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アイゼンの正しい選び方ガイド!どんな山に行くかで決める!

アイゼンは種類も価格も様々なものがあります。これから雪山も登ってみたいという雪山初心者の方に、雪山の注意点と合わせてアイゼンの選び方をご案内します。ぜひ自分にあったアイゼンを使って普段の登山とは違った雪山・雪渓歩きを楽しんでください。
2020年8月27日
kazui68
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アイゼンとは?雪山にはアイゼンが必要です!

山でなくても冬に雪で固まった路面を歩く時に滑って転んだ経験はないでしょうか? 雪山も同じで、雪の状態であればそれほど滑らないのですが、氷のようになっているととてもよく滑ります。 これが上り坂になっていて延々と続いているとアイゼンがなかったらお手上げです。

出典: https://www.amazon.co.jp/YUEDGE-18歯-アイゼン-滑り止め-ステンレススチール屋外スキーアイススノートラクション/dp/B01MQSXP6D/ref=sr_1_47?s=sports&ie=UTF8&qid=1502933504&sr=1-47&keywords=アイゼン

アイゼンとは上の写真のように登山靴に装着する金属製の爪のことです。 自動車のタイヤに巻くチェーンと同じような働きをします。 固まった雪の上を歩く時、靴だけだととても滑りやすいですが、写真のように金属製の爪があると滑りにくくなります。(※山によっては上の写真のタイプのアイゼンでは登れません) アイゼンは種類も価格も様々なものがありますので、これから雪山も登ってみたいという雪山初心者の方にアイゼンの選び方をご案内します。 初心者の方を対象としていますので、冬の剣岳に行くような方には参考にならないと思いますので読み飛ばしてください。

夏でもアイゼンが必要な白馬

アイゼンは冬山登山に持っていく装備と思われている方も多いかもしれませんが、実は夏でもアイゼンで雪渓の上を歩くことができる山が日本にもいくつかあります。 北海道の山が一番良さそうですが大都市圏からは遠いので、関東や関西近辺でアイゼンを履いて手軽に雪渓歩きを楽しめる山といえば夏の白馬ではないでしょうか? 真夏でも雪渓の上を歩けますので比較的安全ですし、普段の山歩きとはまた違った山歩きを楽しむことができます。 白馬は冬季オリンピックが開催されたこともあり宿泊施設や観光施設がよく整備されています。 また現地でアイゼンやストックのレンタルもあるようです。

出典: http://www.hakuba-sanso.co.jp/travel

アイゼン・ストックのレンタル案内

※雪の少ない年には雪渓が通行不可になることがありますので、行く場合は事前に確認が必要です。

雪山で気をつけること

雪渓トレッキングはストックがあると楽

出典: http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1140146

雪渓の上を歩くと足を取られるので普通の登山道を歩くよりも多くの体力を消耗します。 急な上り坂や急な下り坂は別として、比較的なだらかな雪渓の上を長距離歩く時はストックがあると足への負担が減るのでかなり楽になります。 雪渓トレッキングにはストックを持っていくことをおすすめします。

光の反射が強いのでサングラスが必要

出典: https://www.amazon.co.jp/Torege-アルミニウム-マグネシウム合金-スポーツサングラス-自転車-釣り-野球-テニス-スキー-ランニング-ゴルフ-ドライブ-M291/dp/B01JIE72RM/ref=sr_1_2?s=sports&ie=UTF8&qid=1503361157&sr=1-2&keywords=サングラス

スキーでもそうですが、特に夏は日差しが強いので太陽光が雪に反射します。 雪渓の状態にもよりますが、快晴の日には目を開けていられないほど日差しの照り返しが強くなることがあります。 天気の良い日に雪渓を歩く場合はサングラスを持っていくことをおすすめします。

ピッケルの使用は慣れが必要


出典: http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1141140

ピッケルは雪山を登るためだけでなく滑り止めにも使用します。 万が一、雪山で滑った時はピッケルだけが頼りです。 ただし、ピッケルで滑落している体を止めるには練習が必要です。 映画「劔岳 点の記」でピッケルをうまく使って数百メートルもある斜面を滑っていく人がいます。 しかし慣れていないとこれはとても危険です。 一度滑ると何も止めるものがないのでそのまま下まで落ちていきます。 無事では済まないことは誰が見ても明白です。

深雪の上を歩くにはスノーシューまたはワカンが必要

出典: https://www.amazon.co.jp/enkeeo-氷上でも雪山でも利用可能-キャリングバッグ付属-お好きなサイズ選べる-LM-01-メーカー保証/dp/B01MQI8ZPP/ref=sr_1_1?s=sports&ie=UTF8&qid=1503532362&sr=1-1&keywords=ワカン
出典: https://www.amazon.co.jp/EXPERT-OF-JAPAN-エキスパートオブジャパン-スノーシューズL/dp/B007NEZOJS/ref=sr_1_10?s=sports&ie=UTF8&qid=1503532362&sr=1-10&keywords=ワカン

製品名がどちらもスノーシューになっているのでまぎわらしいのですが、上の写真がスノーシューで下の写真がワカン(輪かんじき)です。 深雪は場所によっては体の半分以上が埋まってしまいますので、これが無いと歩けません。 ワカンとスノーシューの使い分けですが、ワカンの方が軽くて小さいので重装備の雪山登山を考えるとワカンの方が良さそうですが、浮力はスノーシューに比べると弱いです。 深雪の上を長距離歩く場合はスノーシュー、少しの区間で使用するだけならワカンを持っていくというように使い分けた方が良さそうです。

その他

以上、簡単な装備について書きましたが、雪山では他にも気をつけることがたくさんあります。 私が一番気をつけているのは雪崩とルートを見失わないようにすることです。 (夏山以上に滑落にも気をつける必要がありますが) 雪崩を避けるには縦走ルートを歩くのがいいのですが、縦走ルートにはまた別の危険があります。 雪山は夏山と違って登山道や目印が雪に覆われて見えなくなりますのでトレースを頼りに歩きます。 天候が良ければ問題ないのですが、突然天候が急変し、吹雪になるとこのトレースが驚くほどあっという間に消えて無くなります。 そんな時によくホワイトアウトが起こります。 ホワイトアウトとはガスなどで周辺が見えなくなることです。 こうなるとコンパスを持っていても自分のいる位置が特定できないので進む方角が分からなくなります。 登山書の遭難対策にはこのような時は引き返す勇気が必要と書かれていますが、下山中にこのような状況に陥ると引き返すこともできません。 私の時はしばらくその場に留まっていたら視界が開けてきたので幸い事無きを得ましたが、この冬山独特の自然環境にはとても驚きました。 現在はGPSがあるのでまだ良いかもしれませんが冬はバッテリーが早く無くなってしまうのでGPSだけを頼りにするのも心もとないです。

アイゼンの種類

※アイスクライミング用は除外しています

爪の数

爪の数はチェーン式は別として、4本から12本まであります。

出典: http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1129611
出典: https://www.amazon.co.jp/モンベル-mont-bell-コンパクトスノースパイク-ブラック-1129601/dp/B0013IWOU2/ref=sr_1_3?s=sports&ie=UTF8&qid=1503280121&sr=1-3&keywords=アイゼン

装着方法


大きく分けてワンタッチ式、セミワンタッチ式、紐締め式の3種類があります。

出典: http://webshop.montbell.jp/goods/disp_fo.php?product_id=1141144
出典: http://webshop.montbell.jp/goods/disp_fo.php?product_id=1141139
出典: http://webshop.montbell.jp/goods/disp_fo.php?product_id=1141138

チェーンスパイクタイプ

出典: http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1129612

チェーンに短い爪が付いており、4本爪や6本爪と比べて爪が足裏全体に分散しています。 そのため歩きやすく、また着脱も簡単です。 軽く、スペースも取らないので、ポケットの中に入れておいて必要な時に手軽に装着できるので便利です。

アイゼンの選び方

アイゼンにはいろいろな種類があります。 とりあえずどんな山でも使えそうなアイゼンを選んでおけば問題無さそうな気もします。 それでもいいのですが、そういった本格的なアイゼンは価格も高く、また重量も重いので、冬の低山ハイキングや夏の雪渓歩きをするだけであれば、そこまで必要無いと思います。 ここではまず ①行く山によってアイゼンを選ぶ ②登山靴・装着方法によってアイゼンを選ぶ ③爪の数によってアイゼンを選ぶ ④チェーン式アイゼンを選ぶ の順番で紹介したいと思います。

出典: https://www.freestockimages.ru/fullscreen-page/comp-iz1faclz/91be414e-b092-4802-b832-6d5b6c4f2581/110/%3Fi%3D110%26p%3Du4x9c%26s%3Dstyle-j5j9yghb

選び方①:行く山によってアイゼンを決める選び方

夏の雪渓

4本爪、または6本爪の軽アイゼンで十分かと思います。 場所によっては前爪が欲しくなるところもありますが、なるべく荷物を軽くしたい、一年間で使用する回数も少ないのでなるべく価格の安いアイゼンを、と考えると軽アイゼンが妥当かと思います。

冬の低山

地域によっては低い山でも気温が低く傾斜が急でたくさんの雪が積もるところもありますので、地形や雪の積もり具合によって持っていくアイゼンを決めたいところです。 とはいえ冬だとどうしても荷物が多くなりますので、そういった特殊な山でなければなるべく軽くてスペースを取らない軽アイゼンが良いと思います。

3000mの冬山・春の残雪登山


3000mの冬山では前爪のある本格的なアイゼンが必要です。 というかそもそもこれがないと登れません。 前爪アイゼンのない時代に昔の人がどうやって冬山を登っていたのか不思議に思います。 また3000mになると春でもまだたくさんの雪が残っています。 アイゼンに関しては厳冬期と同じものを持って行ったほうが無難です。

出典: https://www.freestockimages.ru/fullscreen-page/comp-iz1faclz/91be414e-b092-4802-b832-6d5b6c4f2581/110/%3Fi%3D110%26p%3Du4x9c%26s%3Dstyle-j5j9yghb

選び方②:登山靴・装着方法によってアイゼンを決める選び方

先にも記載しましたが、アイゼンの装着方法には大きく分けてワンタッチ式、セミワンタッチ式、紐締め式の3種類があります。 ワンタッチ式、セミワンタッチ式は紐締め式に比べて装着が楽ですが、登山靴によっては外れやすいです。 ショップで実際に自分の登山靴に装着してみて、登山靴との相性をよく確認しておかないと登山中に外れてしまい危険です。 同じ12本爪であればどの種類でも価格はそれほど変わりませんので、まずは自分の靴に合うかどうかを優先して選ぶと良いと思います。

選び方③:爪の数によってアイゼンを決める選び方

アイゼンにはチェーン式アイゼンを除いて4本から12本の爪があります。 爪の数が多いほど滑り止めの効果は高くなりますが、価格と重量も高くなります。 価格は置いといたとしても、スペースと重量は登山にとってはとても重要なポイントです。 多少重くてザックの中のスペースを取っても登山の安全や安定性を優先したいという方にはなるべく爪の多いものを、山に行く回数が少なく雪渓を歩く機会も少ない方にはなるべく爪の少ないものをおすすめします。

選び方④:チェーン式アイゼンの選び方

出典: http://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1129612

最近チェーン式アイゼンが増えてきました。 写真で見るとわかるように装着が簡単でまるで靴下を履くように装着できます。 紐締め式のアイゼンを使っていると装着に時間がかかるので、登山途中で雪渓が切れても取り付け・取り外しが面倒なのでそのまま岩場を歩いたりします。 そうすると歩きづらいので転びやすいですし、前爪のあるアイゼンだとスパッツやズボンに引っ掛けて破けたりします。 私はこれでなんどもスパッツやレインパンツを破りました。 (余談になりますが、スパッツやレインパンツが敗れた場合、テントの修理キットを使用すると安く簡単に修理できます) アイゼンの脱着がなんども必要になる登山ルートではチェーン式アイゼンはとても便利です。

まとめ

アイゼンは価格が安いからといって、ネット通販で現物を見ることなく購入することはやめたほうがいいです。 登山靴やアイゼンの種類が多くなりすぎて、購入したいと思ったアイゼンが自分の登山靴に合うかどうかは実際にはめてみないとわからないからです。 アイゼンは登山靴との相性が大事ですので、履きなれた自分の登山靴をショップに持って行き、実際に自分の登山靴に合うかどうかをよく確認する必要があります。 またいっけん合っているように見えても、登っていて強い負荷がかかった時などあっさり外れてしまうことがあるので、負荷をかけた時に外れやすくならないかを確認した方が良いです。

冬の山には夏にはない自然の厳しさがあります。 それは人を寄せ付けない神の領域のようにも思えます。 準備を怠った者には厳しい仕打ちを与えますが、それを乗り越えてきた者にはその美しい姿を一瞬覗かせてくれます。 そんなところが人を惹きつけるのかもしれません。 アイゼンはただの道具ですが、その道具がなければその領域に近づくことすらできません。 時には1本のピッケルに自分の命を預けることもあります。 そう考えると一つ一つの道具にも愛着が湧いてきます。 これから雪山歩きをしてみたいと思っている方へ、ぜひ自分にあったアイゼンを使って雪渓歩き、雪山歩きを楽しんでみてください。