水耕栽培始めてみない?
自宅に広いお庭がない、ベランダはあるけど、プランターを並べるとちょっと狭くなりそう…。その他、土を触ったり、虫を見るのが苦手という方で、家庭菜園がしたいという方におすすめの水耕栽培。
日当たりのよい窓辺があれば、そこに育ててみたい植物を水に挿しておくだけで、癒し空間のできあがり。 室内でも簡単で土などの汚れも気にならない水耕栽培。キッチンの窓辺やベランダの隅っこなどで今日から始めてみませんか?
どんな植物で水耕栽培ができるの?
スイセンやヒヤシンスなどの球根類の花
小学校の理科や生活科の時間にスイセンやヒヤシンスなどの球根を専用のガラス容器に入れて水だけで育てていたという体験はありませんか? あれが今流行りの水耕栽培の基本だと思うのですが、球根類は水と専用の肥料を与えて水中に根を伸ばすことで、時期が来たら花を咲かせることができます。
球根類の花ですと、スイセンやヒヤシンスなどの他、チューリップなども育てることができます。春先、日当たりのいい窓辺で色とりどりの花が咲き誇りますよ。
ハーブ類やサニーレタスなどの葉野菜
イマドキ流行りの水耕栽培というと、キッチンの窓際でミントやバジル、ルッコラ、クレソンなどのハーブ類やサニーレタスやカイワレなどの葉野菜が主流でしょうか。 ここで選ぶハーブ類や葉野菜にもポイントがあります。まずは水が好きな性質の植物であるということ。バジルやクレソンなどはその典型的な植物です。
ただ、バジルは適度な日当たりも必要なため、室内においても日当たりを確保できるかどうかが重要なポイントとなってきます。 ただ、ルッコラなど乾燥気味に育てる植物や野菜であっても水耕栽培で育てることができる植物はあります。
多肉植物
サボテンやその他エキゾチックな多肉植物も水耕栽培で育てることができます。多肉植物にも様々な種類があり、一つ一つ育て方も違いますが、肥料があまり必要ないなど、育てやすさもあります。 室内インテリアとしてもおしゃれで重宝される植物です。
イチゴやトマト
野菜として実がつくとワクワクする、収穫を楽しめる植物を育てたいという方におすすめです。特にイチゴはもともと水が大好きで水耕栽培でも育つのです。
ただ、イチゴもトマトもそうですが水と肥料を与えるだけの水耕栽培は難易度が高く、おいしい実をならせるのはこれまた難しいのが現状です。 ですので、このような実付きの野菜を育てる際は、専用キットなどを用いると簡単です。
パイナップル、アボカド、ライチなどのエキゾチックフルーツ
パイナップルは実を食べたあとの葉を、水を入れた容器に浸けて置くと根が出て、根が伸びてきます。それを土に植え替えてしばらくするとパイナップルの株になり、育ちがよければ実がなります。
またアボカドやライチは種をそれぞれ養液の入った容器に浸けておくと底から芽が出て、次第に苗になります。 これらのエキゾチックフルーツに関しては、亜熱帯や熱帯の特別な気候のもとで育ちやすい植物ですので、正直実をつけるまではいかないかもしれません。
ただ、アボカドやライチのように丸くて大きな種から葉っぱが出ているというその見た目に癒されることも。 実をならすという目的ではなく、観葉植物の1種として育てるとよいでしょう。
水耕栽培で植物を育てる、簡単に育てられる方法について
準備するもの
水耕栽培を始めるにあたって、まずは準備物をそろえましょう。 水耕栽培に必要な道具は、以下のとおりです。 ・植物 ・ペットボトルやガラスコップなどの容器 ・液体肥料 ・培地 などが一般的です。
培地というのは、ウレタン発泡樹脂やロックウールのことで、植物を支えるために必要なものです。また、よりスムーズに育てるために、エアポンプなど酸素を送る装置を用意するとより、水の中の酸素濃度が安定し、植物が健全に育ちやすくなります。
ただ、電気代などもかさむため、一般的にはなくても構いません。また初心者の方で、まったく一から取り組む場合は、必要なものがそろっている専用キットを購入したほうが簡単です。
基本は水に挿すだけ。水耕栽培での育て方
水耕栽培の基本の方法は、肥料が含まれている水溶液に、植物の根を浸して育てるのが一般的です。容器は園芸店やホームセンターに行くと専用の容器が売られていたりしますが、自作する場合は、使い捨てのペットボトルやプラスチックのコップなどで代用し、各植物の根っこの3分の2を水に浸す方法がよく用いられています。
苗から始める場合は、容器などの準備だけで済みますが、種の場合は先に発芽させてから容器に入れるようにしましょう。
肥料を与える
水耕栽培の際の肥料の与え方についてですが、肥料はハイポニカやハイポネックスといった液体肥料を使います。それぞれ既定の濃度で薄めて使います。既定の濃度より濃いと、根焼けしたり苗全体を弱らせてしまうことがあるので注意しましょう。
温度管理について
水耕栽培を行う際は、温度管理にも注意しましょう。大体15~25℃ぐらいが適温ですので、冬場は10℃以下、夏場は25℃以下の気温が続かないよう注意しましょう。温度変化が激しい季節は、夏場の直射日光を避けたり、冬場は日当たりのよい場所を確保するなど置き場所を工夫することがポイントです。
水耕栽培に適した温度は、15~25℃と言われています。冬場は10℃以下、夏場は25℃以上の環境で育てないことを意識してください。温度変化が激しい季節は管理が難しいため、置き場所を工夫することが大切です。夏場の日中は日向(ひなた)に置かない・冬場は日当たりの良い場所に置くなど、注意してくださいね。
水耕栽培で食用にできるおすすめの植物10選
ここからは初心者でも育てやすく、食用・調理アレンジしやすい野菜を集めてご紹介しています。 かわいらしく、彩りもよい野菜ばかりなので、料理の彩りが足りないと思った時にも使いやすいですよ。
1.バジル
インドや熱帯アジア原産のシソ科の植物です。 独特な強い香りがあり、イタリア料理の風味付けによく用いられるハーブです。トマトの相性はバツグン。ピザのトッピングやパスタソースになっているのを見たことがあるかもしれません。 水が大好きなハーブで、水だけでもぐんぐん育つので、水耕栽培初心者の方でも育てやすいハーブです。
2.ミント
アイスクリームのトッピングやハーブティー、歯磨き粉などの香料として用いられるおなじみのハーブです。 メントールによるスーッとした香りには、集中力を高めたり気持ちを落ち着かせたりする効果があります。 土栽培でも地下茎でどんどん増える性質がある、こちらも丈夫で育てやすいハーブ。増えすぎにも注意しましょう。
3.クレソン
ヨーロッパやアジア原産のアブラナ科の植物です。きれいな水が流れる沢の近くなどにも生えています。サラダのトッピングや肉料理の付け合わせなどによく使われています。 水はこまめに取り換えながら育てるのがポイントです。
4.パセリ
洋食料理の付け合わせでおなじみのパセリ。お弁当にちょっぴり彩りを添えたいときにもあると便利です。 スープやパスタのトッピングにも重宝しますよ。 水耕栽培では青虫などの害虫が付きにくいので、初心者の方でも安心して育てることができます。
5.カイワレ(豆苗やブロッコリースプラウトも含む)
サラダやトッピング、肉巻きなど、意外に調理アレンジが多いカイワレ類。 ダイコンの種を水に浸けて発芽させるとカイワレ大根になりますし、黒豆やブロッコリーの種を用いるとブロッコリースプラウトに。 発芽させるときは日光に当てないようにするのがポイントです。
6.ベビーリーフ
ベビーリーフとは品種の名前ではなく、ミズナやカブ、カラシナ、コマツナなどのいろいろな野菜の種がミックスされたものです。スーパーなどでは結構な値段がしますが、水耕栽培で育てれば、ご家庭でも気軽に食べることができます。
7.チンゲン菜
中華料理の定番野菜としてよく使われているチンゲン菜。ビタミンCやカロテンなども豊富な野菜です。苗は市販のものを購入することもできますが、種から育てることもできます。」
8.トマト
トマトを水耕栽培で育てるなら、「テーブルトマト」など背丈が低めのミニトマトが育てやすいです。初めての方は水耕栽培で育てるトマトのキットもあるのでそれを使ってみてもいいですね。
ナス科 トマト属 原産地:中南米 支柱いらずで育てられる、背丈が低めのミニトマト。さっぱりとした味わいで、熱を加えるとより深い味わいに。パスタやバーニャカウダに。
9.イチゴ
イチゴの水耕栽培は肥料の濃度がポイントになります。また水に空気がないと根が腐ってしまうこともあるので、エアポンプを使ったり、定期的に水を取り替えることがポイントです。 イチゴと同様にワイルドストロベリーも育てることができます。
10.ラディッシュ
ラディッシュも水耕栽培することができます。本葉を育てるまでは湿ったスポンジの上で発芽させるのですが、本葉が出始めたら液体肥料をキャップに1.5杯を与え、極力太陽の光が当たる窓辺に置き、夜間は蛍光灯やLEDスタンドの下などで育てるようにします。 そうするといつのまにか根元が膨らんでかわいいラディッシュが食べられます。
アブラナ科 ダイコン属 原産地:地中海沿岸 赤く丸い実がかわいらしい二十日大根。葉にはカルシウムや鉄分・ビタミンB1・B2・ビタミンCが含まれ、炒め物に最適。実はサラダやバーニャカウダに。
植物を眺めるだけでも楽しい水耕栽培
一口で水耕栽培といっても、育てられる植物は多種多様です。食用として野菜類を育てるのもいいですし、観賞用として多肉植物などを育ててみてもいいですね。 いずれにせよカギとなるのは肥料の与え方です。 これに注意して元気で癒される水耕栽培を楽しんでください。