率が良く、魚にもエサの存在をアピールしやすいです。根魚類は非常に貪欲なので、目の前にエサが現れれば警戒することなく襲い掛かり、素早く元の場所に戻るので、磯釣り初心者でも簡単に魚を手にすることができます。
磯釣りでの投げ込み釣りでは, 様々な魚たちがお目見えする
磯で投げ込み釣りをすると、根魚類以外の魚も数多くお目見えします。例えばチヌ、メバル類、カレイ、アナゴ類などです。切り身エサを使用すれば、ヒラメや青物類、タイ類もターゲットとなります。仕掛けを揚げるまで、何が掛かっているか分からないのも、この釣りの醍醐味でしょう。
《仕掛けの基本構成と, 必要な道具は?》
<竿> 負荷25 - 負荷35号の長さ4m前後の投げ竿 <リール> サイズ4000 - 6000番の投げ釣り用スピニングリール <道糸> 号数6 - 号数8号のフロロカーボン製道糸 <オモリ> 号数20 - 号数30号の小判型中通し <クッションゴム> サイズ中サイズの固定ウキ仕掛け用ゴム管 <スイベル> 号数4号のスイベル <ハリス> 号数4 - 号数6号のフロロカーボン製ハリス <ハリ> 号数5 - 号数8号のチヌ用ハリ
《仕掛けの作り方のポイントは?》
障害物が多い磯釣りでの根魚狙いでは、なるべく根掛かりしづらくなるように、ハリスの長さは、状況が許す限り極力短くするなどの工夫が不可欠です。また根掛かりで仕掛けを失っても、すぐに新しい仕掛けに交換できるように、日頃から仕掛けの作り方を練習しておくことも大切かもしれませんね。
魚に合った仕掛けをチョイスしよう!
ここまで、ターゲットごとの仕掛けについて取り上げましたが、いかがでしたか。確かに磯は、魚が豊富にいる魚影の濃いフィールドと言えますが、ターゲットに合った最適な仕掛けで釣りをしなければ、魚は釣れません。仕掛けは、釣果に直結する最も重要な点の一つなのです。
※1 この画像の右側の仕掛けが、ここでご紹介している仕掛けです。 ※2 各種仕掛けアイテムの名称やサイズは、ここでご紹介している仕掛けと異なっている場合がありますが、基本的な仕掛けの構成は同じです。