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【沢登り入門編】沢登りの魅力とは?初心者に必要な基礎知識もご紹介!

沢登りは、普段見られないよう絶景を見ることができ、冒険心をくすぐる登山ができます。一方で沢登りは、危険が多い登山なので、入門者はしっかり準備をする必要があります。沢登りの魅力と、入門者に必要な基礎知識、服装や必要な装備について紹介します。
2018年5月6日
anntena
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沢登り |ヤマケイ・テクニカルブック 登山技術全書

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沢登りとは?

沢登りとは、沢に沿って歩いて山頂を目指す登山方法のことをいいます。 一般的な登山は、主に、尾根に沿って作られた登山道を歩いて山頂を目指しますが、沢登りは、水が枯れるまで沢に沿って歩き、最後に少し藪漕ぎ(やぶこぎ)をして山頂に到達します。 登山中、一般登山道はあまり使わないので、登山用語でバリエーションルート呼ばれています。

沢と一般登山道の違いは?

普通の登山道は、ほとんど尾根に沿って作られています。 尾根だと、位置が把握しやすく、見通しもよいので、古くから登山道として使われています。 沢に沿って、登山道を整備している場合もありますが、あまり多くありません。なぜかというと、沢には滝や崖があって、通れなくなるし、転落や滑落の危険性も高いからです。

なぜ沢登りをするのか?

沢登りは、そのような危険を覚悟で、あえて沢伝いに山頂を目指します。 なぜそのようなことをするかというと、普段見られない絶景と出会え、道なき道を自ら切り開く冒険心による興奮を味わえるからです。

沢登りの魅力

手つかずの自然風景を堪能

沢登りの魅力は、なんといっても、手つかずの自然風景を堪能できることです。 沢は、人の手を入れていないので、自然がありのままの状態で残っています。水の流れと色んな気象条件によって出来上がった、岩や地形は、なんとも見ごたえがあります。 また、普通の登山で見られる景色は、樹林帯と山頂から見える周辺の山々ですが、沢では、綺麗な水、豪快な滝、山頂手前(ツメ)の草原といった、変化に富んだ景色を見ることができます。もちろん山頂からの景色も楽しめます。 登山道の整備されていなかった大昔は、余計な木や藪のない沢を歩いて、山頂を目指したそうです。その意味で、沢登りは原始的な登山方法ともいえそうです。 そのような先人に思いをはせながら、沢を登るのも感慨深いものがあります。

掻き立てられる冒険心

それから、自ら道を切り開くという、冒険心も魅力です。 普通の登山道だと、決められた道を歩くだけですが、沢では、自らルートを慎重に選びながら進む必要があります。水の中を歩くのか、縁をあるくのか、滝を直登するか、巻くかなど、判断すべきことがたくさんあります。 危険は伴いますが、スリルと冒険心を掻き立てられ、解放感と快感を存分に味わえるでしょう。

暑い夏なのに涼しい登山ができる

沢登りは、涼しい登山ができることも魅力です。 山は標高が高いので、涼しいといっても、夏の登山はかなり暑くて汗がだらだら出ます。 それに対して沢登りは、水のそばを歩いて、時には水に浸かりながら歩くので、とても涼しく登山ができます。 ただし、山頂近くなると水が枯れてしまうので、そこからは暑いですが。。 真夏の暑い時期は、涼を求めて沢登りへ行くのをおすすめします。

沢のそばでテント泊、焚き火で暖を取ろう

焚き火もまた、沢登りの魅力です。 日帰りでは難しいロングコースの沢登りは、泊りでいくことになりますが、基本的に、テントまたはタープを持参して、空きスペースをみつけて張ります。 沢でテント泊するときの最大の楽しみは、焚き火です。沢登りでは、近くに水があるため、焚き火をするにも安全です。また、沢の水によって、夜は冷え込むので、焚き火で暖を取ることで、いっそう焚き火のありがたみを感じられると思います。 仲間と焚き火を囲んで、酒を飲みながら語らいあうのは忘れらない一夜となるでしょう。 沢登りに行く際は、是非ロングコースの沢を選んでテント泊することをおすすめします。

沢では、こんな魚もとれます。


焚き火はこんな感じでやります。

沢登りで見られる景色

沢登りでは、色んな景色が見られます。以下に、写真とともに、沢登りで見られる、魅力的な景色を紹介します。

滝・釜

沢登り中は、数多くの滝に遭遇します。小さい滝から大きい滝まで様々です。 普段の生活では、車ででかけて、観光地化された滝を見ることはあると思います。その際は、大きな滝を一つだけしか見ることができません。 しかし沢登りでは、一度行くと、数多くの美しい滝を見ることができます。次から次へと登場する滝に、何度も感動させれるでしょう。 大きい滝の下には、滝つぼがあって、沢登り用語では釜と呼んでいます。 この滝と釜の組み合わせが非常に美しい景観をみせるのです。

釜の沢の滝と釜です。

ナメ床・ナメ滝

ナメ床とは、川底が岩盤となっているところを流れる沢のことを言います。川底が岩盤なので、透き通った水が滑らかに流れており、非常に綺麗な景観となります。ただ、結構滑るので、歩行には注意が必要です。

米子沢のナメ床です。

ナメ滝とは、斜めの岩盤上を水が流れて滝になっている状態のことをいいます。ナメ床同様、水の流れが非常に綺麗です。

釜ノ沢のナメ滝です。

ゴルジュ

ゴルジュとは、切り立った岩壁にはさまれた、狭い谷のことをいいます。狭くなくっているので、水の流れが特に速くなっており、突破するには高度な技術が必要です。 迫力のある景観で、見ごたえがあります。

ナルミズ沢のゴルジュです。

ツメ

ツメ(源頭ともいいます)とは、沢の最上流部から稜線へ出るまでの登高のことをいいます。沢登りのフィナーレともいえる、素晴らしい景観を見ることができます。 沢から見た山頂は、尾根から見える山頂と違った見え方をして、格別に美しいです。

ナルミズ沢のツメです。

ナルミズ沢から大烏帽子山山頂へのツメです。

沢登りの歩き方(入門者向け基礎知識)

魅力いっぱいの沢登りですが、一方で、初心者や入門者にとっては多くの危険が潜んでいます。 しっかり必要な基礎知識を身に付け、安全に十分気を付けながら楽しみましょう。

地形図、遡行図を用意しよう

沢登りをするには、ルートから外れて迷わないよう、地形図と遡行図を扱えるようにしておく必要があります。沢は、何度も枝分かれするので、非常に迷いやすいです。枝分かれした場合に、どっちに行けばいいか判断する必要があります。 地形図は、等高線が記された地図で、標高と周辺の地形から現在地を把握できます。 ただ、沢はもっと複雑で、等高線だけだと現在地が把握できない場合があります。そんなときに、遡行図を使います。遡行図には、沢にどのような滝がいくつあるか、分岐がどこであるか、目印などを記しており、沢の全体像が分かるようになっています。 コンパスと、地形図および遡行図を合わせて使うことで、自分の現在地が把握でき、道に迷っていないことを確認することができます。 地形図は、2万5千分1地形図を書店で購入できます。 また、遡行図は、沢登りにガイドブックに記載されています。 初心者の方は、講習に参加するなどして、コンパス、地形図および遡行図を使いこなせるようにしておきましょう。


ごろごろした岩や石の上を伝って歩く

沢登りは、水の中を歩くばかりでなく、石や岩がごろごろしたところを歩くことが多いです。 普通の登山道は土なので歩きやすいですが、石や岩は不安定で、転倒事故が発生しやすいです。予想以上にぐらつく石(浮石)もあるので、慎重に足場を選びましょう。 また、自分が踏んだことで落石が発生して、ほかのメンバーに当たることがないよう、十分注意しましょう。

滝は直登するか高巻く

沢登りでは、数多くの滝に遭遇します。滝に遭遇するたびに、直登するのか、高巻くのか判断する必要があります。 自分が登れると思ったら、安全を確保しつつ直登しましょう。難しかったり、怖いと感じたら、高巻きましょう。高巻きは、滝をよけて迂回することをいいます。迂回するには、滝のサイドから藪へ分け入って、藪漕ぎをします。ひたすら藪漕ぎをして、滝を超えたと判断したら、また沢に下ります。 滝の直登と高巻きは、いずも初心者にとっては、難しいので、最初は必ず単独で行かず、上級者と一緒に行って教わるようにしましょう。 また、重いザックを背負ったまま、滝を登るのはかなり困難ですので、事前に岩登りの訓練もしておいた方がよいでしょう。

沢の分岐で迷わないようにしよう

地形図と遡行図のところで書きましたが、沢はいくつも分岐があります。沢の分岐で間違えて別の沢に入ると、登るのも下るのも困難になって、遭難や滑落などの事故につながりかねません。 そうならないように、分岐が現れると、慎重に、地形図と遡行図を使って、読図を行い、間違えないようにします。 沢での道迷いは、事故や遭難につながるので、初心者の方は、上級者に読図を教えてもらいながら、沢に入るようにしましょう。

最後のツメでは運悪ければ藪漕ぎも必要

沢をずっと登っていくと、水が枯れて、最後のツメとなります。ツメは、運が良ければ、素晴らしい景色の草原の中を歩いて山頂へ向かいます。 運が悪ければ、ひたすら藪漕ぎ、という場合もあります。沢でせっかく涼しい思いをしたので、藪漕ぎで大汗をかいてしまいます。服やザックを枝に引っ掛けながら、道なき道を山頂へ向かってひたすら進む必要があります。まあ、これはこれで良い思い出になることでしょう。 ツメでは、沢靴では歩きにくい場合もあるので、コンパクトなトレイルランニングシューズなどを、ザックにしのばせておくと便利でしょう。

沢登り入門者が注意すべきこと

沢登りには色んなリスクが潜んでいます。主に注意すべき点は以下の通りです。 ・急な天候変化による沢の増水 ・落石を発生させない ・浮石を踏んで転ばないようにする ・滝の登高中の滑落 ・急流に流される いずれも大事故につながりかねないので、初心者は、単独での沢登りは避けて、上級者と一緒に行きましょう。

単独の沢登りは危険?

沢登りは初心者は、単独ではなく、講習会に参加するなどして、上級者と一緒に行った方がいいでしょう。思わぬ事故が起きる可能性があるからです。 しかし、中には単独で沢登りに行きたいという人もいるでしょう。そのような人は、何度か上級者と一緒に行って訓練してから、挑戦するといいでしょう。 ただし、ロープを使わなくても(上級者に確保してもらわなくても)登れる、入門者向けの沢を選ぶ必要があります。 入門者向けの沢は、下部に示すようなガイドブックに詳しく遡行図やノウハウが書いてあるので、それらを参考にして臨むとよいでしょう。くれぐれも、事故を起こさないようにしましょう。 また、単独で行く場合は、道迷いによる事故が発生しやすいので、地形図と遡行図を使った読図ができるようにしておきましょう。

沢登りの服装(入門者がそろえるべきアイテム)

沢登りの服装は、基本的には、普通の登山と同じ服装で問題ないですが、水に濡れてもすぐ乾く、吸汗速乾の機能をもった服装を選ぶようにしましょう。 トップは、吸汗速乾のシャツやTシャツ、ボトムは、撥水性のある軽量なパンツという組み合わせの服装がおすすめです。 ただし、水の近くで、寒くなる場合もあるので、防寒用の長袖シャツなども携行していくとよいでしょう。 沢登りの服装で、普通の登山と違うのは、靴下、手袋、シューズなどの装備です。

靴下は、保温性があって、砂や小石の侵入を防いでくれるネオプレン製のソックスをおすすめします。

手袋も、ネオプレン製のグローブをおすすめします。 これだと、滝を登る際、岩を掴むときに手を保護してくれるし、指先の部分がカットしてあるので、ロープやカラビナが扱いやすいです。

シューズは、重要な装備で、沢登り専用シューズを用意する必要があります。靴底にフェルト素材を使ったものを使えば、沢でも滑りにくくなります。

沢登り用のザックは、水に濡れても保水しないタイプのものがおすすめです。水が入ってもすぐ抜けていくので、ザックが水を吸って重くなるようなことがありません。 ただ、ザックについては、釜などの水中へ積極的に入らない場合、普通の登山用ザックでも問題ありません。大きなごみ袋などで、中の荷物を包んでザックにパッキングすれば、濡れる心配はなくなります。

出典: https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1223369

沢登り用のザックとしては、こちらのモンベルのサワークライム パックがおすすめです。


モンベル サワークライムパック 40 #1223369【CP】

出典:Amazon

沢登りの装備(入門者がそろえるべき装備)

沢登りでは、危険が伴うので、専門的な装備も必要になります。最低限あったほうが良いのは、ヘルメット、ロープ(8mm x 30m)、ハーネス、懸垂下降するための下降器などです。

入門者の方は、講習に参加するか、山岳会に入会するなどして、使い方を学びましょう。

沢登りに入門するには?

沢登りは、初心者が、単独で行くには事故のリスクがあります。安全に始めるには、講習会に参加するか、山岳会に入会するとよいでしょう。

入門者は講習に参加しよう

沢登りの講習会は、山岳ガイドや登山用品店などが主催しています。 講習会では、実際に沢を登りながら、ノウハウから、服装、装備まで一通り教えてくれます。 アウトドア用品のモンベルは、講習会を積極的に開催しています。全国各地の様々な沢で、頻繁に(多いときは月に10回以上)開催しており、実績もあるので、初心者が参加しやすいでしょう。

出典: http://event.montbell.jp/plan/?cid=11

講習会はお金がかかりますが、確実に沢登りを体験できるのが魅力です。

入門者は山岳会に入ろう

山岳会はそれぞれの地域にあります。だいたい大きな市に、一つの山岳会はあるでしょう。住んでいる地域の最寄りの山岳会に入れば、沢登りを始められるでしょう。 ネットで、"自分が住んでいる地域名"と"山岳会"で検索すると、最寄りの山岳会をみつけることができるでしょう。 山岳会のいいところは、お金があまりかからないこと、熟練の先輩たちが丁寧に、上達するまで教えてくれることでしょう。ただし、人の集まりなので、先輩たちと良い人間関係を築く必要があります。

沢登り入門者におすすめガイドブック

沢登り入門者におすすめのガイドブックを紹介します。

沢登り |ヤマケイ・テクニカルブック 登山技術全書

出典:Amazon

こちらの、”沢登り”は、装備や服装から、基本的な登攀技術まで網羅されています。 沢登りに関する幅広い情報をカバーしているので、入門者は是非一読することをおすすめします。

決定版|関東周辺沢登り50コース

出典:Amazon

こちらの、”関東周辺沢登りベスト50コース”は、初心者から上級者まで対応する沢登りのコースが遡行図とともに紹介されています。 難易度や、どのように攻略するかを解説しており、行く前にイメージしやすいです。単独で行きたい場合でも、解説文を読むと、自分の実力で行けそうかどうかも判断もしやすいでしょう。

まとめ

沢登りの魅力と基礎知識、服装や必要な装備について紹介しました。 沢登りは、普通の登山では味わえない魅力がいっぱいの山行です。 普通の登山以外もやってみたいという方にとっては、エキサイティングすること間違いないと思うので、安全に気を付けながら、是非挑戦してほしいと思います。