「テキサスリグ」は, ロックフィッシュに最適!
ストラクチャーの奥深くに潜むロックフィッシュに効果的な「テキサスリグ」
そもそも、「テキサスリグ」の生い立ちを遡ると、かつてのアメリカのテキサス州で、水力発電用ダムの建設が盛んだった1960年代に、水面から顔を出す立木が多いダムエリアでの、ブラックバスフィッシングに適した仕掛けとして生み出された経緯があります。そのため、フックポイントがワームによって隠れるシステムになっており、根掛かりやフックポイントの損傷を気にすること無く、ストラクチャー周りを果敢に攻める釣り方が可能になっているわけです。まさに、ストラクチャー周りのロックフィッシュを狙う釣り方には、最適な仕掛けと言えるでしょう。
テキサスリグは, ジグヘッドとは違ったアピールで, バイトを引き出す
ワーミングで一般的な仕掛けである「ジグヘッドリグ」のアクションは、スイミングによる横方向の動かし方が中心となる (例外もあり)一方、テキサスリグでは、リフトアンドフォールによる縦方向の動かし方が中心となります。ですから、魚にジグヘッドリグとは違ったアピールをすることができ、ジグヘッドリグでは反応しない魚のバイトを引き出すことが可能です。また、フックが隠れていることで、根掛かりを恐れることなく、ストラクチャーに直接ワームを突っ込むような釣り方ができるので、警戒心が高く、根の奥深くで息を潜めている狡猾なロックフィッシュの口を、本能的に使わせる効果も期待できます。
テキサスリグの基本的な使い方は?
テキサスリグの使い方はシンプルで、キャストし、回収するだけですので、特別なスキルを必要としないため、初心者でも簡単に始めることができます。とはいえ、ちょっとしたコツをマスターするだけで、快適な釣りや釣果アップが期待できます。ここでは、テキサスリグの使い方の各工程ごとの基本的な動作や、見落としがちなちょっとしたコツについて探っていきましょう。
《使い方》1.キャストからフォールダウンまで
漫然とキャストするのではなく, 狙いを定めたキャストが重要
キャストの方法は、他のルアーと同様なのですが、ロックフィッシュの場合は、ストラクチャー周りに潜んでいるため、狙いを定めずにキャストすると、ロックフィッシュの目の前にしっかりとワームを送り届けることができず、釣果につながりません。キャストする際は、狙うエリアや筋をピンポイントで絞り込み、3 - 4投ほどじっくりと丁寧に探るように心掛けましょう。特に長時間の釣りでは、集中力が持続せず、漫然としたキャストになりがちですので、注意が必要です。
フォールダウン中も, 油断は禁物
ルアーが着水したら、ボトムまでフォールダウンさせていきます。フォールダウン中にラインの放出を止めると、「カーブフォール」と呼ばれる、手前に向かって大きなカーブを描くようにユラユラとフォールする動きになりますし、フォールダウン中のラインの放出を止めなければ、「フリーフォール」と呼ばれる、ボトムに向かって一直線にフォールする動きになりますので、状況によって使い分けてみるのが良いでしょう。ただし、フォールダウン中や、ボトムコンタクト直前でバイトが発生することがありますので、油断は禁物です。
ですから、仕掛けがフォールダウンしている時は、いつでもフッキングに持ち込めるような体制でロッドを構えておきましょう。またフリーフォールであっても、全くのテンションフリーではなく、適度にフェザーリングを行いながら、ラインスラッグの発生を抑え、フォール中のショートバイトも確実にキャッチできるようにすることが大切です。加えてフォール中は、フックポイントの向きが不安定になっていて、フッキングが甘くなりやすいので、一瞬ラインを送ってしっかりと喰い込ませてからフッキングさせて、魚の口にガッチリとフックを掛けられるようにする工夫が必要でしょう。
《使い方》2.ボトムコンタクトからアクションまで
ボトムコンタクト後にモタモタしていると, 思わぬ結末に・・・・
シンカーやメインラインの材質によっては、ボトムコンタクトが非常に分かりづらい時がありますので、ラインスラッグを起こさないようにフォールダウンさせていき、ティップに伝わるわずかな変化を確実に捉えることが重要です。ボトムコンタクトを確認できたら、すぐにアクションに入らないと、ワームを見切られてしまったり、潮流の早い場所では、潮流にあおられた海藻類にラインが絡み付いたりするなど、厄介な事態にもなりかねないので、ボトムコンタクト後の早い立ち上がりがポイントとなります。
テキサスリグのアクションは様々だが, 「リフトアンドフォール」が基本
テキサスリグで用いられるアクションは様々ですが、初めてルアーフィッシングに挑戦する方の場合は、「リフトアンドフォール」と呼ばれる基本のアクションを覚えておくと良いでしょう。このアクションはその名の通り、ロッドを上方向に強くシャクって、仕掛けをリフトアップさせ(上に跳ね上げること)、そのままの姿勢を維持しながらフォールダウンさせて、ボトムコンタクトを確認したら、ロッドを下げながらリールを巻いて (落とす)、ラインスラッグを取り、再度ロッドをシャクるという作業を繰り返すものです。他のルアーフィッシングにおいても基本のアクションですので、スムーズに行えるようにマスターしましょう。
《使い方》3.バイトからキャッチまで
テキサスリグでは, バイトが発生する瞬間が, 主に2つある
テキサスリグでは、縦方向のアクションが中心となるため、主にバイトが発生する瞬間が2つあります。1つは、前述したフォールダウン中、もう1つは、アクションがフォールダウンからリフトアップに変わる瞬間です。この2つの瞬間が発生する場面では、いつでもフッキングが可能な位置でロッドをホールドしておきましょう。また稀に、仕掛けを回収して再キャストするために、高速でリールを巻いた瞬間にバイトが発生する場合もありますので、ワームが水中にあるうちは気が抜けませんね。
フッキング直後の強烈なファイトを楽しもう!
フッキングすると、ロックフィッシュ特有の凄まじいパワーでストラクチャーに張り付き、根に潜ろうとします。この瞬間は、ラインが岩や海藻に擦れやすく、最もラインブレイクの危険性が高まりますので、きつめのドラグ調整でポンピングしながら、ロッドのパワーを最大限いかして、なるべく早くボトムから引き出しましょう。この時、フックにはものすごい力が加わることになりますので、パワーのある強靭なフックを選んでおかなければなりません。フックに掛かった直後の強烈なやり取りが、テキサスリグの最大の醍醐味ですよ。もちろん、抜き上げが困難な大型の場合は、ランディングネットの出番となります。
テキサスリグの使い方のテクニックとは?
テキサスリグは、魚の居場所の目の前でワームをアピールすることができるので、特別なテクニック無しでも、手軽にロックフィッシュをゲットできます。とはいえ、ワームの操作方法のテクニックを駆使したり、仕掛けのアイテムの選び方を工夫することで、さらに釣果アップを目指すことができます。ここから紹介していく内容は、それほど難しいことではなく、すぐに実践できるものばかりですので、もっと大きな魚をたくさん釣りたいアングラーの方は、ぜひ一度試してみる価値があるでしょう。
《テクニック》1.アクションのテクニック
ロッドやリールの使い方次第で, 動かし方のレパートリーは無限
ロッドの動かし方を変えたり、リールを巻くスピードや回数を変えたりするなどの、人間にとってはちょっとした変化であっても、魚の捕食のスイッチを入れるには有効です。特に同じ場所で、直前のキャストとは異なるアクションを行ったとたん、いきなりバイトが生まれることも珍しくないため、狙うエリアや筋を絞ったら、様々なアクションで重点的に魚の反応を探っていくようにします。
リフトアンドフォール以外に, 「ボトムパンピング」と「ズル引き」も覚えておきたい
前述したリフトアンドフォール以外に、「ボトムパンピング」と呼ばれるアクションも、テキサスリグでは多用されます。基本的な動かし方は、リフトアンドフォールと似ているのですが、ロッドのシャクり幅をよりコンパクトに、かつ連続で2 - 3回シャクるようにします。こうすることで、ボトムを小突くようにワームをアピールすることができます。
加えて、「ズル引き」と呼ばれる、ただゆっくりとワームをボトムで引きずるだけのアクションもあります。“アクション”と呼ぶにふさわしいかは疑問ですが、ロックフィッシュがボトムから大きく飛び出してバイトしてくれないような低活性時に、威力を発揮することがある動かし方です。また、リフトアンドフォールやボトムパンピングと組み合わせる場合もあります。
《テクニック》2.ワーム選びのテクニック
テキサスリグとジグヘッドリグとでは, 有効なワームが異なる
前述の通り、テキサスリグでは縦方向のアクションが中心となるため、有効なワームの種類は、ジグヘッドリグと異なります。ジグヘッドリグでは、ピンテールタイプやシャッドテールタイプなどの、スイミング時のテール部の波動でアピールするワームが広く用いられますが、テキサスリグでは、カーリーテールタイプやクロウタイプなどの、波動よりもシルエットでアピールするワームが主流です。
自分の使い方やスタイルに適合しているかも重要
ワーム選びでは、一般常識や卓上の理論だけではなく、自分の使い方やスタイルに適合したワームであるかどうかを考慮することも重要です。例えば前述したように、確かにシャッドテールタイプは、テキサスリグでは出番の少ないワームですが、ロッドを大きくシャクる釣り方や、軽いウェイトのシンカーを使用する釣り方の場合は、フォールダウンの時間が長くなるため、それだけテール部の波動によるアピール力を活用することができることも考えられます。ですから、ワームのタイプごとの特徴を学び、様々なアクションやシンカーのウェイトとの組み合わせで、どのように活用できるかを検討することも大切なのです。
《テクニック》3.シンカー選びのテクニック
シンカーの素材は, 主に3種類ある
縦方向のアクションが中心のテキサスリグにおいては、シンカー選びも重要な要素です。シンカーに使用される主な素材は、「鉛」、「真鍮」、「タングステン」の3つです。鉛製のシンカーは安価ですが、狭い岩の間に挟まってしまうと、軟らかさによってどんどん岩に食い込んでしまい、ロッドをあおっても外れにくくなってしまうのが弱点です。また、ロスト時に自然界で分解されないため、環境負荷も気になります。真鍮製のシンカーも数多く販売されていますが、比重が軽く、同じウェイトでは、他の素材のシンカーよりもシルエットが大きくなる傾向があるので、飛距離やワームの沈下速度の低下の原因となります。
高価なのが難点であるタングステン製のシンカーは、非常に硬いため、ボトムコンタクト時のティップに伝わる、コツンというインパクトが分かりやすく、比重も重いので、同じウェイトの他の素材のシンカーと比較すると、シルエットが小さくなるため、空気の抵抗の低さで飛距離も向上し、水の抵抗も少なくなるので、ワームの沈下速度も速くなります。こうした特徴を踏まえ、状況に応じたシンカーを選択していくことで、より効果的に魚にワームをアピールし、釣果アップにつなげていきましょう。
シンカーのウェイトも, 素材やワームの種類とセットで考えるべき点
ワームの動きを左右するシンカーのウェイトは、シンカーの素材やワームの種類とセットで考慮に入れるべき、重要な点と言えます。想定される状況は多岐に渡るため、全てを説明するのは困難ですが、ゆったりとしたワームの動かし方で、ネチネチと責める釣り方で使う3/8oz、動かし方や使用するワームを問わず、オールマイティーに使用できる1/2oz、深い根の奥深くを探る釣り方などで利用する5/8ozなど、状況や釣り方に柔軟に対応できる数種類を用意しておくのは、釣果アップ目指すうえで絶対に外せない、重要なキーポイントです。
正しい使い方やテクニックで狙い撃ち!
いかがでしたか。ロックフィッシュを狙うテキサスリグは、ストラクチャー周りも果敢に攻める大胆さがある一方、アクションや仕掛けのアイテムの種類を少し変えるだけで、釣果に大きな差が生まれる奥深さもあります。この記事を読んでいるあなたも、テキサスリグの正しい使い方やテクニックをマスターし、物陰で息を潜めているロックフィッシュたちを、次々に狙い撃ちしていきましょうね。