夜釣りってどんな釣り?
夜釣りとは、その名の通り夕方から夜明けまでの間に、釣りをすることです。 魚は一般的に夜は警戒心が薄れます。 更に、夜光性の魚は活発に捕食活動を行います。 つまり、大漁の可能性が高いという事です。 今回は、初心者向けに、 夜釣りで釣れる魚の種類や釣り方、 必要な道具などをご紹介していきます。
夜釣りの魅力
釣果
夜行性の魚に関しては、昼間に比べて 格段に釣れる量が増えます。 更に、ビックリするような大型もヒットしやすくなるのが、 ナイトゲームです。
雰囲気
夏のシーズンなど、暑い昼間を避けて 夕涼みがてら、のんびり釣りをするのも一興です。 のんびりというと、昼間のサビキ釣りが典型ですが、 漁港や街灯りを見ながらのんびりと釣り糸を垂れている時間は、 癒しの時間ですね。
また、夜は独特の期待感が生まれる時間帯でもあります。 ヘッドライトをつけて釣りをするなんて、 何だか探検のようです。 そんな非日常的な雰囲気の中で、 釣果にも期待が膨らみますね。
夜釣りの時間帯
夜釣りをフルコースで楽しむ場合は、 夕方から朝までで約12時間くらいになりますが、 仕事をしている人は辛いですね。 極力、翌日はお休みという日に釣行しましょう。 仕事帰りに夕方から日没までという楽しみ方もあります。
夕マズメという時間帯ですが、 多くの魚が一番釣れる時間帯でもあります。 また、早朝練習と称して夜明け前から日が昇るまでの時間帯に楽しむことも有効です。 この時間帯も朝マヅメといって、やはり多くの魚が釣れる時間帯です。
早朝の場合は、エサの調達方法を考えておかなくてはなりません。 最近の釣具店は早朝深夜は営業していない店も多く、 エサを現地調達できない場合は、前日からの準備が必要になります。
夜釣りで気をつけたいこと
釣果が期待できることや、雰囲気を楽しめることなど、 プラスイメージの多い夜釣りですが、 何といっても夜です。 怪我や水難事故など、危険がいっぱい潜んでいることも覚悟しなくてはいけません。 しっかりと安全対策をした上で、夜釣りを思い切り楽しみましょう。
足場に注意
夜は、水際と地面の境目がわかりにくいものです。 また、ちょっとした岩にも気づきにくいため、 足をくじいたり、水に落ちたりします。 ヘッドライト等をつけたとしても、夜の時間帯です。 充分に注意が必要です。
道具の操作
真っ暗な状態では何もできませんが、 光が多少ある状態でも、糸の結びやロッドの準備等、 道具を使う動作に、かなりの手間がかかります。 糸が見にくいために、キャスティングも注意が必要です。 必ず後方を確認し、錘やフックの位置に細心の注意を払いながら、 キャスティングしましょう。
危険な魚
夜の時間は、釣り上げた魚体がわかりにくいので、 特に注意が必要です。 アカエイは尻尾に、ゴンズイもヒレに強い毒を持っています。 特にゴンズイは夜に多くヒットする魚です。
針を外す際は、充分注意し、 フィッシュグリップやプライヤーを使って慎重に外しましょう。 初心者の方は慣れた人にお願いするか、 思い切ってハリスから切ってしまいましょう。 万が一刺さってしまった場合には、 医療機関への受診や、救急車の手配を行いましょう。
夜釣りで釣れる魚達
全般的に魚は夜に釣りやすいものですが、 特に夜に釣りやすい魚としては、 ・シーバス ・チヌ、キビレチヌ ・キビレ ・アジ ・うなぎ ・アナゴ ・イカ ・キス ・カサゴ ・アコウ などが上げられます。
アジやキスは日中でも充分釣れる魚ですが、 その他の魚は、どちらかというと夜の時間がメインの魚ですね。 釣り方としてはエサ釣りがメインですが、 警戒心が薄れているため、 ルアーにも活発に反応します。
夜釣りで釣れる魚と釣り方 【アジのサビキ釣り】
アジの特性
アジは群れで回遊します。 そのため群れに当たると、大漁が期待できます。 食べても美味しい魚です。 刺身、フライ、南蛮漬けなど、 どんな料理でも大人気の魚種です。
アジの釣り方
一番ポピュラーで数が見込めるのがサビキ釣りです。 夜は漁港や波止の常夜灯(電灯)の下が狙い目です。 プランクトンが集まり、それをエサにするアジが集まりやすいためです。 夜の時間帯のサビキ釣りは、昼間のサイズに加えて中型から大型のアジが混じります。
サビキ釣りをしながら、 釣れたアジを使って泳がせ釣りをして、 青物やヒラメ、マゴチを狙うのも一興です。 サビキ仕掛けは良く釣れますが、 夜釣りではその扱いを注意しましょう。 サビキは針が多く、手や足に刺さらないように気をつけましょう。
アジのタックル
ポピュラーな市販のサビキ仕掛けで充分釣れます。 ロッドはサビキ仕掛けが操作できるものであれば、 どんなものでも使えます。 エサは通常のオキアミを使います。
オキアミはアミカゴに入れて使用しますが、 サビキ仕掛けの上に付けるか、下に付けるかは、 その日のアジの棚に合わせます。 一般的にはサビキ仕掛けの下に付ける方が 操作しやすいようです。 アジはヒレが意外に鋭いので、取り込みに注意しましょう。
夜釣りで釣れる魚と釣り方 【チヌ・キビレチヌのルアーフィッシング】
チヌ・キビレチヌの特性
チヌやキビレは汽水域を好み、 海と河口付近を行き来します。 チヌやキビレは、警戒心が強い割には好奇心も強く、 汽水域のあらゆるエサにアタックしてきます。
チヌ・キビレチヌの釣り方
夕マズメや朝マズメのトップウォーターでの釣りは迫力満点です。 陽が落ちてからはワームに分があります。 底をズル引くだけでもアタックしてきます。 夜間アタリが少ない時は、底を叩くようなアクションを入れて、 チヌを誘いましょう。
チヌ・キビレチヌ釣りのタックル
チヌやキビレを狙うには、ぶっこみ釣りかルアーがおすすめです。 特にルアーフィッシングは近年「チニング」といわれ、人気です。
【釣り道具の構成例(ルアー)】 ・ロッドは専用のチニングなどもありますが、 シーバスロッドで充分です。 ・リールはスピニングの2500~3000番台 ・ワームは底近くを引くため、フロロカーボンのリーダーを1mは 準備しましょう。
夜釣りで釣れる魚と釣り方 【シーバスのぶっこみ釣り】
シーバスの特性
かなり夜行性の魚です。 デイゲームでは沖のルアーか、泳がせ釣りでしかほとんど釣れません。 海だけでなく、河口などの汽水域や、中流域まで遡上して、 餌を活発に捕食します。
シーバスの釣り方
ルアーでも釣れますが、夜釣り入門編としてはシンプルな投げ釣りの 「ぶっこみ仕掛け」や「ウキ釣り仕掛け」がおすすめです。 サビキで釣ったアジを活餌にした「泳がせ釣り」もあります。
夕マズメや朝マズメの時や、 潮が満ちはじめや引きはじめなどのタイミングで良く釣れます。 河口で数本投げてアタリをのんびり待ちましょう。
シーバス釣りのタックル
ぶっこみ釣りの場合は、天秤または中通し錘を使った仕掛けで釣れます。 ウキ釣りの場合は、電気ウキが必須です。 ロッドはシーバスロッド、エギングロッド、磯竿などが適しています。 リールは中型スピニングリールでオッケーです。 いずれも、エサは太めの青虫を1本掛けまたは房掛けで使用します。
夜釣りで釣れる魚と釣り方 【うなぎ釣り】
うなぎの特性
言わずと知れたかば焼きにする高級魚です。 似た魚にアナゴがいますが、別の種類です。 成魚で1m前後になり、汽水域に生息しています。 産卵のために外海に出ます。 天然うなぎは希少性が高く、 釣れれば間違いなく家族からヒーロー扱いですね。
うなぎの釣り方
日没から2~3時間が最もよく釣れる時間です。 釣り方としては、ぶっこみ釣りと同じで、 投げてアタリを待ちます。 竿先にスズをつけて、のんびりと待ちましょう。
うなぎ釣りのタックル
6号くらいの中通し錘の先にサルカンを経由して、 ハリスを30cmくらいとり、13号くらいのうなぎ針をセットします。 ロッドとリールはどんなものでも良く、 とっても自由な釣りです。 エサは太めのミミズが最適です。 自分で掘ってくればエサ代は不要になりますが、 出来ない人はゴカイでもオッケーです。
夜釣りで釣れる魚と釣り方 【イカの夜焚き釣り】
イカの特性
イカは夜行性の生物です。 ということは夜釣りに向いているという事です。 小魚や甲殻類を主食にしています。 産卵期に海岸近くに接岸する時期が、 おかっぱりからの、主な釣りシーズンです。
イカの釣り方
イカ釣りといえば、エギングが有名ですが、 アジを使ったヤエン釣りなどもあります。 夜釣りとしては、「夜焚き」といわれる釣り方がおすすめです。 夜焚きとは、船にライトをいくつも点けて海面を明るくします。
その明るさに寄ってきたプランクトンを食べに来た小魚を、 更に食べに来たヤリイカなどを、スッテといわれるルアーの一種で釣る方法です。
イカ釣りのタックル
胴突き仕掛けに5~8本のスッテを付けた仕掛けです。 ロッドは7:3か6:4の3メートル程度のもの、 リールは電動リールでPEラインが200m巻けるものが良いでしょう。
夜釣りで釣れる魚と釣り方 【タコ釣り】
タコの特性
タコは梅雨時の不快指数最高な時から釣れ始めます。 漁港や波止の際、障害物回りに潜んで餌を狙っています。 タコは昼間でも釣れますが、 夜のほうが圧倒的に活性が上がり、良く釣れます。
タコの釣り方
基本的に疑似餌を使い、底をゆっくり引いてきます。 または、波止の際沿いをちょんちょんと引いてきます。 タコがヒットすると、ズシッと重くなり、 根がかったような感触になります。 そのまま、テンションを張りながら、ゆっくりと巻きます。
漁港は船やロープがありますので、道糸が絡まないように ヘッドライトをつけて慎重に道具を操作しましょう。 波止際は特に危険ですので、 ヘッドライトで際の位置を確認しながら進みましょう。
タコ釣りのタックル
タコ釣りには専用タックルもありますが、 穂先まで硬めのロッドがおすすめです。 タコがヒットしても、強力な吸盤で岩や根に張り付いてしまう場合があります。 そんな時、強引に引きはがすパワーのあるロッドが必要になるわけです。
タコのエサは、テンヤ仕掛けの場合、豚の脂身や鶏肉、小魚、蟹などを使いますが、 エサが無くても釣れます。 エサを使わない場合は、タコベイトといわれるルアーを使います。
夜釣りで釣果を伸ばすための道具
スズ
投げ釣りの穂先には必須のアイテムですね。 夜釣りですから眠たくなる時もありますが、 ヒットの時の鈴の音は格別です。 スズをクリップで止める構造になっていますが、 クリップがしっかりしていないと、 キャスティングの際に飛んで行ったり、 ラインブレイクの原因にもなります。 良品がおすすめです。
電気ウキ
夜釣りのウキ釣りには必須アイテムです。 最近の電気ウキは光度が強く、とても見やすくなっています。 デイゲーム用としても、普通に使える道具です。 リチウムイオン電池などの特殊な電池を使用します。 電池切れを想定して、2本以上用意しておくことをおすすめします。
ケミホタル
細い棒状の化学発光体です。 仕掛けに付けて集魚効果を狙ったり、 ロッドの先に付けてアタリをわかりやすくしたりします。 コンサートの時に観客が振るペンライトと同じ構造です。
夜釣りを楽しく安全に過ごすための道具 【照明類】
ヘッドライト
仕掛けを作るとき、ルアーを交換するときなど 視線を照らすヘッドライトは必須ですね。 これが無いと夜釣りは成り立ちません。 ヘッドライトは頭に装着するタイプが一般的です。 充分な照度があるものを使いましょう。 釣行の際は新しい電池に交換しておきましょう。
ランタン
ヘッドライトは、仕掛けづくりなど、釣り自体には必須ですが、 休憩したり、食事したりする際には、 釣り座の周辺を照らすライトも欲しいところです。 そんなシーンに必要なのがランタンです。 白熱灯式と蛍光灯式がありますが、 蛍光灯式が釣り場では使いやすいようです。
車のヘッドライト
夜釣りには車で出かける場合が、多いと思います。 車のヘッドライトは強い光で、釣りの準備に便利です。 しかし、明るすぎると周囲に迷惑になる場合もありますし、 ヘッドライトを点けている間エンジンをかけると、 騒音も迷惑になります。 車のヘッドライトは、TPOに応じて使い分けましょう。
夜釣りを楽しく安全に過ごすための道具 【避難用具】
ライフジャケット
昼夜を問わず必要な道具です。 暑い時期は肩掛け式か、ウエストタイプが使いやすいでしょう。 追加で膨張させる引き手も、明るいうちに確認しておきましょう。 内部のガスは使用期限があります。 きちんと確認して、期限を過ぎていたら、 ガスの交換・補充を行っておきましょう。
ホイッスル
もし転落したり、声を上げて助けを呼ぶことが難しい場合に、 助けを呼ぶ手段として持っておきたい道具のひとつです。 100円ショップでも販売しています。
靴
夜の海や釣り場には、何が落ちているかわかりません。 針や仕掛け、エイの尻尾、魚の鋭いひれなど、 危険なものを不用意に踏む可能性は、非常に高いものです。 サンダルではなく、必ず靴を履きましょう。 テトラポットや磯の場合は専用の靴が必要ですが、 防波堤などの場合はスニーカーでも良いでしょう。
防虫対策
夏の夜の時間で悩ましいのが「蚊」です。 汗をかいていると、特に蚊の攻撃に悩まされます。 釣りどころではなくなってしまいます。 釣り場に付く前から防虫スプレーか、 電池式の防虫器具で撃退しましょう。
夜釣りの入門まとめ
夜釣りで釣れる魚種や釣り方、魅力、必要なグッズなどを、 初心者向けに紹介してきましたが、 いかがだったでしょうか? 夜の時間は昼間と違い、 危険もいっぱいあります。 ぜひ、しっかりとした準備をしましょう。
夏の夜は、 夕涼みがてらにゆったりと、 投げて待つ釣りや、電気ウキを眺めながらの釣りが楽しいですね。 忙しい日常を、ほんの一時忘れて、 ゆったりとした時間を楽しみましょう。