ザ ノースフェイス |テルス 45 NM61509
ナンガ|スウェルバッグ280DX ロング
モンベル |ダウンハガー800 #3
ファイントラック|ポリゴンネスト 6×4
モンベル | U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 150
山と道U.L.Pad15s+ 100cm x 50cm x 1.3cm
アライテント|ライペン オニドーム2 ONI DOME 2 フォレストグリーン 2人用
モンベル|テント クロノスドーム2型 (2人用)
エスパース|マキシムナノ 1-2人用
ファイントラック|ツエルト2ロング カラー:MO(モス) FAG0123
シックスムーンデザインズ|ルナーソロLE グレー 一人用(1人用)
ザックカバー製品の例|(商品名 イスカ パックカバー45 ブラック )(35-45㍑)
シートゥサミット| eVentコンプレッションドライサックS 1700061
1 パッキングとは?
(1)パッキングとは
パッキング(packing)は、英語のpack=詰める、包装が原義で、登山では、お山に持参する荷物、即ち装備を荷造りすることをいい、「ザックに1泊2日分の装備をパッキングする。」といった使い方をします。
(2)パッキングは登山の基礎
今回は、テント泊をモデルに、安全で快適な山行の基本となるザックのパッキングとそのコツをご紹介します。 テント泊を行うには、様々なテント泊用の荷物を効率よくザックにパッキングできるスキル、体への負担を軽減しつつ、天候やルートにも注意して、目的地に無事、到着できる知識、体力、判断力が求められます。
2 登山のパッキング
(1)快適に歩くために
お山は、自分の足腰でザックを背負って歩かなければなりません。 様々な装備を臨機応変に判断して適切にパッキングする技術、コツやノウハウは、長時間、お山を移動する登山者にとって一日のトレールを快適にこなしてゆくための、大事なポイントと言えます。
(2)こんなパッキングはNG
ザックを背負ってみて、 ① 荷物の一部が背中にあたる ② 背負うと左右どちらか一方に傾いている感じがする ③ 体が後ろに引かれるような気がする などは、パッキングに問題があり、体力を余分に消耗させる一因になります。 適切なパッキングを行うことは、登山を快適にする重要なファクターで、自身にも大きなメリットのあることです。
3 パッキングする登山装備は?
(1)テント泊の登山装備
テント泊には、どのような装備が必要なのでしょう。 ザックにパッキングする必要のある主な荷物をあげると、次のようになります。 ① 着る レイヤリング衣類、防寒着(ダウンジャケット、フリース等)、手袋、帽子、レインスーツ、スパッツ、靴下、登山靴、スタッフバッグ など ② 食べる 食料、燃料、調理用ストーブ、クッカー、マグカップ、ボトル類 など ③ 住む ザック、テント(またはツエルト)、シュラフ、スリーピングマット&ピロー、ヘッドランプ など ④ その他 トレッキングポール、カメラ、地図、コンパス、スマホ、時計 など
(2)登山装備の重量は?
装備の重量を自分で事前に確認し、できるだけ軽くなるように努める必要があります。 着用する衣類等を除き、2泊3日の想定で試算すると、ザックを含めた荷物の重量は、概ね10kg前後となります。 これに食料(1~2kg)や水(1㍑=1kg)が加わる訳ですから、パッキングする装備の選択とその軽重は、とても重要なことです。
(3)ちょっとした工夫も
出発時にパッキング内容を判別できるようにしていないと目的地に到着し、テントを張る段階で混乱してしまいます。出発前に一工夫して ① スタッフバッグなどの収納ケースやビニール製袋に分類する ② 留めバンドなどを色分けする ③ 油性マジックで中身を記載しておく など、自分が判別しやすい、こまめな作業をしておくことがおすすめです。
4 パッキングの前に
(1)今日1日使うものを考える
ザックにパッキングする前に気を付けたいことは、行動中に使う装備を予想し、すぐに出せるようにしておくことです。 ① 出発時、降雨が予想される場合は、レインスーツとスパッツをセットにしてザックの一番上へ ② 行動中に食べる行動食は、ザックのサイドポケットなどへ なお、水は途中に水場があれば、補給しつつ行動すれば重量をコントロールできます。
(2)自身で記憶しておく
ザックのどこにその日の行動に必要なものを収納していて、どのタイミングでそれを使用するか、出発時に確認しておくことが、1日の動きが快適でスムースにし、落ち着きにつながって安全に目的地に着くコツです。
5 パッキングの順番
(1)ザックを4ゾーンに分ける
パッキング順の基本は重量で、「荷物でかさばる軽いものは底に、重い食料やテント類は上に」します。 ザックを次の4つに分けて収納すると、背負いやすく、快適です。 ① 軽いけれどかさばり、行動中使わない、シュラフやスリーピングマット、着替え等は、スタッフバッグ等に収納などしてザックの底へ ② 一番重い食料、クッカー類やテントなどはザックの背中側へ ③ 天候や状況ですぐ取り出す可能性のあるレインスーツやスパッツなどは②の上か、①の上のザックの外側へ ④ 行動食や地図、手帳など、行動中に頻繁に使用するものは一番上か、腰ベルト等の収納へ
(2)体感の重量はパッキングで変わる
ザックは、肩と腰を支点に背中全体に荷重を分散すると背負いやすく安定するので、パッキングのコツは、 ① ザックの幅ができるだけ横に広くなるようにパッキングすること ② 装備を詰め込み過ぎないこと ③ ザックの中に隙間(=空間)をつくらないこと です。 背中全体をザックが包むようにパッキングすると軽く感じ、小さな改善で体感の重量も変化します。 スタッフバッグ等を活用して隙間をなくすパッキングも効果的で、身体の負担を少なくするよう工夫すれば、登山の疲労度は大きく軽減されます。
6 歩きやすいパッキング
(1)すっきりとした外観は意外と大事
ザックの外側に安易に装備を吊るすと、登山の安全確保に影響する場合があります。 特に、槍ヶ岳~穂高連峰など岩稜やはしご、鎖の連続する厳しいコースでは重要ですので、気を付けましょう。 ① クローズドセルフォームのスリーピングマットをザックの一番上にくくりつける。 → かさばり、歩く妨げになってパッキングの原則にも沿っていない。 ② シェラカップやペットボトルがザックのサイドでぶらぶらしている。 → 狭い岩稜でのすれ違いやはしごの通過、鎖使用時などで体の安定の妨げになる。
(2)歩きやすいパッキング
行動中に使用する装備や行動食等は、すぐ取り出せるよう、ザックの一番上やサイドタッシュなどに、使わない装備は、スタッフバッグ等を使ってコンパクト化しザックの中に収納するようにしましょう。 例えば、マットはザックの中に丸めて収納し、その骨格に使うとともに、荷物の保護にも活用するという、裏技もあります。 創意と工夫を凝らし、パッキングの効用をあげて快適な登山をしましょう。
7 よくあるパターン
(1)ザックに収まらないときは
いざ、パッキングしてみたらザックに収まり切らない。 よくあるケースですが、原因は、山行に必要としない装備が入っていることが多いです。 ① この登山で、この装備を使用することがあるか ② どういった使い方をするために必要なのか を考え、自身で装備の取捨選択を行いながらパッキングするのがコツです。 また、スタッフバッグ等を活用して装備を小さくまとめる方法も有効です。
(2)登山に不要な装備を見分ける
装備の取捨選択のポイントは、 ① 「迷ったら、その装備は持っていかない」と割り切る ② 「一つの装備に二つの役割」を持たせるように心がける です。これは重量の軽減にも大きな効果があります。 例えば、トレッキングポールは行動中のバランス確保に有用ですが、テント泊には無用の長物。 でも、ツエルトのポールに使えば、二つの役割を一つの装備で果たすことができます。 装備の効用を上げ、オリジナルの工夫を常に心がけるとテント泊の楽しみが倍加します。
8 ザック選び
(1)ザックの容量
パッキングを適切に行うためには、ザックの選定は大切です。 2泊3日のテント泊登山を想定すると、ザックの容量は、装備や持参する食料等で変動しますが、45~55リットルくらいの品が適当で、ザック自体の重量も1~2kgの間にほぼ収まり、それ自体の強度で登山者の動きを支え、疲労の軽減にも効果があります。
(2)ザックが体にあっているか
ザック選びの一番のポイントは、背負いやすいこと。 チェックすべき点は、 ① 背面長が自身にあっている製品かどうか ② 胸、腰のベルトの位置が体に合っているかどうか などがあります。 特に、背面長は、外観や体格と一致するとは限りませんから、あらかじめ計測しておきましょう。 また、腰ベルトだけ締めて立ち上がってみて、ザックが身体の後ろに倒れる場合は、体にあっていないことが多いので、気を付けましょう。
(3)迷った時は
ザック選びに迷った時は、機能や収納か所の多いものが使い勝手が良く、色も選択のポイントになります。 レイヤリング等とのカラーバランスも考えてみましょう。 そして言い古された言葉ですが、「大は小を兼ねる。」は結構重要で、迷ったら「大」を選択しておくと何かと便利なことが多いです。
9 シュラフ
(1)素材の選択
テント泊の暖かい寝床である、シュラフ。 大きく分けて、ダウン(羽毛)と化繊綿の二種類の素材に分けられます。 その特徴は、 ① ダウン ・長所 保温力に優れ、小さくコンパクトに収納できる ・短所 濡れに弱く、湿るとダウンのかさ(空気層)が小さくなって保温力が低下する ② 化繊綿 ・長所 濡れても乾燥でき、保温力も大きく低下しない ・短所 ダウンに比較して保温力でやや劣り、かさばることが多い
(2)おすすめのシュラフ3点のご紹介
ダウンでは、撥水加工を施した国産品ナンガの製品や布地が伸縮するモンベルの製品などがあります。 また、化繊綿では、ダウンの弱点、濡れによる保温力の低下が少なく、軽量で乾かすことができる製品がファイントラックから発売されています。 両素材は、その機能が近年、著しく改善されつつあり、スタッフバッグ等の収納資材の充実もあって、自身の好みのシュラフの選択肢は広がっています。
① ダウン
ナンガ|スウェルバッグ280DX ロング
快適使用温度 : -2℃〜 ●使用可能限界温度 : -7℃ ロングサイズ : 最大長228cm×最大肩幅85cm(身長185cmまで) 生地 : 20dnナイロンシレ撥水加工 内部構造 : シングルキルト構造 ダウン量 : 280g+20g (この商品は国内で洗浄したヨーロピアンマシンピックホワイトダックダウン90−10%を使用いたしております。) フィルパワー : 760FP 収納サイズ : φ13×20cm 総重量 : 560g+20g カラー : CBL/BLK(コバルト/ブラック)
モンベル |ダウンハガー800 #3
生地:表地10デニールバリスティックエアライト 撥水:ポルカテックス撥水加工 帯電:静電気を軽減する帯電防止加工 重量:575g(スタフバッグ込重量600g) 収納サイズ:14×14×28cm(3.4L) 旧品番:1121206のモデルチェンジ版 温度帯:リミット温度-2度、コンフォート温度3度
② 化繊綿
ファイントラック|ポリゴンネスト 6×4
重量 630g 素材 表:ナイロン100% 裏:ナイロン100% 中間層:ポリエステル100% 原産国 日本 注釈 使用可能下限温度:0℃ 身長185cmまで 収納サイズ:Φ15.5cm×29cm
(3)シュラフの保温力を引き出すスリーピングマット
地面の冷気を遮断してくれるスリーピングマットはテント泊には必須です。空気注入式とクローズドセルフォームの2種類のタイプがありますが、どちらかを忘れずに準備しましょう。 また、スリーピングマットとシュラフとの間は、人の重みで空気層がつぶれ保温力は小さいため、シュラフが暑く感じるときは、シュラフを上下逆にして中に足だけを入り、上半身は被るという裏技もあります。
① 空気注入式の例
モンベル | U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25 150
【素材】表地:30デニール・ポリエステル・リップストップ[TPUラミネート] クッション材:ウレタンフォーム 【重量】556g(571g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量です。 【カラー】サンセットオレンジ(SSOG) 【サイズ】長さ150×幅50×厚さ2.5cm 【特長】リペアキット付属/スタッフバッグ付き 【収納サイズ】φ14.5×25cm
② クローズドセルフォームの例
山と道U.L.Pad15s+ 100cm x 50cm x 1.3cm
\3,200 SIZE:50cm x 100cm x 1.3cm パッケージSIZE:52cm×直径16cm 重量:113g(実測と異なる事がございます。) 素材:XLPEフォーム Made in:U.K.
10 テント
(1)登山で宿泊に用いる装備
登山用のテントは、オートキャンプ用と違い、防水や耐風面で強化されていて、重量も一式で1.5kg前後の製品が中心となっています。 通常、テント本体、フライシート、ポール、ペグ、張綱など、必要な品がセットで販売され、持ち運びに便利な、コンパクトで軽量な製品が主流です。 また、単独行やスルーハイクを行う人の間では、さらに軽量なツエルトやシェルターを用い、より荷物を軽くして歩く人も多いといわれています。
(2)登山する山域による使い分け
日本アルプスなど森林限界を超える標高で、テント泊する場合は、雨や強風にしっかりと耐える強度のあるフライシート付きテントがおすすめです。 一方、森林限界以下では、耐風性は少し劣っても、軽量でより自然を身近に感じることができるツエルトやシェルターなどの選択肢もあります。
① おすすめのテント3点のご紹介
アライテント|ライペン オニドーム2 ONI DOME 2 フォレストグリーン 2人用
1,480g(本体+フレーム+フライシート) サイズ 設営時:間口166(最大240)×奥行157(就寝部115)×高さ98cm 収納時:本体31×14φcm カラー 本体:クリーム フライ:オレンジ、グリーン シート:グレー 素材 本体:28dnリップストップナイロン フライ:30dnリップストップナイロンPUコーティング シート:40dnナイロンタフタPUコーティング フレーム:NSL9フェザーライト(DAC社製)
モンベル|テント クロノスドーム2型 (2人用)
素材: キャノピー/68デニールポリエステルタフタ(通気撥水加工、難燃加工) フロア/70デニールナイロンタフタ(耐水圧2000mmウレタンコーティング、難燃加工) フライシート/75デニールポリエステルタフタ(耐水圧 1500mmウレタンコーティング サイズ:長さ約230cm×幅130cm×高さ105cm、 収納サイズ約17cm×17cm×35cm、 ポールバッグ約6×6×44cm 重量:本体重量約2180g (ペグ張り綱スタッフバッグ込約2430g) 機能:独自の構造による広い天頂部。通気性に優れ、 室内の温度調整も容易。 構成:テント本体1、フライシート1、本体 ポール1組、3mm張り綱5本、 16cmアルミペグ14本、 ポール応急用パイプ1本
エスパース|マキシムナノ 1-2人用
重 量:1.25kg(ペグは別:0.13kg) サイズ:間口210×奥行き110×高さ115cm(内寸高110cm) カラー:本体/ライトグリーン、グランドシート(バスタブ式)/ダークグレイ 生 地:本体/30D66ナイロンリップストップ・ナノテック ス加工、グランドシート/40Dナイロンタフタ、ウレタン 防水加工 ポール:DAC製アルミ合金中空ポール・フェザーライト NSL(7001-T6)、直径9.0mm セット内容:テント本体(入口モスキートネット、ベンチ レーターモスキートネット装着済み)、ポールセット、 予備バラポール1本、収納袋、自在付き張り綱4本、 ペグ10本、取り扱い説明書
② おすすめのツエルトとシェルター各1点のご紹介
ファイントラック|ツエルト2ロング カラー:MO(モス) FAG0123
重量 340g 素材 15dリップストップナイロン100% (ポリウレタン防水透湿コーティング) 原産国 日本 注釈 奥行220(天頂部170cm)×間口100×高さ95cm [収納時:10×5×19cm]340g(本体のみ)
シックスムーンデザインズ|ルナーソロLE グレー 一人用(1人用)
定員 1人 本体重量 850g 広さ W229cm×D122cm(MAX199cm)×H122cm 素材 フライ:3D Silicon Nylon 底面:70D Silicon Nylon ネット:40D No-see-Um カラー グレー
11 濡れ防止対策の重要性
(1)濡れないことの大切さ
濡れは、人の体温を奪い、装備の保温力を失わせる点で、安全に直結します。 テント泊では一度濡れると乾燥させることは難しく、濡れ防止対策を徹底しておくことが大事です。 雨天時は体幹が濡れない対策を行うように、ザック・パッキングでも濡れ防止は大きなポイントで、外からの雨等の侵入から守るとともに、ザック内の装備も濡れない対策を十分に行うようにしましょう。
(2)防水とスタッフバッグの活用
ザックの内外両面から防水対策を徹底して置きましょう。 ① 外からの防水 ザックにシームシーリング処理をして防水機能を高めた製品やザックカバーの活用 ② 内からの防水 ビニール袋でくるむという古典的方法より、完全防水のスタッフバックの活用が優れ、容量やカラーも種類が多く、収納に便利です。
ザ ノースフェイス |テルス 45 NM61509
1,730g シームシーリング処理済、ザックカバー内蔵
ザックカバー製品の例|(商品名 イスカ パックカバー45 ブラック )(35-45㍑)
120g
シートゥサミット| eVentコンプレッションドライサックS 1700061
129g 容量 最大10㍑
12 まとめ
いかがだったでしょうか。パッキングは、基本とコツを押さえれば、初めての方も大丈夫です。 実際の登山では、自身の創意と工夫でより使いやすくしましょう。 ザック・パッキングは、その方のお山の総合力をはっきりと示します。テントやシュラフなどの荷物をその軽重によって適切に収納し、防水対策への配慮も怠らないパッキングスキルを身に着けると、ザックの使いやすさに直結し、見た目も軽く感じ、安全にもつながります。 基本原則を順守したスマートなパッキングを心がけましょう。
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