観葉植物の選び方
お部屋の中に緑があると、気持ちもリラックスしますし、空気清浄効果も期待できます。 たくさんの観葉植物のなかからどんなものを選ぶかは、姿かたちの好みはもちろん、その環境に適した植物かどうかが大切です。 本来は植物ごとに好む環境が違うので、適した環境に応じて細かく見ていく方が良いのですが、ここでは大まかにお部屋に日が入るか、日が入りにくいかに分けて15種類の観葉植物を選んでみました。 その中からさらにお部屋の温度や広さなど、細かく見ていくとよいかと思います。
明るさの基準とは?
植物を育てる際の明るさの基準は、日向~明るい日陰~半日陰~日陰の四段階に分けることが多いです。 日向→遮蔽物がなく1日に6時間以上直射日光が当たる場所 明るい日陰→直射日光は当たらなくても、木漏れ日や窓の反射で1日に6時間以上新聞が読める程度の明るさがある場所 半日陰→午前~昼ごろまで直射日光が当たる場所 日陰→1日の日照が4時間以下の場所やわずかな木漏れ日程度の明るさしかない場所
観葉植物図鑑1:日当たりの良いお部屋におすすめの種類
名前:ユッカ(青年の木)
置き場所:日当たりを好みます。4月~10月くらいまでは、室内でも日当たりの良い場所を選んで置きましょう。寒さに弱いため、冬は必ず屋内に取り込み、5度以上の温度が維持できる場所に置いてください。 用土 :水はけの良いものが適しています。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :乾燥に強く過湿を嫌います。鉢の土が乾いたら、鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。 肥料 :5月~9月の育成期に、緩効性の化成肥料を月に一回程度与えるとよいでしょう。 特徴 :ユッカはリュウゼツランの仲間で50種程度存在し、その中の数種類が観葉植物として利用され、青年の木とも呼ばれます。成長と共に下の方の葉が落ちて間延びした樹形になりますが、仕立て直すことが容易なため、好みの高さで切り詰めることができます。
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観葉植物図鑑2:日当たりの良いお部屋におすすめの種類
名前:幸福の木
置き場所:日当たりを好みますので、4月~10月頃まではよく日に当ててください。ただし、真夏の直射日光に当てると葉焼けすることがあるので、真夏は注意が必要です。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の土でかまいません。 水やり :よく水を吸い上げるので、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。気温が15度を下回ってくると、しだいに水を吸わなくなってくるので、徐々に灌水の間隔を開けて耐寒性を上げていきましょう。 肥料 :5月~9月の育成期には、緩効性の化成肥料を2か月に1回程度与えます。あまり大きくしたくない場合は、肥料は少量でかまいません。 特徴 :ユッカと同じくリュウゼツラン科のドラセナマッサンゲアナという植物で、ハワイでは幸福の木と呼ばれていることから、日本でもそう呼ばれています。ユッカよりも葉が大きく、葉からの水の蒸散が多いので、よく水を吸い上げます。葉にホコリが溜まってきたら、ときどき濡らしたティッシュや布巾で拭いてあげましょう。大きくなりすぎたら、好みの高さで切り戻してやると脇芽を出してきますので、仕立て直しが簡単にできます。
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観葉植物図鑑3:日当たりの良いお部屋におすすめの種類
名前:ガジュマル
置き場所:真夏以外はよく日に当てましょう。真夏は葉焼けして葉が落ちることがあるので、半日陰などに移動させた方が無難です。 用土 :水はけ、水もちの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :土が乾いたらたっぷりと与えますが、過湿を嫌います。ただ、空中湿度を好むので、霧吹きなどで葉水を与えましょう。 肥料 :元肥の入った土であれば、植え替えるまで特に肥料を与えなくても大丈夫です。大きくしたい場合は、良く日に当てるのと同時に、緩効性の肥料を2か月に1回程度与えるとよいでしょう。 特徴 :100円ショップなどで気軽に手に入る観葉植物ですが、意外とすぐに枯らしてしまう方が多いようです。原因として多いものは、過湿による根腐れ、日照不足、乾燥といったところでしょう。過湿は嫌いますが、空中湿度は好むので、霧吹きなどで葉水を与えましょう。鉢が小さいものは水切れしやすいので、過湿を意識しすぎて水切れさせてしまわないように注意してください。
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観葉植物図鑑4:日当たりの良いお部屋におすすめの種類
名前:ワイヤープランツ
置き場所:直射日光が当たって乾燥した場所に置くと、すぐに葉っぱがカリカリになってしまいますが、基本的には明るい場所が好きな植物です。日の当たる窓際に置いておき、冬の夜は窓から離すようにしてください。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販の培養土でかまいません。 水やり :乾燥が苦手なので、水切れするとあっという間にカリカリになります。ただ、土がいつも湿った状態だと根腐れしやすいので、土が乾いてからたっぷりと与え、鉢皿などに溜まった水はすぐに捨てるようにしてください。 肥料 :春から秋の育成期に、緩効性の化成肥料を与えると育成がよくなりますが、無理して与えなくても元肥でよく育ちます。 特徴 :細い茎に頼りない葉が付いているので、日差しが強いところで乾燥させたり、エアコンの風が直接吹き付けるところに置くと枯れやすいです。ある程度寒さには耐えますが、霜に当たると枯れるので、冬の窓際は注意が必要です。地上部が枯れても春になったら芽吹いてくることがあるので、霜に当ててしまったら、とりあえず春を待ってみてください。
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観葉植物図鑑5:日当たりの良いお部屋におすすめの種類
名前:カポック
置き場所:非常に順応性が高い植物で、徐々に慣らしていけばだいたいどんなところでも育ちます。 用土 :水はけがよく腐植質の用土を好みます。市販の観葉植物の用土単用か、ピートモスや腐葉土を混ぜたものでかまいません。 水やり :ある程度乾燥には耐えます。春から秋は、土が乾いたらたっぷりと与えます。冬は水の吸い上げが悪くなるので、過湿に注意しましょう。 肥料 :5月~9月頃は、緩効性の化成肥料を2か月に1回程度与えると育成がよくなりますが、あまり大きくしたくない場合は肥料はごく少量でかまいません。 特徴 :正式にはシェフレラ・カポックと言いますが、シェフレラかカポックで流通していることが多いです。100円ショップでも気軽に買える観葉植物で、環境に適応する力が強いのが最大の魅力です。耐寒性も強く、3度くらいまでは耐えると言われますが、関東でも地植えで越冬しているのをよく見かけます。成木で徐々に慣らしていけば、0度くらいまでは耐えるようです。小さな株は屋内で越冬させた方が無難です。日向から半日陰まで、幅広く適応するので、置き場所はあまりこだわらなくても大丈夫です。
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観葉植物図鑑6:日当たりの良いお部屋におすすめの種類
名前:ジュウニノマキ
置き場所:強い日差しに当たると葉焼けして茶色くなってしまうので、レースのカーテン越しに光が入る場所や、柔らかい日差しの場所に置いてください。完全に日陰だと徒長してヒョロヒョロになります。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販のサボテン・多肉植物用の用土でかまいません。 水やり :成長期は春と秋です。この時期は土が乾いたらたっぷりと与えますが、夏と冬に葉成長が止まるので、土が完全に乾ききって数日した頃に、株の様子を見ながら与えます。 肥料 :春と秋に緩効性の化成肥料を少量与える程度でかまいません。 特徴 :小さなアロエのような形状で、やや硬く尖った葉に白い縞模様が入るのが特徴です。もともと成長が遅い植物なので、机の上などでもあまり邪魔にならずに育てられます。透明な葉を持つオブツーサなどと同じハオルチアの仲間ですが、ハオルチアは種類によって形状が様々なので、集めてみるのも面白いです。
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観葉植物図鑑7:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:コーヒーの木
置き場所:基本的には日当たりを好みますが、真夏の直射日光に当たると葉焼けしやすいです。移動させないことを前提に考えるなら、直射日光が当たらない室内の明るい場所が良いでしょう。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :春から秋は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。冬は水の吸い上げが悪くなるので、ひかえめにします。 肥料 :春から秋の育成期に、月に一回程度緩効性の化成肥料を与えると育成がよくなります。 特徴 :その名の通りコーヒーの原料になるコーヒー豆の木です。観葉植物として気軽に手に入るので、多くの方が育てたことがあるかと思いますが、寒さに弱いので冬に枯らしてしまうケースがほとんどのようです。冬でも10~15度以上が維持できる場所で管理すれば問題なく越冬します。真夏の直射日光に当たると葉焼けするので、西日が入らない窓際など、葉焼けしにくい場所を選んで置きましょう。株が大きくなると、花も咲きますし実もなります。
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観葉植物図鑑8:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:モンステラ
置き場所:強い日差しに当たると葉焼けしやすいです。明るい日陰程度の光量でも十分育ちますので、室内で育てることも容易です。直射日光が当たらない窓際などに置くとよいでしょう。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :乾燥を嫌いますので、土が完全に乾ききる前にたっぷりと与えます。特に夏場は大きな葉からどんどん水分が飛んでいくので、乾燥させすぎないように注意してください。 肥料 :春から秋の育成期に、緩効性の固形肥料を与えるとよく育ちますが、大きくなるので様子を見ながら調整してください。 特徴 :虫食いのように穴が開いたり切れ込みが入るのは、株が大きくなってからです。100円ショップなどで買ってきたばかりのものは、サトイモのようなハート型の葉が出るだけです。株が大きくなってくると、葉が大きくなって水分の蒸散も増えます。過剰な水分の蒸散を防ぐために葉の面積を減らそうとして切れ込みや穴が開くようなので、まずは充実した株を育てるようにしましょう。小さいうちから葉に切れ込みが入る、矮性品種のヒメモンステラという種類もあるので、省スペースを希望する場合は矮性のものを選びましょう。
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観葉植物図鑑9:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:アグラオネマ
置き場所:強い日差しを嫌います。室内の明るい場所か、半日陰くらいで管理しましょう。 用土 :水はけ、水もちの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :乾燥を嫌います。土の表面が乾いたら、鉢底から流れるくらいたっぷり与えます。空中湿度を好みますので、ときどき霧吹きなどで葉水を与えるとよいでしょう。 肥料 :春から秋の育成期に、月に2~3回液肥を与えると育成がよくなります。 特徴 :種類によって葉の形状が変わりますが、愛好家が多い植物です。特にトリカラーと呼ばれる3色の迷彩模様の葉は珍重され、高値で取引されます。映画「レオン」で、ジャン・レノが育てていたことでも有名です。成長するにつれて下葉が落ちて間延びしたような形になるので、その場合は切り戻して仕立て直しましょう。
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観葉植物図鑑10:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:アスプレニウム
置き場所:シダの仲間なので、強い日差しを嫌います。年間を通して明るい日陰か室内の明るい場所で管理します。 用土 :腐植質で水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :春から秋の育成期は、土が乾いたらたっぷりと与えます。冬はひかえめにして耐寒性を上げましょう。 肥料 :多くを必要としません。春から秋にかけて、2~3か月に1回程度、緩効性の化成肥料を少量与えます。 特徴 :肉厚な葉が放射状に生えるシダの仲間です。過湿も乾燥も嫌うので、通常の水やりは土が乾いたらたっぷりと。日常的にスプレーなどで葉水を与えると色つやがよくなります。種類にもよりますが、熱帯性のものが多いので、冬場は10度以上が維持できる場所で管理した方が無難です。
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観葉植物図鑑11:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:クワズイモ
置き場所:強い日差しを嫌うので、一年を通して木漏れ日程度の明るさの場所で管理しましょう。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :土が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。空中湿度を好むので、春から秋の成長期には霧吹きで葉水を与えましょう。 肥料 :春から秋の成長期に、月に1~2回程度液体肥料を与えるとよく育ちますが、あまり大きくしたくない場合はごく少量でかまいません。 特徴 :サトイモの仲間で、サトイモと同じように芋ができますが、芋の部分が地上に出て太い茎のようになるのが魅力です。肥料を与えると芋が大きく育ち、草丈が1メートルを超えることもあるため、大きくしたくない場合は肥料はひかえましょう。徐々に慣らせばある程度寒さに耐えるため、地域によっては屋外での越冬も可能です。寒さで地上部が枯れても、春になると芽吹いてくることもあります。
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観葉植物図鑑12:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:ドラセナ・コンシンネ
置き場所:真夏の直射日光を嫌います。逆に冬はできるだけ日当たりの良いところが望ましいので、移動できない大きさの場合は室内の明るい場所か半日陰になる場所に置きましょう。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :春から秋の育成期は、土が乾いたらたっぷりと与えます。冬はひかえめにして耐寒性を上げます。 肥料 :定期的に植え替えをしている場合は元肥で足りますが、育成期に月に1~2回程度液肥などを与えると育成がよくなります。 特徴 :細い幹の上の方に細長いシャープな葉が付く涼しげな姿が人気の観葉植物です。他のドラセナと同様、生命力が強く、樹形が乱れたときは切り戻しで仕立て直すことができます。過湿を嫌うため、根がいつも湿った状態だと根腐れしやすくなります。室内でエアコンの風が当たる場所に置くと、葉の先端から乾いて枯れてきます。エアコンの風を避け、ときどき葉水を与えるようにしましょう。
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観葉植物図鑑13:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:ヘデラ
置き場所:強い日差しに当たると葉焼けしやすいので、半日陰など西日を避けられる場所に置いてください。斑入りの品種は日に当てた方が模様が濃く出ます。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :ある程度乾燥には耐えられます。土が乾いたらたっぷりと与えます。 肥料 :春から秋にかけて、緩効性の固形肥料を与えると育成がよくなります。 特徴 :アイビーやヘデラという名で流通しています。耐乾燥、耐暑、耐寒、耐陰性があり、だいたいどんなところでも育ちます。環境がいいとどんどん増えて邪魔になるくらいです。よく成長した株はマイナス5度程度まで耐えますので、屋外で越冬もできますが、矮性の品種や小さな株は、室内に取り込んで越冬させた方が無難です。
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観葉植物図鑑14:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:テーブルヤシ
置き場所:他のヤシと違って強い日差しを嫌います。直射日光の当たらないカーテン越しの光が当たる場所か、室内の明るい場所で管理します。 用土 :水はけが良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :春から秋は、やや多湿気味に管理します。土の表面が乾いてきたら、鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。冬は乾燥気味に管理し、耐寒性を上げます。 肥料 :春から秋にかけて月に1~2回程度液体肥料を与えるとよく育ちます。 特徴 :テーブルヤシという名の通り、それほど大きくならない種類ですが、それでもヤシ類の中ではということで、上手に育てると1~2メートルくらいにはなるので、とてもテーブルの上には乗りません。肥料を少なめにして成長を緩やかにした方が管理が楽です。大きく育てると、房状に小さな花を咲かせることがありますが、雌雄異株のため実がなることは珍しいです。
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観葉植物図鑑15:日差しが入りにくいお部屋におすすめの種類
名前:パキラ
置き場所:日当たりの良いところから半日陰まで、幅広く適応しますが、急に環境を変えると葉が落ちます。置き場所はあまり頻繁に変えない方が無難です。 用土 :水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の用土でかまいません。 水やり :5~9月の育成期の頃は、土が乾いたらたっぷりと与えます。それ以外の時期はやや乾燥気味に管理した方が良いでしょう。 肥料 :育成期に緩効性の固形肥料を与えるとよく育ちますが、あまり大きくしたくない場合は肥料はひかえめにしましょう。 特徴 :頑健な性質のため、観葉植物の入門編のような存在です。幹が寸胴のものは挿し木から育ったものが多く、トックリ型のものは実生(種から育ったもの)が多いです。挿し木で容易に増やせますし、調子が悪くなったり樹形が乱れた場合、だいたいどこから切っても復活してきます。それくらい丈夫な性質なので、観葉植物初心者の方からベテランの方まで、色々な楽しみ方ができます。
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まとめ
観葉植物は、自然界での育成環境によって、室内での育てやすさや適した環境が大きく異なる場合があります。 ある程度適応力のあるものであれば、徐々にその環境に慣れて育っていきますが、明るい場所を好む植物を日陰で育てたり、暖かい環境を好む植物を寒い場所で育てることはできません。 観葉植物を上手に育てるコツは、まず植物を置こうとしている環境がどういったものか、それに適した植物であるかどうかをよく考えることです。 そこをクリアできれば、あとは愛情のかけ方で長く付き合うことができるようになるでしょう。