トレッキングポールとは
登山の安心・安全アイテム!
トレッキングポールは、登山時の身体のバランスを取り、膝関節への負担や全身の疲労を軽減させる目的で使用します。効率よく脚にかかる荷重を分散させ体幹を安定させるためにも、身体に合うサイズ、そして目的に合う機能を持ったトレッキングポールを選ぶようにしましょう。
また、トレッキングポールはツェルトなどテントの支柱としても利用できます。支柱として使用する場合には、太さがあり強度が高いものがおすすめです。
トレッキングポールの選び方×④
トレッキングポールには、「軽さ」や「強度」といった素材の特徴、「収納性」や「操作性」といった機能、「グリップの形」など様々なタイプがあり、登山のスタイルや用途に応じて選ぶことができます。特徴や機能を踏まえて目的に合ったトレッキングポールを選ぶことができるよう、購入時の参考にしてください。
① トレッキングポールの素材
[アルミ]
アルミ素材は、軽量でトレッキングポールによく使われる素材です。また価格の安いモデルが多く、購入の際は選択肢も広いのが特徴です。強度が低いために曲がりやすい点がデメリットですが、衝撃を受けても曲がり、折れにくいという面ではメリットとなります。
[ジュラルミン]
ジュラルミンは、アルミニウムや銅、マグネシウムなどの合成により強度を高めたアルミニウム合金の一種です。アルミに比べて強度が高くなりますが、重さがある点がデメリットとなります。
[カーボン]
カーボン素材は、アルミよりも軽量で、加重に対しての強度が高い点、金属ではないので錆びる心配がない点が特徴です。しかし製造コストがかかる点と、一点への衝撃に弱く折れやすい、というデメリットが挙げられます。
② トレッキングポールの収納性
[テレスコーピング式]
テレスコーピング式とは、径の異なるシャフトを望遠鏡の筒のようにはまり込ませて収納させる方法のこと。一般的に強度が高く、長さ調節ができるモデルです。
[折りたたみ式]
折りたたみ式とは、同じ径のシャフトをワイヤーで連結するタイプで、軽量でコンパクトに収納できる点が特徴です。上段シャフトのみ、テレスコーピング式になっていて長さ調節できるモデルもありますが、調節できないものや高価なモデルが多くなっています。
③ トレッキングポールのサイズ調整方式
[スクリューロック式]
スクリューロック式は、トレッキングポールのシャフトを回して固定させる昔からあるタイプです。ジョイント部分に凹凸がなく強度もあり、価格の安いモデルが多いです。しかし締める(緩める)際に力が要る点がデメリットとして挙げられます。
[レバーロック式]
レバーロック式は、レバーの開け閉めでシャフトを伸縮させるタイプです。ワンタッチで長さ調節が可能なため、手袋を履いたままでも操作しやすい点が特徴です。アップダウンが多く調節の頻度が高いコースでの使用におすすめです。構造上、スクリュータイプよりも重くなってしまう点がデメリットとして挙げられます。
[ハイブリット式]
上段のジョイントがレバーロック式、下段のジョイントがスクリューロック式になったモデルもあります。
[ピンロック式]
ピンロック式は、シャフトを引っ張りテンションをかけ、伸ばした状態でスプリングピンをシャフトの穴などに引っ掛けて固定するタイプです。軽量なモデルになりますが、長さ調整ができない点と、強度が低い点がデメリットとして挙げられます。
④ トレッキングポールのグリップタイプ
[I型グリップ]
I型グリップは1本でも使用できますが、2本セットで両手で使用する使い方を基本としたタイプです。起伏に富んだコースでバランスを取りやすく、膝への負担も軽減します。横から握るため、長時間歩行にも適しています。平坦地で肘の角度が90度になるくらいが、長さの目安となります。
I字型グリップのストラップは、グリップと共に荷重がかかることが多いため、手首への負担が少なくなるように太目でクッション性があり、サイズ調整ができるものが多くなっています。メーカーによりストラップのサイズ調整方法も異なりますので、登山時にストレスがかかりにくいよう調整しておくことをおすすめします。
[T型グリップ]
T型グリップは、グリップの上から手のひらで体重を乗せやすいタイプです。比較的緩やかなコースでの使用が適しており、初心者でも扱いやすいトレッキングポールです。力を下向きにかけやすいことから、下りでの使用にも効果を発揮します。平坦地で、身長の1/2の長さが目安となります。
T字型グリップのストラップは、そのの形状からストラップに負担がかかることがないため、手首に絡みにくい簡易なものが多くなっています。
トレッキングポール おすすめ8選!
ここでご紹介するモデルは、「推進力」と「バランス感覚」をサポートするI型グリップに絞り、従来からのテレスコーピング式トレッキングポールと、近年の「ファストパッキング」や「ウルトラライト」に対応する折り畳み式軽量トレッキングポールについて、5つのブランドからご紹介します。
【モンベル】 おすすめトレッキングポール
「モンベル」は、1975年に辰野勇と二人の山仲間により設立されました。以来、”Function is Beauty(機能美)”と、”Light & Fast(軽量と迅速)”をコンセプトに商品開発を行っています。
1. アルパインカーボンポール Aショック
機能・コスパ大満足のおすすめモデル!
モンベル |アルパイン カーボンポール Aショック シルバー
●重さ:184g ●素材:カーボン ●サイズ調整:使用サイズ 105~130㎝ 収納サイズ 62㎝ ●グリップタイプ:I型EVAフォーム
7001超々ジュラルミンの芯を、剛性に優れるカーボン繊維強化樹脂で包み込むことで、高い強度と驚異的な軽さを両立させたトレッキングポール。内臓スプリングによる衝撃吸収システムを採用しています。ストラップは、クッション性に優れた裏起毛素材を使用し、手首への負担と握力低下を軽減します。ストラップの長さは、片手で簡単に調節可能。グリップは超軽量なEVAフォームを使用し、素手で握っても滑りにくくしっくりと手に馴染む素材になっています。
2. U.L.フォールディングポール
わずか143gの頼れるおすすめポール!
143gという超軽量でコンパクトに収納できる、折り畳み式のトレッキングポールです。グリップを長めに設計し、握り位置を変えることで様々な状況に対応することができます。また、105,113,130の3サイズ展開で身長に合わせたモデルを選べます。折り畳み時に干渉しない半円形の固定式バスケットも装備。シャフトを伸ばすだけで、自動的にラチェットボタンがロックされ、簡単に組み立てが可能です。また、折り畳み時は、ラチェットボタンを押し込み、ロックを解除するだけの簡単操作。
【レキ】 おすすめトレッキングポール
「LEKI」は、1948年にドイツ・キルヒハイムで創業し、新素材や新システムを採用した革新的なポールを生み出してきたポール専門メーカーです。1974年には、世界で初めて長さ調節可能なトレッキングポールを、そして1982年にはアンチショック・システムを採用したトレッキングポールを開発しました。高機能・高品質のLEKIのトレッキングポールは、ヨーロッパはもちろん世界でもシェアNo.1で、スキーやトレッキングの分野で高い評価を得ています。
3. SPD2サーモライト DSS
高機能で身体全体の負担を軽減
レキ| SPD2 サーモライト DSS トレッキング ポール
●重さ:466g(2本組) ●素材:アルミニウム ●サイズ調節:67~130㎝ ●シャフト直径:16-14-12㎜ ●グリップタイプ:エルゴンサーモコンパクト
LEKIのトレッキングポールを代表するモデルです。2017NEWモデルより、ダイナミック・サスペンションシステムを搭載し、上段に加えて中段にもスピードロック2システムを採用。衝撃を吸収して、手首への負担を軽減するとともに、状況に応じた長さ調節が容易にできます。
ダイナミック・サスペンション・システム(DSS)?
DSSは、2016シーズンにLEKIのラインナップに新しく登場した衝撃吸収システムです。下段シャフトに配置することで、ポールを付いた時の衝撃を、手首から遠く地面から近い場所で素早く吸収します。最大時の約40%の衝撃を吸収し、登山時の関節や筋肉への負担を緩和します。従来のアンチショックシステムのばねのような浮き沈みがない、自然な使用感も特徴です。
4. マイクロバリオ タイタニウムPA
安定の使用感と超コンパクト収納!
レキ|トレッキングポールマイクロバリオ タイタニウムPA1300328
●重さ:618g(2本組) ●素材:アルミ ●サイズ:110~130㎝(収納時36.5㎝) ●直径:16-14-12㎜ ●グリップ:PAセーフティーソフトミッド
三段折り畳み式マイクロ・シリーズの中で、最もコストパフォーマンスに優れたダブルポールモデル。スピードロックシステムにより、長さ調節もスピーディに行えます。
【ダバダ】 おすすめトレッキングポール
大阪堺市に本社を置くDAVADAは、トレッキングポールやバックパックなどのアウトドアギアから、ヨガマットなどのフィットネス用品、トランポリンなど様々な製品を扱う会社です。DAVADAの製品はオンラインショップのみの取り扱いになりますので、ネットショップをチェックしてみてください。
5. トレッキングポール
コスパで選ぶおすすめモデル
DABADA|トレッキングポール アルミ製
●重さ:230g ●素材:本体 アルミニウム合金7075 ●サイズ調整:56.5㎝(収納時)~120㎝ ●付属品:トレッキングキャップ/バスケット
ダバダのトレッキングポールは、なんといってもコストパフォーマンスが魅力です。付属品にトレッキングキャップとバスケットが付き、更に衝撃吸収のアンチショック機能付き!驚くほどの低価格ですが、アンチショック機能はソフトな使用感で跳ね返りも少なく、ポールの長さ調整はシャフトを回すだけ、そしてストラップの調整は引っ張るだけ、という簡単操作。SGマークも取得してありますので、登山初心者の方にも安心しておすすめできるトレッキングポールです。
6. 3段折りたたみ式トレッキングポール
驚きの34㎝!コンパクト収納におすすめ
【3段折りたたみ式】DABADA |アルミ製 2本セット トレッキングステッキ
●重さ:247g ●サイズ調整:110㎝~120㎝ 収納時 34cm ●素材:本体/アルミニウム合金7075 グリップ/EVA樹脂 ワイヤー/ステンレス ●付属品:トレッキングキャップ/バスケット
こちらはダバダの折りたたみ式トレッキングポール。充実した機能にも関わらず、こちらも驚くほどの低価格です。EVA樹脂を使用したグリップは手に優しく、ストラップはクッション性があり、ストレスが少ない仕様になっています。ストラップの調整はストラップ自体の紐を引くだけの簡単操作。カムロックシステムで長さ調整も簡単です。収納サイズも34cmと非常にコンパクトになりますので、普段は使わずお守りとしてトレッキングポールを持って行く、という方にもおすすめモデルです。
【ブラックダイヤモンド】 おすすめトレッキングポール
ブラックダイヤモンドは、1989年にクライマーによるクライマーのためのメーカーとして設立されました。1960年代に世界のビッグウォールで活躍したイヴォン・シュイナードが、自らの手でクライミング用ギアを製作、販売し、同時に岩に残置ピトンを残さないクリーンクライミングの潮流をリードしてきました。彼のポリシーを受け継ぎ、クライミングだけでなくスキーやトレッキングなど様々なアクティビティで常に最高品質のギアを生み出しているのが、ブラックダイヤモンドです。
7. トレイル
心強いおすすめオールラウンダー
ブラックダイヤモンド|トレイル BD82328 トレッキングポール
●重さ:481g(ペア) ●素材: ●サイズ調整:63.5㎝~140㎝ 収納時 63.5㎝ ●付属品:ティッププロテクター、パウダーバスケット
ブラックダイヤモンドのスタンダードモデル「トレイル」。機能性、収納性を十分に備えコストパフォーマンスに優れたオールラウンドポールです。フリックロックシステム2は、固定強度はそのままに従来のフリックロックに比べ20%小さくなり、サイズ調整・固定操作が楽に行えるように進化しています。
【ヘリノックス】 おすすめトレッキングポール
「ヘリノックス」は、HILLEBERG社などの世界のトップアウトドアブランドにテント用のポールやトレッキングポールを提供している軽量アルミテントポールのメーカー「DAC社」が立ち上げたブランドです。高い技術力と洗練されたデザインで、他ブランドとのコラボ商品など多くのアイテムを生み出しています。
8. FL-130
「強くてしなやか」テントポールメーカーのおすすめポール
ヘリノックスからは「羽のように軽い」という名前の通り、一本なんと180gのトレッキングポール!ヘリノックスのポールに採用されている素材「TH-72Mアルミ」は、非常に高い強度と柔軟性を併せ持つチタンやアルミニウムなどの合金で、腐食に強い表面処理が施されています。ポールの長さ調整は、ツイストロックシステムで、細かな調整が行えます。軽量なだけでなく、様々なアクティビティでの使用に耐えるおすすめトレッキングポールです。
正しく使って負担軽減!
使い方で機能の効果は半減
ご紹介したトレッキングポール8選の他にも、様々なメーカーから高機能なトレッキングポールが販売されています。しかしそれらのトレッキングポールも、使い方次第で「登山時の負担軽減」という効果は半減してしまいます。さらに、岩場が多いようなルートなど使用する場所によっては、バランスを取ってくれるはずのポール自体が、スムーズな歩行を妨げてしまう場合もあります。
持ち方・使い方を見直してみましょう!
何となく癖になり、自己流の持ち方をしてしまっている方も多いのではないでしょうか?ストラップへの手首の通し方やグリップの握り方なども、登山時の負担を軽減させるためには重要なポイントとなります。ご自身の身体と登山のルートに合わせて、ストラップやシャフトの長さを適宜調整し、持ち方も再確認するようにして下さい。
まとめ
いかがでしたか?登山時にかかる身体への負担を軽減し、安心・安全に登山をサポートしてくれるトレッキングポール。身体と目的に合ったトレッキングポールを上手に選択し、快適登山を楽しんでください!