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有機肥料とは?化学肥料との違いやおすすめの使い方をご紹介!

有機肥料という言葉は知っていても、その特徴や種類、使い方については曖昧な知識しか持っていない人も多いと思います。ガーデニングに欠かせない有機肥料とはどのようなものなのか?化学肥料とは何が違うのか?少しは知っている人も全く知らない人も、一緒に勉強してみましょう!
2020年8月27日
atsugon

有機肥料とは?どんな種類があるの?

有機肥料には、植物由来のものと動物由来のものがある

有機肥料とは、米ぬかや油かす(ナタネやダイズなどから油を絞り取った後に残るカス)などの植物性や、鶏糞・魚粉・カキ殻などの動物性の有機物を原料にした肥料のことをいいます。 ちなみに、堆肥や腐葉土は、肥料成分が少ないので、有機肥料の分類に入れない場合もありますが、ガーデニングでは広く使われているため、ここでは有機肥料として扱います。 (厳密には、肥料取締法により、「肥料」と表示するためには必要成分の含有量が決まっています)

ぬか漬けや美肌効果でもおなじみの米ぬか


鶏糞や豚糞は動物性有機肥料

ホームセンターなどで手軽に手に入る有機肥料としては、草木灰、有機石灰などがあります。 また、数種類の有機肥料を混ぜ合わせた「ぼかし肥」と呼ばれる肥料もあります。


有機肥料の特徴は?

有機肥料は、漢方薬のような肥料

有機肥料は、生成過程で化学合成を行っておらず、100%天然素材由来の肥料です。 土の中で微生物によって無機物に分解された後、植物に吸収されるので効き目が穏やかで、長く続きます。 有機肥料とは、漢方薬のような肥料であるといえるかもしれません。


化学肥料の特徴は?

化学肥料は、対処療法の薬のようなもの

化学肥料は、無機物を化学的に合成したり、天然原料を工場で化学的に加工して作った肥料です。 化学肥料の種類には、硫安、尿素、過リン酸石灰などがあります。 化学肥料と有機質肥料を混ぜ合わせた配合肥料とよばれる肥料もあります。 有効成分の濃度が高く、効果がすぐに現れやすいのが特徴です。 足りない成分だけを手軽に補給することもできますが、使いすぎると「肥料やけ」(植物の根が肥料成分を吸収できずに、しおれたり枯れたりする現象)や土壌汚染を引き起こすデメリットもあります。

有機肥料のメリットは?

植物に栄養を与えるだけでなく、有機肥料の中に含まれている有機物が、土の保水性や水はけをよくしたり、有用微生物の活動を活性化させ、数を増やすといった土壌改良効果があります。 例えば、ミミズは土と有機物を食べながら土の中を動き回り、すきまを作るため、ミミズの多い土は柔らかく、フカフカになるといわれています。 自然界に存在していたものが土に還っていくことになるので、環境負荷が少なく、家畜の糞尿などを加工した有機肥料は資源のリサイクルにもつながります。 家庭から出るゴミや落ち葉などを集めておいて、オリジナルの肥料を作ることもできます。

有機肥料のデメリットは?

肥料に速効性がないので、効果が出るまでに時間がかかります。 土壌環境などによっては、期待するだけの効果が出ない場合もあります。 また、十分に発酵・完熟していないと、悪臭やガス、害虫が発生することもあります。 家庭菜園などで用いる場合は隣近所への配慮が必要です。 精製するのに手間がかかるため、価格が比較的高いこともデメリットです。

化学肥料との成分の違いは?

肥料には、植物が必要とする肥料の3要素とよばれる成分が含まれています。 それぞれの役割は、次のようになります。 1) 窒素(N):葉や茎の成長を促す「葉肥」 2) リン酸(P):花や実を作る時に必要となる「実肥」 3) カリウム(K):根の発育を促進する「根肥」 この3つのどれかが少なすぎたり、多すぎたりすると植物は上手く育ちません。

化学肥料は、これらの成分を化学的に合成して作られたものです。 1つの成分だけが含まれたものを単肥、2つ以上の成分が含まれたものを複合肥料といいます。 有機肥料でも化学肥料でも、植物が必要とする成分は同じなので、違いはありません。 ただし、有機肥料には、化学肥料には含まれないカルシウムやマグネシウムなどの中量要素や、マンガン、亜鉛などの微量要素が含まれていることもあります。 また、化学肥料の成分含量は有機肥料に比較すると高く、安定しているという利点があります。

有機肥料の効果的な使い方とは?

有機肥料は価格が高いので、有機肥料だけでガーデニングの肥料をすべてまかなおうとするとそれなりに費用がかかります。 また、成長の速い夏野菜などでは速効的な効果が求められるので、化学肥料を使った方がすぐに収量や結実に結びつく場合があります。 とはいえ、直接口に入れる野菜や果物にはなるべく有機肥料を使いたいと思いますよね。 おすすめの使い方としては、種まきや植え付け前の土に有機肥料を入れる「元肥」として使う方法。 効果が出るまで時間がかかるので、植えていた野菜や花を取り除いてからあまり間を置かずに、有機肥料を混ぜ込んで土を耕しておきましょう。

植物の生育に応じて「追肥」として使う場合は、植物の根に近すぎる場所に施肥しないのがコツです。 少し離れた場所に混ぜ込んでおくと、植物は栄養を摂ろうとして自ら根を伸ばすので、生育が良くなります。 生育期には、こまめに、少しずつ肥料を与えると効果的です。

有機栽培とは、どんな栽培方法のことなの?

よく耳にする「有機栽培」や「オーガニック」という言葉。 でも出荷される農作物には、この言葉を使用するための明確な基準があります。 ちょっと専門的な話になりますが、現在日本で、有機の基準(有機JAS規格)が制定されているのは、「有機農産物」「有機加工食品」「有機畜産物」「有機飼料」の4品目のみです。 このうち、私たちが消費者として目にする表示は、おそらく「有機農産物」が最も多いでしょう。

この有機農産物とは、下記のような条件を満たしていることが規定されています。 ・種まきや植え付けの2年以上前から、畑の土に禁止された農薬や化学肥料を使用せず、栽培中も禁止された農薬や化学肥料を使用していないこと ・使用する肥料や農薬は、天然物質、または化学的処理を行っていない天然物質に由来するもののみ ・遺伝子組み換えの種を使わないこと ・病害虫を防除するのに農薬に頼らないこと 簡単にいうと、「3年以上、化学肥料や禁止された農薬を使っていない土地で栽培・収穫された農作物」ということになります。 化学肥料を使用していないというだけでなく、農薬の使用もかなり制限されているんですね。

まとめ・有機肥料と有機農業の未来とは?

野菜の直売所などで買った、あまり見た目のよくない野菜や果物。 食べてみると、その甘さや味の濃厚さにビックリ!という経験はありませんか? 一般的に、有機肥料を使って作った農作物は、味がしっかりしていて、栄養価が高いといわれています。 化学肥料だけを使って作った農作物と食べ比べてみると、より違いを感じるかもしれません。

かつては、肥料といえば有機肥料を指し、家畜や人の糞尿から作られていました。魚粉などの肥料は、お金を出して買う肥料という意味で「金肥」と呼ばれていました。 第二次大戦後に農地改革が進み、集約された農地での効率的な農業が行われるようになると、より収量を増やし、市場に農作物を安定的に供給していくために、化学肥料がたくさん使われるようになりました。 その一方で、化学肥料の大量投入による土壌や水質の汚染、地力の低下などが社会問題になっていきます。 また、化学肥料は、植物の栄養になるだけでなく、害虫の餌にもなるので、化学肥料の施肥によって発生した害虫を駆除するために農薬を使う…という悪循環に陥りがちなのもデメリットです。

こうしたなか、現在は、環境問題への意識の高まりや、食物の安全性、フェアトレードなど、様々な側面から有機農業が注目を集めています。 現在、有機JASに認定されている農作物を作る農家は、日本の農家全体のおよそ0.2%にすぎないといわれています。 このことから分かるように、日本の農作物をすべて有機肥料だけに頼って生産することはできません。 しかし、野菜や果物の見た目よりも、味覚や栄養価を重視する消費者が増えれば、有機JASの農作物をつくる生産農家も徐々に増えてくるかもしれません。 みなさんも、ガーデニングで有機肥料を使って土作りに取り組み、自給自足への第一歩を踏み出してみませんか?