宇崎日新 ロッド プロステージ 攻堤ヘチ
黒鯛工房 THEヘチリミテッド BAY フカセ 285
黒鯛師 THE ヘチ セレクション 88W
ヘチ釣り用の竿やリールについて徹底解説!
ヘチ釣り用の竿やリールは, シンプルだが奥深い
ヘチ釣りは、シンプルな道具とシンプルな仕掛けで、クロダイやイシダイ、根魚を狙う釣りです。ヘチ釣りに用いられる竿やリールなどの各種道具は、シンプルな設計ながら、繊細、かつ大胆なヘチ釣りにおいて重要なあらゆる要素に適応しています。この記事では取り上げませんが、一本一本職人が手作りした竹製のヘチ釣り用和竿もあり、ものによっては10万円を超すものまで存在します。
使い方のコツから探る選び方や, おすすめの商品までご紹介!
この記事では、シンプルだが奥深さを秘めているヘチ釣り用の竿やリールの、使い方や道具立てのコツから探る選び方と、筆者一押しのおすすめの商品について、筆者の経験から得られた情報も織り交ぜながら、徹底的に、詳しく解説していきます。今使っているヘチ釣りの道具をレベルアップしたいという方や、竿やリールの使い方や道具立ての細かな工夫について、今一つ理解できていないという方は、ぜひこの機会に、ヘチ釣り用の竿やリールについて、もっと深く知ってみませんか。
※ 以下の点に留意してください
ヘチ釣りは地域性が強く、地域によって釣り方や各種道具の名称などが異なる場合があります。この記事で使用する語句の中にも、同じ意味でも語句が異なるものがありますので、ご了承ください。筆者は関東地方が出身ですので、釣り方や各種道具の名称などについては、関東地方で用いられるものを中心に使用していきますので、予めご了承ください。
「ヘチ」と「落とし込み (前打ち)」の違いを確認
意外と, 良く分かっていない人も多い
類似する道具や仕掛けを使用する釣りには、「ヘチ釣り」と「落とし込み釣り (前打ち釣り)」との2種類があります。この記事では、「ヘチ釣り」用の竿やリールについて取り上げます。ここで一度、「ヘチ釣り」と「落とし込み釣り (前打ち釣り)」の違いをおさらいしておきましょう。
ヘチ釣りのタックルと, 基本的な釣り方について
ヘチ釣りは、関東地方を中心とした地域で生まれた釣りです。イガイやカニなどのエサを、ガン玉とハリのみのシンプルな仕掛けに付け、クロダイなどを釣る釣り方です。ヘチ釣りでは、3m以下の短い竿や口径の小さいリールなど、比較的小さめのタックルを用います。これは、大正時代から昭和時代初期に、関東地方で建設された多くの堤防の高さが、低めだったことが影響しているとも言われています (諸説あり)。
竿が短いので、純粋な堤防の際のみを狙います。一歩ずつ、丹念にエサを落として魚の居場所を探っていく地道な釣りです。また、使用する道糸 (メインライン)も、オレンジやイエローなどの単色の糸 (ライン)を用いることが多いのも、ヘチ釣りの特徴と言えるでしょう。
落とし込み釣り (前打ち釣り)のタックルと, 基本的な釣り方について
落とし込み釣り (前打ち釣り)は、関西地方を中心とした地域で生まれた釣りです。エサをシンプルな仕掛けで落とし、堤防周辺にいるクロダイなど釣るという点では、ヘチ釣りと同じなのですが、落とし込み釣り (前打ち釣り)で用いられる竿は、3.6m以上の長いものが中心です (ヘチ釣りの理由とは、逆の理由から)。
そのため、純粋な堤防の際のみならず、仕掛けを軽く送り込んで、少し沖目を狙うこともあるのです。ですから落とし込み釣り (前打ち釣り)では、一ヵ所に立って広範囲を探り、魚の反応がなければ、大きく移動するような釣り方になります。竿が長ければ、当然道糸 (メインライン)も見にくくなりますから、等間隔で色が異なる縞模様の視認性の高い道糸 (メインライン)や、道糸 (メインライン)に取り付ける目印を用います。
ヘチ竿選びのコツ3つとは?
ヘチ竿選びでは、使用する糸 (ライン)の太さ、狙う場所による長さや硬さの違い、価格とのバランスなど、考慮に入れるべき点は様々です。この記事では、「長さ」、「硬さや調子」、「トータル面」の3つから見る選び方のコツについて、詳しく見ていきましょう。
ヘチ竿選びのコツ (1)【長さについて】
釣り方に合った竿の長さであることが重要
一口にヘチ釣りといっても、状況によって異なる、様々な細かい釣り方の違いが存在しています。例えば、狙うタナが浅い場合、あらかじめ出しておく道糸 (メインライン)の量は少ないため、短くて取り回しやすい長さの竿が適しています。逆に狙うタナが深い場合、あらかじめ出しておく道糸 (メインライン)の量も多くなるため、短い竿だと、腕を大きく振り回しながら釣りをしなければならなくなりますので、竿の長さが比較的長い竿に分があります。
このように、自分の釣り方に適した道具立てが、どのようなものなのかをよく考え、それに合った長さの竿をチョイスしなければ、快適な道具で釣りをすることはできません。とはいえ、魚がいるタナは、いつも違います。「大は小を兼ねる」という言葉の通り、最適な長さより少し長めの竿を用意しておけば、何とかすべての条件で使用可能な道具立てを組めるとは思いますが、ストレスなく釣りを楽しみたいのであれば、条件に合った長さの竿を複数本用意しておく必要があることは、言うまでもありません。
釣り場に適している長さかどうかも, 大切なポイント
落とし込み釣りは、堤防際や、堤防にある「スリット」と呼ばれる、潮が出入りする細い隙間に潜む魚を狙います。特に、スリットになっている部分が、自分の立ち位置より低く、奥まった場所にあるような場合には、竿先のみを突っ込んで釣る場合もままあります。こういった狭い場所で展開される釣り方に向いているのは、やはり短くて取り回しの良い長さの竿です。
また、堤防の高さが高い場合、竿を持つ手の高さから水面までの高さよりも竿が短いと、狙ったタナに仕掛けを落としきるために腰を落とし、しゃがみ込むような釣り方になるため、無理な姿勢で釣りをする羽目になります。この姿勢はバランスを崩しやすく、場合によっては、落水する可能性も否定できません。そんな時、長めの竿を使っていれば、腰の高さを維持したまま、釣りに集中することができます。このように、自分が釣りをする場所の状況も、竿選びにおいて重要なファクターなのです。
ヘチ竿選びのコツ (2)【ロッドアクションについて】
ヘチ竿の調子は, 「6:4」と「7:3」が主流
ロッドアクションは、日本発祥の釣りにおいては、「調子」という概念で考えられます。「調子」とは、竿に負荷をかけた際の、竿の全長の半分より竿先側と、竿の全長の半分より持ち手側との曲がり具合のバランスのことです。調子は「竿前部の曲がり具合:竿後部の曲がり具合」で表され、数字が大きくなるほど、曲がり具合が大きいことを示しています。ヘチ釣りで使用される竿の調子の主流は、竿全体が大きく曲がる「6:4」と、竿前部の限られた部分がピンポイントで曲がる「7:3」の2つです。
糸 (ライン)への負担が少ないのは6:4
6:4は、竿全体がしなやかに曲がることで、糸 (ライン)にかかる魚の衝撃を優しく受け止めます。特にヘチ釣りでは、ハリスは太くても「1.7号」が、道糸 (メインライン)は太くとも「2号」が限界です。ですから一見すると、糸 (ライン)に負担を掛けない6:4の設計の竿は、非常に適しているように見えます。
釣り場によっては, 7:3以外は使い物にならない
ところが、前述のように、スリットや障害物周りに潜む魚を狙う場合、魚が掛かったら素早く引き上げないと、堤防の際に張り付いた貝類や、海底の岩や海藻などに糸 (ライン)が擦れて、切れてしまいます。素早く、強引なやり取りが必要となるこういった場所においては、竿全体がしなやかで、パワーがない6:4の竿では使い物になりません。パワーのある大胆なやり取りができるのは、竿先付近のみが柔らかく、全体的に硬くてパワフルな7:3の竿なのです。
竿に使われているカーボン素材の反発力も気になる
前述した調子に加え、竿に使用されているカーボン素材の反発力も、竿全体のパワーや糸 (ライン)への負担に影響を与えます。これは、メーカーや商品によって大きく異なるので、詳しく説明することは難しいのですが、筆者の知見からすると、同じカーボン含有率でも、テープ状のカーボンを幾重にも重ねて作られている竿は、反発力が強く、目視で見てもカーボンテープの厚さが薄いタイプの竿は、比較的しなやかな印象を受けます。
メーカーの商品カタログを見れば、その竿の硬さや調子について、ある程度知ることができるのではないでしょうか。それでもやはり、カーボン素材は反発力が強めで、魚の引きもガツガツとした感じになってしまうため、自然素材ならではのしなやかさがあり、味のある引きを楽しめる和竿を使う釣り人も多くいるというわけです。
ヘチ竿選びのコツ (3)【トータル面について】
軽さは最低条件だが・・・・
ヘチ釣りは、一日中竿を持ち、腕の上下を繰り返しながら、ひたすら仕掛けを落とし続ける釣り方ですから、軽いことは最低条件です。竿が軽いと、魚の引きがダイレクトに手に伝わるため、やり取りも楽しくなるでしょう。
とはいえ、軽い竿は高価なカーボンが多用されている証でもあります。最近は、グラス繊維やエポキシ樹脂でも肉薄にすることで、カーボン使用量を極力減らしながら軽さを確保し、安価で販売されている竿もありますが、ヘチ竿は細く、軟らかいため、肉薄な竿は破損しやすい欠点があるので、あまりおすすめできません。
財布事情も考慮に入れるべし
いくら軽い竿でも、値段が高いと購入は難しいです。軽さと価格のバランスが取れているかを判断するのは難しいですが、同価格帯の他の商品で比較してみると、その竿のコストパフォーマンスが分かります。しかし、竿の価格は軽さだけではなく、使用している素材や快適性によっても変わってきますので、できればインターネット通販ではなく、釣具店に足を運んで実際に竿を振り、納得のいく竿を購入することをおすすめしています。また、中古の良品を探すのも手です。
釣りの最中に感じる竿の重さを, ごまかす方法もあるらしい・・・・
筆者も庶民の一人なので、高価な軽い竿を購入することはできませんでしたが、重めのリールを使用することで、竿の重さをある程度ごまかすことができていますので、一度試す価値はあるでしょう。また、竿尻にオモリなどの重さのあるものを付けることで、竿が軽いかのように腕に感じさせるという方法を耳にしたこともあります。
おすすめのヘチ竿は?《コストパフォーマンス重視》
宇崎日新 ロッド プロステージ 攻堤ヘチ
こちらは、ソフトな穂先がヘチ釣り特有の微かなアタリを的確にとらえてくれる、優れた製品です。高感度を誇るタッチグリップ設計を採用しているので、使いやすいところも嬉しいポイントになります。
おすすめのヘチ竿は?《性能重視》
黒鯛工房 THEヘチリミテッド BAY フカセ 285
このタックルのおすすめポイント1 - 軽い引き込みに対しては, 7:3調子気味の味付けではあるものの, 強い引き込みに対しては, やや6:4に近い使い心地で, パワーと道糸 (メインライン)への負担の度合いのバランスが, 同価格帯の他社商品と比べて絶妙な点 - このタックルのおすすめポイント2 - 同価格帯の他社商品に比べ, 公称重量以上に, 軽く感じられるよう設計されている点 - このタックルのおすすめポイント3 - 手にフィットする絶妙なグリップ形状や肘当てなど、腕への負担を極限まで軽減できる設計である点
ヘチリール選びのコツ4つとは?
ヘチ釣りで使われるリールは、ギヤ比が1:1で、太鼓型の片軸受けリールが使用されます。基本的にはシンプルな構造ですが、最近では、様々な機能が搭載されている商品も登場しています。この記事では、「指との相性」、「スムーズさ」、「付随的な機能」、「トータル面」の4つから見る選び方のコツについて見ていきます。意外と見落としがちな点もありますよ。
※ よくある質問として、「スピニングリールはヘチ釣りに使用できないのか」というものがあります。ヘチ釣りでは、道糸 (メインライン)の出し入れを頻繁に行います。スピニングリールの場合、道糸 (メインライン)を出すためには、ベールを倒す必要がありますが、スピニングリールの構造上、片手でベールを倒すことは困難です。また、ヘチ釣りでは、5cm単位の微妙な道糸 (メインライン)の出し入れ作業がよくありますが、スピニングリールでは、例えスプール1回転分の道糸 (メインライン)しか出さないようにしても、スプールの口径分の道糸 (メインライン)が出てしまうことは避けられないため、やはりヘチ釣りには不向きと言えるでしょう。
また、スピニングリールは、リールフットの下方にあるため、竿を横や上に向ける操作時のバランスが非常に悪い点も、スピニングリールがヘチ釣りに向かない要因となっています。上記の理由から、ヘチ釣りでの使用は困難と結論付けることができます。
ヘチリール選びのコツ (1)【指との相性について】
ドラグフリーな構造だからこそ, 重要なポイント
ヘチ釣り用リールは、基本的にドラグフリーで、反転防止機構もないため、どちらの方向にもクルクル回る仕組みです。ですから、仕掛けを落としている最中やアワセを入れる瞬間は、道糸 (メインライン)が勢い良く出てしまわないように、スプールを押さえておく必要があります。ヘチリールには、スプールを指で押さえる際に、指の腹を乗せるための穴が付いており、この穴に指の腹が食い込むことで、ストッパーの役目を果たし、がっちりとスプールをホールドできるような仕組みになっています。
デザイン性の高いリールは, 使い心地を犠牲にしている場合がある
最近のヘチリールは、デザイン性を重視しすぎて、指の腹が入る穴が、指にフィットしない位置や形になっているケースがあります。筆者は、最も指にフィットしやすい、昔ながらの古典的なデザインのヘチリールを愛用しています。指の長さや太さは、人によって異なるので、ヘチ竿と同じく、ネット通販による購入よりも、釣具店で実物を触り、指へのフィット感を確かめたうえでの購入が理想的です。
ヘチリール選びのコツ (2)【スムーズさについて】
スムーズな回転は, ヘチリールにとって大切だが・・・・
ヘチリールは、道糸 (メインライン)を巻いたり出したりする使い方を繰り返すため、一日中回転し続けます。ですから、軽い力でもスムーズに回転し、ゴロツキ感を極限まで抑えた滑らかな回し心地であることは、非常に大切です。とはいえ、ヘチ釣りにおいては、リールの使い方によっては、極端なスムーズさが、かえって仇となる場合もあります。
極端にスムーズなリールでも, 使い方次第では不快な場合も・・・・
ヘチ釣りでは、微妙な量の道糸 (メインライン)の出し入れは、リールを持っている手の親指で、スプールをクルクル回して行うような使い方をする場合があります。また、カニエサを使用している場合、竿を持つ手と反対の手には、カニを入れておく「サカサバケ」と呼ばれる木製の容器を持っている場合があるため、片手でリールを操作することも多いのです。
極端にスムーズなリールの場合、スプールを親指でほんの少しはじくような使い方をしただけで、必要以上に回ってしまい、出し入れされる道糸 (メインライン)の量が必要以上になってしまうことがあります。また、スムーズすぎるリールは、ハンドルがスプールの下になる位置にリールの姿勢が向いた場合や、うっかりスプールを押さえておくのを忘れて、仕掛けを揚げてしまった場合などにリールに掛かるわずかな力でも、道糸 (メインライン)が勢い良く出てしまい、バックラッシュしてしまうこともあります。回転のスムーズさは、基本的には長所と言えますが、使い方によっては、リールの快適性を低下させてしまう要因になりうるということを頭に入れたうえで、リール選びをする必要があります。
ヘチリール選びのコツ (3)【付随的な機能について】
様々な便利機能が搭載されたヘチリールも登場している
釣り具メーカーでは、今までのヘチリールには無かった、様々な便利な機能を搭載した新しいヘチリールを、次々と世に送り出しています。例えば、ドラグ機能が搭載された商品では、釣りの最中は、スプールが回らないように指で押さえておく必要がなく、魚とやり取りをするときも、必要以上の力が道糸 (メインライン)に加わると、道糸 (メインライン)が出ていく仕組みになっています。また、特殊な回転機構を用いたリールなども登場しています。シンプルなヘチリールにも、技術革新の波が押し寄せているのです。
便利だと思うかは, 人によって様々だが・・・・
これらの便利機能が、操作性や快適性の向上に貢献していると感じるかどうかは、釣り人によってまちまちです。ですから、自分が便利だと思う機能が搭載されたものを選択すれば、一番後悔なく、納得のいく1台を購入できるでしょう。ただ、筆者の個人的な意見としては、あくまでも、ギヤ比が1:1で、ごくシンプルな構造のリールだからこそ、魚との駆け引きを生で感じ取ることができると考えています。
ヘチリール選びのコツ (4)【トータル面について】
ヘチ竿の時と同様、性能が高いものは、その分高価です。確かに、高価なリールの快適性や使い心地は、目を見張るものがあります。デザイン性も高く、釣りをしている時に、ふとリールに目をやった時の興奮もひとしおです。とはいえ、ルアーフィッシングなどと違い、1日の釣りで数万回転も回すような過酷な使い方をするわけではありませんので、筆者としては、操作に支障のないレベルの商品で満足できるのであれば、その程度に抑えておき、その分、魚とのやり取りで重要な竿にお金を費やすことの方が価値があると思っています。
おすすめのヘチリールは?
黒鯛師 THE ヘチ セレクション 88W
- このタックルのおすすめポイント1 - エントリーモデルながら, 有名メーカーの商品なので, 基本設計がしっかりしている点 - このタックルのおすすめポイント2 - スプールに巻いてある道糸 (メインライン)が不用意に勢い良く出て、バックラッシュすることを防ぐ「クリックストッパーシステム」を搭載している点 - このタックルのおすすめポイント3 - ライントラブルが自然に解消するような構造に設計してある点
良い釣果は良い釣り道具から!
いかがでしたか。ヘチ竿やヘチリールについて、少しは知ることができたのではないでしょうか。もちろん、ヘチ釣りはシンプルな道具立てと仕掛けで、魚とのやり取りを楽しむことが魅力の一つですが、使用するヘチ竿やヘチリールを工夫することで、一層快適にヘチ釣りを楽しみ、ヘチ釣りの新たな新境地を切り開くことができるでしょう。
ドラグ機能のON/OFFが, ワンタッチで可能