シリオ（SIRIO）って？
日本人の足型を研究し続ける登山靴メーカー
シリオは、登山靴専門ブランドとして1993年に誕生しました。欧米人向けの登山靴が多い中、「日本人の足型から靴を考える」という原点に立ち、企画・開発を日本で、設計・生産をイタリアで行う国産ブランドです。
イタリアは、靴作りの技術と伝統が世代を越えて受け継がれている国。革のなめし技術や染色技術、ホック・靴紐製造技術などは世界でもトップレベルなのです。日本人のニーズに応え、イタリアの技術と伝統で靴に命を吹き込む。シリオの登山靴は、日本人の足を第一に考えたブランドのこだわりが詰まっています。
「10：4」の登山靴の秘密
幅広日本人のための登山靴
日本人は昔から、わらじや草履、下駄など、足を解放したルーズな履物文化があり、欧米人に比べて甲高幅広で偏平足の足型を持つ人が多いと言われています。日本人の足型は、長さと幅の割合が約10：4。対して欧米人の足型の比率は約10：3.5。欧米人よりも幅広なため、フィット感が悪く窮屈に感じたり、自分に合った靴となかなか出会えない、という方も多いのではないでしょうか？
海外ブランドの登山靴の注意点
登山用品店に並ぶ登山靴は海外メーカーのものが多く、優れた製造技術と多様なデザインで、購入の際は目移りしてしまいます。しかしそれらの海外メーカーの靴の多くは、欧米人向けの幅の細いラスト（木型）を使用して作られています。中には幅広のラストで作られているものもありますが、ソールは既製品の幅細タイプを使用しているものが多く、バランスが悪くなって歩きにくいものとなってしまいます。素材やデザイン、ブランドで選ぶのではなく、実際に店頭で履き比べることをおすすめします。
シリオ登山靴の魅力①「ワイズ」
シリオの靴の大きな特徴は、日本人の足型に合わせて、３E、３E＋、４E＋の3つの「ワイズ」を採用している点です。また、レディースモデルとしてワイズの幅やフィット感を見直し、３Ｅ＋レディースラストを採用したモデルもあります。従来の、欧米人向けの登山靴を日本人向けにアレンジしたものではなく、甲高・幅広の日本人専用設計の登山靴を幅広のワイズをもとに作っています。
「３E」は、長さ：幅＝10：4より幅が細い人や、きつめのフィット感がお好みの方におすすめのモデル。「３E+」は、長さ：幅＝10：4の人や、自然なフィット感がお好みの方におすすめのモデル。そして「４E+」は、長さ：幅＝10：4より幅広の人や、長く歩くと足が痛くなりやすい人、また外反母趾の方におすすめのモデルとなります。
シリオ登山靴の魅力②「P.F.コンセプト」
幅広の日本人の足に合わせた３E、３E＋、４E＋の3つの「幅」のほか、楽に歩くためのかかとの「高さ」、歩きを支える「硬さ」を加えた3要素を組み合わせたのが、シリオのプリウス・フォルマ（P.F.）コンセプト。フィット感を高めたP.F.シリーズは、登山時の安心感も保証してくれるモデルです。
「10㎜」の差
自然な歩行姿勢を維持するために、かかとの「高さ」は重要です。高すぎると姿勢が不安定となり、登山中、常にかかとに衝撃が与えられてしまいます。シリオの靴は、つま先とかかとの高さを10㎜に設定することで、素足に近い、自然な歩行姿勢を維持することができるように工夫されています。
登山靴の硬さを表す「ソールスタンス」
シリオの靴にはそれぞれに「ソールスタンス」が表記されています。これらは、靴の硬さを測る目安となります。硬いほど数字は短くなり、柔らかいほど数字は長くなります。柔らかい靴は屈曲性がよく、傾斜や平坦な道での歩行がリズミカルになります。特別な脚力も必要なく、山歩きの入門用に適しています。一方硬い靴は、急斜面での地面に対するつま先のホールドがよくなり、重装備の山行でもふらつきが少なく、不整地での足元が安定します。しかし脚力が必要になり、平坦な道では疲れやすくなります。ソールスタンスを参考に、目的とレベルに応じた靴を選びましょう。
登山靴は「レベルチャート」を参考に
シリオの靴を選ぶ際の参考として、目的に応じた靴を選ぶための「レベルチャート」が設けてあります。レベルは「ウォーキング」、「シティトレック」（遊歩道・整地）、「ライトトレッキング」（登山道）、「トレッキング」（不整地・登山道）、「マウンティニアリング」（登攀・不整地）の５段階に分かれています。
しかし、このレベルチャートはあくまで目安として、ご自身の脚力や目的に合わせて購入することをおすすめします。初めての縦走に、慣れないウエイトの重いトレッキングシューズを選んでしまうと、背中の重い荷物と靴の重さで疲れてしまいます。
シリオの登山靴をフィッティング！
登山靴を購入する時のポイント
「ワイズ」や「ソールスタンス」など、先に紹介したシリオの特徴を参考に、店頭で試着する際にチェックするポイントを紹介します。購入時は必ず、店頭で試着をし、フィット感を確認することが大切です。１．トレッキング用靴下を着用し、靴の先端につま先が触れるまで足を入れる。２．その状態で、かかとに指一本分の隙間があるか確認する。（スムーズに指が入ればO.Kです。）３．店内を歩いてフィット感や安心感など履き心地を体感する。
初めて登山靴を購入する際、店頭で何足も履き比べてみても、実体験がないために「どのフィット感が山ではベストなのか」というイメージが湧きにくいと思います。しかし、足に合わない登山靴は怪我のもととなり、登山が素晴らしい趣味となるかどうか、が靴選びにかかっています。諦めず店員さんに相談しながら、信頼できる一足を探してください。また、靴紐の結び方やインソールで靴のフィット感は大きく変わってきますので、こちらもチェックするようにしてください！
シリオのおすすめ登山靴をご紹介！
ここからは、ハイキング入門者におすすめモデルから、本格トレッキングに対応するタフなモデルまで、日本人の幅広な足によく馴染むシリオの人気モデルを紹介していきます。レベルチャートでは、「ライトトレッキング」～「トレッキング」に当てはまるモデルを集めました。シリオのこだわり「ワイズ」や素材、ソールの張替えなども含め、それぞれの特徴をまとめました。静かな樹林帯や憧れの稜線を歩く時の、心強い相棒となる一足に出会えますように！
シリオ P.F.46
足入れの良さとフィット感に定評！
シリオ｜P.F.46 3E+ GRY GORE-TEX
出典:Amazon●目的レベル：ライトトレッキング ●ワイズ：３E+ ●ウエイト：580g/26.0cm ●ソールスタンス：8cm ●アッパー素材：撥水加工ナイロン、 撥水加工ナブックレザー ●ライニング：ゴアテックス:registered: ●ソール：シリオ・ビブラムIBEX 張替え 〇
足首を優しく包み込むアッパーにTPUリブケージを採用し、マッドガードが足首前後方向の動きを自由にしつつ、泥や砂利の侵入を防ぎます。また、ラバープロテクトで安定性を確保し、ブレのない足運びが可能です。ゴアテックス:registered:・パフォーマンス・コンフォート・フットウェア採用。カラーは「グレー（GRY）」と「フォレスト（FRT）」の２色。サイズ展開は、22.5cm～29.0cmでレディースからメンズまで対応。
シリオ P.F.302
ハイキング入門者におすすめ軽量モデル
SIRIO｜ P.F.302 CAFE カフェ トレッキングシューズ （Lady's）
●目的レベル：ライトトレッキング ●ワイズ：３E+ ●ウエイト：580g/26.0cm ●ソールスタンス：8cm ●アッパー素材：撥水加工ナイロン、撥水加工ナイロンメッシュ、 撥水加工マイクロファイバー、シンセティックレザー ●ライニング：ゴアテックス:registered: ●ソール：シリオ・ビブラム:registered:KOI 張替え ✕
ハイキング入門者から軽装備のライトトレッキングまでおすすめの、心強いパートナーになる一足。ナイロンメッシュ・タングで通気性もよく、マルチダイレクション・アンクルフレックスで足首の動きやすさと前後左右の適度なサポートを両立してくれます。アッパー素材のマイクロファイバー シンセティックレザーは、自然な風合いながら軽量な素材で、ソールのシリオ・ビブラム:registered:KOIと合わせて、軽量化を実現させています。ゴアテックス:registered:・パフォーマンス・コンフォート・フットウェア採用。カラーとサイズ展開は、「カフェ」22.5cm～28.0cm.29.0cm、「チタン」23.0cm～27.0cmで、レディースからメンス対応。
シリオ P.F.330
高級感のあるオールレザーモデル
シリオ｜ P.F.330 トレッキングシューズ （Men's）
●目的レベル：ライトトレッキング ●ワイズ：３E+ ●ウエイト：600g/26.0cm ●ソールスタンス：7cm ●アッパー素材：撥水加工済スウェードレザー、 撥水加工ナイロン、 アナトミックパッド、トゥ、ヒール・ラバープロテクト ●ライニング：ゴアテックス:registered: ●ソール：シリオ・ビブラムIBEX 張替え 〇
ホールド力の高い内部パッドが、かかと浮きを抑えて、高いフィッティング性を実現しています。ライトハイキングから本格的なトレッキングまでおすすめできる、応用範囲の広いオールレザーモデルです。アッパーのスウェードレザーは、しなやかで耐久性と撥水性に優れた素材です。ゴアテックス:registered:・パフォーマンス・コンフォート・フットウェア採用。カラーは「グレー」。サイズ展開は22.5cm～29.0cmで、レディースからメンズ対応。
シリオ P.F.430
軽量で堅牢なオールラウンドモデル
舗装路・不整地を問わず歩きやすい、軽量でタフなトレッキングシューズ。これから本格的にトレッキングを始めたい、という方にもおすすめできるモデルです。足首部分に設けられた「アンクルVパッド」は、足首を優しく包み、足後方へのストレスを軽減してくれます。カーキはレディースモデルで、従来の３E+ラストを女性用にボリュームを見直し、よりフィット性とホールド感を高めた３E＋レディースラストが採用されています。また、アッパーに使用されているベルワンガー・スウェードは、登山靴用皮革タンナーとして名高いイタリア、ベルワンガー社の撥水・透湿・耐久性に優れた素材です。ゴアテックス:registered:・パフォーマンス・コンフォート・フットウェア採用。カラーとサイズは「ハンター」25.0cm～29.0cm（メンズ・レディース対応）、「カーキ」22.5cm～25.0cm（レディース）です。
幅広４E+は「シリオ P.F.440」
SIRIO｜P.F.440 トレッキングシューズ
出典:Amazonワイズが４E+のモデルが「P.F.440」。素材やソールスタンスなどの特徴は、上の「P.F.430」と同じです。22.5cm～29.0cmまでのサイズ展開で、レディース・メンズに対応。
シリオ P.F.530
タフでしなやか！レディースモデル
シリオ｜SIRIO P.F.530 Women's
●目的レベル：トレッキング ●ワイズ：３E＋LadiesLast ●ウエイト：690g/25.0cm ●ソールスタンス：6cm ●アッパー素材：ダニ・アンフィビオ・ヌバックレザー アナトミックタング、アシメトリックアッパー ワイドラバープロテクト、 フレックスアンクルパッド、 スティールシューレースフック ●ライニング：ゴアテックス:registered: ●ソール：シリオ・ビブラム:registered:HAYABUSA 張替え 〇
この「P.F.530」は３E+LadiesLastを採用。レディースモデルとなります。女性の足型と歩行時の足の動きを考えたデザインが、つま先から甲、足首へと包み込むようにフィット・ホールドしてくれます。しなやかで足によく馴染むイタリア製ヌバックレザーと、シリオ・ビブラム:registered:HAYABUSAで、堅牢でありながら軽量。重い荷物を背負った縦走にも対応します。ゴアテックス:registered:・パフォーマンス・コンフォート・フットウェア採用。カラーとサイズは「ダークオリーブ」22.5cm～25.5cm。
シリオ登山靴のこだわりソール
シリオの靴のほとんどのソールは、ビブラム社のソール、またはビブラム社と共同開発したソールが採用されています。今回紹介したモデルでは、「P.F.430」「P.F.440」のシリオ・ビブラム:registered:CAMOSCIO、そして「P.F.46」「P.F.330」のシリオ・ビブラムIBEXは、広いコンタクトエリアでグリップ力に優れ、安定性を確保してくれます。また、泥落ちがよいセルフクリーニング設計。これらはソールの張替えに対応しています。「P.F.302」に採用されているシリオ・ビブラム:registered:KOIは、軽量かつ衝撃吸収性に優れたEVAミッドソールを採用しています。こちらはソールの張替え対応不可になります。
シリオとゴアテックス:registered:のテクノロジー
シリオ登山靴は、ほぼ全てのモデルにゴアテックス:registered:メンブレンを採用しています。防水耐久性と透湿性により、足をドライに保ち、気象条件に適した快適さを提供してくれます。今回ご紹介したモデルは、全て「ゴアテックス:registered:・パフォーマンス・コンフォート・フットウェア」という、広範囲の様々なアウトドア活動に最適なものが採用されています。
シリオのアフターサービス
甲高幅広の日本人の足を第一に考え、登山靴を開発するメーカー「シリオ」ですから、購入後の日本人の足のことも大切に考えています。足に馴染んだ一足を長く愛用できるというアフターサービスは、これから登山を始めたい方にとっては、とても心強いポイントとなるのではないでしょうか？
品質保証システム
シリオの登山靴を購入後１年間は、通常の使用で損傷した場合、かつソールの張替えをしていない場合に限り、無償で修理を受け付けてくれます。また1年以降でも、有料になりますが修理は受け付けてくれますので、購入店やシリオに相談してみることをおすすめします。
ソール張替え対応
張替えに対応しているソールかどうか、購入時に確認するようにしておきましょう。対応している登山靴のアッパーさえ傷んでいなければ、ソールの張替えが可能です。ソールの溝が5㎜以下になったら替え時です。安全に登山を楽しむためにも、購入店にソールの張替えを依頼しましょう。張替えにかかる日数の目安は2～3週間。場合によってはそれ以上かかることもあるので、余裕をもって修理に出しましょう。
まとめ
いかがでしたか？「シリオ」の、幅広の日本人の足専用に設計された登山靴は、今まで自分に合う靴がなくあきらめていた方にぜひ履いていただきたい一足です。窮屈な登山靴によるストレスがなくなれば、山の魅力を心から味わうことができるはず。ジャストフィットの登山靴で、登山がさらに楽しいものとなりますように！
耐久性と快適性を兼ね備えた、安心のゴアテックス:registered:メンブレンを採用。